契約法務
Contract
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契約条項の内容 法制執務

法令用語を勉強しよう|「別段の定め」と「かかわらず」

今回は、法令用語を勉強しようということで、「別段の定め」と「かかわらず」を見てみたいと思います。 法令用語というのは、法令をつくるときに、慣習的な用語法に従って用いられる用語のことです(日常用語とは異なる独特の意味がある)。当ブログでは、法令用語のうち、契約書を読み書きするときにも役立ちそうなものをピックアップしています。 「別段の定め」と「かかわらず」は一見関係ないようですが、一般規定と特別規定の関係を示すにあたって対のように使うことができる用語になります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改 ...

秘密保持契約(NDA)

秘密保持契約(NDA)を勉強しよう|秘密情報の定義

今回は、秘密保持契約(Non Disclosure Agreement。以下「NDA」)を勉強しようということで、秘密情報の定義について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 秘密情報の定義 NDAというのは、ざっくりいうと、最初の方で秘密情報の定義を決めて、それから次に秘密情報の取扱い方を決めていく、という構造になっています。 ということで、秘密情報の定義は、NDAが適用される範囲を画することになるので、前提として重要なところといえます。 とい ...

契約条項の内容 法制執務

法令用語を勉強しよう|「係る」と「関する」

今回は、法令用語を勉強しようということで、「係る」と「関する」を見てみたいと思います。 法令用語というのは、法令をつくるときに、慣習的な用語法に従って用いられる用語のことです(日常用語とは異なる独特の意味がある)。当ブログでは、法令用語のうち、契約書などを読み書きするときにも役立ちそうなものをピックアップしています。 そんなに大した話ではないですが、法律的な文章でよく見かけて何となく使っている「係る」は、どういう意味なのか?を確認してみたいと思います。「関する」との対比です。 ではさっそく。なお、引用部分 ...

秘密保持契約(NDA)

秘密保持契約(NDA)を勉強しよう|秘密保持義務の内容と例外(適用除外)

今回は、秘密保持契約(Non Disclosure Agreement。以下「NDA」)を勉強しようということで、秘密保持義務の内容について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 秘密保持義務の内容 秘密保持義務の主な内容は、 目的外使用の禁止 第三者開示の禁止 の2つになります。 これは管理人の理解の仕方で、狭い意味では②のみを秘密保持義務と呼んでいるものも多いですが、実際のところ、この2つは必ずセットで出てきます。 なので、 【NDAの基本構 ...

契約条項の内容 法制執務

法令用語を勉強しよう|「場合」と「とき」と「時」

今回は、法令用語を勉強しようということで、「場合」と「とき」と「時」の違いを取り上げてみたいと思います。 法令用語というのは、法令をつくるときに、慣習的な用語法に従って用いられる用語のことです(日常用語とは異なる独特の意味がある)。当ブログでは、法令用語のうち、契約書を読み書きするときにも役立ちそうなものをピックアップしています。 「とき」と「時」には使い分けがありますし、また、二重の条件文の書き方などは、契約書の読み書きでも実際によく使います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人 ...

契約条項の内容 法制執務

法令用語を勉強しよう|「する」「とする」と「ものとする」

今回は、法令用語を勉強しようということで、「ものとする」の意味を見てみたいと思います。 法令用語というのは、法令をつくるときに、慣習的な用語法に従って用いられる用語のことです(日常用語とは異なる独特の意味がある)。当ブログでは、法令用語のうち、契約書を読み書きするときにも役立ちそうなものをピックアップしています。 「ものとする」は、なんとなく使い勝手がいいので契約書でもつい多用しがちですが、いま一度、法令用語としての意味もチェックしてみたいと思います。 法令用語としては、「するものとする」で、「する」・「 ...

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コンプライアンス法務
Compliance
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犯罪収益移転防止法

犯罪収益移転防止法を勉強しよう|ハイリスク取引とは

今回は、犯罪収益移転防止法を勉強しようということで、ハイリスク取引とは何かについて見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 ハイリスク取引とは(法4条2項) ハイリスク取引というのは、ひとことで言うと、マネー・ロンダリングに利用されるおそれが特に高い取引のことです(法4条2項)。 内容的には、 なりすましの疑いがある取引又は本人特定事項を偽っていた疑いがある顧客等との取引(1号) 特定国等に居住・所在している顧客等との取引(2号) 外国PEPs(P ...

犯罪収益移転防止法

犯罪収益移転防止法を勉強しよう|疑わしい取引の参考事例

今回は、犯罪収益移転防止法を勉強しようということで、疑わしい取引の参考事例について書いてみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線などは管理人によるものです。 疑わしい取引の参考事例 疑わしい取引の参考事例というのは、疑わしい取引(法8条1項)かどうかの判断に資するために各省庁が発表している参考事例集のことである。 もちろん、参考事例なので、これらに書いていることに該当しなくても、その業界における一般的な知識と経験からして疑わしい取引があれば、届出をする必要がある。逆に、形式的には該当す ...

資金決済法

資金決済法を勉強しよう|資金移動業ー利用者保護に関する規制

今回は、資金決済法を勉強しようということで、資金移動業のうち利用者保護に関する規制について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 利用者保護措置(法51条) 資金移動業者は、利用者に対する情報提供などの、利用者保護措置を講じる義務がある(法51条)。 (利用者の保護等に関する措置)第五十一条 資金移動業者は、内閣府令で定めるところにより、銀行等が行う為替取引との誤認を防止するための説明、手数料その他の資金移動業に係る契約の内容についての情報の提供 ...

犯罪収益移転防止法

犯罪収益移転防止法を勉強しよう|本人確認書類の種類

今回は、犯罪収益移転防止法を勉強しようということで、本人確認書類の種類について見てみたいと思います。 種類が多くていくら読んでも今ひとつ頭に入ってこない…というところだと思いますが、個人や法人などで分ける、個人の場合は証明力の高さに応じてざっくり3群に分ける、といったグルーピングをすれば、多少わかりやすくなるのではないかと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線、改行などは管理人によるものです。 本人確認書類の種類 まず最初に、本人確認書類の種類の全体像を見ておきたいと思います。 本人確認書類 ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|景品類の定義

今回は、景品表示法を勉強しようということで、景品類の定義について書いてみたいと思います。 景品類に該当すれば基本的には景品額の上限規制がかかってきますが、そもそも景品類に該当しなければ規制はかかってこないということになります。なので、一般的な法務実務での諸々の判断においても、最初の入りとして、景品類の該当性判断は重要になります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 景品類の定義 景表法2条3項 景品類の定義は、景表法2条3項に定められている。 3 この法律で「景品類 ...

資金決済法

資金決済法を勉強しよう|前払式支払手段ー資産保全に関する規制

今回は、資金決済法を勉強しようということで、前払式支払手段のうち資産保全に関する規制について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 資産保全義務 前払式支払手段発行者は、基準日における前払式支払手段の未使用残高が基準額を超える場合、その未使用残高の2分の1以上の額を、発行保証金として供託しなければなりません(法14条1項)。 (発行保証金の供託)第十四条 前払式支払手段発行者は、基準日未使用残高が政令で定める額(以下この章において「基準額」という ...

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コーポレート法務
Corporate
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公益通報者保護法

公益通報者保護法を勉強しよう|事業者における内部通報制度の整備・運用

今回は、公益通報者保護法を勉強しようということで、事業者における内部通報制度の整備・運用について書いてみたいと思います。 なお、内容は現行法(令和2年改正前の内容)をベースにしつつ、適宜、改正の内容に言及する、というスタンスにしています。 ▽(参考記事)令和2年改正の内容についてはこちら ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線、改行などは管理人によるものです。 内部通報制度の設計ー事業者向けガイドラインの内容 何でもそうだが、社内の制度は、仕組みの設計→規程化がキホンなので、当ブログでは、以下、そのスタ ...

開示制度

開示制度|適時開示-決算情報に関する開示

今回は、開示制度ということで、適時開示(取引所規則に基づく開示)のうち決算情報に関する開示について見てみたいと思います。 決算情報の開示として「決算短信・四半期決算短信」が、決算関連情報の開示として「業績予想の修正」と「配当予想の修正」に関する開示があります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 決算短信・四半期決算短信 適時開示で開示される決算は、年次と四半期であり、具体的には「決算短信」と「四半期決算短信」が開示されます。 決算短信も四半期決算短信も、決算の内容 ...

インサイダー規制

インサイダー取引規制|会社関係者の禁止行為-規制対象となる情報

今回は、インサイダー取引規制を勉強しようということで、会社関係者のインサイダー取引規制のうち規制対象となる情報について見てみたいと思います。 インサイダー取引規制には、以下のように、「会社関係者に対する規制」と「公開買付者等関係者に対する規制」があります。 ① 会社関係者の禁止行為(金商法166条) ←本記事 ⅰ 規制対象となる主体 ⅱ 規制対象となる情報 ←本記事 ⅲ 規制対象となる取引②  公開買付者等関係者の禁止行為(金商法167条) ⅰ 規制対象となる主体  ⅱ 規制対象となる情報  ⅲ 規制対象 ...

ファンド

ファンド法務|TK出資

今回は、ファンド法務ということで、TK出資について見てみたいと思います。 TK出資は、匿名組合出資の略語です。横文字が多くて何だか気圧されがちですが、どこの業界でもある業界用語ということであまり気にしなくてよいかと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 TK出資 匿名組合 TK出資のTKは、商法上の匿名組合のことです。 ▽商法535条 (匿名組合契約)第五百三十五条 匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配する ...

開示制度

開示制度|適時開示-決定事実に関する開示

今回は、開示制度ということで、適時開示(取引所規則に基づく開示)のうち決定事実に関する開示について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 決定事実の開示時期 決定事実とは、会社が決定した重要事実のことで、決定後直ちに開示することとされています(上場規程402条、403条)。 実務上、遅くとも決定した日のうちには開示しなければなりません。実際の時刻としては、その日の取引時間の終了後(引け後)に開示されることも多いかと思います(適時開示ガイドブック第 ...

ファンド

ファンド法務|ノンリコースローン

今回は、ファンド法務ということで、ノンリコースローンについて見てみたいと思います。 なお、本記事では主にSPCを利用したアセットファイナンスの場面を想定しています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 ノンリコースローン ノンリコースローン(非遡及型貸付)とは、責任財産限定型ローンのことです。 つまり、ローン債権の責任財産をSPCの対象資産に限定している、ということです。SPCがデフォルト(債務不履行)となって貸付金の回収に不足が生じても、基本的には、対象資産以外の ...

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情報管理法務
Information

個人情報法務

プライバシーポリシー|開示等の請求手続条項

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個人情報保護法を勉強しよう|第三者提供に係る記録義務等

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個人情報保護法を勉強しよう|要配慮個人情報に関する義務

知財法務
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商標法

商標法を勉強しよう|新しいタイプの商標

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商標権の取得|事前調査の必要性

著作権法

著作権法を勉強しよう|実演家の権利ーパブリシティ権

法務転職

【弁護士の転職】職務経歴書の書き方②|形式面ービジュアル的な綺麗さも意識しよう

今回は、弁護士の転職ということで、最初の転職の頃のお悩み、職務経歴書の書き方について書いてみたいと思います。 職務経歴書の書き方について、当ブログでは、 ①内容面②形式面③注意点④採用側から見た景色 の4つの記事に分けて書いています。 本記事は、2つめの、②形式面についてです。 形式面ー絵的な美しさも意識しよう 文章と表の併用、箇条書きなど 職務経歴書をつくるときは、絵的な美しさも意識するのがいいと思います。 といっても難しい話ではなく、テキスト(文章)のほかに表を使うのもオススメ!ということです。絶対に ...

法務転職

インハウスローヤーはおもしろくない?|消極的〇〇の話

最近Twitter等を見ていると、インハウスをやっている人は皆つまらないと言っているとか、充実感を感じていないとか、面白くないと言っている、という評をわりとよく見かける。 世間的にはそういうもんなんだ…と思ったので、これとはまたちょっと違う個人的意見を書いてみたいと思う。 インハウスローヤーはおもしろくない? 自分はインハウスを面白いと思っているので感覚的によくわからないし、実際インハウスが面白くないというのを直接聞いたことがないのでよくわからないけれど、こういう評を見かけたときにまず思ったのは、「面白く ...

法務転職

弁護士の転職物語⑦-訟務と法務の違い-

前回(転職物語⑥)に続いて,インハウス転職のポジティブな面を指摘したい。 前回,「法律事務所ではできない経験ができる」と書いたが,「訟務」(訴訟業務の意)と「法務」の違いを,2点,対比的に書いてみたい。 ① 隣接分野との関わりの多さ ひとつは,法務の方が訟務よりも法律外の隣接分野との関わりが多い,ということである。 もちろん訟務の方も,事実認定レベルにおいて,あらゆる部分社会の経験則に精通しなければ(首を突っ込まねば)ならないので,法律外の分野との関わりはある。 ただ,個別事例の処理に必要な限度で切り取る ...

法務転職

弁護士の転職物語⑨-弁護士業界の変化-

今回は,弁護士界に起きていると思う変化を2つ挙げてみたい。 自分はこれまでに2回転職活動を行ったことがあるが,2回目はなんというか大分慣れてきて,比較的落ち着いて色んな事務所・企業の方々とお話しさせていただくことができ,そういった中で感じた感想である。 ひとつは,全国展開型の法律事務所の台頭である。いまさら改めて指摘するまでもないが,業界の人ならいくつかの名前がすぐ浮かぶはずである。また,そこまでメジャーでなくても,同様の方向性を目指しているであろう中規模事務所も多数存在する。 こういった法律事務所は,弁 ...

法務転職

【弁護士の転職】職務経歴書の書き方③|注意点ー悪目立ちすることはやめておこう

今回は、弁護士の転職ということで、最初の転職の頃のお悩み、職務経歴書の書き方について書いてみたいと思います。 職務経歴書の書き方について、当ブログでは、 の4つの記事に分けて書いています。 本記事は、3つめの、③注意点についてです。 注意点ー悪目立ちすることはやめておこう 例1)長すぎる職務経歴書 長すぎる職務経歴書は、悪目立ちするのでやめておきましょう。 管理人が見たことがあるもののなかでは、7~8ページ書いているものがありましたが、長すぎです。こういったところで特性を出そうとしても、単に悪目立ちするだ ...

法務転職

弁護士の転職物語①-転職活動の開始-

弁護士の転職、というのは最近ホットな話題であると思う。 よくもわるくも弁護士激動の時代に、新しい道を求めて弁護士の働き方も多様化しており、人材の流動性も上がっている。 自分自身も、人材の流動性(特に企業界と弁護士界の間)が上がるのは良いことだと思っている。 雑誌など商業的な記事も、ポジティブな論調で書いた方が格好良いに決まっているので、「インハウス盛り上がってる!」という風潮が見て取れる。 ただ、一側面からの論調であるとも感じるので、いち事例として、自分の転職物語を題材に、弁護士の転職(特にインハウスへの ...

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