法務転職

弁護士の転職物語⑨|弁護士業界の変化

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今回は、弁護士業界に起きていると思う変化を2つ挙げてみたいと思います。

自分はこれまでに2回転職活動を行ったことがありますが、2回目はなんというか大分慣れてきて、比較的落ち着いて色んな事務所・企業の方々とお話しさせていただくことができ、そういった中で感じた感想です。

ひとつは、全国展開型の法律事務所の台頭です。いまさら改めて指摘するまでもないですが、業界の人ならいくつかの名前がすぐ浮かぶはずです。また、そこまでメジャーでなくても、同様の方向性を目指しているであろう中規模事務所も多数存在します。

こういった法律事務所は、弁護士法人化して、支店を各地に広げて全国に”店舗網”を広げ、豊富な資金力を背景に広告宣伝費を大量投入し、遠方法律相談などにも力を入れ、全国制覇や国際展開を狙う、というスタンスです(自分のイメージですが)。

ここでひとつ驚いたのは、全部ではないと思いますが、なかには、「パートナー」と「アソシエイト」の区別がほとんど無い事務所もあったことです。

これはなぜそうなるかというと、彼らは、従来あった、「パートナーが依頼者からとってきた事件をアソシエイトに振り、両者が協働して事件処理にあたる」という関係にないからであるようです。

例えば、「ホームページなどで『事務所』を見て、依頼してきた顧客から仕事がくる」という関係になるので、あくまで事務所に依頼してきたのだから特定の弁護士の顧客ではない、という理解のようです。

だから内部は事件類型ごとに部制になっていて、そこに部長さんのような弁護士がいたり(課長みたいなポジションの人も?)、あるいは、支店には「支店長」という肩書の弁護士がいたりするわけです。

つまり顧客の流入ルートが変わっているのに応じて、組織自体が変化しているわけです。本当に会社のように業務活動にあたっているのだなあと思い、時代はここまで来たのかという気もしました(自分の弁護士歴がそんなに長い訳でもないですが…)。

自分も、弁護士も一種のサービス業であるという理解を持っている人ですが、ここまでくると、ちょっと違和感が…というのも正直なところです。それは、サービス業と割り切っても、単なるサービス業と割り切れない部分が弁護士にはどうしても残るからなのではないかと。

例えば、弁護士の仕事は人間のごうを扱うような場面にどうしても出会うことがあることや、真の弁護士の仕事は一流の職人芸であるということ(これは仕事をする中でとてつもない技量を持った弁護士に出会ったときにわかる)から、どうしても逃れられないからだろうと思います。

さてこういった変化は、弁護士界における「顧客流入ルートの変化」というふうに呼べると思います。

しかし、ひとつ疑問を呈したいのは、じゃあこれまでになかったような仕事、弁護士がやるべきなのにやらなかったような仕事がここで果たして生み出されているのか?ということです。

次に、もうひとつの変化を挙げたいと思います。

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