契約法務
Contract――――
契約の一般条項を勉強しよう|契約不適合責任-法律上の原則
今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、契約不適合責任条項に関連して、契約不適合責任の法律上の原則について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 契約不適合責任とは 契約不適合責任は、売買契約において、 物の契約不適合(契約の目的物が引き渡されたものの、それが契約の内容に適合していなかったという不完全履行) 権利の契約不適合(契約の目的 ...
契約の一般条項を勉強しよう|管轄条項
今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、管轄条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 法律上の原則 まず、管轄条項がなかった場合はどうなるかというと、法律上の原則に従うことになります。 法律上の原則としては、法定管轄があります。 法定管轄の種類としては、職分管轄、事物管轄、土地管轄があります。 また、これらの法定管轄は、拘束 ...
契約の一般条項を勉強しよう|契約不適合責任条項
今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、契約不適合責任条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 契約不適合責任とは 契約不適合責任とは、売買契約において目的物の引渡し(あるいは権利の移転)がなされたものの、それが契約の内容に適合していなかったという場合に、売主が負う担保責任のことです。 売買以外の有償契約(例えば請負契約など) ...
M&A法務|株式譲渡契約(SPA)-コベナンツ(ポスト・クロージング事項)
今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうち誓約事項(コベナンツ)について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です コベナンツには、クロージング(取引実行)の前か後かで、大きく ①プレ・クロージング事項(取引実行前の誓約事項。プレクロ事項)②ポスト・クロージング事項(取引実行後の誓約事項。ポスクロ事項) がありますが、本記事は②の話です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるもので ...
契約の一般条項を勉強しよう|債務不履行による解除(法定解除)
今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、解除条項に関連して、債務不履行による解除について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています 解除条項の法的意味を把握するための前提として、法律上の原則にあたるところの法定解除についてざっと確認してみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 解除の種類 解除の種類には、大きく、 法定解除 約定解除 合意解除 の3つがあります。 ①法令解 ...
M&A法務|株式譲渡契約(SPA)-サンドバッギング条項
今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうちサンドバッギング条項について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 サンドバッギングとは サンドバッギング(sandbagging)とは、ざっくりいうと、表明保証違反があったときに、表明保証の相手方がその違反につき悪意であっても(あるいは有過失であっても)表明保証責任を追及することができる ...
コンプライアンス法務
Compliance―――――――
消費者契約法を勉強しよう|免責条項-契約不適合責任
今回は、消費者契約法を勉強しようということで、契約不適合による損害賠償の免責条項について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 免責条項の無効(法8条1項1号・2号) 契約不適合による損害賠償の免責条項も、基本的には債務不履行の場合と同様です。 全部免責を定めるものは法8条1項1号に該当し無効となり、一部免責でも、故意・重過失の場合を免責するものは2号に該当し無効となります。 契約不適合も債務不履行の一種(不完全履行)なので、条文上も特に区別され ...
独占禁止法を勉強しよう|不公正な取引方法-取引妨害・内部干渉
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、不公正な取引方法のうち取引妨害、内部干渉について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 取引妨害・内部干渉のグループ 取引妨害・内部干渉は、告示類型のみとなっています。 ①競争者に対する取引妨害(一般指定14項)と②競争会社に対する内部干渉(一般指定15項)があります。どちらも、競争相手に対するものです。 全体像は以下のとおりです。 「取引妨害・内部干渉」のグループ(6号ヘ参照) 行為類型細分類法定類型 ...
下請法を勉強しよう|親事業者の禁止行為-不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止
今回は、下請法を勉強しようということで、親事業者の禁止行為のうち不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止について見てみたいと思います。 下請法の適用対象になったとき、親事業者には以下のような11の禁止事項が課せられます。 【親事業者の11の禁止事項】(4条1項のグループ)①受領拒否の禁止②下請代金の支払遅延の禁止③下請代金の減額の禁止④返品の禁止⑤買いたたきの禁止⑥購入・利用強制の禁止⑦報復措置の禁止(4条2項のグループ)⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止⑨割引困難な手形の交付の禁止⑩不当な経済 ...
独占禁止法を勉強しよう|私的独占の禁止
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、私的独占の禁止について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 私的独占の禁止 基本的な条文は、私的独占の禁止を定める法3条と、その定義を定める法2条5項になります。 ▽法3条 第三条 事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。 ▽法2条5項 ⑤ この法律において「私的独占」とは、事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもつてするかを問わず、他 ...
犯罪収益移転防止法を勉強しよう|代表者等と顧客等との関係の確認方法
今回は、犯罪収益移転防止法を勉強しようということで、代表者等と顧客等との関係を確認するときの方法について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 代表者等と顧客等との関係の確認(規則12条5項) これは、代理を介した取引である場合は、 代理人などと顧客等の関係 についても確認しなければならない、ということです。 代理の一般的な図にあてはめていうと、 【本人】(「顧客等」) | | ←ココの関係を確認 |【代理人】———取引———【事業者】(「 ...
独占禁止法を勉強しよう|不公正な取引方法-不当な顧客誘引・取引強制
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、不公正な取引方法のうち不当な顧客誘引・取引強制について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 不当な顧客誘引・取引強制のグループ 不当な顧客誘引・取引強制は、告示類型のみとなっています。 不当に競争者の顧客を自己と取引するように「誘引」することが、不当な顧客誘引であり、欺瞞的顧客誘引と不当利益顧客誘引があります(一般指定8項・9項)。 不当に競争者の顧客を自己と取引するように「強制」することが、取引強制 ...
コーポレート法務
Corporate―――――
グループガバナンスと法務|商標管理体制
今回は、グループガバナンスと法務ということで、企業グループにおける商標管理体制について見てみたいと思います。 なお、知財管理レベルの高いグループ(グローバル企業や化学分野が主力の業界など、商標権に限らず知財戦略が磨かれた企業群)を想定したものではなく、また管理人の個人的意見です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標管理体制の考慮要素 商標の管理体制については、いくつかの考慮要素にわけて、その組み合わせにより、強弱さまざまな管理体制のパターンを考える、というのが ...
ファンド法務|投資ビークルの種類
今回は、ファンド法務ということで、投資ビークルの種類について見てみたいと思います。 いろいろなビークルがあって混乱しがちな部分ですが、大まかに分類しておくと意外とすんなり頭に入ります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 投資ビークルの種類 投資ビークルというのは、投資ファンドを組成するときにその中心となるものです。 投資ファンドは投資家から資金を集めてプールし、それを専門家(ファンドマネージャー)が運用する仕組みですが、この受け皿となるのが投資ビークルです。 基本 ...
インサイダー取引規制|情報伝達行為・取引推奨行為の禁止
今回は、インサイダー取引規制を勉強しようということで、インサイダー取引規制のうち情報伝達行為・取引推奨行為の禁止について見てみたいと思います。 インサイダー取引規制には、大きく「会社関係者」と「公開買付者等関係者」に対する規制がありますが、 ① 会社関係者の禁止行為 ・規制対象となる主体 ・規制対象となる情報 ・規制対象となる取引② 公開買付者等関係者の禁止行為 ・規制対象となる主体 ・規制対象となる情報 ・規制対象となる取引③ ①②とも情報伝達行為・取引推奨行為の禁止 ←本記事 その中で、本記事は黄 ...
ファンド法務|デットとエクイティ
今回は、ファンド法務ということで、デットとエクイティの違いについて見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 デットとエクイティ デット デット(debt)というのは、金融機関からの借入金や社債のように、返済義務のある負債のことです。 資金調達する側からみると、将来の元本と金利の支払いが義務づけられるものです。 投資する側(銀行など)からすれば、元利金が確定しているもの(あらかじめ決められた期日に約定された利率の利子と元本を受け取る権利を有する)であ ...
開示制度|適時開示-発生事実に関する開示
今回は、開示制度ということで、適時開示(取引所規則に基づく開示)のうち発生事実に関する開示について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 発生事実の開示時期 発生事実とは、会社に発生した重要事実のことで、発生後直ちに開示することとされています(上場規程402条、403条)。 実務上、遅くとも発生した日のうちには開示しなければなりません実際の時刻としては、その日の取引時間の終了後(引け後)に開示されることも多いかと思います(適時開示ガイドブック第1 ...
インサイダー取引規制|会社関係者の禁止行為-規制対象となる情報(重要事実)
今回は、インサイダー取引規制を勉強しようということで、会社関係者のインサイダー取引規制のうち規制対象となる情報について見てみたいと思います。 インサイダー取引規制には、大きく「会社関係者」と「公開買付者等関係者」に対する規制がありますが、 ① 会社関係者の禁止行為 ・規制対象となる主体 ・規制対象となる情報 ←本記事 ・規制対象となる取引② 公開買付者等関係者の禁止行為 ・規制対象となる主体 ・規制対象となる情報 ・規制対象となる取引③ ①②とも情報伝達行為・取引推奨行為の禁止 その中で、本記事は黄色 ...
誹謗中傷と批判的な表現の判断基準って?
ネット誹謗中傷の議論が高まるにつれて、どんなものが誹謗中傷になるんだ?とか、批判や意見じゃなくて違法になる表現ってどんななんだ?という悩ましい問題が意識されるようになってきているように思います。 「誹謗中傷」というのは法律上の用語ではないので、誹謗中傷=直ちに違法な表現、という意味で使われているのか、誹謗中傷のなかに、違法なものとそうでないものがあるのか、外縁がはっきりしないですけど…。このへんは言葉の問題で人によって違うと思いますので、深入りしないでおきます。 ここでは、自分の整理も兼ねて、民事責任と刑 ...
箇条整理シリーズ|刑事弁護人の選任方法
実務や理論を箇条書きで整理する,「箇条整理」シリーズ。 今回は,刑事弁護人の選任方法について。 刑事弁護人の選任方法 当番弁護で接見にいったときは,自分の立場(当番弁護士というもの)の説明をするほか,刑事弁護人を選任するにはどのような方法があるのかについて教示する。 そのときの,頭の中での選任方法の整理は,以下のとおり。 ただし,②は私選の一種である(弁護人選任届が必要)。 刑事扶助の位置づけ 結局,基本は,①の国選か?③の私選か?なのだが,②の刑事扶助の位置づけがわかりにくいので,少し説明をする。 刑事 ...
最判令和2年7月30日|GPS事件最高裁判決ーストーカー規制法「見張り」の解釈
今回は、GPS最高裁判決を取り上げてみたいと思います。 この最高裁判決は、車にGPSを取り付け遠隔監視する行為について、ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)にいう「見張り」にあたらないと判断した、というものです。 ニュースとしては、例えばこちら。 ▽ストーカーがGPSで居場所を追跡しても「見張り」に当たらず 最高裁が初判断|東京新聞 TOKYO Webhttps://www.tokyo-np.co.jp/article/45997 なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるもの ...
発信者情報開示制度の改正論|11月最終取りまとめ案
ネット誹謗中傷の問題に関して、発信者情報開示制度の改正論が引き続き注目されていますが、総務省の「発信者情報のあり方研究会」から、先日、11月を目途と言われていた最終取りまとめの案が出されていました。 ニュースとしては、たとえばこちら。 ▽ネット中傷、訴訟しなくても投稿者を開示 総務省が検討|朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASNCD6G17NCDULFA018.html 最終とりまとめ(案)の原文はこちらから。 ▽発信者情報開示の在り方に関する研究会(第10回 ...
誹謗中傷への法的対処って?
クソリプという言葉とともに、誹謗中傷への法的措置が話題に上ることが増えてきましたね。 管理人も対処したことがありますが(法律事務所と企業内の両方)、法的対処の流れについて簡単な記事にしてみました。 ※本記事は2020年1月23日作成の記事で、その後法改正がされています 法的対処は2段階を経る 加害者の特定、つまり住所氏名の開示に至るまでには、2段階あって、 ①書き込みからIPアドレスを特定(=媒体に開示請求)②IPアドレスから住所・氏名を特定(=プロバイダに開示請求) となります。 ①はわりと簡単ですが、 ...
箇条整理シリーズ|いじめ防止対策推進法
実務や理論を箇条書きで整理する,「箇条整理」シリーズ。 今回は,いじめ防止対策推進法について。 触れる機会があったので、ほんの触りだけだが整理しておきたいと思う。 「いじめ」の定義 いじめの上記定義は極めて広いものになっている。 反復性、継続性、顕著性、重大性、一方性、などなど、範囲に絞りをかける要素はいくつか考えられると思うが、いずれも入っていない。 これは、いじめの有無が疑われる場合の学校側の対処として「今回の件は~だから、いじめには該当しない」という形での反論がなされ、解決を阻むことが多かったからと ...
インハウスローヤーに向いている人・向いていない人
今回は、インハウスローヤーに向いている人・向いていない人、という話を書いてみたいと思います(もちろん、管理人の個人的意見)。 働き方で一般的に大事にされること 働き方については、一般的には、 何をして働くのか 誰と働くのか 報酬(見返り)はなにか が大事なのだろうと思っていますが、弁護士など士業の場合は、 「一国一城の主」を重視するのか というのを、前提条件的に重視している人も多いだろうと思います。 「一国一城の主」は、その点を重視している人にとってインハウスローヤーは選択の余地がないわけですが、通常は、 ...
【弁護士の転職】転職のタイミングについて|退職するかどうかを相談するか?
今回は、転職のタイミングについて書いてみたいと思います。なお、タイトルは弁護士の転職としていますが(管理人個人の経験談という意味で)、弁護士とか特に関係ない話です。 ややバイアス(管理人の主観)の強い記事かな…?とも思うので、もし気になる方はブラウザバックしていただければと。 前向きの力と後ろ向きの力 退職は、人によって、次にやりたいことができたときとか、だいたい今のことを回したなと思うときとか、いまひとつ向いてない気がするなと思ったときとか、いろいろタイミングはあると思います。 それで、もちろん、好きな ...
【転職後の話】「働かないおじさん」との出会い
今回は、法律事務所からインハウス転職する場合、企業の側で「働かないおじさん」を見つけると、ちょっとびっくりするかもしれない、という話を書いてみたいと思います。 そういう衝撃の(?)出会いがあるかもしれないことと、働かないおじさんたちの言い分というか弁解というか、そのロジックについて考えてみたいと思います。 インハウス転職後、もしも「何だこの人は…」と思う中間管理層に出会ったときに、あなただけじゃないんだよ…と思ってもらえれば幸いです(もちろん、そもそも遭遇しないに越したことはないです)。 法律事務所との違 ...
【弁護士像】クラウドワーカー型法律事務所という可能性
インハウスローヤー(企業内弁護士)やったり、外部弁護士やったりしていると、何となく「クラウドワーカー型弁護士」みたいなやり方があるんじゃないかな、と思えてくる。 という話を書いてみたい。 クラウドワーカー型弁護士という可能性 ここでいう「クラウドワーカー型弁護士」というのは、たとえば、3・4社ぐらいと業務委託(週◯日とかの常駐形態を含む)という形で契約して活動する弁護士、というイメージ。 顧問だとたくさんの顧問先について、相談があったときに対応するという形が基本だけど、それよりはずっと少ない数の企業に絞っ ...
弁護士の転職物語④|面接で大事なこと
前回、「何で今のところやめるんですか?」という質問が重要であると書きましたが、もうひとつ、面接において大事だと思うことを書きたいと思います。 それは、 「ありのままの自分を見せるのは良いことではない」 ということです。 言い換えると、面接のときに聞かれた質問に対して、自分の思うところを正直にありのまま答えればそれでいい、というのは、面接に対する良い臨み方ではない、ということです(異論もあるとは思いますが)。 「ありのままの自分を見せる」というのは、いわば料理に例えると、泥も落とさず火も通していない野菜を相 ...
【弁護士の転職】面接の準備③|会社情報の調査
今回は、弁護士の転職活動ということで、面接準備の情報収集のうち、会社情報の調査について書いてみたいと思います。 ではさっそく。 会社情報の調査のタイミング 応募の際に会社情報についてはざっと見ていると思いますが、応募の段階、つまり書類選考をパスするかどうかわからない段階では、それほど詳細に見ていない場合が多いと思います(少なくとも管理人はそうです)。 もしそうであれば、面接準備の段階で、具体的な会社情報の調査が必要になります。 応募前に詳しく調査する人もいる エージェントから届くたくさんのリコメンドの中 ...
「ラーメン赤猫」と動物の法人格
今回は、マンガで法律、っていう感じの法律小噺をしてみたいと思います。 動物が法人格を取得できるという設定 今、ジャンププラスで、「ラーメン赤猫」っていうマンガを連載してますよね。アニメ化も決まったみたいですけど。 これ、猫たちを含む動物が、申請をして許可を受けることによって、法人格を取得できるっていう設定になってるんですけど、これすごくおもしろくないですか? 強面だけどやさしい弁護士さんがいて、その人が法人格取得の申請の代理人をやってるみたいなんですけど。この世界観、結構おもしろいですよね。 ▽[第1話] ...
最判令和2年7月21日|リツイート事件最高裁判決と最近の裁判例
一週間ぐらい前の判決になりますが、リツイートの法的責任に関連する最高裁判決がありました。 これは、リツイートのアカウントにも発信者情報の開示請求を認めたところが話題になっていたものです。 また、もう少し前にはリツイートに名誉毀損の成立を認めた高裁判決も出ていましたので、本記事では、この最近の2つの司法判断について見てみたいと思います。 なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 最判令和2年7月21日-リツイートにも開示請求を認めた事例 判決の内容 ニュースとしては、たとえばこちら。一審 ...
東京高判令和2年11月5日|モバゲー免責条項事件判決
今回は、先日、モバゲー免責条項事件の東京高裁判決(令和2年11月5日)が出ていたので、これについて見てみたいと思います。 免責条項というのは、要するに損害賠償責任を免除する条項のこと(債務不履行に基づく損害賠償責任と不法行為に基づく損害賠償責任がある)で、全部免責のケースや一部免責のケースがあります。 会員資格取消措置などをとったことで損害が生じても損害賠償には一切応じない、とするモバゲー規約の条項は、消費者契約法に違反する(事業者の全部免責を定める不当条項にあたる)との内容です。 ▽モバゲー規約、二審も ...
なりたくない弁護士像
「なりたい弁護士像は?」と聞かれても、はっきりしたものは答えられないが(言うとチャチくなるし)、「なりたくない弁護士像」というのは、たくさんある(ご注意:以下はただの愚痴でもあるので、読みたくない人は読まないで下さい)。 「趣旨から考えた一本筋のとおった答案」と言って得意満面の弁護士 どんな答案を書けば評価されますか?という悩める受験生の祈りにも似た深刻な問に対し、「趣旨に遡って一本筋の通った答案がいい答案だ!」と言って、ちょっと得意げに「おれ今ええこと言うた」的な顔をする弁護士。 言ってることは確かに完 ...
日本学術会議の推薦に対する内閣総理大臣の任命拒否
今回は、日本学術会議から推薦された学者さん数名(ニュースによると6名)を菅総理が任命拒否した、というニュースについて見てみたいと思います。 正直、「学問の自由を侵害する」といった類のタイトルを見て、またセンセーショナルなこと言って盛り上げようとしてるな…としか思わなかったのですけど。 ちょっと前の検察庁法改正案のときに、「人事的介入は三権分立を侵す」とか言われてたのと一緒だな、と。 ただ、ニュースを見ていると、任命拒否された6名のなかに法学者3名(刑法教授の松宮孝明先生ほか2名)がおられるのを見かけて、ち ...
「ブルーピリオド」と著作権クレジット
「ブルーピリオド」(山口つばさ)がおもしろい。遅ればせながら読んでるんですがおもしろい。 読んでいてクレジットの話が思い浮かんだので、ちょっと書いてみたいと思います。 実際の作品群 管理人の親族で美大に行った人がいて(東京藝大ではない)、何となく予備校らしきものに行ってデッサンしていたのは知っていたんですけど、こういうことをしていたのか…と思うと、今更ながら感動したり。たしかに、石膏像のデッサンが量産されている時期などがあったような気がします。 YOASOBIの「群青」の原作にもなっているように、青春群像 ...
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イソ弁・インハウスローヤー(企業内弁護士)・独立開業など色々やってきた管理人が、いち法律職として見てきた景色を綴るブログです。転職や法律業務の知識、経験などをできるだけわかりやすくアウトプットしています。
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