とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。

犯罪収益移転防止法

犯罪収益移転防止法を勉強しよう|特定事業者の5つの義務

今回は、犯罪収益移転防止法を勉強しようということで、特定事業者にかかってくる法的義務について見てみたいと思います。 特定事業者というのは要するにこの法律の適用対象となる事業者のことですが、くわしくは以下の関連記事に書いています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線、改行などは管理人によるものです。 特定事業者の5つの義務 特定事業者が守らなければならない義務は、次の5つになります。 特定事業者の5つの義務 取引時確認 確認記録の作成・保存義務 取引記録等の作成・保存義務 疑わしい取引の届出 取引時確 ...

犯罪収益移転防止法

犯罪収益移転防止法を勉強しよう|特定業務と特定取引の関係

今回は、犯罪収益移転防止法を勉強しようということで、「特定業務」と「特定取引」について見てみたいと思います。この2つは、規制の対象となる取引の範囲を指す言葉です。 犯収法に関しては、特定事業者・・・とか、特定業務・・とか、特定取引・・とか、似たような言葉が並んで意味がわからないというのが最初のわかりにくさだと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線は管理人によるものです。 特定業務と特定取引の関係 特定業務・・というのは、犯収法上の義務の対象となる業務のことですが、特定取引・・とは、そのなかで ...

犯罪収益移転防止法

犯罪収益移転防止法を勉強しよう|法律の目的、特定事業者など

今回は、犯罪収益移転防止法を勉強しようということで、どういう法律なのかということと、この規制がかかってくる「特定事業者」について書いてみたいと思います。 犯罪収益移転防止法は、略称は一般的には「犯収法」と呼ばれ、法律のイメージは、いくつかの業界では日常的に接する規制法であるものの、それ以外の業界だとあんまりよく知らないという感じの法律だろうと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線は管理人によるものです。 どういう法律なのか? 最初、犯収法に接することになった人にとってまずもってわからないのは ...

法務転職

インハウスローヤーに向いている人・向いていない人

今回は、インハウスローヤーに向いている人・向いていない人、という話を書いてみたいと思います(もちろん、管理人の個人的意見)。 働き方で一般的に大事にされること 働き方については、一般的には、 何をして働くのか 誰と働くのか 報酬(見返り)はなにか が大事なのだろうと思っていますが、弁護士など士業の場合は、 「一国一城の主」を重視するのか というのを、前提条件的に重視している人も多いだろうと思います。 「一国一城の主」は、その点を重視している人にとってインハウスローヤーは選択の余地がないわけですが、通常は、 ...

情報発信

【随時更新】分類別リーガル系メディアのおすすめ

最近は、何がしかの論点をネットで検索していても、リーガル系メディアの記事がたくさんヒットするようになったな…と思います。 法律に関連する企業が、自社のオウンドメディアの展開に力を入れてきた結果だと思いますが、法律事務所でも情報発信に力を入れるところも多くなったのだろうなと。 いつの間にかネット上の法律情報も随分充実してきたな…と感じます。 というわけで、本記事では、随分増えてきた(勃興期といってもいいのではと思う)リーガル系メディアを試しに分類別に書いてみたいと思います。 もちろん、取り上げたものは管理人 ...

法律コラム

法務が早すぎる

「探偵が早すぎる」というドラマがあるんですが(2018年)、サブスクを見てるとリコメンドに出てきたので、久々に見てみました。 「探偵が早すぎる」 滝藤賢一さんと広瀬アリスさんのW主演のドラマで、遺産争いで命を狙われる主人公を探偵が守るという設定のコメディなんですが、半沢直樹にも負けず劣らずの2人の顔芸もあったりして(笑)。当時よく見ていました。 だいたい推理ドラマは、コ◯ンくんでも、金◯一くんでも、人が死んでから出てくるので、冷静に考えると屍が累々なわけです(苦笑)。 しかし、「探偵が早すぎる」は、事前事 ...

法務転職

2020年転職トレンド振り返り・最近のインハウスローヤーの変化

2020年も終わりということで、最近周りから聞いたり自分で感じたりした、今年の転職トレンドの傾向を書いておきたいと思う。 3つあって、うち2つはやはりコロナ関連で、3つめは、最近小耳に挟んだインハウスの変化傾向である。 副業解禁やリモート化は進んでいるが意外と遅いorリバウンドも 1つ目はコロナの影響で、いわずもがなの感もあるが、テレワークの推進や副業解禁などである。非常な勢いで一時期進んでいたようなイメージがある。 が、ここで言いたいのは、意外と変化スピードは遅い(ゆっくり)みたいである、ということであ ...

法務転職

インハウスローヤーはおもしろくない?|消極的〇〇の話

最近Twitter等を見ていると、インハウスをやっている人はみなつまらないと言っているとか、充実感を感じていないとか、面白くないと言っている、という評をわりとよく見かけます。 世間的にはそういうもんなんだ…と思ったので、これとはまたちょっと違う個人的意見を書いてみたいと思います。 インハウスローヤーはおもしろくない? 管理人はインハウスを面白いと思っているので感覚的によくわからないですし、実際インハウスが面白くないというのを直接聞いたことがないのでよくわからないものの、こういう評を見かけたときにまず思った ...

不正競争防止法 法律ニュース

名称の権利化とブランディング戦略(後編)|大学の名称変更と不正競争防止法

前の記事では、名称の権利化とブランディング戦略【前編】ということで、商標権による名称の保護について見てみました。 本記事では、では商標登録してないときは何もいえないのか?という話を見てみたいと思います。 結論からいうと、このときは不正競争防止法という別の法律での保護を検討することができます。これは商標法とはまた別の法律ですので、商標登録していないときでも使うことが可能です。 少し前になりますが、こんなニュースがありました。 ▽参考リンク私立「京都芸術大」の名称差し止め認めず 市立芸大の請求棄却 大阪地裁判 ...

商標法 法律ニュース

名称の権利化とブランディング戦略(前編)|お金配りと商標権

今回は、名称の権利化とブランディング戦略、という話を書いてみたいと思います。 名称の法的保護 名称の法的保護といえば商標権です。 そうすると、商標って法律の話でしょ、法務さんお願いね、インハウスローヤーもいるしヨロシクね…、みたいな感じになりがちなこともあるかなと思いますが、本来、そういう話だけではないです。 名称の権利化っていうのは、経営戦略の話と密接に絡んでいると思うんですよね。潜在的な可能性も含めてどの方面に進出し、そのうちどの方面に重点的にコストをかけるか、という選択の問題が発生するためです。 で ...

法務一般 法律コラム

交渉の基本は「押して引くこと」

今回は、交渉の基本としての、「押して引くこと」について書いてみたいと思います。 ここでいう「交渉」というのは、どこかで話をまとめたいという気持ちがある場合のことで、自分の主張が全面的に通るまで一歩も引かないと決めている場合は、ここでいう交渉ではないです(それは紛争であり、基本的には裁判です)。 交渉の原則 さて、交渉の原則は、「押して引くこと」です。 押すだけではダメです。破談になるからです。引くだけではダメです。損するだけだからです。引いてから押してはダメです。やはり破談になるからです。(相手からすると ...

商標法 法律ニュース

「ぴえん」絵文字の商標出願ってどうなるの?

先日、「ぴえん」の絵文字が商標出願されていた、というのがネットニュースになっていました。 ▽「ぴえん」商標出願で使えなくなる? アパレル会社申請にネット物議も「保険的な意味」|J-CASTニュースhttps://www.j-cast.com/2020/11/20399418.html へえ…と思って、あんまりこういう変化球っぽいのを実際に仕事で見たことはないんですけど、ちらっと調べてみるとけっこう面白かった(興味深かった)ので、今回はこれについて見てみたいと思います。 なお、引用部分の太字、下線、改行など ...