とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。

特定商取引法

特定商取引法を勉強しよう|特商法表記の絶対的表示事項

今回は、特定商取引法を勉強しようということで、特定商取引法に基づく表記のうち絶対的表示事項について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 絶対的表示事項 特商法表記の表示事項には、常に表示しなければならない絶対的表示事項と、特約等がある場合には表示しなければならない任意的表示事項があります。 ここでいう「任意的」というのは、書いても書かなくてもいいという意味ではなく、一定の場合にのみ表示することが義務づけられる事項、という意味です 絶対的表示事項 ...

合同会社

合同会社法務|業務執行社員・代表社員・職務執行者

今回は、合同会社法務ということで、合同会社の管理のうち業務執行社員・代表社員・職務執行者について見てみたいと思います。 これらは合同会社の管理(運営)に関する基本事項ではありますが、いまひとつわかりにくい感じがつきまとう部分であるように思いますので、なるべくイメージがしやすくなるようにまとめていきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 業務執行社員とは 業務執行社員は、業務執行権をもつ社員のことです。 読んでそのままですが、会社法の文言としては「業務を執行する」 ...

広告法務 法律コラム

感覚でわかるNo.1表示|法務チェックでよくある3つのやり取り

感覚でわかるシリーズ。今回はNo.1表示の広告ルールについて。 No.1表示というのは、「No.1」「第1位」「トップ」「日本一」などと強調する広告表示のことです。要するに、ランク付けを利用して、他の事業者との比較上、自社商品やサービスの優良性・有利性を示そうとするものですね。ランクってわかりやすいので、日常生活でもよく見かけます。 2008年(平成20年)6月13日に当時の公正取引委員会から「No.1表示に関する実態調査報告書」(以下「実態調査報告書」)が出ていて、ここでNo.1表示に関する景表法上の解 ...

広告法務

広告法務|主観的評価によるNo.1表示と高評価%表示

今回は、広告法務ということで、主観的評価によるNo.1表示と高評価%表示について見てみたいと思います。 令和6年(2024年)9月26日に新しく消費者庁からリリースされた「No.1表示に関する実態調査報告書」(以下「2024年No.1報告書」)で言及されているものになります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 新しい「No.1表示に関する実態調査報告書」(消費者庁) 2024年No.1報告書は、No.1表示のうち、 主観的評価によるNo.1表示 高評価%表示 とい ...

合同会社

合同会社法務|登記事項

今回は、合同会社法務ということで、合同会社の登記事項について見てみたいと思います。 本記事では、会社法914条に基づく合同会社の登記事項についてグループに分けて解説し、また登記事項が変更された場合に必要となる変更登記の手続についても触れます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 登記事項(会社法914条) 合同会社の登記事項は、会社法第914条に定められており、1号から11号までの事項があります。 ▽会社法914条 (合同会社の設立の登記)第九百十四条 合同会社の設 ...

合同会社

合同会社法務|定款の記載事項

今回は、合同会社法務ということで、合同会社の定款の記載事項について見てみたいと思います。 合同会社を設立する際には、定款を作成し、会社の基本的な情報などを記載します。本記事では、合同会社の定款に記載すべき事項について、具体的な内容を分類ごとに解説します。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 定款の記載事項 合同会社に限らず、一般に定款の記載事項には、 絶対的記載事項:定款に記載しなければならない事項(欠くと定款が無効) 相対的記載事項:定款に記載してもしなくてもよい ...

合同会社

合同会社法務|社員持分の譲渡

今回は、合同会社法務ということで、社員持分の譲渡について見てみたいと思います。 合同会社の持分譲渡は、株式会社の株式譲渡と異なる点が多いです。本記事では、持分譲渡の要件、必要書類、譲渡の効果、登記の要否についてまとめてみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 持分譲渡の要件 要件①:持分譲渡の合意 まずは当然ながら、持分譲渡の合意が必要です。 社員の持分を譲渡するには、譲渡人(=持分を譲渡する社員)と譲受人との間で、持分譲渡契約を締結します。 譲渡契約では、譲渡 ...

法律コラム 消費者契約法

感覚でわかる規約づくり|免責条項の無効って結局どうなってんの?

感覚でわかるシリーズ。 今回は、規約づくりと消費者契約法について。 規約づくりと消費者契約法(免責条項の無効) 消費者契約(B to C)の規約をつくるとき、事業者になるだけ有利な内容を考えるとしても、あんまり都合のいいことばかり書きすぎると何らかの法令に抵触することがあるので、気をつけないとなー、というのが頭にあるものです。 その代表例が消費者契約法で、なかでも免責条項の無効を定める法8条は、重要といっていいでしょう。 しかし、長いんですよねこれが。 ▽消費者契約法8条 クリックで開きます (事業者の損 ...

営業秘密管理 法律コラム

感覚でわかる営業秘密管理|秘密保持の勘所

感覚でわかるシリーズ。今回は、秘密保持の勘所について。 営業秘密管理は個人情報保護と並んで情報管理のジャンルになっていますが、細かい法律やら契約やら社内規程の話をいったん置いておいて、社会的なTipsというか、おばあちゃんの知恵袋的な、感覚的なことを書いてみたいと思います(雑談みたいな話です)。 固有名詞を出さない まず最初の心得は、 固有名詞を出さない です。 当たり前といえば当たり前ですが、何の話をするにしても、社外で、あるいは仕事と関係ないところで仕事の話をするときは、固有名詞を出さないのが鉄則です ...

インサイダー規制 法律ニュース

2024年相次いだインサイダー取引ニュース(取引所社員等)

ここ最近(2024年)、インサイダー取引に関するニュースが立て続けにありました。 何というか血の通ってないコメントになってしまいますが、規制をみるときのお手本になりそうな一連の事件だったので、本記事では、これらを題材にインサイダー規制の内容をさらっと見てみたいと思います。 ※「告発」と「公判」の部分は順次追記しています 相次いだインサイダー取引ニュース3選 最近相次いだインサイダー取引ニュースですが、主なものは以下の3つかと思います。 関連ニュース 裁判官をインサイダー取引容疑で強制調査 金融庁出向中|日 ...

法律ニュース

司法試験最年少合格と高校生弁護士ドラマ

今日、こんなニュースがありました(2024/11/06)。 参考リンク 司法試験、最年少は17歳 合格1592人で政府目標上回る|日本経済新聞HP あまり昨今の受験事情を気にしたことが実はなかったんですが、若年合格がどこまでいけるのか、ざざっと考えてみました。 司法試験合格と年齢 司法試験の受験資格をゲットするには、 ロースクールルート:ロースクールを卒業して司法試験の受験資格を得る 予備試験ルート:予備試験に合格すればロースクールをすっ飛ばして司法試験の受験資格を得ることができるが、合格率は低い=予備試 ...

特定商取引法

特定商取引法を勉強しよう|通信販売と広告の定義

今回は、特定商取引法を勉強しようということで、通信販売規制における「通信販売」と「広告」の定義を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 通信販売に関する規制 通信販売に関する規制は、消費者が契約するかどうかを選択するための情報が広告だけに限られることから、広告規制が中心になっています。 例えば、普段ネットで買物するときにもよく見かける「特定商取引法に基づく表記」(法11条)の義務は、 (通信販売についての広告)第十一条 販売業者又は役務提供事業者 ...