とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。運営情報はこちら

インハウス転職

弁護士の転職物語①|転職活動の開始

弁護士の転職、というのは最近ホットな話題であると思います。 よくもわるくも弁護士激動の時代に、新しい道を求めて弁護士の働き方も多様化しており、人材の流動性も上がっています。 自分自身も、人材の流動性(特に企業界と弁護士界の間)が上がるのは良いことだと思っています。 雑誌など商業的な記事も、ポジティブな論調で書いた方が格好良いに決まっているので、「インハウス盛り上がってる!」という風潮が見て取れます。 ただ、一側面からの論調であるとも感じるので、いち事例として、自分の転職物語を題材に、弁護士の転職(特にイン ...

法制執務 法律コラム

法制執務の本

最近、法制執務の本を読んでいまして。 読みたくて買ってはいたんですが、時間がなくて積読(つんどく)状態になっていました。買いだめがかなりの量に達していたため、一度ゆっくり読む時間がとれてよかったなと。 「法制執務」というのは立法技術に関するジャンルで、自治体の職員が条例を立案するときのための参考書として書かれているものが多い印象です。著者は、内閣法制局、衆議院法制局、参議院法制局等の経験者が多いです。 普段、条文などは見ているので、ある程度の内容は経験的に掴んではいますが、しっかり読むと、頭の中が整理され ...

法律コラム

弁護士が自由なのは「一国一城の主」だから?

弁護士になったのは,「一国一城の主」になりたかったから。「やっぱり自由がいいよね!」という話を聞くことが多かった気がする。 でも,弁護士が自由っていうのは,本当にそういう意味なのだろうか?猫も杓子もみんなそう言ってるなーと思いつつ,自分としては全くといっていいほどそういう感覚はなかったし,そういう話を聞いても自分の中から何も反応はなかった。 一国一城の主=自由業,っていうのは,なんだか単純すぎませんかね?もちろんそれを目指して頑張る人がいるのは全く良いことだし,かっこいい人もいっぱいいる。 ただ,異なる考 ...

法務一般

法務業務の全体像

法務の仕事はだいたい7つに分類できるのでは、と思っています。 もちろん個人的意見で、私論です(なのでブログで書いてるわけですが)。いくつか本を読んだり、仕事したりした中での自分の整理という前提ですが、以下つらつらと書いてみたいと思います。 法務部でやっている業務は、ざっくり二分することができます。ひとつは「訟務」、もうひとつは「法務」です。 前者の「訟務」は、紛争処理や訴訟管理で、いわゆる臨床法務のことです。後者の「法務」は、コンプライアンス等々のいろいろな法律事務で、いわゆる予防法務にあたります。 そし ...

司法試験

新司的ノウハウ②|訴訟物から考える

第7回。今回は「訴訟物から考える」。 「訴訟物から考える」とは 何が言いたいかというと、訴訟物が訴訟の出発点であり、終着点だから、答案でもそのようにするということです。民事では訴訟物ですが、刑事では公訴事実です。 つまり答案の大枠が、訴訟物→要件→あてはめ、の順に構成されているというのが、まず基本だと思います(もちろん、小問の問いかけの仕方によっては、訴訟物から書く必要のないものもありますが)。 答案を読んでいるといきなり問題点についてつらつらと書き始めているものにしばしば出会いますが、このような構成だと ...

司法試験

新司的ノウハウ①|誘導

いつの間にか第5回新司法試験も近づいてきたということで、ひさびさに残りのノウハウを書いてみようかなと思います。 講座を購入してくださった人に申し訳ないし、詳細に書くモチベーションが合格直後と違ってもう無いので、ざっくりと書きます。 旧司ノウハウと違って目にすることは多いだろうし、もうわかってるよというものが多いかもしれません。 誘導 では第6回。今回は誘導について。 最初に誘導を持ってきたのは、これが新司法試験の最大の重要ポイントだからです。とにかくこれを無視するようなこと、読み落とすようなことがあると絶 ...

法律コラム

なりたくない弁護士像

「なりたい弁護士像は?」と聞かれても、はっきりしたものは答えられないが(言うとチャチくなるし)、「なりたくない弁護士像」というのは、たくさんある(ご注意:以下はただの愚痴でもあるので、読みたくない人は読まないで下さい)。 「趣旨から考えた一本筋のとおった答案」と言って得意満面の弁護士 どんな答案を書けば評価されますか?という悩める受験生の祈りにも似た深刻な問に対し、「趣旨に遡って一本筋の通った答案がいい答案だ!」と言って、ちょっと得意げに「おれ今ええこと言うた」的な顔をする弁護士。 言ってることは確かに完 ...

答案

平成21年度新司法試験簡易再現答案|刑事系第2問(刑事訴訟法)

刑事系第2問。 設問1は、まあまあ?あてはめイマイチだが。 設問2は時間がなくてコンパクトにしか書けなかったが、出題趣旨には合っていた。 簡易再現答案 ■□■□■□■□■□ 論文再現 刑事系第2問 設問1 第1.(1)各写真撮影は意思に反してプライバシーを侵害するから強制処分。  性質としては、検証。よって、検証令状が必要なはず。  しかし本問では検証令状なく、捜索差押令状による捜索差押に附随するものとして写真撮影が行われているため、その限界が問題。 (2)論証 →令状記載物件及び関連するものなら許容。 ...

答案

平成21年度新司法試験簡易再現答案|刑事系第1問(刑法)

刑事系第1問。 罪名と65条の適用が間違っていると思うが、今年の問題はきっとそういう人が多かったのだろうから、助かったのだろう。 本来、刑事系で罪名の間違いはアウトのはずである。 簡易再現答案 ■□■□■□■□■□ 刑事系第1問 第一.事実1から6まで 第1.乙の罪責 1.乙に業務上横領罪が成立しないか 2.乙は営業担当事務員なので「業務上」「占有」にあたるためには甲に業務上占有者の身分があり、かつ65条が適用される必要。 (1)甲に「業務上」「占有」の身分あるか  ア.横領罪における占有は、委託信任関係 ...

司法試験

旧司的ノウハウ⑤|一読了解型答案

第5回。 一読了解型答案とは何か?何に気をつけて書けばそのようになるのか? 旧司法試験のノウハウ 一読了解型とはその名の通り、一回読んだだけで内容が頭に入ってくる答案のことです。 読み手にとっては読むのが楽であり心証もよく、書き手にとっては読み返されるおそれが低くボロがばれにくい、という効用があるものです。 私は心証の問題というのは、 心証が良くても直接そこに点数がつくわけではないが、加点は素直になされ減点はされにくくなる 心証が悪くても直接それで点数を引かれるわけではないが、加点はされにくくなり減点はさ ...

答案

平成21年度新司法試験簡易再現答案|公法系第1問(憲法)

続いて公法系第1問(憲法)。 皆と違って、憲法がまあまあよく、行政法が悪い、という採点だったはずである。 簡易再現答案 ■□■□■□■□■□ 設問1 第一.弁護士の主張 第1.審査委員会規則の23条違反 1.審査委員会規則に基づく中止命令によりXは本件研究が継続できなくなっているので、審査委員会規則(以下「規則Ⅰ」)は学問の自由のうち学問研究の自由を制約 2.かかる制約が「公表の福祉」による必要最小限のものかは、①目的が必要不可欠、②手段が必要最小限度、で判断。なぜなら、学問の自由は特に批判的・先鋭的性質 ...

司法試験

旧司的ノウハウ④|法的三段論法

第4回。法的三段論法について。 旧司法試験のノウハウ 法的三段論法が何かというと、大前提に小前提をあてはめて結論を出すというやつですよね。 大前提 人はいつか死ぬ ↓小前提 私は人である ↓結論  ゆえに私はいつか死ぬ なぜかこの縁起の悪い例が多い(昔から不思議)が、このように大前提、小前提、結論の三段になっているから三段論法なわけです。 これを法律の文章において書くとき、大前提はルールという抽象論、小前提は事実という具体論になるわけです。 書き慣れない時期に多い誤りは、抽象論の理由付けに問題文の具体的事 ...