今回は、弁護士の転職の面接について書いてみたいと思います。
といっても、おそらく、弁護士以外の職業の方の面接と大きく異なることはないのだろうと思います(両方を実体験している訳ではないので、はっきりとはわかりませんが)。
自分は今までに2回転職活動を行ったことがありますが、転職の面接で絶対に聞かれるのは次の質問です。これに対する答えが、転職全体についての最も重要なエッセンスになります。
その質問とは、
「何で今のところ辞めるんですか?」
です。
どこの誰と話しても絶対に聞かれますので、企業との面接以前に、エージェントとの面談にもこれに対する答えを用意していく必要があります。
なぜこの質問がコアになるのかというと、結局のところ、この質問に対する答えの中に
「現在の職場にどのような不満を持っているのか」
「これから何をやりたいのか」
が必然的に含まれるため、その人の持つエッセンスがこの質問で露わになるからです。
また、企業としては当然のことながら、長く勤めてほしいわけです(良い人材ならば)。
そうすると、「なぜ辞めるのか」という理由が、応募先企業にあてはまらないものであれば、応募先企業としては一応安心できます。いわばそのことを確認する儀式であるといえます。
もう少し付け加えると、結局、転職の面接というのは、残念ながら、「私はあなたの役に立つ手足です」ということを証明する場であるのだと思います。
このうち、「あなたの役に立つ」という部分は、履歴書と職務経歴書(つまりは過去の実務経験)によって証明されるため、割と淡々とした説明で足ります。
(もちろん、事実をベースに、なるだけ見栄えが良くなるように工夫はしますが)
もうひとつの「手足です」の部分は、「長く使えます」という意味も含まれ、応募先企業は、現在の職場を辞める理由が自社にはあてはまらないことを確認することでこの部分を担保するわけです。
とすれば、転職者としては、企業側にその部分を確認させて安心させなければなりません。
これまで合計するとそこそこの数の企業や事務所と面接したと思いますが(たぶん10~20社ぐらい?)、弁護士だからといって、クリエイティビティというか、応募者の自主性や専門性に期待して、新しい分野を開拓してほしい、というような日本企業はほとんどありませんでした(2、3社ありました)。
このあたりは、初めて転職活動を行う弁護士(=当時の自分)には、もしかしたらギャップがあるかもしれません。
何を当たり前のことを?
と思う人も多いと思いますが、上記の質問や、企業側の求める人材像というのは、初めて転職活動を行う者(=当時の自分)にとっては今イチ実感をもてないところでもあります。
くり返しになりますが、最も重要な質問は、
「何で今のところ辞めるんですか?」
です。
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