最近は、何がしかの論点をネットで検索していても、リーガル系メディアの記事がたくさんヒットするようになったな…と思います。
法律に関連する企業が、自社のオウンドメディアの展開に力を入れてきた結果だと思いますが、法律事務所でも情報発信に力を入れるところも多くなったのだろうなと。
いつの間にかネット上の法律情報も随分充実してきたな…と感じます。
というわけで、本記事では、随分増えてきた(勃興期といってもいいのではと思う)リーガル系メディアを試しに分類別に書いてみたいと思います。
もちろん、取り上げたものは管理人が独断と偏見で選んだおすすめリーガル系メディアですので、ほかにも沢山いいものはあると思います、ということは前提で。
弁護士ドットコム系
企業系のリーガルメディアというと、やはり弁護士ドットコムが運営するメディアが、質・量ともに最も充実していると感じる。
ここでは、弁護士ドットコム「系」ということで、ざっくり4つほどピックアップしてみたい。
弁護士ドットコムニュース
まずは、Yahoo!ニュースでもおなじみ、弁護士ドットコムニュースが、いま日本で最もメジャーなリーガル系メディアといえるのではないだろうかと思う。
▽弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/topics/
いつの頃からか、急なスピードで、一般ニュースにも浸透してきたなと思う。おもしろい記事が多いし、トピックスの取り上げ方がトレンドに乗っていて上手いと感じる。
法改正のときなども、当該分野に定評のある弁護士をきちんとインタビュー先に選んでいて、記事の信頼性も高く、有益性という観点からも凄いと思う(←小並感)。
昨年、キメハラ(鬼滅の刃ハラスメント)を真面目に取り上げた記事などを見たときは、「そこまでポップな記事も扱うようになったのか!(笑)」と、個人的には楽しく拝見させていただいた。
BUSINESS LAWYERS
いわずもがなではあるが、やはり企業法務系でトップのリーガル系メディアといえるのはここかなと。
▽BUSINESS LAWYERS - 企業法務の実務ポータル
https://www.businesslawyers.jp/
内容的には専門性が高く信頼性が高い一方、管理人は、自分の関わったことのない領域の法律記事などは高度すぎて理解できないことも(汗)。
サインのリ・デザイン
電子契約に関するリーガル記事は各社相当に充実したものが出ていると思うが、弁護士ドットコムが運営する電子契約メディアはこれ。
▽サインのリ・デザイン|契約を再発明するメディア
https://www.cloudsign.jp/media/
もちろん、弁護士ドットコムが運営する電子契約サービスであるクラウドサインに多く触れられるものの、「サインのリ・デザイン」自体は、もう少し広く一般的に電子契約に関する情報を発信している感じですかね。
記事を書かれている橋詰卓司さんは、個人ブロガーとしてもブログ(「企業法務マンサバイバル」)を書かれていて、そちらもおもしろいです。
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橘大地|note
クラウドサインの橘大地さんのnote。
サインのリ・デザインとはまた別の角度から書かれていて(橘大地さんのnoteは、「クラウドサイン」に絞った内容という感じ)、こちらもおもしろいです。
▽橘大地|note
https://note.com/lawyer
弁護士マッチングサービス系
弁護士マッチングサービス系の企業が展開するリーガルメディアは、いろんな分野別に分類した法律コラム系の記事が多いという印象である。
弁護士ドットコムも、弁護士マッチングサービスを中核として始まったわけだが、上記にいっぱい書いたので、ここではそれ以外をピックアップしてみたいと思う。
株式会社ASIROの弁護士メディア事業
(株)ASIROの運営する弁護士メディア事業。分野別に複数あるのだが、各分野のなかに、それぞれの分野の法律コラムがある。
▽弁護士メディア事業|ASIRO
https://asiro.co.jp/business/lawyer-media/
弁護士メディア事業自体は、弁護士マッチングサービスのプラットフォームなのだが、そのなかに、以下のような法律コラムが掲載されている。
✓ 離婚弁護士ナビ|離婚に関するコラム
https://ricon-pro.com/columns/
✓ 相続弁護士ナビ|相続コラム
https://souzoku-pro.info/
✓ 交通事故弁護士ナビ|交通事故コラム
https://jico-pro.com/columns/
✓ 刑事事件弁護士ナビ|刑事事件コラム
https://keiji-pro.com/columns/
✓ 労働問題弁護士ナビ|労働問題コラム
https://roudou-pro.com/#
✓ 債権回収弁護士ナビ|債権回収コラム
https://saiken-pro.com/columns/
✓ IT弁護士ナビ|IT問題に関するコラム
https://itbengo-pro.com/
✓ 企業法務弁護士ナビ|法務コンテンツ
https://houmu-pro.com/
という風に、分野別に、かなり多彩な法律コラムがある(※債務整理ナビには、コラムはない模様?)。
legalus(リーガラス)
「株式会社リーガルフロンティア二十一」が運営している弁護士マッチングサービスのプラットフォーム。
これも、「法律コラム」「弁護士コラム」という大きく2つの法律コラムページを有しており、それぞれのなかで、分野別にカテゴリ分けされている。
✓ 法律コラム|legalus
https://legalus.jp/editorial-department
✓ 弁護士コラム|legalus
https://legalus.jp/lawyer-column
転職エージェントサービス系
法律分野特化型の転職エージェントも、リーガルメディアを展開しているところが多い。
主なトピックスは、いわずもがな法律系の転職に関する記事であるが、エージェントのカバー範囲に応じて、管理職一般のトピックスを扱っているものなどもある。
Manegy
管理部門特化型の転職エージェント会社であるMS-Japanが運営するメディア。
▽企業の管理部門と士業がつながるポータルサイト Manegy
https://www.manegy.com/
「管理部門と士業のためのビジネスメディア」とのこと(上記サイトより引用)。
リーガル系メディア、というのとはちょっと違うかもしれないが、「Manegyニュース」というコーナーには法律記事もあるほか、「管理部門コラム」というのも、隣接領域を含みつつマネジメントに向けた記事もあったりして、おもしろいと思う。
Attorney's Magazine Online
弁護士ならだいたい雑誌が送られてくるので知っているものという感じだが、弁護士も含む専門職の転職エージェントであるクリーク・アンド・リバー社(C&R)が展開するメディア。
雑誌が隔月で発行されている。
▽Attorney's Magazine Online
https://legal-agent.jp/attorneys/
こちらも、リーガル系メディア、というのとはちょっと違うかもしれないが、「弁護士の肖像」として有名な弁護士の特集が毎号あり、また、法務部の特集なども毎号あって、これもおもしろい。
法律事務所系
法律事務所の展開するオウンドメディアは、
- 「個人が書いているブログ系」という感じのもの
- 「事務所が運営しているサイト系」という感じのもの
- その中間のもの
というグラデーションがあると思う。
ここでは「サイト型」という感じのものを紹介してみたいと思う(感じ方はもちろん人それぞれで。ここでは管理人の独断です)。
咲くや企業法務.NET
「弁護士法人咲くやこの花法律事務所」が展開するリーガル系メディアで、企業法務一般の法律情報を発信している。
▽咲くや企業法務.NET
https://kigyobengo.com/media/
取り上げているトピックスは企業法務一般という感じで、企業にとって汎用性の高い法律情報が質・量ともに揃っていると思う。けっこう多くの論点で、SEOでも上位に来る。
デザインは管理人的な好みとはちょっと離れるのだが、ひとつひとつの記事が丁寧に書かれていて、内容が充実していると思う。信頼できる感じが伝わってくる。
FOUNDER'S BOOK
「トップコート国際法律事務所」が展開するリーガル系メディアで、企業法務のうち、スタートアップのための法律情報にフォーカスした発信をしている。
▽FOUNDER'S BOOK
https://topcourt-law.com/note
「起業家やスタートアップが知っておくべき『法律の使い方』をわかりやすく書いたコンテンツが掲載」とのこと(上記サイトより引用)。
スタートアップに有益な記事はもちろんだが、企業法務一般でも有益な記事があると思う。資金決済法の解説記事なども多くあり、個人的にはけっこう珍しいと感じる(管理人が知らないだけかもだが)。
デザインもカッコよくて、管理人的には大好きなやつである。
その他の特徴的なリーガルメディア
デザイナー法務小僧
知財分野で有名な骨董通り法律事務所の弁護士も参画されておられるようで、これも信頼性高く、クオリティ高いリーガル系メディアだと思う。
クリエイターのためのリーガルサポートということもあってか、デザインもカッコいい。
▽デザイナー法務小僧 – クリエイティブ分野に特化したリーガルサポートを提供します
https://d-kozo.com/
「弁護士により運営されているクリエイターのためのサイト」とのこと(上記サイトより引用)。
ちなみに、noteにも、以下のように公式アカウントがある。
▽デザイナー法務小僧|note
https://note.com/d_kozo
結び
昔は調べものでも、書籍でないと裏取りにならないという感覚だったが、最近はネットメディアの法律記事も内容的に相当充実しており、それなりに裏付けとして扱っても違和感ないぐらいのものも多くなってきたと感じます。
(もちろん、内容そのものと、出元をちゃんと見ることが、前提として大事ですが)
それでも、マネジメントするメンバーがネット記事を裏付けとして見せてきたときなどは、管理人は「むう…」という感覚になる人なんですが、古い人間なんですかねえ。。あるいは、徐々に古い感覚になっていくのかもしれません。
まあ、書籍であるかネット記事であるかは本質的な問題ではなく、それもベースにして、あるいは調査の端緒にして、法律・解釈が確認できたら、それでいいんだと思うんですけどね。
現状では、やはり書籍や有料DBを中心にした裏付けの方が適切だと感じるものの、ネット上のリーガルメディアを情報ソースのひとつとして搔き集めてみても、相当に有益な情報が入るようになってきていると感じますし、さらにその精度は上がっていくんだろうなと。
さらに、こういうのをAIが大量に読み込んでいけば、わりと近い将来、法律業務のかなり大部分は、AIに代替されるんですかね。
原則論や、法律の形式的適用の帰結などを導くのは、すぐ出来るようになる気がします。わからないですが。
みたいなことまで考えていると、なんだか頭いい人が考えたシナリオどおりに動かされているような感じもしないではないですね。
[注記]
本記事は管理人の私見であり、管理人の所属するいかなる団体の意見でもありません。また、正確な内容になるよう努めておりますが、誤った情報や最新でない情報になることがあります。具体的な問題については、適宜お近くの弁護士等にご相談等をご検討ください。本記事の内容によって生じたいかなる損害等についても一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。