法務転職

弁護士の転職物語⑬-10年後の自分をイメージ-

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転職活動についてまたひとつ思い出したことがあるので書いておきたい。

インハウスから転じて独立する前に,今後,独立するのと転職するのとどっちが自分にとっていいのだろうかと,転職活動も行った。最終的には独立を選んだが,選択肢の洗い出しをしておくというか,そういう意味で活動した。

即,独立を選ばなかったのは,もしかして仕事が面白く感じないのは,仕事が面白くないからではなくて,一緒に働いている人が面白くないだけではないか,という気もしたからである。
(いわゆる”働かないオジさん”,”選べない上司”というヤツに囲まれている状態である。)

いくつか内定もいただき,執行役員や部付部長との面談などで,非常に好感をもった企業もあった。年収もかなりいいところもあった。さて,独立するか,転職するか,考えていたときに,転職エージェントにいわれたことは,
「5年後,10年後の自分はどうなっていたいか,ということを考えてください」
ということだった。

なるほど,シンプルだが的を得ている言葉だと感じた。弁護士の場合,10年後の自分,というより,登録10年目にどういう弁護士になっていたいか考えてみてください,と言い換えた方がいいかもしれない。

それで考えてみると,このままインハウスを続けて働かないオジさん達とギューギューしながら(転職しても同じかもしれないので)働いていくよりは,自分の目標に向かって頑張っていく方がよいような気がした。というわけで,独立することにした。

このとき頭にあった目標というのは,外部で弁護士として活動しながらも,訴訟代理活動だけでなく,コンサル機能にも力を入れて,法務部が本来行うべきこと(なのに実際はできていないこと)を外部から担っていく,というようなイメージである。

そうすれば,自分のやりたいこと(←法務的活動)ができ,職場環境も自分で選ぶ(←仲間をつくる,というか,働かないオジさん達と会話しなくて済む)ことができる,と考えたからである。最良の選択肢に向かって突っ走っていく感じである。

エージェントは,その立場からすると確実にインハウス転職を勧めた方が儲かるわけだが,このエージェントさんは,「我々は転職活動を支援しているのではなく,それぞれの弁護士が自分のなりたい弁護士になっていただくことを支援しているのです」ということを仰っていて,無理強いすることもなく相談に乗ってくれた。とても良いエージェントさんだったと思う。もしかしたら,独立して採用を検討する側に回ったときに,そっちの方が儲かる,という投資であったかもしれないが(笑)。

独立後,日々の考えに追われていると忘れそうになるので,書いておいた。

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