今回は、独占禁止法を勉強しようということで、違反行為に対する措置のうち、行政措置について書いてみたいと思います。
ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。
メモ
本カテゴリ「法務道場」では、インハウスとしての法務経験からピックアップした、管理人の独学や経験の記録を綴っています。
ネット上の読み物としてざっくばらんに書いていますので、感覚的な理解を掴むことを目指しているのですが、書籍などを理解する際の一助になれれば幸いです。
違反に対する措置(エンフォースメント)の全体像
独禁法の違反に対する措置・制裁には、行政・刑事・民事の3種類全てが存在する。
ちなみに、違反に対する措置のことを「エンフォースメント」といったりするが、これは「執行」という意味で、普通の言葉でいうと"実現"という意味である。
(例えば、民事執行というのは、民事上の権利の実現、という意味)
エンフォースメントの全体像を表にすると、以下のとおり。
措置・制裁 |
私的独占 |
不当な取引制限 |
不公正な取引方法 |
|
行政措置 |
排除措置命令 |
〇 |
〇 |
〇 |
課徴金納付命令 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
刑事罰 |
違反者個人、違反企業、違反企業代表者 |
〇 |
〇 |
|
民事責任 |
損害賠償請求 |
〇 |
〇 |
〇 |
差止請求 |
〇 |
行政措置は最も基本的な措置で、私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法の全部の類型でできるようになっている。
審査手続
主な法令等
審査手続に関する主な法令は、以下のとおり。
法律 |
公取規則 |
行政解釈 |
|
審査手続 |
独占禁止法 |
➢意見聴取規則 |
➢審査手続指針 |
端緒(調査の端緒)
違反行為の手がかりのことを「端緒」といい、これにより違反が疑われる事件(違反被疑事件)を発見すると、調査が開始される。
(ちなみに、一般的な犯罪捜査の手がかりのことも「捜査の端緒」といったりする)
端緒には、公正取引委員会の職権探知(45条4項)や、一般からの報告(45条1項)、課徴金減免制度の利用、中小企業庁からの請求などがある。
ちなみに、職権探知というのは、何も申立や報告や請求なしで行政が自発的に行う(調査・証拠収集をする)もの、という意味。つまり、公取委自らの違反の発見のことである。
第四十五条 何人も、この法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
2 前項に規定する報告があつたときは、公正取引委員会は、事件について必要な調査をしなければならない。
3 第一項の規定による報告が、公正取引委員会規則で定めるところにより、書面で具体的な事実を摘示してされた場合において、当該報告に係る事件について、適当な措置をとり、又は措置をとらないこととしたときは、公正取引委員会は、速やかに、その旨を当該報告をした者に通知しなければならない。
4 公正取引委員会は、この法律の規定に違反する事実又は独占的状態に該当する事実があると思料するときは、職権をもつて適当な措置をとることができる。
公正取引委員会HPに事業者向け説明資料のページがあり、これがわかりやすい。
▽独占禁止法違反被疑事件の行政調査手続の概要について(事業者向け説明資料)|公正取引委員会HP
https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/shinsagaiyou.html
審査手続(違反被疑事件の調査)
違反行為を行っている疑いがある場合、公取委は、当該事業者の事務所などへの立入検査を行い、帳簿、取引記録などの関係資料を収集し、調査する。
また、必要に応じて、関係者に出頭を命じて事情聴取などを行い、違反行為に関する証拠を収集する。
第四十七条 公正取引委員会は、事件について必要な調査をするため、次に掲げる処分をすることができる。
一 事件関係人又は参考人に出頭を命じて審尋し、又はこれらの者から意見若しくは報告を徴すること。
二 鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。
三 帳簿書類その他の物件の所持者に対し、当該物件の提出を命じ、又は提出物件を留めて置くこと。
四 事件関係人の営業所その他必要な場所に立ち入り、業務及び財産の状況、帳簿書類その他の物件を検査すること。
2 公正取引委員会が相当と認めるときは、政令で定めるところにより、公正取引委員会の職員を審査官に指定し、前項の処分をさせることができる。
3 前項の規定により職員に立入検査をさせる場合においては、これに身分を示す証明書を携帯させ、関係者に提示させなければならない。
4 第一項の規定による処分の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
なお、これらは行政上の調査権限に基づく調査であるが、実際には、任意の協力を得て実施する任意調査も多く行われる。
排除措置命令
排除措置命令は、違反行為を排除して競争秩序を回復し、再発を防止することを目的とした行政上の措置である。
制裁として課されるものではない(違反行為や違反状態の除去、みたいなイメージ)。
条文は以下のとおりで、共通する要件は、
① 独占禁止法の違反行為があること
② 第8章第2節に規定する手続に従うこと
③ (違反行為が既になくなっている場合でも)特に必要があると認めるとき
である。
【私的独占、不当な取引制限等について】(7条)
第七条 第三条又は前条の規定に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、事業者に対し、当該行為の差止め、事業の一部の譲渡その他これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。
2 公正取引委員会は、第三条又は前条の規定に違反する行為が既になくなつている場合においても、特に必要があると認めるときは、第八章第二節に規定する手続に従い、次に掲げる者に対し、当該行為が既になくなつている旨の周知措置その他当該行為が排除されたことを確保するために必要な措置を命ずることができる。ただし、当該行為がなくなつた日から五年を経過したときは、この限りでない。
一 当該行為をした事業者
二 当該行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときにおける合併後存続し、又は合併により設立された法人
三 当該行為をした事業者が法人である場合において、当該法人から分割により当該行為に係る事業の全部又は一部を承継した法人
四 当該行為をした事業者から当該行為に係る事業の全部又は一部を譲り受けた事業者
【事業者団体の禁止行為について】(8条の2)
第八条の二 前条の規定に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、事業者団体に対し、当該行為の差止め、当該団体の解散その他当該行為の排除に必要な措置を命ずることができる。
2 第七条第二項の規定は、前条の規定に違反する行為に準用する。
3 公正取引委員会は、事業者団体に対し、第一項又は前項において準用する第七条第二項に規定する措置を命ずる場合において、特に必要があると認めるときは、第八章第二節に規定する手続に従い、当該団体の役員若しくは管理人又はその構成事業者(事業者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者が構成事業者である場合には、当該事業者を含む。第二十六条第一項において同じ。)に対しても、第一項又は前項において準用する第七条第二項に規定する措置を確保するために必要な措置を命ずることができる。
【不公正な取引方法について】(20条)
第二十条 前条の規定に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、事業者に対し、当該行為の差止め、契約条項の削除その他当該行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。
2 第七条第二項の規定は、前条の規定に違反する行為に準用する。
【企業結合規制について】(17条の2)
第十七条の二 第十条第一項、第十一条第一項、第十五条第一項、第十五条の二第一項、第十五条の三第一項、第十六条第一項又は前条の規定に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、事業者に対し、株式の全部又は一部の処分、事業の一部の譲渡その他これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。
2 第九条第一項若しくは第二項、第十三条、第十四条又は前条の規定に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、当該違反行為者に対し、株式の全部又は一部の処分、会社の役員の辞任その他これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。
独占禁止法の違反行為があること
「~~の規定に違反する行為があるとき」の部分は、すなわち独禁法違反が成立することである。
特に必要があると認めるとき(既往の違反行為の場合)
違反行為が既になくなっている場合は、「特に必要があると認めるとき」という要件が加重されている。
ちなみに、既になくなった違反行為のことを既往の違反行為といったりする。
第8章第2節に規定する手続に従うこと(手続要件)
第8章第2節に規定する手続に従うことが、手続要件となっている。
意見聴取の通知、意見聴取、公正取引委員会の議決、排除措置命令書の作成、必要記載事項の記載、送達などである。
なかでも、意見聴取と、その事前通知が重要である。公取委が排除措置命令を行おうとする場合(ちなみに、課徴金納付命令の場合も同様)、予定される命令の内容や公正取引委員会の認定した事実、意見聴取の期日などが事業者に通知される。
第四十九条 公正取引委員会は、第七条第一項若しくは第二項(第八条の二第二項及び第二十条第二項において準用する場合を含む。)、第八条の二第一項若しくは第三項、第十七条の二又は第二十条第一項の規定による命令(以下「排除措置命令」という。)をしようとするときは、当該排除措置命令の名宛人となるべき者について、意見聴取を行わなければならない。
第五十条 公正取引委員会は、前条の意見聴取を行うに当たつては、意見聴取を行うべき期日までに相当な期間をおいて、排除措置命令の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一 予定される排除措置命令の内容
二 公正取引委員会の認定した事実及びこれに対する法令の適用
三 意見聴取の期日及び場所
四 意見聴取に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地
2 前項の書面においては、次に掲げる事項を教示しなければならない。
一 意見聴取の期日に出頭して意見を述べ、及び証拠を提出し、又は意見聴取の期日への出頭に代えて陳述書及び証拠を提出することができること。
二 意見聴取が終結する時までの間、第五十二条の規定による証拠の閲覧又は謄写を求めることができること。
第六十条 公正取引委員会は、排除措置命令に係る議決をするときは、第五十八条第一項に規定する調書及び同条第四項に規定する報告書の内容を十分に参酌してしなければならない。
第六十一条 排除措置命令は、文書によつて行い、排除措置命令書には、違反行為を排除し、又は違反行為が排除されたことを確保するために必要な措置並びに公正取引委員会の認定した事実及びこれに対する法令の適用を示し、委員長及び第六十五条第一項の規定による合議に出席した委員がこれに記名押印しなければならない。
2 排除措置命令は、その名あて人に排除措置命令書の謄本を送達することによつて、その効力を生ずる。
効果(排除措置の内容)
条文ごとにいくつか排除措置の内容が例示されているものもあるが、基本的な内容は、
①違反行為の差止め(やめさせる)、または、既往の違反行為については違反行為の確認
②関係先への周知措置
③今後同様の行為をしないという将来の不作為
④公正取引委員会への報告
である。
課徴金納付命令
課徴金納付命令は、独占禁止法の違反行為を行った事業者等に対して、法に規定する方法に従って算定された金額を国庫に納付することを命じる行政措置である。
課徴金は、独占禁止法違反の行為について、不当利益のはく奪を趣旨とするものである。
(ただし、実際の利得・現実の利得を返還させるというものではなく、一種のフィクションによって算定された利得をはく奪するもの)
条文は以下のとおりで、共通する要件は、
①独占禁止法の違反行為があること
②第8章第2節に規定する手続に従うこと
である。
【不当な取引制限について】(7条の2第1項)
第七条の二 事業者が、不当な取引制限又は不当な取引制限に該当する事項を内容とする国際的協定若しくは国際的契約で次の各号のいずれかに該当するものをしたときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、当該事業者に対し、当該行為の実行としての事業活動を行つた日から当該行為の実行としての事業活動がなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは、当該行為の実行としての事業活動がなくなる日からさかのぼつて三年間とする。以下「実行期間」という。)における当該商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額(当該行為が商品又は役務の供給を受けることに係るものである場合は、当該商品又は役務の政令で定める方法により算定した購入額)に百分の十(小売業については百分の三、卸売業については百分の二とする。)を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし、その額が百万円未満であるときは、その納付を命ずることができない。
一 商品又は役務の対価に係るもの
二 商品又は役務について次のいずれかを実質的に制限することによりその対価に影響することとなるもの
イ 供給量又は購入量
ロ 市場占有率
ハ 取引の相手方
【支配型私的独占について】(7条の2第2項)
2 前項の規定は、事業者が、私的独占(他の事業者の事業活動を支配することによるものに限る。)で、当該他の事業者(以下この項において「被支配事業者」という。)が供給する商品又は役務について、次の各号のいずれかに該当するものをした場合に準用する。この場合において、前項中「当該商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額(当該行為が商品又は役務の供給を受けることに係るものである場合は、当該商品又は役務の政令で定める方法により算定した購入額)」とあるのは「当該事業者が被支配事業者に供給した当該商品又は役務(当該被支配事業者が当該行為に係る一定の取引分野において当該商品又は役務を供給するために必要な商品又は役務を含む。)及び当該一定の取引分野において当該事業者が供給した当該商品又は役務(当該被支配事業者に供給したものを除く。)の政令で定める方法により算定した売上額」と、「(小売業については百分の三、卸売業については百分の二とする。)」とあるのは「(当該事業者が小売業を営む場合は百分の三、卸売業を営む場合は百分の二とする。)」と読み替えるものとする。
一 その対価に係るもの
二 次のいずれかを実質的に制限することによりその対価に影響することとなるもの
イ 供給量
ロ 市場占有率
ハ 取引の相手方
【排除型私的独占について】(7条の2第4項)
4 事業者が、私的独占(他の事業者の事業活動を排除することによるものに限り、第二項の規定に該当するものを除く。)をしたときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、当該事業者に対し、当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは、当該行為がなくなる日からさかのぼつて三年間とする。第二十七項において「違反行為期間」という。)における、当該行為に係る一定の取引分野において当該事業者が供給した商品又は役務(当該一定の取引分野において商品又は役務を供給する他の事業者に供給したものを除く。)及び当該一定の取引分野において当該商品又は役務を供給する他の事業者に当該事業者が供給した当該商品又は役務(当該一定の取引分野において当該商品又は役務を供給する当該他の事業者が当該商品又は役務を供給するために必要な商品又は役務を含む。)の政令で定める方法により算定した売上額に百分の六(当該事業者が小売業を営む場合は百分の二、卸売業を営む場合は百分の一とする。)を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし、その額が百万円未満であるときは、その納付を命ずることができない。
【不公正な取引方法(法定類型)について】(20条の2~20条の6)
第二十条の二 事業者が、次の各号のいずれかに該当する者であつて、第十九条の規定に違反する行為(第二条第九項第一号に該当するものに限る。)をしたときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、当該事業者に対し、当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは、当該行為がなくなる日から遡つて三年間とする。)における、当該行為において当該事業者がその供給を拒絶し、又はその供給に係る商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限した事業者の競争者に対し供給した同号イに規定する商品又は役務と同一の商品又は役務(同号ロに規定する違反行為にあつては、当該事業者が同号ロに規定する他の事業者(以下この条において「拒絶事業者」という。)に対し供給した同号ロに規定する商品又は役務と同一の商品又は役務(当該拒絶事業者が当該同一の商品又は役務を供給するために必要な商品又は役務を含む。)、拒絶事業者がその供給を拒絶し、又はその供給に係る商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限した事業者の競争者に対し当該事業者が供給した当該同一の商品又は役務及び拒絶事業者が当該事業者に対し供給した当該同一の商品又は役務)の政令で定める方法により算定した売上額に百分の三(当該事業者が小売業を営む場合は百分の二、卸売業を営む場合は百分の一とする。)を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。(略)
一~二 (略)
※20条の3以下は割愛
独占禁止法の違反行為があること
共通する基本的な要件は、以上の条文をざっと見てもわかるとおり(マーカー部分)、独占禁止法の違反行為があることである。
若干補足すると、課徴金納付命令の対象となる独禁法違反行為は、①不当な取引制限、②支配型及び③排除型の私的独占、④不公正な取引方法のうち法定類型、である。
第8章第2節に規定する手続に従うこと(手続要件)
手続要件は、第8章第2節に規定する手続に従うことで、排除措置命令の場合と基本的に同様であるので、割愛する。
効果(課徴金の算定方法)
課徴金の基本的な算定方法は、違反行為にかかる売上額を算定し、それに算定率を乗じて算定する、というものである。
ー算定方法ー
違反行為期間 の 対象商品・役務の売上高又は一定の売上高 × 1~10%
違反行為期間は、事業活動を行った日から事業活動がなくなる日までの間であり、算定率は、業種に対応して定められている。
課徴金減免制度
カルテル・入札談合について、違反事業者が自ら違反事実を申告すれば、5番目までの申告者に限り(申請適格者という)、課徴金を減免するという制度である(7条の2第10項~第13項)。
違反事業者に自主申告のインセンティブを与えて発見・摘発を容易にしようとするものであり、また、カルテル参加者間にかく乱要因をもたらすものともいえる("離反の計"みたいな感じ)。
主な要件は、
①単独の申請であること
②調査開始日(または申請日)以降カルテルを行っていないこと
③他事業者に対してカルテルを強要せず、または、カルテルからの離脱を妨害していないこと
④報告・提出資料が虚偽でないこと
⑤報告・資料提出を拒否しないこと
である。
▽課徴金減免制度について|公正取引委員会HP
https://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/genmen.html
確約手続(合意による解決)
独占禁止法違反の疑いについて、公正取引委員会と事業者との間の合意により自主的に解決するための手続である。
公正取引委員会からの通知を受けた事業者は、違反の疑いの理由となった行為を排除するために必要な措置等を記載した確約計画を作成し、公正取引委員会に提出して、その認定を申請することができる。
計画が認定されると、排除措置命令や課徴金納付命令が行われないことになる。
確約手続に関する主な法令等は、以下のとおり。
法律 |
公取規則 |
行政解釈 |
|
確約手続 |
独占禁止法 |
➢確約手続規則 |
➢確約手続対応方針 |
第四十八条の三 前条の規定による通知を受けた者は、疑いの理由となつた行為を排除するために必要な措置を自ら策定し、実施しようとするときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、その実施しようとする措置(以下この条から第四十八条の五までにおいて「排除措置」という。)に関する計画(以下この条及び第四十八条の五において「排除措置計画」という。)を作成し、これを当該通知の日から六十日以内に公正取引委員会に提出して、その認定を申請することができる。
結び
違反に対する措置(エンフォースメント)のうち、行政措置については以上になります。
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[注記]
本記事を含む一連の勉強記事は、過去の自分に向けて、①自分の独学や経験の記録を見せる、②感覚的な理解を伝えることを優先する、③細かく正確な理解は書物に譲る、ということをコンセプトにした読みものです。ベテランの方が見てなるほどと思うようなことは書かれていないほか、業務上必要であるときなど、正確な内容については別途ご確認ください。また、法改正をはじめとした最新の情報を反映しているとは限りませんので、ご注意ください。