とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。
今日、こんなニュースがありました(2024/11/06)。 ▽参考リンク司法試験、最年少は17歳 合格1592人で政府目標上回る|日本経済新聞HP あまり昨今の受験事情を気にしたことが実はなかったんですが、若年合格がどこまでいけるのか、ざざっと考えてみました。 司法試験合格と年齢 司法試験の受験資格をゲットするには、 ロースクールルート(ロースクールを卒業して司法試験の受験資格を得る) 予備試験ルート(予備試験に合格すればロースクールをすっ飛ばして司法試験の受験資格を得ることができるが、合格率は低い=予備 ...
今回は、特定商取引法を勉強しようということで、通信販売規制における「通信販売」と「広告」の定義を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 通信販売に関する規制 通信販売に関する規制は、消費者が契約するかどうかを選択するための情報が広告だけに限られることから、広告規制が中心になっています。 例えば、普段ネットで買物するときにもよく見かける「特定商取引法に基づく表記」(法11条)の義務は、 (通信販売についての広告)第十一条 販売業者又は役務提供事業者 ...
今回は、消費者契約法を勉強しようということで、サルベージ条項の無効(法8条3項)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 サルベージ条項とは サルベージ条項とは、ある条項が法律に違反し全部無効となる場合に、その条項の効力を法律によって無効とされない範囲に限定する趣旨の文言が記載された条項のことです。 例えば、 「法令に反しない限り」「法令で許される範囲において」etc といった留保文言があります。 消費者契約法は、このようなサルベージ条項の ...
今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、契約不適合責任条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 契約不適合責任とは 契約不適合責任とは、売買契約において目的物の引渡し(あるいは権利の移転)がなされたものの、それが契約の内容に適合していなかったという場合に、売主が負う担保責任のことです。 売買以外の有償契約(例えば請負契約など) ...
今回は、消費者契約法を勉強しようということで、契約不適合による損害賠償の免責条項について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 免責条項の無効(法8条1項1号・2号) 契約不適合による損害賠償の免責条項も、基本的には債務不履行の場合と同様です。 全部免責を定めるものは法8条1項1号に該当し無効となり、一部免責でも、故意・重過失の場合を免責するものは2号に該当し無効となります。 契約不適合も債務不履行の一種(不完全履行)なので、条文上も特に区別され ...
今回は、不正競争防止法を勉強しようということで、不正競争行為のうち営業秘密に係る不正行為について見てみたいと思います。 なお、ネットでも見れるテキストとして、経産省HPに「不正競争防止法テキスト」(スライド形式)と「逐条解説 不正競争防止法」が掲載されています。 ▷参考リンク:不正競争防止法(知的財産室)|経産省HP ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 基本構造 営業秘密に係る不正行為は、「営業秘密」の定義(3要件)と、これに関する「不正行為」の類型(6類型)が定め ...
今回は、法務の基礎を勉強しようということで、総額表示について見てみたいと思います。 財務省HPに公的な解説資料があるのでそれを見れば十分ですが、当ブログではもう少し法務的な目線から、ポイントを改めて整理してみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 総額表示とは 総額表示とは、消費税を含めた税込価格を表示することです。 つまり、何の総額か?というと、「商品やサービスの価格」と「消費税」の総額のことです。 例えば、商品価格が10,000円の場合 11,000円(税込 ...
今回は、下請法を勉強しようということで、支払期日規制にまつわる論点を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 支払期日規制 下請法は、下請代金の支払期日について、親事業者が商品の受領日(サービスの場合は役務提供日)から起算して60日以内で、かつ、できるだけ短い期間内になるように定めることを義務づけています(支払期日を定める義務/法2条の2第1項)。 また、現実には支払期日を定める義務に違反しているケースもあり得ますので、そのような場合には、支払期日 ...
今回は、フリーランス法を勉強しようということで、適用対象となる取引について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 業務委託の類型 フリーランス法の適用対象となる取引は、「業務委託」であり、 物品の製造・加工委託 情報成果物の作成委託 役務の提供委託 という3つの類型があります。 ▽法2条3項 3 この法律において「業務委託」とは、次に掲げる行為をいう。一~二 (略) 以下、順に見てみます。 物品の製造・加工委託 物品の製造・加工委託とは、事業者が ...
今回は、フリーランス法を勉強しようということで、支払期日規制にまつわる論点を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 支払期日規制 フリーランス法は、報酬の支払期日について、発注事業者が商品の受領日(サービスの場合は役務提供日)から起算して60日以内で、かつ、できるだけ短い期間内になるように定めることを義務づけています(支払期日を定める義務/法4条1項)。 また、現実には支払期日を定める義務に違反しているケースもあり得ますので、そのような場合には、 ...
今回は、フリーランス法を勉強しようということで、取引適正化に関する義務のうち期日における報酬支払義務について見てみたいと思います。 法4条に定められていますが、「支払期日を定める義務」と「期日内の支払義務」に分けた方がわかりやすいかと思いますので、本記事では2つに分けています。 フリーランス法における発注事業者の義務には、以下のような種類があります。 【取引適正化に関する義務】①取引条件の明示義務②支払期日を定める義務/期日内の支払義務 ←本記事③7つの禁止行為【就業環境整備に関する義務】④募集情報の的確 ...
今回は、フリーランス法を勉強しようということで、適用対象となる事業者について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 フリーランスと発注事業者 フリーランス法の適用対象となる事業者は、”フリーランス”と”発注事業者”です。 ここでいう”フリーランス”については、現在、法律上の定義がありますが、大まかなイメージとしては、”雇人がいない自営業主や一人社長”という感じです。 イメージづくりとして、以下のフリーランス環境ガイドライン(「フリーランスとして安 ...