とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。

契約条項本文

契約の一般条項を勉強しよう|契約不適合責任条項

今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、契約不適合責任条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 契約不適合責任とは 契約不適合責任とは、売買契約において契約の目的物の引渡し(あるいは権利の移転)がなされたものの、それが契約の内容に適合していなかったという場合に、売主が負う担保責任のことです。 売買以外の有償契約(例えば請負契約 ...

消費者契約法

消費者契約法を勉強しよう|免責条項ー契約不適合責任

今回は、消費者契約法を勉強しようということで、契約不適合による損害賠償の免責条項について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 免責条項の無効(法8条1項1号・2号) 契約不適合による損害賠償の免責条項も、基本的には債務不履行の場合と同様です。 全部免責を定めるものは法8条1項1号に該当し無効となり、一部免責でも、故意・重過失の場合を免責するものは2号に該当し無効となります。 契約不適合も債務不履行の一種(不完全履行)なので、条文上も特に区別され ...

不正競争防止法 営業秘密管理

不正競争防止法を勉強しよう|営業秘密に係る不正行為-営業秘密の定義

今回は、不正競争防止法を勉強しようということで、不正競争行為のうち営業秘密に係る不正行為について見てみたいと思います。 なお、ネットでも見れるテキストとして、経産省HPに「不正競争防止法テキスト」(スライド形式)と「逐条解説 不正競争防止法」が掲載されています。 ▷参考リンク:不正競争防止法(知的財産室)|経産省HP ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 基本構造 営業秘密に係る不正行為は、「営業秘密」の定義(3要件)と、これに関する「不正行為」の類型(6類型)が定め ...

法務一般

法務の基礎を勉強しよう|総額表示

今回は、法務の基礎を勉強しようということで、総額表示について見てみたいと思います。 財務省HPに公的な解説資料があるのでそれを見れば十分ですが、当ブログではもう少し法務的な目線から、ポイントを改めて整理してみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 総額表示とは 総額表示とは、消費税を含めた税込価格を表示することです。 つまり、何の総額か?というと、「商品やサービスの価格」と「消費税」の総額のことです。 例えば、商品価格が10,000円の場合 11,000円(税込 ...

下請法

下請法を勉強しよう|支払期日規制にまつわる論点

今回は、下請法を勉強しようということで、支払期日規制にまつわる論点を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 支払期日規制 下請法は、下請代金の支払期日について、親事業者が商品の受領日(サービスの場合は役務提供日)から起算して60日以内で、かつ、できるだけ短い期間内になるように定めることを義務づけています(支払期日を定める義務/法2条の2第1項)。 また、現実には支払期日を定める義務に違反しているケースもあり得ますので、そのような場合には、支払期日 ...

フリーランス法

フリーランス法を勉強しよう|業務委託の類型と期間

今回は、フリーランス法を勉強しようということで、適用対象となる取引について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 業務委託の類型 フリーランス法の適用対象となる取引は、「業務委託」であり、 物品の製造・加工委託 情報成果物の作成委託 役務の提供委託 という3つの類型があります。 ▽法2条3項 3 この法律において「業務委託」とは、次に掲げる行為をいう。一~二 (略) 以下、順に見てみます。 物品の製造・加工委託 物品の製造・加工委託とは、事業者が ...

フリーランス法

フリーランス法を勉強しよう|支払期日規制にまつわる論点

今回は、フリーランス法を勉強しようということで、支払期日規制にまつわる論点を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 支払期日規制 フリーランス法は、報酬の支払期日について、発注事業者が商品の受領日(サービスの場合は役務提供日)から起算して60日以内で、かつ、できるだけ短い期間内になるように定めることを義務づけています(支払期日を定める義務/法4条1項)。 また、現実には支払期日を定める義務に違反しているケースもあり得ますので、そのような場合には、 ...

フリーランス法

フリーランス法を勉強しよう|取引適正化に関する義務-期日における報酬支払義務

今回は、フリーランス法を勉強しようということで、取引適正化に関する義務のうち期日における報酬支払義務について見てみたいと思います。 法4条に定められていますが、「支払期日を定める義務」と「期日内の支払義務」に分けた方がわかりやすいかと思いますので、本記事では2つに分けています。 フリーランス法における発注事業者の義務には、以下のような種類があります。 【取引適正化に関する義務】①取引条件の明示義務②支払期日を定める義務/期日内の支払義務 ←本記事③7つの禁止行為【就業環境整備に関する義務】④募集情報の的確 ...

フリーランス法

フリーランス法を勉強しよう|特定受託事業者と業務委託事業者

今回は、フリーランス法を勉強しようということで、適用対象となる事業者について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 フリーランスと発注事業者 フリーランス法の適用対象となる事業者は、”フリーランス”と”発注事業者”です。 ここでいう”フリーランス”については、現在、法律上の定義がありますが、大まかなイメージとしては、”雇人がいない自営業主や一人社長”という感じです。 以下のフリーランス環境ガイドライン(「フリーランスとして安心して働ける環境を整備 ...

フリーランス法

フリーランス法を勉強しよう|取引適正化に関する義務-取引条件の明示義務

今回は、フリーランス法を勉強しようということで、取引適正化に関する義務のうち取引条件の明示義務について見てみたいと思います。 フリーランス法における発注事業者の義務には、以下のような種類があります。 【取引適正化に関する義務】①取引条件の明示義務 ←本記事②支払期日を定める義務/期日内の支払義務③7つの禁止行為【就業環境整備に関する義務】④募集情報の的確表示⑤育児介護等と業務の両立に対する配慮⑥ハラスメント対策に係る体制整備⑦中途解除等の事前予告・理由開示 その中で、本記事は黄色ハイライトを引いた箇所の話 ...

下請法

下請法を勉強しよう|親事業者の禁止行為-不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止

今回は、下請法を勉強しようということで、親事業者の禁止行為のうち不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止について見てみたいと思います。 下請法の適用対象になったとき、親事業者には以下のような11の禁止事項が課せられます。 【親事業者の11の禁止事項】(4条1項のグループ)①受領拒否の禁止②下請代金の支払遅延の禁止③下請代金の減額の禁止④返品の禁止⑤買いたたきの禁止⑥購入・利用強制の禁止⑦報復措置の禁止(4条2項のグループ)⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止⑨割引困難な手形の交付の禁止⑩不当な経済 ...

下請法

下請法を勉強しよう|親事業者の禁止行為-不当な経済上の利益の提供要請の禁止

今回は、下請法を勉強しようということで、親事業者の禁止行為のうち不当な経済上の利益の提供要請の禁止について見てみたいと思います。 下請法の適用対象になったとき、親事業者には以下のような11の禁止事項が課せられます。 【親事業者の11の禁止事項】(4条1項のグループ)①受領拒否の禁止②下請代金の支払遅延の禁止③下請代金の減額の禁止④返品の禁止⑤買いたたきの禁止⑥購入・利用強制の禁止⑦報復措置の禁止(4条2項のグループ)⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止⑨割引困難な手形の交付の禁止⑩不当な経済上の利益の ...