弁護士の転職物語は10回で終わるはずだったのですが、ぽつぽつ書きたいことを後から思い出すことも出てきたので、続けて書いていきたいと思います。
今回は後ろ向きだがよくある話、というわけで、別に弁護士の転職に限った話ではないですが、弁護士の転職物語⑪として、ミスマッチについて書いてみたいと思います。
自分はインハウス転職をしたあと2社目にいった理由のひとつに、訴訟管理があまり面白くなかったというのがあります。
自分が企業内弁護士になる前にイソ弁としてお世話になった事務所は、いわゆる一般民事の法律事務所というやつで、古き良き昔の法律事務所、といった趣の事務所でした。お客さんには個人も企業の顧問もあるが、基本的に依頼の内容は示談折衝、訴訟対応等の紛争処理が主でした。
訴訟というのはそれはそれで興味深いし、社会として間違いなく必要な仕組みですし、やりがいもあります。うまくいくこともいかないこともありますが、ある程度、感謝もしてもらえたり、報酬もいただけたりします。
しかし、”ああ、俺の人生、よく紛争いっぱい解決したなあ、満足満足”という感じで死ねるかというと、とてもそうは思えなくなってきて、来る日も来る日も紛争の対処ばかりやっていることがなんだか不毛に思えてきたわけです。
法律というのは紛争解決のためだけにあるのではないと思っていたので、なにか生産的なこと、生み出すための法務というものはないのだろうか、ということを考えるようになりました(もともと、ロースクール時代からインハウスローヤーに興味を持っていた、というのもあります)。
自分は面接のときにもそういう話をして法務転職をして、予防法務や契約などの仕事もしていましたが、最初のところは訴訟管理の比率が比較的多かったりして、そういう気持ちで2社目に行くに至りました。弁護士だから訴訟管理お願いね、という感じで来られることもあるかもしれませんが、自分の方向性がそこにないときは出来れば事前にちゃんと対話しておくべきだろうと思います(面接のときなどに)。
他の人は同じ轍を踏むことのないよう祈っています。なお、訴訟管理については機会があればまた別の記事で書きたいと思います。
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