法律の条文や契約書を読んでいるとき、「なぜこんなに回りくどい表現なのか」「同じような言葉でも意味が違うのか」と戸惑った経験はありませんか?
日本の法令や公的なルールは、正確を期すために独特の構造と専門用語(法令用語)を用いて書かれています。このルールを知らずに読み解こうとすると、誤った解釈をしてしまうおそれがあります。
本記事は、管理人の法務経験をもとに、「法令の構造」「特有の用語」「解釈のルール」の基本を体系的に学べるようにしたまとめページ(ハブ記事)です。このあたりを順を追って読んでおけば、法務で必要な条文の読み書きはできるようになることを目指してまとめたマニュアルになっています。
知りたい項目から順に読み進め、実務や学習にお役立てください。
メモ
このカテゴリーでは、インハウスとしての法務経験からピックアップした、管理人の独学や経験の記録を綴っています。
ネット上の読み物としてざっくばらんに書いており、感覚的な理解を掴むことを目指していますが、書籍などを理解する際の一助になれば幸いです。
【初心者の方へ】まずは実務でも重要・4記事から
記事がたくさんあって、何から読めばいいかわからない…という方は、実務でも気をつけておくべき以下の4つの法令用語から優先して読んでみてください。これらを知っておくだけでも、契約書などの読みやすさが変わります。
- 法令用語の基本|「及び」「並びに」と「又は」「若しくは」
💡 読むべき理由: 日常会話の「AとB」とはまた違う、グループの大小による厳格な使い分けルールをマスターできます - 法令用語の基本|「場合」と「とき」と「時」の違い
💡 読むべき理由: そのルールがどんなときに発動するのか(条件文)。「条件」と「時点」の意味の読み違えを防ぎます - 法令用語の基本|「することができる」と「しなければならない」
💡 読むべき理由: 権利なのか義務なのか。実務上最も重要なポイントです - 法令用語の基本|「その他」と「その他の」の違い
💡 読むべき理由: 「の」が入るか入らないかで、前の言葉が後ろの言葉に含まれるかどうかが変わる有名なルールです
初心者の方向けの基本を押さえたら、以下のマニュアルから、知りたい項目や気になった用語を辞書のように引いてご活用ください。
体系別・法令マニュアル(全記事一覧)
ここからは、法令・条文の表現に関するひととおりの基本知識を、基本ルール(骨格)、法令用語(パーツ)、法令解釈(意味のとり方)の3つのカテゴリに分けて網羅しています。
01|法令作成・条文の基本ルール(書き方と構造)
法律や社内規程、契約書を正確に読み書きするための、ルールの骨格です。どこに何が書かれているのかという構造を正確に把握したい方はこちらをご覧ください。
全体の構造→個々の条文の構造→さらにその中の文章の構造というふうに、徐々に視点を絞っていくようなイメージで見ていくと理解しやすいです。
- 法令作成の基本|定義づけの方法と略称の仕方
- 法令作成の基本|条文の見出しとレイアウトの作り方
- 法令作成の基本|条文の基本構造-条・項・号および号の細分
- 法令作成の基本|条文の文章構造-主語・述語と目的語倒置
- 法令作成の基本|条文の対句構造と「あっては」の意味
02|法令用語(独特の言い回しと意味の違い)
似た言葉でも厳格に使い分けられる法令特有の用語集です。品詞や役割ごとに分類しています。
▽ 接続詞
▽ 条件文(要件)
▽ 述語と文末表現(効果)
▽ 修飾語
▽ 指示語
▽ 改正技術(新旧変更のルール)
03|法令解釈(ルールの読み解き方とあてはめ)
条文の文言や用語の意味がわかった後、それを実際の複雑な事案にどう適用し、妥当な結論を導き出すのかという解釈のプロセスです。
結び:条文を読む力は一生の武器になる
法律や契約書の条文は、最初は暗号のように見えるかもしれません。しかし、本記事でまとめた「基本構造」「法令用語」「解釈の手法」の3つの基本的な知識を押さえておけば、かなり複雑なルールであっても、論理的に読み解くことができるようになります(もちろん、書くことも)。
ぜひ本記事をブックマーク(お気に入り登録)していただき、実務で迷った際の辞書代わりとしてご活用ください。
関連記事一覧はこちら
-
-
法制執務 - 法律ファンライフ
houritsushoku.com
[注記]
本記事を含む一連の勉強記事は、過去の自分に向けて、①自分の独学や経験の記録を見せる、②感覚的な理解を伝えることを優先する、③細かく正確な理解は書物に譲る、ということをコンセプトにした読みものです。ベテランの方が見てなるほどと思うようなことは書かれていないほか、業務上必要であるときなど、正確な内容については別途ご確認ください。また、法改正をはじめとした最新の情報を反映しているとは限りませんので、ご注意ください。
法制執務に関するその他の記事(≫Read More)
参考文献
当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品・サービスを記載しています
参考文献image
※注:「法令読解の基礎知識」には第一次改訂版【Amazonページ】があります