法務転職

弁護士の転職物語⑫|最初の条件交渉が肝心

著作者:pch.vector/出典:Freepik

最近、インハウス志望の修習生と話す機会があって、インハウス転職について思い出したことがあるので、書いておきたいと思います(余談ですがもう修習生って69期なんですね…自分の期がどんどん古くなっていって焦る)。

それは、最初の条件交渉が肝心、ということです。

インハウス転職活動をしていると、どうしても、条件交渉で自分の希望を述べることについて躊躇することも多いのではないかと思います。つまり、うるさい奴だなと思われて内定とれないのではないか、という懸念です。

特に、法律事務所で弁護士として仕事をしながらのインハウス転職で、忙しく、早く決めたいという気持ちがある場合は、落ち着いて交渉する余裕は少ないでしょう。

しかし、入り口でこれをしっかりやっておいた方が長続きするし、充実感を得やすいと思います。

知り合いで、”国選弁護については入社後もやらせてほしい”、という希望を最初にきちんと伝えたインハウスの女の子がいて、会社からOKをもらい、情報管理についても工夫しながら継続的に刑事弁護に取り組んでいました。これは偉いと思います。個人事件が禁止されていると、業務の内容は基本的に法務部員と同じなので、弁護士個人としての充実感を得にくくなることは否めません。

しかし、この女の子のようにすると、法務も刑事もできるので、自分のやっていることに充実感を得やすくなるように思います(ついでにいうと、給与とはまた別に弁護士個人としての収入を得られるので、収入面でも満足感を得やすくなるだろうと)。

ちなみに、自分の入った会社では既に何名かのインハウスがいましたが、最初に入社したインハウスから、自分があまり条件交渉をきちんとしなかったので、後からくるインハウスの待遇が低くなってしまった、と謝られたことがあります。自分はそもそもそんなことを考えたこともなく、聞いて初めて、なるほどそういう面もあるのかと気付いたぐらいでしたが(もちろん全然気にしていないと答えた)。

ただ、確かに会社は「最初に決まったことが特に理由もなく続いていく」という性質が強固なので、もしインハウス採用が初めての会社へのインハウス転職(あるいは就職)を希望している人がいたら、後続のためにも、条件交渉はしっかりやっておいた方がよいと思います。とはいえ行きたいところで内定を逃しては元も子もないので、もちろん可能な範囲で。

修習生にはそのような話をしました。実際にはなかなか難しいけれど、頑張って、充実感の得られる職場にいって欲しいと思います。

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