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イソ弁・インハウスローヤー(企業内弁護士)・独立開業など色々やってきた管理人が、いち法律職として見てきた景色を綴るブログです。転職や法律業務の知識、経験などをできるだけわかりやすく発信していきたいと思っています。

契約の基本事項

2024/2/29

契約の基本事項|契約書は何のために作成するのか

今回は、契約の基本事項ということで、契約書は何のために作成するのかについて見てみたいと思います。 ひと言でいうと、「合意を証拠化する」、いわゆるエビデンスというやつですが、一般的にいくつか言われることを振り返ったうえで、実際のところどうなのかという話も考えてみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 契約書を作成する目的(一般論) 契約書を作成する目的というと、契約書の基礎研修やセミナーなどでは、最初の方でほぼ必ず触れられるトピックかと思いますが、だいた ...

法制執務

2024/2/28

法令用語を勉強しよう|「することができる」と「しなければならない」

今回は、法令用語を勉強しようということで、「することができる」と「しなければならない」の意味を取り上げてみたいと思います。 法令用語というのは、法令をつくるときに、慣習的な用語法に従って用いられる用語のことです(日常用語とは異なる独特の意味がある)。当ブログでは、法令用語のうち契約書などを読み書きするときにも役立ちそうなものをピックアップしています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 「することができる」の意味 「することができる」は権利 法令用語としての「するこ ...

法制執務

2024/2/23

法令用語を勉強しよう|「及び」「並びに」と「又は」「若しくは」

今回は、法令用語を勉強しようということで、「及び」「並びに」と「又は」「若しくは」の意味を取り上げてみたいと思います。 法令用語というのは、法令をつくるときに、慣習的な用語法に従って用いられる用語のことです(日常用語とは異なる独特の意味がある)。当ブログでは、法令用語のうち、契約書などを読み書きするときにも役立ちそうなものをピックアップしています。 「及び」「並びに」(andの意味)と、「又は」「若しくは」(orの意味)は、だいたいどんな解説でも、最初の方の話は日常感覚でわかりますが、話が進むにつれて意外 ...

消費者契約法

2023/11/24

消費者契約法を勉強しよう|免責条項ー債務不履行責任、不法行為責任

今回は、消費者契約法を勉強しようということで、免責条項のうち、債務不履行責任または不法行為責任を免責する条項(法8条1項)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 免責条項の無効 法8条1項は、債務不履行責任または不法行為責任を全部免責する条項を無効とする。 また、一部免責であっても、それが故意または重過失に基づく損害賠償を免責するものである場合には、やはり無効とする。 ただ、免責条項が無効とされたとしても、それで損害賠償が認められるという ...

契約の一般条項

2023/11/23

契約の一般条項を勉強しよう|期限の利益喪失条項

今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、期限の利益喪失条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 期限の利益とは 期限の利益とは、期限が到来するまで債務の履行を請求されないという債務者の利益のことである。 例えば、貸金の返還債務や代金の支払義務などについて期限が設けられている場合、その猶予期間内であれば、債務者は、債権者から請 ...

迷惑メール防止法

2023/11/23

迷惑メール防止法を勉強しよう|措置命令と刑事罰

今回は、迷惑メール防止法を勉強しようということで、違反に対する措置(措置命令と刑事罰)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 措置命令(法7条) 迷惑メール防止法上の措置命令(法7条)とは、迷惑メール防止法に違反した送信者に対して、総務大臣と内閣総理大臣が行う行政処分のことである。 措置命令は、規制法には一般的に存在するもので、語感からはイメージしにくいが、要するに業務改善命令である。 (措置命令)第七条 総務大臣及び内閣総理大臣(架空電 ...

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インターネット 法改正

2020/11/14

発信者情報開示制度の改正論|11月最終取りまとめ案

ネット誹謗中傷の問題に関して、発信者情報開示制度の改正論が引き続き注目されていますが、総務省の「発信者情報のあり方研究会」から、先日、11月を目途と言われていた最終取りまとめの案が出されていました。 ニュースとしては、たとえばこちら。 ▽ネット中傷、訴訟しなくても投稿者を開示 総務省が検討|朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASNCD6G17NCDULFA018.html 最終とりまとめ(案)の原文はこちらから。 ▽発信者情報開示の在り方に関する研究会(第10回 ...

刑事弁護 法律ニュース

2020/11/1

「ひき逃げ」って法律的にはどういうもの?|道交法上の救護義務違反

芸能人で俳優の方の件が話題になっていますが、以前は女性アイドルの方の事件も話題になったりして、ひき逃げの事件はたまにニュースに上っている印象があります。 「ひき逃げ」って呼び方はよく聞きますし、ニュースでもそのように報道されますが、これは法律的には何なのか?ということを書いてみたいと思います。 なお、引用部分の太字や下線などは管理人によるものです。 道交法上の救護義務違反 結論からいうと、「ひき逃げ」というのは社会的な通称で法律上の名称ではなく、法律上は、道路交通法上の救護義務違反・報告義務違反というもの ...

インターネット 法律コラム

2020/8/27

誹謗中傷と批判的な表現の判断基準って?

ネット誹謗中傷の議論が高まるにつれて、どんなものが誹謗中傷になるんだ?とか、批判や意見じゃなくて違法になる表現ってどんななんだ?という悩ましい問題が意識されるようになってきているように思います。 「誹謗中傷」というのは法律上の用語ではないので、誹謗中傷=直ちに違法な表現、という意味で使われているのか、誹謗中傷のなかに、違法なものとそうでないものがあるのか、外縁がはっきりしないですけど…。このへんは言葉の問題で人によって違うと思いますので、深入りしないでおきます。 ここでは、自分の整理も兼ねて、民事責任と刑 ...

刑事弁護 法律ニュース

2020/8/16

保釈を含む刑事手続の流れをざっくり見てみる記事

河井議員とか、香港の周庭さんとか、保釈のことはたびたびニュースで目にします。定期的に話題になるというか。 そして、今日、BLOGOSで見かけたのが、刑事弁護の超重鎮・高野隆先生のブログ記事。 ▽香港の保釈制度|高野隆|BLOGOShttps://blogos.com/article/478400/ 周庭さんが逮捕された件を取り上げつつ、香港の保釈制度というか刑事手続を解説した記事なのですが、“ていうか逮捕後すぐに保釈されるということ自体にびっくりだよ”という趣旨のことが書かれていて、言われてみれば確かに… ...

新判例 犯罪被害者支援

2020/8/5

最判令和2年7月30日|GPS事件最高裁判決ーストーカー規制法「見張り」の解釈

今回は、GPS最高裁判決を取り上げてみたいと思います。 この最高裁判決は、車にGPSを取り付け遠隔監視する行為について、ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)にいう「見張り」にあたらないと判断した、というものです。 ニュースとしては、例えばこちら。▷ストーカー専門家ら「法改正を」 凶悪事件への発展懸念―GPS判決(時事ドットコムニュース) なお、引用部分の太字や下線などは管理人によるものです。 ストーカー規制法をちょっと見 「ストーカー行為」の定義は、条文がややこしい。 が、簡単にいうと ...

インターネット 法改正

2020/8/3

発信者情報開示請求制度の改正論|7月中間とりまとめ案

ふと、そういえば発信者情報開示の見直しの議論(@総務省)ってどうなってるんだろう…と思って、今ごろ感あるが、総務省のHPを見てみた。 ▽発信者情報の在り方に関する研究会(第4回)|総務省HP 6月下旬ごろは、“正式な裁判手続でない簡易な裁判手続の検討”みたいな報道がされていて、いったい何のことだろうと思っていたんですが。 簡易な裁判手続っていうのは非訟手続のことらしい 7月10日に「中間取りまとめ(案)」が発表されていたようで、簡易な裁判手続っていうのはどうやら非訟手続のことらしい。 ちょっと長いけれど、 ...

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法務転職

2021/5/3

インハウスローヤー転職と非弁の論点【前編】

今回は、インハウスローヤー転職と非弁の論点について書いてみたいと思う。 非弁の論点は、座学の時代には「法曹倫理」とかナントカいった科目で若干触れるだけで、「そんな話、そうそう無いでしょうよ…こんなこと勉強して何になるんじゃろ」と思うものの(管理人の当時の正直な心情)、 実務になってみると、意外とそこそこ出会うことになるのが、非弁の論点である。 ※非弁行為に出くわすという意味ではなく、非弁に抵触しないよう検討すべき場面に遭遇することがある、という意味です。以下の個別領域の話も、それが非弁行為という意味ではな ...

法務転職

2021/3/6

インハウスローヤーに向いている人・向いていない人

今回は、インハウスローヤーに向いている人・向いていない人、という話を書いてみたいと思います(もちろん、管理人の個人的意見)。 働き方で一般的に大事にされること 働き方については、一般的には、 が大事なのだろうと思っていますが、弁護士など士業の場合は、 というのを、前提条件的に重視している人も多いと思います。 「一国一城の主」は、その点を重視している人にとってインハウスローヤーは選択の余地がないわけですが、通常は、それ以外の3つが重要なのではないかと思います。 そして、インハウスローヤーに向いている人という ...

法務転職

2020/12/30

2020年転職トレンド振り返り・最近のインハウスローヤーの変化

2020年も終わりということで、最近周りから聞いたり自分で感じたりした、今年の転職トレンドの傾向を書いておきたいと思う。 3つあって、うち2つはやはりコロナ関連で、3つめは、最近小耳に挟んだインハウスの変化傾向である。 副業解禁やリモート化は進んでいるが意外と遅いorリバウンドも 1つ目はコロナの影響で、いわずもがなの感もあるが、テレワークの推進や副業解禁などである。非常な勢いで一時期進んでいたようなイメージがある。 が、ここで言いたいのは、意外と変化スピードは遅い(ゆっくり)みたいである、ということであ ...

法務転職

2020/12/19

インハウスローヤーはおもしろくない?|消極的〇〇の話

最近Twitter等を見ていると、インハウスをやっている人は皆つまらないと言っているとか、充実感を感じていないとか、面白くないと言っている、という評をわりとよく見かける。 世間的にはそういうもんなんだ…と思ったので、これとはまたちょっと違う個人的意見を書いてみたいと思う。 インハウスローヤーはおもしろくない? 自分はインハウスを面白いと思っているので感覚的によくわからないし、実際インハウスが面白くないというのを直接聞いたことがないのでよくわからないけれど、こういう評を見かけたときにまず思ったのは、「面白く ...

法務転職

2020/10/16

【弁護士の転職】転職のタイミングについて|退職するかどうかを相談するか?

今回は、転職のタイミングについて書いてみたいと思います。なお、タイトルは弁護士の転職としていますが(管理人個人の経験談という意味で)、弁護士とか特に関係ない話です。 ややバイアス(管理人の主観)の強い記事かな…?とも思うので、もし気になる方はブラウザバックしていただければと。 前向きの力と後ろ向きの力 退職は、人によって、次にやりたいことができたときとか、だいたい今のことを回したなと思うときとか、いまひとつ向いてない気がするなと思ったときとか、いろいろタイミングはあると思う。 それで、もちろん、好きなとき ...

法務転職

2020/10/11

【弁護士の転職】インハウスローヤーのメリット・デメリット

巷にはインハウスローヤーのメリットとかデメリットを書いたネット記事がいくつかあるみたいなので、今回は、それについて書いてみたいと思います。 とはいえ、メリット・デメリットというより、管理人としては、インハウスと外部弁護士は、対比的(対照的)というか、対になっているみたいな側面を感じることがあるんですよね。 なので、一概にどちらがいいというものではないかなと思っているので、基本的には好みの問題という感じになります。 規模感が違う 企業も規模によるし、法律事務所(以下「事務所」)も規模によるわけなので一概には ...

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基礎知識 法律コラム

2023/9/9

感覚でわかる法令入門|法律第○○号って何やねん

感覚でわかるシリーズ。今回は、「法律第○○号」って何やねん、です。 契約書でも、法律の名称を書くところでたまに見かけたりしますが、これは何なのか、という話です。 正式名称は「法律番号」 法律第○○号というのは、正式には法律番号といいます。年号もつきますので、例えば「令和△年法律第〇〇号」みたいになります。 これは何かというと、単に「何年の」「何番目に」公布された法律か、というナンバリングをしているだけです。 国会で成立した法律すべてに振られる管理No.のようなものと思っておけばよいです。別に法律の話でなく ...

法律コラム

2021/7/26

コンテンツが「資産」である法律的な理由

昨今の情報発信ブームのなかで、コンテンツは「資産」であると盛んに言われていますが。 ふと、コンテンツが資産である理由というのは、法律・会計的にも一応説明できるような気がしたので、それをちょっと書いてみたいなと思います。 コンテンツは無形固定資産 いくつか会社を転職していると、商標とかのグループ管理体制もいろいろだなあ…と思って、へー、と思いながら仕事をしているのですが。 商標権って、BS上は無形固定資産に計上されてるんですよね。 BSとは、貸借対照表(balance sheet)のこと そういえば、コンテ ...

法律コラム

2021/6/26

「Dr.STONE」の通信機自作と「通信」の意味

アニメ「Dr.STONE」、最初はあんまりピンと来なかったのだけど、科学好き少年のクロム、物づくり大好きおじいちゃんのカセキが出てきたあたりからおもしろくなってきて、結局全部見てしまった。 第2期ではついに原始の世界(文明崩壊後の世界)で通信機を自作してしまう。これをアニメのストーリーに持ってくる発想がすごい。ここからどうやってつくんのよ、と見ている方もちょっとワクワクしてしまう。 ツカサとの戦いに備え、「バトルは情報戦から!」という感じで、でっかい通信機を自作して背中に背負って歩いていく。要所要所で、離 ...

法律コラム

2021/6/19

「ブルーピリオド」と著作権クレジット

「ブルーピリオド」(山口つばさ)おもしろい。遅ればせながら読んでるけどおもしろい。 親族で美大に行った人がいて(東京藝大ではない)、何となく予備校らしきものに行ってデッサンしていたのは知っていたんですけど、こういうことをしていたのか…と思うと、今更ながら感動したり。たしかに、石膏像のデッサンが量産されている時期などがあったような気がする。 YOASOBIの「群青」の原作にもなっているように、青春群像劇という感じで(管理人の印象)、シンプルにすごくおもしろいのだけど、 作中で、ガチの美大生などの絵が使われて ...

法律コラム

2021/5/9

「柱合会議」に見るお館様の名裁きと証明責任

GWの余韻もあり、アニメを見ながらブログをのんびり書いていると、AbemaTVで「鬼滅の刃」の名場面のひとつ、柱合会議(第23話)が流れてきた。 やっぱ面白いやん…と思いながら、お館様の裁きを見て、話としても面白いし、けっこう説得力もあるよなあ…と思って、 なぜだろう?もし法律的に考えてみたときにどうなるのだろう、ということを考えてみたので、試しに書いてみたいと思う。 「柱合会議」というのは、お館様を迎えて鬼殺隊最強の剣士である「柱」たちが集う会議で、炭治郎とその妹・禰豆子の処遇が問題となる場面(第23話 ...

不正競争防止法 法律コラム

2020/11/23

名称の権利化とブランディング戦略(後編)|大学の名称変更と不正競争防止法

前の記事では、名称の権利化とブランディング戦略【前編】ということで、商標権による名称の保護について書いてみました。 本記事では、じゃあ商標登録してないときは何もいえないの?という話を書いてみたいと思います。 結論からいうと、このときは不正競争防止法という別の法律での保護を検討することができます。これは商標法とはまた別の法律ですので、商標登録していないときでも使うことができます。 これも少し前になりますけど、こんなニュースがありました。 ▽私立「京都芸術大」の名称差し止め認めず 市立芸大の請求棄却 大阪地裁 ...

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