契約法務
Contract――――
契約の一般条項を勉強しよう|不可抗力条項
今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、不可抗力条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 不可抗力条項とは 不可抗力とは、実は決まった定義はないですが、一般的には、契約当事者にとって予見できず支配の及ばない外部的な事情のことを指します。 大きくは、天災など自然的なもの(自然災害)と、戦争など人為的なものが考えられます。 ちなみ ...
契約の一般条項を勉強しよう|危険負担条項
今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、危険負担条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 危険負担とは 危険負担というのは、内容がイメージしづらい言葉ですが、ここでいう「危険」とは、双務契約において、契約の目的たる給付が履行不能になる場合(典型的には、目的物が不可抗力などによって滅失・損傷する場合)の損害のことを指します。 危 ...
契約の一般条項を勉強しよう|管轄条項
今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、管轄条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 法律上の原則 まず、管轄条項がなかった場合はどうなるかというと、法律上の原則に従うことになります。 法律上の原則としては、法定管轄があります。 法定管轄の種類としては、職分管轄、事物管轄、土地管轄があります。 また、これらの法定管轄は、拘束 ...
グループガバナンスと法務|取引先管理と契約ワークフロー
今回は、グループガバナンスと法務ということで、取引先管理と、契約ワークフロー(以下「契約WF」)について見てみたいと思います。 これは特に企業グループにおける管理体制に限った話ではないですが(一社単位でも普通に必要)、グループでの管理体制を考える際にテーマになることもあるかと思いますので、ここで見てみます。また、管理人の個人的見解です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 取引先管理 取引先管理の要点は、 法人の実在性の確認 与信審査 反社チェック の3点にまとめる ...
法令用語を勉強しよう|枝番号と削除
今回は、法令用語を勉強をしようということで、枝番号と削除について見てみたいと思います。 法令用語というのは、法令をつくるときに、慣習的な用語法に従って用いられる用語のことです(日常用語とは異なる独特の意味がある)。当ブログでは、法令用語のうち、契約書などを読み書きするときにも役立ちそうなものをピックアップしています。 枝番号と削除は、条や号を途中に挿入したり削除したりするときに、他の番号を動かさないようにするテクニックです。契約書でも、知っていると役に立つことがあります。 ではさっそく。なお、引用部分の太 ...
M&A法務|株式譲渡契約(SPA)-MAC条項
今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうちMAC条項について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 MAC条項とは MACとは何かというと、Material Adverse Changeの略で、対象会社(譲渡する株式の発行体のこと。以下同じ)に重大な悪影響が及ぶような変化のことです。 materialは「著しい」、adverseは ...
コンプライアンス法務
Compliance―――――――
独占禁止法を勉強しよう|不公正な取引方法-差別的取扱い
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、不公正な取引方法のうち差別的取扱いについて見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 差別的取扱いのグループ 差別的取扱いには、法定類型と告示類型の両方があり、 共同の取引拒絶 その他の取引拒絶(単独の取引拒絶) 差別対価 (対価以外の)差別的取扱い 事業者団体による差別的取扱い等 といった類型があります。 全体像を先に見ておくと、以下のとおりです。 「差別的取扱い」のグループ(6号イ参照) 行為類型細分類 ...
フリーランス法を勉強しよう|支払期日規制にまつわる論点
今回は、フリーランス法を勉強しようということで、支払期日規制にまつわる論点を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 支払期日規制 フリーランス法は、報酬の支払期日について、発注事業者が商品の受領日(サービスの場合は役務提供日)から起算して60日以内で、かつ、できるだけ短い期間内になるように定めることを義務づけています(支払期日を定める義務/法4条1項)。 また、現実には支払期日を定める義務に違反しているケースもあり得ますので、そのような場合には、 ...
犯罪収益移転防止法を勉強しよう|既に確認を行っている顧客等との取引
今回は、犯罪収益移転防止法を勉強しようということで、既に確認を行っている顧客等との取引について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 既に確認を行っている顧客等との取引(法4条3項) 過去の取引の際に既に確認を行っている顧客等との取引では、通常の取引の場合は、取引時確認を省略することができます。 ▽法4条3項 3 第一項の規定は、当該特定事業者が他の取引の際に既に同項又は前項(これらの規定を第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定 ...
景品表示法を勉強しよう|違反に対する措置の手続
今回は、景品表示法を勉強しようということで、違反に対する措置の手続について見てみたいと思います。 違反に対する措置等の内容については前の記事に書いており、本記事はこれらの手続面になります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 違反に対する措置の手続(全体像) まず、違反に対する措置が出されるときの手続の流れについて見てみたいと思います。 調査の結果、行政処分までいかずに是正に係る行政指導で終わるときは、以下のような流れをたどります。 端緒(調査のきっかけとなる情報) ...
グループガバナンスと法務|親子会社と非弁行為(弁護士法72条)
今回は、グループガバナンスと法務ということで、親子会社と非弁行為(弁護士法72条)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 親子会社と非弁行為 これはどういう論点かというと、グループ企業間での法律事務の取扱いについても、弁護士法72条の規制(非弁行為の禁止)を受けるため、親会社に法務機能を集約して子会社の法務業務を担うようにした場合、親会社での法務受託業務が非弁行為になってしまうのではないか、ということです。 親会社も子会社も、それぞれ別の ...
犯罪収益移転防止法を勉強しよう|取引時確認等を的確に行うための措置-主務省令で定める措置
今回は、犯罪収益移転防止法を勉強しようということで、取引時確認等を的確に行うための措置(法11条)について見てみたいと思います。 法律で定める措置については前の記事に書いており、本記事はその続きで、主務省令で定める措置(4号→規則32条)についてになります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 取引時確認等を的確に行うための措置(法11条) 特定事業者は、 取引時確認(法4条1項、2項) 取引記録等の保存(法7条) 疑わしい取引の届出(法8条) 等の措置を的確に行う ...
コーポレート法務
Corporate―――――
改正公益通報者保護法|令和2年改正
令和2年に公益通報者保護法が改正されましたので、その内容をざっと見てみたいと思います。 ニュースとしては、例えばこちら。 ▽内部告発「裏切り者に制裁」後絶たず…16年ぶり法改正も、通報者が守られない理由 |弁護士ドットコムhttps://news.line.me/articles/oa-bengo4com/de323fe82e73 このあたりのコメント(大森景一弁護士のコメント)に言い尽くされていますし、このニュースを見れば大体わかりますので、ブログで書く意味ないんじゃないかという話もありますが(笑) ...
ファンド法務|SPCと倒産隔離
今回は、ファンド法務ということで、倒産隔離について見てみたいと思います。 倒産隔離自体はSPV全般で出てくる言葉ですが、本記事では会社型SPV(=SPC)における倒産隔離を取り上げたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 SPCと倒産隔離 倒産隔離というのは、SPVにおいて対象資産そのものに関するリスク以外のリスクを投資家に負わせないための仕組みのことです。英語ではBankruptcy Remotenessになります。 SPCの場合でいうと、 対象資産が ...
M&A法務|株式譲渡契約(SPA)-ファイナンス・アウト条項
今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうちファイナンス・アウト条項について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 ファイナンス・アウト条項とは ファイナンス・アウト(Finance-out)とは、M&A(SPAでいうと株式譲渡)の代金支払いを資金調達によって行おうとしているケースで、その資金調達がうまくいかなかったときに買 ...
開示制度|会社法に基づく開示-決算公告
今回は、開示制度ということで、会社法に基づく決算公告について見てみたいと思います。 これは決算情報の開示のことで、開示の時期的には、上場会社でいうところのいわば継続開示にあたります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 決算公告(法440条1項) 株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく、決算の公告をしなければならないとされています(会社法440条1項)。 公告というのは、広く一般に知らせること(公衆に告知すること)、といった意味です 公告する決算の内容は、貸借対照 ...
グループガバナンスと法務|親子会社と非弁行為(弁護士法72条)
今回は、グループガバナンスと法務ということで、親子会社と非弁行為(弁護士法72条)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 親子会社と非弁行為 これはどういう論点かというと、グループ企業間での法律事務の取扱いについても、弁護士法72条の規制(非弁行為の禁止)を受けるため、親会社に法務機能を集約して子会社の法務業務を担うようにした場合、親会社での法務受託業務が非弁行為になってしまうのではないか、ということです。 親会社も子会社も、それぞれ別の ...
合同会社法務|登記事項
今回は、合同会社法務ということで、合同会社の登記事項について見てみたいと思います。 本記事では、会社法914条に基づく合同会社の登記事項についてグループに分けて解説し、また登記事項が変更された場合に必要となる変更登記の手続についても触れます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 登記事項(会社法914条) 合同会社の登記事項は、会社法第914条に定められており、1号から11号までの事項があります。 ▽会社法914条 (合同会社の設立の登記)第九百十四条 合同会社の設 ...
箇条整理シリーズ|刑事扶助(刑事被疑者弁護援助)の要件
実務や理論を箇条書きで整理する,「箇条整理」シリーズ。 今回は,刑事扶助(刑事被疑者弁護援助)の要件について。 刑事扶助は,被疑者国選が利用できる場合には利用できないことになっているので,実際上,検討する機会は多くはないが,要件は以下のとおり。 刑事扶助(刑事被疑者弁護援助)の要件 ①対象者の要件 身体を拘束された被疑者であること。 ただし,被疑者国選の対象事件で勾留されている被疑者は含まれない。 その意味するところは,被疑者国選がフォローしていないケースで利用が検討される,ということである。 典型的には ...
箇条整理シリーズ|被疑者国選の要件
実務や理論を箇条書きで整理する,「箇条整理」シリーズ。 今回は,被疑者国選の要件について。 被疑者国選の要件 被疑者国選の要件は,刑訴法の条文があちこち飛んでいて,読みづらい。 「貧困」の基準額を定める政令が何なのかも,意外と書いていないものが多い。 そこで,以下のとおり整理。 <被疑者国選の要件>(刑訴37の2) (1) 死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる事件(刑訴37の2Ⅰ) (2) 被疑者に対して勾留状が発せられている場合(刑訴37の2Ⅰ) (3) 被疑者が貧困その他の事由 ...
最判令和2年7月30日|GPS事件最高裁判決ーストーカー規制法「見張り」の解釈
今回は、GPS最高裁判決を取り上げてみたいと思います。 この最高裁判決は、車にGPSを取り付け遠隔監視する行為について、ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)にいう「見張り」にあたらないと判断した、というものです。 ニュースとしては、例えばこちら。 ▽ストーカーがGPSで居場所を追跡しても「見張り」に当たらず 最高裁が初判断|東京新聞 TOKYO Webhttps://www.tokyo-np.co.jp/article/45997 なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるもの ...
発信者情報開示請求制度の改正論|7月中間とりまとめ案
そういえば発信者情報開示の見直しの議論(@総務省)ってどうなってるんだろう…と思って、今ごろ感がありますが、総務省のHPを見てみました。 ▽参考リンク発信者情報の在り方に関する研究会(第4回)|総務省HP 6月下旬ごろは、“正式な裁判手続でない簡易な裁判手続の検討”みたいな報道がされていて、いったい何のことだろうと思っていたんですが。 簡易な裁判手続っていうのは非訟手続のことらしい 7月10日に「中間取りまとめ(案)」が発表されていたようで、簡易な裁判手続っていうのはどうやら非訟手続のことらしいです。 ち ...
誹謗中傷と批判的な表現の判断基準って?
ネット誹謗中傷の議論が高まるにつれて、どんなものが誹謗中傷になるんだ?とか、批判や意見じゃなくて違法になる表現ってどんななんだ?という悩ましい問題が意識されるようになってきているように思います。 「誹謗中傷」というのは法律上の用語ではないので、誹謗中傷=直ちに違法な表現、という意味で使われているのか、誹謗中傷のなかに、違法なものとそうでないものがあるのか、外縁がはっきりしないですけど…。このへんは言葉の問題で人によって違うと思いますので、深入りしないでおきます。 ここでは、自分の整理も兼ねて、民事責任と刑 ...
箇条整理シリーズ|犯罪被害者支援
実務や理論を箇条書きで整理する,「箇条整理」シリーズ。 今回は,犯罪被害者支援について。 犯罪被害者支援も近年ひとつの実務ジャンルとして確立された感がありますね。 支援策の種類について,箇条整理したいと思います。ここに記したものがすべてではなく,相談ダイヤル等もたくさん設けられています。 主としては「刑事手続」「民事手続」という2本が柱になるわけですが,ほかにも「情報の入手」「経済的支援」「類型別の特徴」という3つを足しているものがあり,この5つで考えるのが全体を把握しやすいかと思います。 刑事手続 刑事 ...
【弁護士の転職】転職のタイミングについて|退職するかどうかを相談するか?
今回は、転職のタイミングについて書いてみたいと思います。なお、タイトルは弁護士の転職としていますが(管理人個人の経験談という意味で)、弁護士とか特に関係ない話です。 ややバイアス(管理人の主観)の強い記事かな…?とも思うので、もし気になる方はブラウザバックしていただければと。 前向きの力と後ろ向きの力 退職は、人によって、次にやりたいことができたときとか、だいたい今のことを回したなと思うときとか、いまひとつ向いてない気がするなと思ったときとか、いろいろタイミングはあると思います。 それで、もちろん、好きな ...
弁護士の転職物語③|最も重要な質問
今回は、弁護士の転職の面接について書いてみたいと思います。 といっても、おそらく、弁護士以外の職業の方の面接と大きく異なることはないのだろうと思います(両方を実体験している訳ではないので、はっきりとはわかりませんが)。 自分は今までに2回転職活動を行ったことがありますが、転職の面接で絶対に聞かれるのは次の質問です。これに対する答えが、転職全体についての最も重要なエッセンスになります。 その質問とは、 「何で今のところ辞めるんですか?」 です。 どこの誰と話しても絶対に聞かれますので、企業との面接以前に、エ ...
【弁護士の転職】面接の準備①|「転職の一貫性」を言語化する
今回は、弁護士の転職ということで、転職の一貫性(転職ストーリー)について書いてみたいと思います。 転職の面接を準備しようとして本を読んだりしていると、だいたい「転職の一貫性」というキーワードを目にすることになると思います(管理人はそうでした)。 最初の転職のころに出くわす2大ハードルは、職務経歴書の作成と、この転職の一貫性というものだと思うので、今回はこれについて書いてみたいと思います。 職務経歴書の書き方については、以下の関連記事でくわしく書いています。 あわせて読みたい 「一貫性」って自分にあるのか? ...
【転職後の話】紛争対応に関する企業担当者と個人依頼者の「憤り」の違い
今回は、紛争対応に関して、個人依頼者が憤りを持っているのとは対照的に、企業内部の担当者はそうでもない(という場合が多い)、という話を書いてみたいと思います。 つまり、「紛争」というものに関して、企業内部の担当者(事業部門の担当者や、支店など現場の担当者)と、個人依頼者とでは、「憤り」の有無という点で対照的であるように思う、という話です(個人的見解です)。 個人依頼者の場合 インハウスローヤーをやっていて、以前、ものすごく訴訟に強い顧問弁護士の人と会話しているときに、その人が起案のときに大事にしているものを ...
弁護士の転職物語④|面接で大事なこと
前回、「何で今のところやめるんですか?」という質問が重要であると書きましたが、もうひとつ、面接において大事だと思うことを書きたいと思います。 それは、 「ありのままの自分を見せるのは良いことではない」 ということです。 言い換えると、面接のときに聞かれた質問に対して、自分の思うところを正直にありのまま答えればそれでいい、というのは、面接に対する良い臨み方ではない、ということです(異論もあるとは思いますが)。 「ありのままの自分を見せる」というのは、いわば料理に例えると、泥も落とさず火も通していない野菜を相 ...
【弁護士の転職】転職エージェント選び|士業特化型エージェント
過去記事では転職話のアクセスが多かったので、今回は、弁護士の転職ということで、転職エージェント選びのうち分野特化型エージェントについて見てみたいと思います。 最初の転職だと、 応募する会社(or事務所)をどうやって探すか? エージェントを利用して探すとして、どのエージェントを選んだらいいのか? と、迷うかもしれません。 ネットで検索すればわかることかもしれませんが、管理人の実際の体験を交えつつ、独断と偏見でお伝えしたいと思います。 応募する会社をどうやって探すか まず、応募する会社(or事務所)をどう ...
非正規訴訟|ハマキョウレックス事件・長澤運輸事件最高裁判決
今回は、非正規訴訟ということで、ハマキョウレックス事件と長澤運輸事件の最高裁判決について見てみたいと思います。 最近、非正規訴訟について一連の最高裁判決が出てニュースでも取り上げられていますが、この2件の最高裁判決がいわゆる先例になっています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 改正前の労働契約法20条 判決を見る前に、いったい何の話をした判決だったのか?ということについて、少しだけ前置きをしたいと思います。 この2件の最高裁判決は、同一労働同一賃金に関する法改正 ...
昭和の根性論と令和の「仕組み化」論-憲法の価値相対主義
最近は、インフルエンサーの方などの間で、意思の強さや根性に頼るべきではなく仕組み化するべきだ、というのが流行ってますね。 こないだからちょくちょく、Kindleアンリミテッドで懐かしの「魁!!男塾」とか「将太の寿司」を全巻読めることに気づいて、久々にイッキ見したんですけど、まさに「昭和の価値観」という感じで、努力・根性・勝利という感じでした。 昭和の価値観と令和の価値観 江田島塾長の価値観は、「わしが男塾塾長江田島平八である!」に集約されているなあと。宇宙空間から、宇宙服と酸素ボンベだけで地球に帰還しても ...
ゴーン氏の事件-「無罪証明」発言がアホと言われるのはなぜか?
法務大臣がゴーン氏の逃亡の件に関して「無罪証明」と言ってしまって叩かれていますね…。 刑事裁判の基本的な考え方について間違っていることを言ってしまったからなわけですが、この発言が叩かれる理由を簡単に見てみます。 「無罪証明」? 大臣のこの発言がアホ扱いされていますが、まあ仕方ないですかね…。(「無罪主張」と言うつもりだった、との弁明も苦しいかと) これがなぜアホ扱いされるのかを一言でいうと、「有罪証明」か「無罪証明」かというのは、一見、逆側から同じことを言っているだけのようにも見えますが、「グレーゾーン」 ...
香川県「ネット・ゲーム依存症対策条例」成立とその是非
ネットニュースなどで話題にのぼっていましたが、香川県で、先日、「ネット・ゲーム依存症対策条例」が可決・成立したそうです(3月18日に成立、4月1日から施行)。 そんなにつぶさに見たわけではないですが、見てみて、うーん…と思ったので、記事にしてみました。 ネット・ゲーム依存症対策条例 内容的には、 18歳未満の子どものゲーム時間を1日60分、休日は90分までとする「目安」を示したり 保護者の責務として、子どもがネット・ゲーム依存症にならないよう子どもと向き合う時間を大切にすることを謳ったり しているそうです ...
芸能人の薬物事犯-過去の使用歴ってどうなるの?
芸能人の薬物事犯に関するニュース、最近多いですよね。 過去の使用歴の有無についてもあわせて話題になることが多いですが、過去の使用歴って量刑上はどうなるのでしょうか? 温度感のギャップ 芸能人の薬物事犯は、ある種定期的に世間を騒がせるニュースになっている気がしますが、司法の側としては芸能人だからといって特別視しているわけではなく、他の一般の事例とアンバランスにならないよう淡々と裁いているだけです。 ワイドショーなどの温度感は、普段司法側で接している者(又は接していたことがある者)からすると、すごいギャップが ...
情報発信メディアでよく見る「○○大学」の名称使用と知っておくべき法律
YouTubeとか見てると、自分のメディアの名称に「〇〇大学」ってつけてる方がけっこう多いですよね。 これ、実は関連する法律があるんですが、ご存じでしょうか。簡単な記事にしてみました。 「〇〇大学」という名称の動画 最近よく見かけますよね。人気Youtuberの方々の「○○大学」という名称の動画。(○○○◇◇◇◇さんとか、△△△☆☆☆さんとか。自分もよく見てます。ほぼ付けっ放しで笑) こういった「○○大学」っていう名称を使うにあたって、一応気にしておくべき法律があるのですが、それは何でしょうか? それは、 ...
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