Contentsコンテンツ
契約法務
Contract――――
契約の一般条項|もし契約の一部が無効になったら?「分離可能性条項」を解説
今回は、契約の一般条項ということで、分離可能性条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています 契約書を読んでいると、最後の方に、細かいルール(一般条項)がたくさん書かれていますよね。本記事は、その中でもよく見かける分離(可能性)条項(Severability Clause)について、解説していきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 分離可能性条項とは 分離可能性条項とは ...
グループガバナンス|取引先管理と契約ワークフロー
今回は、グループガバナンスということで、取引先管理と契約ワークフロー(以下「契約WF」)について見てみたいと思います。 これは特に企業グループにおける管理体制に限った話ではないですが(一社単位でも普通に必要)、グループでの管理体制を考える際にテーマになることもあるかと思いますので、ここで見てみます。また、管理人の個人的見解です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 取引先管理 取引先管理の要点は、 法人の実在性の確認 与信審査 反社チェック の3点にまとめることがで ...
秘密保持契約(NDA)|秘密保持義務の内容と例外(適用除外)
今回は、秘密保持契約(NDA=Non Disclosure Agreement)ということで、秘密保持義務の内容について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 秘密保持義務の内容 秘密保持義務の主な内容は、 目的外使用の禁止 第三者開示の禁止 の2つになります。 これは管理人の理解の仕方で、狭い意味では②のみを秘密保持義務と呼んでいるものも多いですが、実際のところ、この2つは必ずセットで出てきます。 なので、 NDAの基本構造 秘密情報の定義 ...
法令用語の基本|「この限りでない」「妨げない」の意味
今回は、法令用語ということで、「この限りでない」の意味を取り上げてみたいと思います。 法令用語というのは、法令をつくるときに、慣習的な用語法に従って用いられる用語のことです(日常用語とは異なる独特の意味がある)。当ブログでは、法令用語のうち契約書を読み書きするときにも役立つものをピックアップします。 「この限りでない」は、例外を表すときに契約書などでもよく見かけますね。 法令用語としては、但書の語尾として使われます。同様に但書の語尾として使われる、「妨げない」と一緒に説明されることが多いようなので、一緒に ...
M&A法務|株式譲渡契約(SPA)における「サンドバッギング条項」をわかりやすく解説
今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうちサンドバッギング条項について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 サンドバッギングとは サンドバッギング(sandbagging)とは、ざっくりいうと、表明保証違反があったときに、表明保証の相手方がその違反につき悪意であっても(あるいは有過失であっても)表明保証責任を追及することができる ...
M&A法務|株式譲渡契約(SPA)のコベナンツ「ポスト・クロージング事項」を解説
今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうち誓約事項(コベナンツ)について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です コベナンツには、クロージング(取引実行)の前か後かで、大きく ①プレ・クロージング事項(取引実行前の誓約事項。プレクロ事項)②ポスト・クロージング事項(取引実行後の誓約事項。ポスクロ事項)←本記事 がありますが、本記事は②の話です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によ ...
コンプライアンス法務
Compliance―――――――
犯罪収益移転防止法|確認記録の記録事項を解説~確認事項・確認のためにとった措置など
今回は、犯罪収益移転防止法ということで、確認記録の記録事項について見てみたいと思います。 特定事業者は、取引時確認を行った場合には、確認記録を作成し、7年間保存しなければらならない(法6条)とされており、これを確認記録の作成・保存義務といいますが(以下の記事参照)、その確認記録に何を記録するのか、という話です。 犯罪収益移転防止法|確認記録の作成・保存~記録媒体・添付資料・保存期間など ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線、改行などは管理人によるものです。 確認記録の記録事項(規則20条1項) 確認記 ...
犯罪収益移転防止法|「特定業務」「特定取引」どう違う?両者の関係について解説
今回は、犯罪収益移転防止法ということで、「特定業務」と「特定取引」について見てみたいと思います。この2つは、規制の対象となる取引の範囲を指す言葉です。 犯収法に関しては、特定事業者・・・とか、特定業務・・とか、特定取引・・とか、似たような言葉が並んで意味がわからないというのが最初のわかりにくさだと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線は管理人によるものです。 「特定業務」と「特定取引」の関係 特定業務・・というのは、犯収法上の義務の対象となる業務のことですが、特定取引・・とは、そのなかで、本 ...
フリーランス法|”これ、買ってくれない?”はNG「購入・利用強制の禁止」とは
今回は、フリーランス法ということで、発注事業者が守るべきルールのひとつである購入・利用強制の禁止について見てみたいと思います。 フリーランスとして働いていると、いつも仕事を発注しているんだからうちの商品を買ってくれとか、この仕事を受けるならうちの関連会社の保険に入ってくれといったお願い(という名のプレッシャー)を受けたことがあるかもしれません。フリーランス法では、こういった不当な押売りからフリーランスを守るためのルールが定められています。 取引適正化に関する遵守事項 (義務)① 取引条件の明示義務② 期日 ...
グループガバナンス|親子会社と非弁行為(弁護士法72条)
今回は、グループガバナンスということで、親子会社と非弁行為(弁護士法72条)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 親子会社と非弁行為 これはどういう論点かというと、グループ企業間での法律事務の取扱いについても、弁護士法72条の規制(非弁行為の禁止)を受けるため、親会社に法務機能を集約して子会社の法務業務を担うようにした場合、親会社での法務受託業務が非弁行為になってしまうのではないか、ということです。 親会社も子会社も、それぞれ別の法人で ...
取適法解説|支払期日規制にまつわる論点まとめ~受領日の考え方と例外・締切制度など
今回は、取適法ということで、支払期日規制にまつわる論点をまとめて見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 支払期日規制とは 取適法は、代金の支払期日について、委託事業者が商品の受領日(サービスの場合は役務提供日)から起算して60日以内で、かつ、できるだけ短い期間内になるように定めることを義務づけています(支払期日を定める義務。法3条1項)。 もし、適切な期日を定めなかった場合には、法律によって強制的に支払期日が設定されます(支払期日の法定。同条2項 ...
景品表示法を勉強しよう|学習ロードマップ
今回は、景品表示法を勉強しようということで、景品表示法の学習の流れについて見てみたいと思います(管理人の私見です)。 本記事では、当ブログ内の景品表示法についての勉強記事を一覧でまとめています。 学習の流れ 景品表示法の学習の流れは、以下のような感じになるかと思います。 ***** まず、規制の仕組み(全体像)をざっと見る。 そうすると、表示規制と、景品規制、それらの違反に対する措置、に分かれる。 表示規制は、「表示」の定義などをざっと見たあと、①優良誤認表示、②有利誤認表示、③その他の不当表示、の3つに ...
コーポレート法務
Corporate―――――
【令和8年8月公表】内閣府「生成AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード」を解説
生成AIの普及により、誰もが簡単に画像や文章、音楽を創り出せる時代になりました。 しかしその一方で、クリエイターからは「自分の作品が無断でAIの学習に使われているのではないか」「作風を真似たものが勝手に生成されているのではないか」という懸念も寄せられています。また、AI利用者側にとっても「知らず知らずのうちに他人の著作権を侵害してしまうのではないか」という不安がつきまとっています。 こうした課題を解決し、AI技術の進歩の促進と知的財産権の適切な保護を両立させるための重要な指針として、「生成AIの適切な利活 ...
プライバシーポリシーの作り方|「共同利用条項」の書き方と押さえておきたいポイント
今回は、プライバシーポリシーの作り方ということで、共同利用条項について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 共同利用条項の法的意味 共同利用条項の法的意味は、 共同利用の場合には、一定の要件の下で本人の同意を得ることなく個人データを提供することができるので、その共同利用の要件を満たすように所定事項をプライバシーポリシーに記載する という点です。 個人データの第三者提供は、原則として、本人の事前同意を得ることが必要です(法27条1項)。ただし、共 ...
【令和8年8月公表】法務省ガイドライン「ビジネス分野におけるAI等法務業務支援サービス提供と弁護士法第72条の関係」を解説
AIを活用した契約書の作成や審査、法律問題のリサーチなど、企業の法務業務を効率化するのが、AIリーガルテックです。 便利な技術ですが、これまでは弁護士資格を持たない者が報酬を得て法律事務を扱ってはならないと定める弁護士法72条(非弁行為の禁止)との境界線が曖昧で、サービス開発や導入を躊躇する萎縮効果が課題となっていました。 こうした中、令和8年8月21日、法務省から新しいガイドラインが公表されました。さらに、将来的な法律の制定なども視野に入れたルールメイキングのロードマップも同日に発表され、業界で注目を集 ...
ファンド法務|現物不動産をデジタル証券(セキュリティトークン)に仕立てるまでのプロセスをストーリーで解説
今回は、ファンド法務ということで、現物不動産をデジタル証券化するまでのプロセスを見てみたいと思います(ST:セキュリティトークン)。 デジタル証券化にはいくつかの方法がありますが、不動産STでは、次の二つのルートが代表的です。 会社型SPCルート(GK-TK型)不動産信託受益権を合同会社に保有させ、その合同会社に対する匿名組合出資持分をST化する 信託ビークルルート(受益証券発行信託型)不動産信託受益権をもう一つの信託に入れ、その信託の受益権自体をST化する 本記事では、「A土地」をデジタル証券化するまで ...
公益通報者保護法|従事者以外に特定情報を共有する場合の適切な対応プロセス~正当理由・秘密保持誓約など
今回は、公益通報者保護法ということで、従事者以外に特定情報(通報者を特定させる事項)を共有する必要が生じた場合は結局どのようにすれば良いのか、その対応プロセスについて見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線、改行などは管理人によるものです。 本記事は令和7年改正法(令和8年12月施行)を基準にしています 従事者以外に特定情報を共有する場合の対応プロセス 公益通報対応業務において、通報者を特定させる情報である特定情報は、法律上の守秘義務(法12条)および範囲外共有の防止(法11条2項 ...
SPC法務|投資ビークルの種類を解説~会社型SPV・契約型SPVなど
今回は、SPC法務ということで、SPCを含めた投資ビークルの種類について見てみたいと思います。 いろいろなビークルがあって混乱しがちな部分ですが、大まかに分類しておくと意外とすんなり頭に入ります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 投資ビークルの種類 投資ビークルというのは、投資ファンドを組成するときにその中心となるものです。 投資ファンドは投資家から資金を集めてプールし、それを専門家(ファンドマネージャー)が運用する仕組みですが、この受け皿となるのが投資ビークル ...
Other Contentsその他のコンテンツ

02
裁判業務
法律コンテンツのうち裁判業務でよく使うような領域の話を取り上げ、一般民事(個人向け)に関する記事としてまとめています。
発信者情報開示制度の改正論|11月最終取りまとめ案
ネット誹謗中傷の問題に関して、発信者情報開示制度の改正論が引き続き注目されていますが、総務省の「発信者情報のあり方研究会」から、先日、11月を目途と言われていた最終取りまとめの案が出されていました。 ニュースとしては、たとえばこちら。 ▽ネット中傷、訴訟しなくても投稿者を開示 総務省が検討|朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASNCD6G17NCDULFA018.html 最終とりまとめ(案)の原文はこちらから。 ▽発信者情報開示の在り方に関する研究会(第10回 ...
誹謗中傷への法的対処って?
クソリプという言葉とともに、誹謗中傷への法的措置が話題に上ることが増えてきましたね。 管理人も対処したことがありますが(法律事務所と企業内の両方)、法的対処の流れについて簡単な記事にしてみました。 ※本記事は2020年1月23日作成の記事で、その後法改正がされています 法的対処は2段階を経る 加害者の特定、つまり住所氏名の開示に至るまでには、2段階あって、 ①書き込みからIPアドレスを特定(=媒体に開示請求)②IPアドレスから住所・氏名を特定(=プロバイダに開示請求) となります。 ①はわりと簡単ですが、 ...
最判令和2年7月30日|GPS事件最高裁判決ーストーカー規制法「見張り」の解釈
今回は、GPS最高裁判決を取り上げてみたいと思います。 この最高裁判決は、車にGPSを取り付け遠隔監視する行為について、ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)にいう「見張り」にあたらないと判断した、というものです。 ニュースとしては、例えばこちら。 ▽ストーカーがGPSで居場所を追跡しても「見張り」に当たらず 最高裁が初判断|東京新聞 TOKYO Webhttps://www.tokyo-np.co.jp/article/45997 なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるもの ...
03
時事・コラム
法律に関する時事ネタやニュースの記事、徒然に思いついた法律コラムなどをまとめています。

名称の権利化とブランディング戦略(後編)|大学の名称変更と不正競争防止法
前の記事では、名称の権利化とブランディング戦略【前編】ということで、商標権による名称の保護について見てみました。 本記事では、では商標登録してないときは何もいえないのか?という話を見てみたいと思います。 結論からいうと、このときは不正競争防止法という別の法律での保護を検討することができます。これは商標法とはまた別の法律ですので、商標登録していないときでも使うことが可能です。 少し前になりますが、こんなニュースがありました。 ▽参考リンク私立「京都芸術大」の名称差し止め認めず 市立芸大の請求棄却 大阪地裁判 ...
感覚でわかる会社法|株式交換って結局何?
感覚でわかるシリーズ。 今回は、会社法上の「株式交換」についてです。 管理人は、学生の時分は何を読んでもイマイチ頭に入ってこず、わかりやすそうな図を見ても「うーん」という感じだったのですが、ある程度年を食ってから自然とわかるようになったので、その感覚を書いてみたいと思います。 株式交換が何なのかは、順繰りにポイントを追っていくようにするとわかりやすいように思います(図か何かで複数のアクションを同時に説明されても、かえって難しい)。 ということで、順番にポイントを見ていきたいと思います。 ポイント① まず、 ...
「ぴえん」絵文字の商標出願ってどうなるの?
先日、「ぴえん」の絵文字が商標出願されていた、というのがネットニュースになっていました。 ▽「ぴえん」商標出願で使えなくなる? アパレル会社申請にネット物議も「保険的な意味」|J-CASTニュースhttps://www.j-cast.com/2020/11/20399418.html へえ…と思って、あんまりこういう変化球っぽいのを実際に仕事で見たことはないんですけど、ちらっと調べてみるとけっこう面白かった(興味深かった)ので、今回はこれについて見てみたいと思います。 なお、引用部分の太字、下線、改行など ...

04
転職・開業
弁護士の転職に関する記事をまとめています。インハウス転職後の話や、弁護士像、開業トピックなども。
【随時更新】おすすめの法律系ブログ/ブロガー|お気に入り編&分野別編
今回は、管理人の好きなおすすめの法律系ブログをざざっと一覧で紹介してみたいと思います。 もちろん、管理人の個人的好み、っていうことは前提で(汗)。また、noteのアカウントも含んでいます。 後半は「分野別編」ということで、分野に特徴がある(と管理人が思う)ものを載せています。なお、掲げた分野は管理人の主観ですので、その辺りは差し引いて考えていただければと。 おすすめの法律系ブログ/ブロガー|お気に入り編 企業法務戦士の雑感 ~Season2~ 企業法務戦士さんのブログ。やはり老舗、かつ、個人的な不動のNo ...
【弁護士の転職】面接の準備③|会社情報の調査
今回は、弁護士の転職活動ということで、面接準備のうち、会社情報の調査について解説してみたいと思います。 転職活動は他にもいろいろ忙しいなかでやっていることが多いでしょうし、応募先のリサーチはいかに短い時間で効率よく大事な情報を見ていくかが鍵になるかと思います。 ではさっそく見ていきましょう。 会社情報の調査のタイミング 応募の際に会社情報についてはざっと見ていると思いますが、応募の段階、つまり書類選考をパスするかどうかわからない段階では、それほど詳細に見ていない場合が多いと思います(少なくとも管理人はそう ...
弁護士の転職物語①|転職活動の開始
弁護士の転職、というのは最近ホットな話題であると思います。 よくもわるくも弁護士激動の時代に、新しい道を求めて弁護士の働き方も多様化しており、人材の流動性も上がっています。 自分自身も、人材の流動性(特に企業界と弁護士界の間)が上がるのは良いことだと思っています。 雑誌など商業的な記事も、ポジティブな論調で書いた方が格好良いに決まっているので、「インハウス盛り上がってる!」という風潮が見て取れます。 ただ、一側面からの論調であるとも感じるので、いち事例として、自分の転職物語を題材に、弁護士の転職(特にイン ...
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