とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。
今回は、下請法を勉強しようということで、支払期日規制にまつわる論点を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 支払期日規制 下請法は、下請代金の支払期日について、親事業者が商品の受領日(サービスの場合は役務提供日)から起算して60日以内で、かつ、できるだけ短い期間内になるように定めることを義務づけています(支払期日を定める義務/法2条の2第1項)。 また、現実には支払期日を定める義務に違反しているケースもあり得ますので、そのような場合には、支払期日 ...
今回は、フリーランス法を勉強しようということで、適用対象となる取引について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 業務委託の類型 フリーランス法の適用対象となる取引は、「業務委託」であり、 物品の製造・加工委託 情報成果物の作成委託 役務の提供委託 という3つの類型があります。 ▽法2条3項 3 この法律において「業務委託」とは、次に掲げる行為をいう。一~二 (略) 以下、順に見てみます。 物品の製造・加工委託 物品の製造・加工委託とは、事業者が ...
今回は、フリーランス法を勉強しようということで、支払期日規制にまつわる論点を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 支払期日規制 フリーランス法は、報酬の支払期日について、発注事業者が商品の受領日(サービスの場合は役務提供日)から起算して60日以内で、かつ、できるだけ短い期間内になるように定めることを義務づけています(支払期日を定める義務/法4条1項)。 また、現実には支払期日を定める義務に違反しているケースもあり得ますので、そのような場合には、 ...
今回は、フリーランス法を勉強しようということで、取引適正化に関する義務のうち期日における報酬支払義務について見てみたいと思います。 法4条に定められていますが、「支払期日を定める義務」と「期日内の支払義務」に分けた方がわかりやすいかと思いますので、本記事では2つに分けています。 フリーランス法における発注事業者の義務には、以下のような種類があります。 【取引適正化に関する義務】①取引条件の明示義務②支払期日を定める義務/期日内の支払義務 ←本記事③7つの禁止行為【就業環境整備に関する義務】④募集情報の的確 ...
今回は、フリーランス法を勉強しようということで、適用対象となる事業者について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 フリーランスと発注事業者 フリーランス法の適用対象となる事業者は、”フリーランス”と”発注事業者”です。 ここでいう”フリーランス”については、現在、法律上の定義がありますが、大まかなイメージとしては、”雇人がいない自営業主や一人社長”という感じです。 イメージづくりとして、以下のフリーランス環境ガイドライン(「フリーランスとして安 ...
今回は、フリーランス法を勉強しようということで、取引適正化に関する義務のうち取引条件の明示義務について見てみたいと思います。 フリーランス法における発注事業者の義務には、以下のような種類があります。 【取引適正化に関する義務】①取引条件の明示義務 ←本記事②支払期日を定める義務/期日内の支払義務③7つの禁止行為【就業環境整備に関する義務】④募集情報の的確表示⑤育児介護等と業務の両立に対する配慮⑥ハラスメント対策に係る体制整備⑦中途解除等の事前予告・理由開示 その中で、本記事は黄色ハイライトを引いた箇所の話 ...
今回は、下請法を勉強しようということで、親事業者の禁止行為のうち不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止について見てみたいと思います。 下請法の適用対象になったとき、親事業者には以下のような11の禁止事項が課せられます。 【親事業者の11の禁止事項】(4条1項のグループ)①受領拒否の禁止②下請代金の支払遅延の禁止③下請代金の減額の禁止④返品の禁止⑤買いたたきの禁止⑥購入・利用強制の禁止⑦報復措置の禁止(4条2項のグループ)⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止⑨割引困難な手形の交付の禁止⑩不当な経済 ...
今回は、下請法を勉強しようということで、親事業者の禁止行為のうち不当な経済上の利益の提供要請の禁止について見てみたいと思います。 下請法の適用対象になったとき、親事業者には以下のような11の禁止事項が課せられます。 【親事業者の11の禁止事項】(4条1項のグループ)①受領拒否の禁止②下請代金の支払遅延の禁止③下請代金の減額の禁止④返品の禁止⑤買いたたきの禁止⑥購入・利用強制の禁止⑦報復措置の禁止(4条2項のグループ)⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止⑨割引困難な手形の交付の禁止⑩不当な経済上の利益の ...
今回は、下請法を勉強しようということで、親事業者の禁止行為のうち割引困難な手形の交付の禁止について見てみたいと思います。 下請法の適用対象になったとき、親事業者には以下のような11の禁止事項が課せられます。 【親事業者の11の禁止事項】(4条1項のグループ)①受領拒否の禁止②下請代金の支払遅延の禁止③下請代金の減額の禁止④返品の禁止⑤買いたたきの禁止⑥購入・利用強制の禁止⑦報復措置の禁止(4条2項のグループ)⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止⑨割引困難な手形の交付の禁止 ←本記事⑩不当な経済上の利益 ...
今回は、下請法を勉強しようということで、親事業者の禁止行為のうち有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止について見てみたいと思います。 下請法の適用対象になったとき、親事業者には以下のような11の禁止事項が課せられます。 【親事業者の11の禁止事項】(4条1項のグループ)①受領拒否の禁止②下請代金の支払遅延の禁止③下請代金の減額の禁止④返品の禁止⑤買いたたきの禁止⑥購入・利用強制の禁止⑦報復措置の禁止(4条2項のグループ)⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止 ←本記事⑨割引困難な手形の交付の禁止⑩不当な ...
今回は、契約の一般条項を勉強しようということで、危険負担条項について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 危険負担とは 危険負担というのは、内容がイメージしづらい言葉ですが、ここでいう「危険」とは、双務契約において、契約の目的たる給付が履行不能になる場合(典型的には、目的物が不可抗力などによって滅失・損傷する場合)の損害のことを指します。 危 ...
今回は、景品表示法を勉強しようということで、二重価格表示について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 二重価格表示とは 二重価格表示とは、要するに、”何かの価格と比較して、価格がそれよりも安いとする表示”のことです。 価格その他の取引条件について有利性を偽った表示は有利誤認表示と呼ばれ、景表法5条2号で禁止されています。 では、二重価格表示はどういう場合に有利誤認表示になってしまうのか?あるいはならないのか?というのが、二重価格表示についての検 ...