契約法務
Contract

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契約書本文

契約の一般条項を勉強しよう|危険負担条項

今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、危険負担条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 危険負担とは 危険負担というのは、内容がイメージしづらい言葉ですが、ここでいう「危険」とは、双務契約において、契約の目的たる給付が履行不能になる場合(典型的には、目的物が不可抗力などによって滅失・損傷する場合)の損害のことを指します。 危 ...

契約書本文

契約の一般条項を勉強しよう|契約の有効期間

今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、契約の有効期間について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線、改行などは管理人によるものです。 一回的契約と継続的契約 契約の有効期間を定める必要があるのは、継続的契約の場合です。 継続的契約には、わかりやすい例でいうと、賃貸借契約や業務委託契約などがあります。契約に基づく給付が継続的に行われるものになります(賃貸借は”貸し続ける ...

契約書の形式 法制執務

法令作成を勉強しよう|条文の見出しとレイアウト

今回は、法令作成を勉強しようということで、条文の見出しとレイアウトについて見てみたいと思います。 法令作成には一定の決まった型みたいなものがありますが、当ブログでは、契約書などを読み書きするときにも役立ちそうなものをピックアップしています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 条文の見出し 基本形 条文の内容を簡潔に要約して( )をつけた部分が「見出し」です。 見出しがあることによって、理解もしやすくなりますし、条文も探しやすくなります。 ”一つの条文に、一つの項目 ...

M&A 各種契約書

M&A法務|株式譲渡契約(SPA)-コベナンツ(ポスト・クロージング事項)

今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうち誓約事項(コベナンツ)について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です コベナンツには、クロージング(取引実行)の前か後かで、大きく ①プレ・クロージング事項(取引実行前の誓約事項。プレクロ事項)②ポスト・クロージング事項(取引実行後の誓約事項。ポスクロ事項) がありますが、本記事は②の話です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるもので ...

契約書本文

契約の一般条項を勉強しよう|債務不履行による損害賠償請求(填補賠償の要件)

今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、損害賠償条項に関連して、填補賠償の法律上の要件について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 填補賠償の要件(民法415条2項) 民法415条2項は、「債務の履行に代わる損害賠償」(填補賠償)の請求をすることができる場合を定めており、 履行不能の場合(1号) 履行拒絶(確定的履行拒絶)の場合(2号 ...

M&A 各種契約書

M&A法務|株式譲渡契約(SPA)-補償条項

今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうち補償条項について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 補償条項 補償(indemnification)は、契約上の義務違反や表明保証違反があった場合に相手方の損害を填補することです。 要するにお金の問題であり、その意味では損害賠償請求と同様ですが、法的性質としては一種独特のものと考えられ ...

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コンプライアンス法務
Compliance

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下請法

下請法を勉強しよう|親事業者の禁止行為-買いたたきの禁止

今回は、下請法を勉強しようということで、親事業者の禁止行為のうち買いたたきの禁止について見てみたいと思います。 下請法の適用対象になると、親事業者には以下のような11の禁止事項が課せられます。 (4条1項のグループ)①受領拒否の禁止②下請代金の支払遅延の禁止③下請代金の減額の禁止④返品の禁止⑤買いたたきの禁止 ←本記事⑥購入・利用強制の禁止⑦報復措置の禁止(4条2項のグループ)⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止⑨割引困難な手形の交付の禁止⑩不当な経済上の利益の提供要請の禁止⑪不当な給付内容の変更及び ...

犯罪収益移転防止法

犯罪収益移転防止法を勉強しよう|取引記録の作成・保存

今回は、犯罪収益移転防止法を勉強しようということで、取引記録の作成・保存について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 取引記録の作成・保存 特定事業者は、特定業務に係る取引を行った場合、少額の取引などを除き、直ちに、取引記録を作成し、7年間保存しなければなりません。 これを取引記録の作成・保存義務といいます(法7条)。 ▽犯罪収益移転防止法7条 (取引記録等の作成義務等)第七条 特定事業者(次項に規定する特定事業者を除く。)は、特定業務に係る取 ...

資金決済法

資金決済法を勉強しよう|前払式支払手段とは

今回は、資金決済法を勉強しようということで、前払式支払手段の概要について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 前払式支払手段とは(法3条1項) 前払式支払手段といってもイメージが湧きにくいですが、感覚的にいうと「プリペイド(pre-paid)」であり、商品やサービスの対価を前払いしておくもののことです。 例えば、商品券、プリペイドカード、Suica、PASMOなどは、日常生活でもよく見かけますが、これらが前払式支払手段にあたります。 資金決済法 ...

下請法

下請法を勉強しよう|違反行為に対する措置等

今回は、下請法を勉強しようということで、下請法の違反行為に対する措置等について見てみたいと思います。 違反行為がないかどうかの調査→違反行為に対する措置→違反行為や調査忌避に対する罰則、の順に見てみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 調査(報告徴収、立入検査) 調査の方法 調査の方法としては、報告徴収と立入検査が下請法に規定されていますが(法9条)、実際は、任意の書類提出や任意の実地調査があります。 任意の調査 任意の書類提出は、実務上最も多く行われているも ...

独占禁止法

独占禁止法を勉強しよう|基本概念

今回は、独占禁止法を勉強しようということで、独禁法のいくつかの基本概念について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 「競争」 独禁法の基本概念として、「競争」と「一定の取引分野」の2つは最初の方で見るのが通例のように思いますので、まずこの2つから見ていきたいと思います。 ただ、かなり抽象度が高くて無味乾燥ですので、さらっと流しています  「競争」については、法2条4項で定義されています。 ▽法2条4項 ④ この法律において「競争」とは ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|規制の仕組み(全体像)

今回は、景品表示法を勉強しようということで、規制の仕組み(全体像)について見てみたいと思います。 景品表示法は、正式には「不当景品類及び不当表示防止法」(昭和37年法律第134号)といい、その名のとおり過大な景品提供や不当表示を規制するものです。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 独占禁止法との関係 景品表示法が規制する分野は、元々、独占禁止法の「不公正な取引方法」のうち不当な顧客誘引として規制されています。 景表法は、独禁法のその部分の補助立法であるといわれてい ...

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コーポレート法務
Corporate

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合同会社

合同会社法務|登記事項

今回は、合同会社法務ということで、合同会社の登記事項について見てみたいと思います。 本記事では、会社法914条に基づく合同会社の登記事項についてグループに分けて解説し、また登記事項が変更された場合に必要となる変更登記の手続についても触れます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 登記事項(会社法914条) 合同会社の登記事項は、会社法第914条に定められており、1号から11号までの事項があります。 ▽会社法914条 (合同会社の設立の登記)第九百十四条 合同会社の設 ...

インサイダー規制

インサイダー取引規制|公開買付者等関係者の禁止行為

今回は、インサイダー取引規制を勉強しようということで、公開買付者等関係者のインサイダー取引規制について見てみたいと思います。 インサイダー取引規制には、大きく「会社関係者」と「公開買付者等関係者」に対する規制がありますが、 ① 会社関係者の禁止行為 ・規制対象となる主体 ・規制対象となる情報 ・規制対象となる取引② 公開買付者等関係者の禁止行為 ・規制対象となる主体 ←本記事 ・規制対象となる情報 ←本記事 ・規制対象となる取引 ←本記事③ ①②とも情報伝達行為・取引推奨行為の禁止 その中で、本記事は黄色 ...

合同会社

合同会社法務|定款の記載事項

今回は、合同会社法務ということで、合同会社の定款の記載事項について見てみたいと思います。 合同会社を設立する際には、定款を作成し、会社の基本的な情報などを記載します。本記事では、合同会社の定款に記載すべき事項について、具体的な内容を分類ごとに解説します。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 定款の記載事項 合同会社に限らず、一般に定款の記載事項には、 絶対的記載事項:定款に記載しなければならない事項(欠くと定款が無効) 相対的記載事項:定款に記載してもしなくてもよい ...

インサイダー規制

インサイダー取引規制|会社関係者の禁止行為-規制対象となる情報(重要事実)

今回は、インサイダー取引規制を勉強しようということで、会社関係者のインサイダー取引規制のうち規制対象となる情報について見てみたいと思います。 インサイダー取引規制には、大きく「会社関係者」と「公開買付者等関係者」に対する規制がありますが、 ① 会社関係者の禁止行為 ・規制対象となる主体 ・規制対象となる情報 ←本記事 ・規制対象となる取引② 公開買付者等関係者の禁止行為 ・規制対象となる主体  ・規制対象となる情報  ・規制対象となる取引③ ①②とも情報伝達行為・取引推奨行為の禁止 その中で、本記事は黄色 ...

合同会社

合同会社法務|業務執行社員・代表社員・職務執行者

今回は、合同会社法務ということで、合同会社の管理のうち業務執行社員・代表社員・職務執行者について見てみたいと思います。 これらは合同会社の管理(運営)に関する基本事項ではありますが、いまひとつわかりにくい感じがつきまとう部分であるように思いますので、なるべくイメージがしやすくなるようにまとめていきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 業務執行社員とは 業務執行社員は、業務執行権をもつ社員のことです。 読んでそのままですが、会社法の文言としては「業務を執行する」 ...

開示制度

開示制度|適時開示の仕組み(全体像)

今回は、開示制度ということで、適時開示(取引所規則に基づく開示)の仕組みについて見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 適時開示の仕組み(全体像) 適時開示は、取引所規則に基づく情報開示のことで、 決定事実に関する開示 発生事実に関する開示 決算情報に関する開示 という3つの種類があります。 ①は重要事実を決定した場合、②は重要事実が発生した場合、③決算の内容が定まった場合に、それぞれ適時開示を行う必要があります。 適時開示の根拠規定は、取引所規 ...

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【弁護士の転職】職務経歴書の書き方③|注意点-悪目立ちすることはやめておこう

今回は、弁護士の転職ということで、最初の転職の頃のお悩み、職務経歴書の書き方について書いてみたいと思います。 職務経歴書の書き方について、当ブログでは、 ① 内容面② 形式面③ 注意点④ 採用側から見た景色 の4つの記事に分けて書いています。 本記事は、3つめの、③注意点についてです。 注意点ー悪目立ちすることはやめておこう 例1)長すぎる職務経歴書 長すぎる職務経歴書は、悪目立ちするのでやめておいた方がよいと思います。 管理人が見たことがあるものの中では、7~8ページ書いているものがありましたが、さすが ...

インハウスローヤー

【転職後の話】業界によるバックオフィスのまとまり具合の違い

管理人は何回か転職しているのですが、いくつか会社にいくと、なんかバックオフィスがバラバラだな、と思うことがあります。 大ざっぱな傾向をいうと、保守的(コンサバ)な業界の企業ほどまとまりがよく、新しい業界の企業ほどまとまりが悪い、という感じがします。 (※)自分ひとりの経験なのでサンプルが少ないことを前置きしつつ、ですが(汗) なんでこうなるんだろう、とか、どうすればいいんだろう、ということを考えてみました。 バックオフィスのまとまり具合の違い 保守的な企業は、働かないおじさんが相当数生息していて、どう見て ...

法務転職

【弁護士の転職】職務経歴書の書き方②|形式面-ビジュアル的な綺麗さも意識しよう

今回は、弁護士の転職ということで、最初の転職の頃のお悩み、職務経歴書の書き方について書いてみたいと思います。 職務経歴書の書き方について、当ブログでは、 ① 内容面② 形式面③ 注意点④ 採用側から見た景色 の4つの記事に分けて書いています。 本記事は、2つめの、②形式面についてです。 形式面-絵的な美しさも意識しよう 文章と表の併用、箇条書きなど 職務経歴書をつくるときは、絵的な美しさも意識するのがいいと思います。 といっても難しい話ではなく、テキスト(文章)のほかに表を使うのもオススメということです。 ...

法務転職

【弁護士の転職】面接の準備③|会社情報の調査

今回は、弁護士の転職活動ということで、面接準備の情報収集のうち、会社情報の調査について書いてみたいと思います。 ではさっそく。 会社情報の調査のタイミング 応募の際に会社情報についてはざっと見ていると思いますが、応募の段階、つまり書類選考をパスするかどうかわからない段階では、それほど詳細に見ていない場合が多いと思います(少なくとも管理人はそうです)。 もしそうであれば、面接準備の段階で、具体的な会社情報の調査が必要になります。 応募前に詳しく調査する人もいる  エージェントから届くたくさんのリコメンドの中 ...

インハウスローヤー

【転職後の話】「働かないおじさん」との出会い

今回は、法律事務所からインハウス転職する場合、企業の側で「働かないおじさん」を見つけると、ちょっとびっくりするかもしれない、という話を書いてみたいと思います。 そういう衝撃の(?)出会いがあるかもしれないことと、働かないおじさんたちの言い分というか弁解というか、そのロジックについて考えてみたいと思います。 インハウス転職後、もしも「何だこの人は…」と思う中間管理層に出会ったときに、あなただけじゃないんだよ…と思ってもらえれば幸いです(もちろん、そもそも遭遇しないに越したことはないです)。 法律事務所との違 ...

法務転職

弁護士の転職物語⑭|転職の含み益?

弁護士の転職物語は10回で終わるはずだったのですが、ぽつぽつ書きたいことを後から思い出すことも出てきたので、続けて書いていきたいと思います。 今回は、内定が複数もらえた場合の迷いの話、「メジャーを選ぶかマイナーを選ぶか」です。 転職活動を頑張り、幸いにして内定を複数もらえた場合、どこに行くか?を当然決めなければなりません。また、返事を待ってくれる期間には通常限りがありますし(長くて1週間~10日くらいか)、できればすぐ返事をした方が感じもいいので、あまり悠長に悩んでいる暇はありません(幸せな悩み、というや ...

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イソ弁・インハウスローヤー(企業内弁護士)・独立開業など色々やってきた管理人が、いち法律職として見てきた景色を綴るブログです。転職や法律業務の知識、経験などをできるだけわかりやすく発信していきたいと思っています。

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