とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。
イソ弁、複数社でのインハウスローヤー、独立開業など経験。
弁護士の転職や法務の経験などをアウトプットしています。
<背景画像>著作者:Freepik

契約の基本事項

2024/3/1

契約の基本事項|契約書を作成する目的・意味

今回は、契約の基本事項ということで、契約書を作成する目的・意味を取り上げてみたいと思います。 ひと言でいうと、「合意を証拠化する」、いわゆるエビデンスというやつですが、一般的にいくつか言われることを振り返ったうえで、実際のところどうなのかという話も考えてみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 契約書を作成する目的(一般論) 契約書を作成する目的というと、契約書の基礎研修やセミナーなどでは、最初の方でほぼ必ず触れられるトピックかと思いますが、だいたい、 ...

法制執務

2024/2/28

法令用語を勉強しよう|「することができる」は権利、「しなければならない」は義務

今回は、法令用語を勉強しようということで、「することができる」と「しなければならない」の意味を取り上げてみたいと思います。 法令用語というのは、法令をつくるときに、慣習的な用語法に従って用いられる用語のことです(日常用語とは異なる独特の意味がある)。当ブログでは、法令用語のうち契約書などを読み書きするときにも役立ちそうなものをピックアップしています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 「することができる」の意味 「することができる」は権利 法令用語としての「するこ ...

法制執務

2024/2/23

法令用語を勉強しよう|「及び」「並びに」と「又は」「若しくは」

今回は、法令用語を勉強しようということで、「及び」「並びに」と「又は」「若しくは」の意味を取り上げてみたいと思います。 法令用語というのは、法令をつくるときに、慣習的な用語法に従って用いられる用語のことです(日常用語とは異なる独特の意味がある)。当ブログでは、法令用語のうち、契約書などを読み書きするときにも役立ちそうなものをピックアップしています。 「及び」「並びに」(andの意味)と、「又は」「若しくは」(orの意味)は、だいたいどんな解説でも、最初の方の話は日常感覚でわかりますが、話が進むにつれて意外 ...

消費者契約法

2023/11/24

消費者契約法を勉強しよう|免責条項ー債務不履行責任、不法行為責任

今回は、消費者契約法を勉強しようということで、免責条項のうち、債務不履行責任または不法行為責任を免責する条項(法8条1項)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 免責条項の無効 法8条1項は、債務不履行責任または不法行為責任を全部免責する条項を無効とする。 また、一部免責であっても、それが故意または重過失に基づく損害賠償を免責するものである場合には、やはり無効とする。 ただ、免責条項が無効とされたとしても、それで損害賠償が認められるという ...

契約の一般条項

2023/11/23

契約の一般条項を勉強しよう|期限の利益喪失条項

今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、期限の利益喪失条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 期限の利益とは 期限の利益とは、期限が到来するまで債務の履行を請求されないという債務者の利益のことである。 例えば、貸金の返還債務や代金の支払義務などについて期限が設けられている場合、その猶予期間内であれば、債務者は、債権者から請 ...

迷惑メール防止法

2023/11/23

迷惑メール防止法を勉強しよう|措置命令と刑事罰

今回は、迷惑メール防止法を勉強しようということで、違反に対する措置(措置命令と刑事罰)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 措置命令(法7条) 迷惑メール防止法上の措置命令(法7条)とは、迷惑メール防止法に違反した送信者に対して、総務大臣と内閣総理大臣が行う行政処分のことである。 措置命令は、規制法には一般的に存在するもので、語感からはイメージしにくいが、要するに業務改善命令である。 (措置命令)第七条 総務大臣及び内閣総理大臣(架空電 ...

迷惑メール防止法

2023/11/22

迷惑メール防止法を勉強しよう|その他の禁止事項

今回は、迷惑メール防止法を勉強しようということで、その他の禁止事項について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 送信者情報を偽った送信の禁止(法5条) まず、特定電子メールの送信にあたり、送信元アドレスのなりすましは禁止されている。 送信元アドレスをなりすましたり、表示しないようにPCのソフトで設定して送信した場合は、違法となる。 (送信者情報を偽った送信の禁止)第五条 送信者は、電子メールの送受信のために用いられる情報のうち送信者に関するもの ...

契約の一般条項

2023/11/21

契約の一般条項を勉強しよう|管轄条項

今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、管轄条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 法律上の原則 まず、管轄条項がなかった場合はどうなるかというと、法律上の原則に従うことになる。 法律上の原則としては、法定管轄がある。 法定管轄の種類としては、職分管轄、事物管轄、土地管轄がある。 また、これらの法定管轄は、拘束力によって、 ...

迷惑メール防止法

2023/11/20

迷惑メール防止法を勉強しよう|同意の記録保存義務

今回は、迷惑メール防止法を勉強しようということで、オプトイン規制における同意を証する記録の保存義務について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 同意を証する記録の保存義務(法3条2項) オプトイン規制においては、事前の同意の有無が、適法か否かを分ける重要な判断基準となるため、同意を証する記録の保存が義務づけられている(法3条2項)。 2 前項第一号の通知を受けた者は、総務省令・内閣府令で定めるところにより特定電子メールの送信をするように求めがあ ...

迷惑メール防止法

2023/11/19

迷惑メール防止法を勉強しよう|受信拒否の場合の送信禁止(オプトアウト)

今回は、迷惑メール防止法を勉強しようということで、オプトアウト規制(受信拒否の場合の送信禁止)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 オプトアウト規制(法3条3項) 広告宣伝メールの送信について同意があった場合であっても、受信拒否の通知を受けた場合には、以後の送信は禁止される(法3条3項)。 メールの送信者に受信拒否の意思を伝えた場合、以後の送信を認めない方式である。利用者が拒否するかどうかを決める(outするかどうかを決める(=opt) ...

迷惑メール防止法

2023/11/18

迷惑メール防止法を勉強しよう|オプトイン規制の例外

今回は、迷惑メール防止法を勉強しようということで、オプトイン規制の例外について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 オプトイン規制の例外(法3条1項2号~4号) オプトイン規制(同意がない場合の送信禁止)については、いくつかの例外があり、 自己の電子メールアドレスを通知した者(2号) 取引関係にある者(3号) 自己の電子メールアドレスを公表している団体又は営業を営む個人(4号) に対しては、同意なく送信することができる。 必ずしも明示の同意の通 ...

迷惑メール防止法

2023/11/16

迷惑メール防止法を勉強しよう|同意がない場合の送信禁止(オプトイン)

今回は、迷惑メール防止法を勉強しようということで、オプトイン規制(同意がない場合の送信禁止)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 オプトイン規制(法3条1項1号) 特定電子メール(広告宣伝メール)は、原則として、あらかじめ送信の同意を得た者以外に対して送信してはならない。 あらかじめメールの受信を承諾している者に対してのみ送信を認める方式である。利用者が同意するかどうかを決める(inするかどうかを決める(=opt))ので、いわゆる”オプ ...