とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。運営情報はこちら
今回は、支払告示(「製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法」)ということで、支払告示の適用の効果について見てみたいと思います。 支払告示の適用対象となる場合、委託事業者には代金の支払遅延の禁止という禁止行為(60日支払ルール)が課されます。本記事では、禁止行為の内容の解説とともに、類似した規制との比較や違いについても紐解いていきます。 支払告示の施行日は令和9年4月1日です。支払告示が設けられた背景と概要については、関連記事(【令和9年4月施行】新しい特殊指定!製造委託等特殊指定(支払告 ...
今回は、支払告示(「製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法」)ということで、支払告示の適用要件について見てみたいと思います。 この支払告示が適用されるためには、大きく分けて、①取引の内容に関する要件(対象取引)、②取引の主体に関する要件(事業者要件)があります。一つずつ、運用基準の解釈なども交えながら見ていきましょう。 支払告示の施行日は令和9年4月1日です。支払告示が設けられた背景と概要については、関連記事(【令和9年4月施行】新しい特殊指定!製造委託等特殊指定(支払告示)の意義と概要 ...
支払告示(「製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法」)は、事業者間で行われる製造委託等の取引における代金支払の適正化を図るために、公正取引委員会が独占禁止法に基づいて指定した告示ルールです。令和8年6月18日に公布され、令和9年4月1日から施行されます。 本記事では、この新しいルールがなぜ作られたのか、どのような取引に適用されるのかをわかりやすく紐解いていきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 支払告示が新設された背景 中小受託取引における代 ...
取引の適正化を巡る日本の法規制には、独占禁止法(優越的地位の濫用)、特殊指定、取適法(旧下請法)、そしてフリーランス法など、名前も中身もよく似たルールがたくさん存在します。 「これらは何が違うの?」「一般法と特別法の関係なの?」「実際にルールが重複したときはどれが優先されるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。本記事では、これら4つのルールの関係性や、実務で重要となる適用の優先順位、その法令上の根拠について、わかりやすく解説していきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理 ...
現行の物流特殊指定(「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」)は、令和8年1月1日に施行されたものになります。しかし、実はそのわずか1年3ヶ月後となる令和9年4月1日に、物流特殊指定の大型改正が施行されることが決まりました。 (令和8年6月17日)「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合等の特定の不公正な取引方法」、「製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法」等について|公正取引委員会HP この令和8年改正(令和9年4月施行分)は、これまでの荷主(発注者) ...
今回は、取適法ということで、取適法における禁止事項と、民法上の請求権(契約不適合責任)との関係について見てみたいと思います。 取適法は、行政による取締法規(規制法)であり、民法などが規定する私人間の権利義務関係(私法)そのものを直接的に否定・無効化するものではありません。しかし、委託事業者の優越的地位の濫用を防止するという法の目的から、民法上は正当な権利行使(解除、追完請求、損害賠償請求など)のように見えても、取適法の基準に照らすと違反行為(禁止事項)に該当してしまうというねじれや制限が生じる場面がありま ...
AI技術の進化やDXの急激な進展に伴い、データの利活用がますます重要になる一方で、プライバシー侵害などのリスクも複雑化しています。 そんな中、令和8年4月7日に「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。この改正法案は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内での施行が予定されており、法案が順調に成立すれば、早ければ2028年頃には全面施行される見込みです。 参考リンク 「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」の閣議決定について(令和8年4月7日)|個人情報保 ...
この記事は、上記のYouTube動画を文字起こししたものです 今回は、犯罪収益移転防止法ということで、実質的支配者の確認とは何かについて見てみたいと思います。 犯収法の実質的支配者の確認は、そもそも日常では聞き慣れない言葉ですし、またその判定基準や用語がややこしくて、頭を抱えている人もいるのではないかと思います。 特につまづきやすいのは、直接保有と間接保有の部分かと思いますので、今回は、そこを丁寧めに取り上げつつ、判定順序を全体像からわかりやすく解説していきます。 それでは、さっそく見ていきましょう! S ...
物流業界の適正な取引環境を守るための重要ルールである物流特殊指定ですが、適用要件を満たして対象取引となった場合、発注側である「特定荷主」には具体的にどのような規制がかかるのでしょうか。 結論からいうと、特定荷主に対して立場の強さを利用した不当な行為(優越的地位の濫用)を禁止する効果が発生します。 (現行)特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法(平成16年3月8日公正取引委員会告示第1号)|公正取引委員会HP 本記事では、物流特殊指定が適用されることで禁止される9つの行為について ...
物流業界の適正な取引環境を確保するために欠かせないルールの一つが、独禁法に基づく物流特殊指定(「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」)です。 (現行)特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法(平成16年3月8日公正取引委員会告示第1号)|公正取引委員会HP このルールですが、取適法の「役務提供委託」や「特定運送委託」と並んで、自社の取引が適用対象になるのかどうか迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では、物流特殊指定の適用要件にフォーカスして、ど ...
製造委託などの実務において広く行われている原材料や部品の有償支給ですが、取適法では、この有償支給材を用いた取引において、原材料等の対価の早期決済は禁じられています(法5条2項1号)。 この規制を遵守し、適法な決済フロー(見合い相殺など)を正しく運用するためには、取引の入り口である発注段階、すなわち4条明示(発注内容等の明示義務)において、支給材に関する取り決めを明確にしておくことが重要です。 本記事では、有償支給取引を行う際に発注書等へ記載すべき必須項目と、実務上特に注意すべき決済の期日及び方法の具体的な ...
企業間取引において、"一定期間にたくさん発注してくれたら、割戻金(リベート)を支払う"というボリュームディスカウントは、一般的な商慣習として広く行われています。 しかし、取適法(中小受託取引適正化法)において、発注後に代金を減らす行為は代金の減額の禁止に該当し、当事者間の合意があっても原則として違法となります。そこで本記事では、ボリュームディスカウントが適法として認められるための要件と、実務上の注意点を解説します。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 ボリュームディ ...