法務転職

【弁護士の転職】職務経歴書の書き方①|内容面ー最初の転職時の悩み

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今回は、弁護士の転職ということで、最初の転職の頃のお悩み、職務経歴書の書き方について書いてみたいと思います。

職務経歴書の書き方について、当ブログでは、

①内容面
②形式面
③注意点
④採用側から見た景色

の4つの記事に分けて書いています。

まず本記事は、①内容面についてです。

内容面で最大の悩み-最初は書ける職歴がない

最初の転職の頃の最大の悩みは、書ける職歴が少ないことです。

もちろん管理人自身がそうだったということです。何を書いたら刺さるのか、どう書いたら刺さるのか、書類選考を通過する可能性が高くなるのか、わからない。

しかも、最初の転職のときは初めて見る書類なので、そんなんあんの?いったい何これ?という初見ストレスも相まって、かなり憂鬱な作業です。

管理人は、いわゆる一般民事系の法律事務所のイソ弁(2年ぐらい)からインハウスに転身しましたが、だいたい個人:企業の割合は7:3ぐらいで、また企業の案件でも基本的に紛争モノがメインでしたので、何を書いたらいいのか、という感じでした。ホンネを言うと、「何これ、めんどくさ…」でした(笑)。

ちなみにどのストレスも、そのうち解消されます。

◆職歴の質と量 

→キャリアを重ねていけばそのうち解消される

◆何を書いたら刺さるのか、どう書いたら刺さるのか、書類選考を通過する可能性が高くなるのか、わからない 

→職務経歴書の役割がわかってくるので、過剰なプレッシャーを感じなくなる(=力んで刺しに行こうとしなくていい、もう少し淡々としたものでいい)

◆初めて見る書類なので、「そんなんあんの?いったい何これ?」という初見ストレス

→はいはいお約束の書類ね、と段々わかってくる

という感じです。

職務経歴書は最初だけのストレスなので、なんとか乗り切りましょう。

ではどうすればいいのか?

ではどうすればいいのか?ということですが、残念ながら、特効薬はないです。正直にそのまま書くしかないと思います。

こうすればOK!というのがないので、オススメの答えがあるというよりは、消去法的なことしか言えない感じです(申し訳ないのですが)。

とはいえ、いま振り返ってみると、いくつかアドバイスできることもありますので、過去の管理人自身に向けて、書いていきたいと思います。

高いポイントを稼ごうとしなくていい

まずひとついえることは、職務経歴書で高いポイントを稼ごうとしなくていい(過剰なプレッシャーを感じる必要はない)、ということです。

驚くべきことに、このような記事を書いている管理人自身もいつの間にかマネジメント層となり、ついに採用側に回ることになったのですが(時間の流れってすごい)、その視点からもお伝えしたいと思います。

その点からいうと、職務経歴書の役割は、需要側(求人側)が応募者(求職者)のスキルセットを見ることです。人柄とか雰囲気とか趣味とかそういうことも巷では言及されていますが、全然とは言わぬまでも、そんなに見ません。職務経歴書の興味関心事は、専らその人のスキルセットです。

なので、その書き方も、その時点でのその人のスキルセットが表現されていれば十分で、それ以上の役割は持っていないです。

スキルセットって何?という話ですが、その人のスキルのカタログ、のような意味です。憲法を勉強するときに人権の部分は「人権のカタログ」と言われたりしますが、そんな感じですかね(次元が違うか)。

ちなみに、スキルセットといっても、「こういうスキルがあります」という書き方をするんではなくて、応募者が遂行してきた職務を書く(それを通じて需要側がスキルを推し量る)ということですので、誤解のないよう(念のため)。

よく思い出して、淡々と書こう

なので、職務経歴書の職歴は淡々と書いておいて、面接で引っかかるのを待ちましょう。

書き漏れがあると、もったいないです。よく思い出しましょう。特に、応募先のニーズと重なる可能性があることは、漏らさず書いておきましょう。

この点も、当たり前と思われるかもしれませんが、最初の転職はなにかと不慣れで、なにかとストレスです(管理人はそうでした)。

働きながらこれまでやってきたことを思い出すのはめんどくさいですが(そもそも後に職務経歴書に書くなんて思いながら働いてませんので)、そこは頑張って思い出しましょう。あ、そういえばこんな案件もやったな…という思い出しもあります。

ただ、確実に応募先と関係のない職歴とかは、分量少なめに書くとかした方がいいかもしれないですね…。実際そういう応募者の方を見たことはありませんが、企業側から見た場合、例えば、もっぱら親族・相続や交通事故の部分を書かれても、通常、興味を引くことはないんでしょうね。

そういった場合は、淡々と書いて、ポテンシャル採用のチャンスや、とにかく弁護士を入れてみたいといった需要側の事情に引っかかるのを待つという感じになると思います。

自分の主観で強調するのはやめた方がいい

「自分はここがウリになる!」とか「これが刺さるはず!」など、自分の主観で変に強調するのはやめておいた方がいいように思います(管理人の個人的意見)。ズレている場合のリスクがあるからです。

たとえば、面接のとき、採用後に一定こういう人に来て欲しいという具体的なイメージがある場合、それからズレたところを強調されても、正直に言うとシラけてしまう、というのがあるからです(面接してみたの、そこじゃないんだけどな…みたいな)。

熱心であることは必要ですが、ここが私のプッシュポイントだというように考えて相手の反応を見ずにそこを押し出してしまうと、おそらくマイナスになるので、強調するなら、面接のときに相手の反応を見ながら、の方がいいように思います。

諦める必要はないー自分の努力以外の要素にも大きく左右される

はあ(溜め息)、書ける職歴がない、厳しい…ということもあると思います。

確かに多かれ少なかれ、職歴の内容によって有利不利の違いは出てくると思いますが、それで諦めてしまう必要はないと思います。

なぜかというと、自分の職歴(=供給側の事情)だけが採用につながるファクターではないからです。自分の努力や経験以外の要素、つまり、転職市場の状況や、需要側の事情や価値観にも左右されます。

以下解説します。

転職市場の状況はどうか

売り手市場か買い手市場か、ということです。転職市場全体の状況はどうか、インハウスローヤー転職の市場の状況はどうか、といった大きい話にも左右されます。

嚙み砕いて言えば、買い手が多いと売れやすい(転職しやすい)、ということです。

需要側の事情はさまざま

そもそも需要側には、大きくいって、経験者(即戦力)枠と、ポテンシャル枠があります。どちらの際も、本人に伝えられるわけではないので応募者にはわかりませんが、つまり、スキルセットがヒットしていなくても、ポテンシャル枠で採用を検討しているかもしれません。

また、自分では刺さると思っていなかった部分が実は目に留まって面接に至っている、ということもあるかもしれません。

あるいは、たとえば、とにかく弁護士を採用してみる、ということを重視するような場面もあるかも知れません。

インハウスローヤー採用を試してみたいが、転職市場で弁護士を見かけるのが稀といった状況の場合、多少のスキルセットの違いはさておき、まずは面接してみる、ということもあるかもしれません。

需要側の価値観もさまざま

また、需要側の価値観もさまざまです。

例えば、私の経験でいうと、私は弁護士になった時点でかなり年齢がいっていたのですが、そのため、司法修習後の法律事務所への就職は絶望的だと思っていました。でも、私をイソ弁にしてくれたボス弁は、その人自身もかなり年齢を重ねてから合格した人だったので、年齢の事はほとんど気にされなかったです。

これは転職のときではなく最初の就職のときの話ですが、そういうこともあります。つまり、自分でマイナスと思っていることでも、相手によっては、それほど気にしないこともある、ということです。

需要側の事情はかなり影響する

以上の3つは、自分のスキルや努力以外の要素ですが、転職成功に至る影響力の強いファクターです。

逆にいうと、これらに恵まれていれば、職務経歴書で書けることが少なくても、転職成功する場合もあるということです。

なので、新しい扉を開けてみたい、という気持ちが強いのならば、職歴が薄いとか年齢がいっているとか、自分側の事情(=供給側の事情)だけで、諦めたりするのはもったいないと思います。

市場は売り手か買い手か、即戦力枠かポテンシャル枠か、あるいは需要側の価値観、何を重視するかといったものは、一言でいうと求人側との相性です。どこかに引っかかる人がいるので、活動を続けていれば、良い出会いに巡りあえることを期待できます。

私は、リーマンショックから何年か、みたいな状況で最初のインハウス転職をしましたが、転職市場の状況は良くはなく、職歴も薄いなかで転職できたのはラッキーだったと思います。

たぶん、インハウスローヤーの積極採用を試すという需要側の事情と、一応薄いながらもその業界の案件の経験があった、というのが幸いだったのだろうと思っています。そういうこともあるということです。

こういった事を含めて、世間では「ご縁」と呼ばれているのだろうと思います。

エージェント会社には添削してくれるところもある

余談ですが、エージェント会社のなかには、頼めば職務経歴書を添削してくれるところもあります。

ただ、管理人は、1回目の転職のとき、職務経歴書を添削してもらったはずなんですが、後日、2回目の転職のときに見直してみると、ひどいもんでしたね…(苦笑)。当時のエージェントは何を添削してくれてたのだろう、という感じの内容でした。

結び

今回は、弁護士の転職ということで、職務経歴書の書き方のうち内容面について書いてみました。

まとめると、

職務経歴書まとめ(内容面)

  • 職務経歴書を考えるのがストレスになるのは、最初の転職のときだけ。

  • 力んで刺さるものを書こうとしなくていい。淡々と自分の経験したこと(その時点でのスキルセット)を書こう。特に相手の需要と重なる可能性があるものは、漏らさないようにしよう。思い出す作業も、仕事しながらだと結構めんどくさいが、ちゃんと思い出そう。

  • 自分の主観で「ここが刺さるはず!」と変に強調するのは、外れていたときに相手がシラけるリスクがあるので、基本的にはやめておこう。

  • 書ける職歴が少なくても、自分の努力以外に転職成功を左右するファクターがたくさんあるので、諦める必要はない。探し続けていけば、どこかで巡り会える可能性が高い。

  • エージェント会社のなかには、添削してくれるところもある。(しかしテキトーなこともある)

という感じです。

次の記事では、職務経歴書の形式面について書いています。

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【弁護士の転職】職務経歴書の書き方②|形式面ービジュアル的な綺麗さも意識しよう

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【弁護士の転職】転職活動のロードマップ

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[注記]
本記事は管理人の私見であり、管理人の所属するいかなる団体の意見でもありません。また、正確な内容になるよう努めておりますが、誤った情報や最新でない情報になることがあります。具体的な問題については、適宜お近くの弁護士等にご相談等をご検討ください。本記事の内容によって生じたいかなる損害等についても一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

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