とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。運営情報はこちら
今回は、景品表示法ということで、総付景品規制の適用除外について見てみたいと思います。 なお、懸賞・・景品規制には適用除外といったものはないので、総付・・景品規制に特有のものになります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 総付景品規制の適用除外(総付制限告示第2項) 総付景品規制については、景品類に該当する場合であっても・・・・・・・・・・・・・・・一定の場合には規制を適用しない、とする適用除外があります。 全部で4つの除外事由があり、 商品の販売・使用やサービス提 ...
今回は、景品表示法ということで、景品類の要件のうち景品類非該当の要件について見てみたいと思います。 景品類該当性の判定で検討すべき要件には、以下の4つがありますが、 ① 顧客誘引性② 取引付随性③ 経済上の利益④ 景品類非該当 ←本記事 その中で、本記事は④に関するものです。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 景品類非該当(定義告示第1項但書) 景品類の要件のうち、①顧客誘引性/②取引付随性/③経済上の利益を満たす場合であっても、④値引・アフターサービス・附属物に ...
今回は、商標法ということで、商標の類否判断のうち、要部観察・分離観察の代表的な判例について見てみたいと思います。 前の記事で要部観察・分離観察の可否の判断基準について書いており、その続きになります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 分離観察の可否の判断基準 分離観察の可否については、最高裁判決などをベースにしつつ、商標審査基準に判断基準が記載されていますので、それをおさらいしてみます。 分離観察の可否と書きましたが、結局、要部観察の可否も判断の基準は一緒です 商 ...
今回は、商標法ということで、商標の類否判断のうち要部観察・分離観察について見てみたいと思います。 商標出願の際に事前の商標調査を行うことが多いかと思いますが、多かれ少なかれイメージだけでも持っておけば、一般の法務実務でも、特許事務所の調査結果(類似する先願登録商標の存在という不登録事由の有無)などを理解しやすくなるように思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 要部観察とは 要部観察は、商標の類似を判断する際の観察方法のひとつです。 商標全体のなかで需要者に強 ...
今回は、景品表示法ということで、景品類の定義について見てみたいと思います。 景品類に該当すれば基本的には金額の上限規制がかかってきますが、そもそも景品類に該当しなければ規制はかかってこないことになります。なので、一般的な法務の判断でも、最初の入りとして、景品類該当性の判断は大事なポイントといえます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 「景品類」の定義 景表法2条3項 「景品類」の定義は、景品表示法2条3項に定められており、 顧客誘引の手段として(顧客誘引性)【目的 ...
今回は、商標法ということで、商標の類否判断のうち外観類似について見てみたいと思います。 商標出願の際に事前の商標調査を行うことが多いかと思いますが、多かれ少なかれイメージだけでも持っておけば、一般の法務実務でも、特許事務所の調査結果(類似する先願登録商標の存在という不登録事由の有無)などを理解しやすくなるように思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 外観類似とは 外観というのは、商標の見た目のことで、商標の類似を判断する際の判断要素の一つになります。 なので ...
今回は、商標法ということで、商標の類否判断(商標の類似性の判断方法)について見てみたいと思います。 商標法の最大論点のひとつだと思いますが、細かいところまでいっぺんに見るとわかりにくいので、本記事では全体をさらっと概観したいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標の類否判断 商標法でいう類似性には「商標の類似」と「商品・役務の類似」の2つがあり、類似性が問題になる場面(ex. 商標登録や侵害)では、両方とも類似してはじめて類似性肯定となります。 つまり ...
今回は、商標法ということで、類似性の判断について書いてみたいと思います。 一般法務では、先願登録商標と類似する商標は登録できない(拒絶される)ということで出くわす場面が最も多いかと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 類似性の判断 結論からいうと、商標法でいう類似性には「商標の類似」と「商品・役務の類似」の2つがあり、この両方ともが類似となってはじめて類似性肯定ということになります。 つまり、 「商標の類似」+「商品・役務の類似」=類似性肯定 というイメー ...
今回は、商標法ということで、商標の機能について見てみたいと思います。 そもそも論として重要な話ですが、抽象的な話で一般の法務にすぐ役立つものではないので、飛ばしてもよいかと思います(ただ、基本書にも実務本にも普通載っていますので一応)。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標の機能 商標は、事業者が、自分の取り扱う商品やサービスを他人のものと識別するために使用するマーク(識別標識)のことです。 この自他識別機能から、①出所表示機能、②品質保証機能、③宣伝広告機能の ...
今回は、商標法ということで、商標の登録要件について見てみたいと思います。 本記事では、細かいところには入らず全体像を眺めてみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標の登録要件 商標登録が認められるためには、登録要件を満たす必要があります。 商標の登録要件は、商標法3条・4条に規定されており、大きくまとめると、 使用の意思があること(3条1項柱書) 自他識別力があること(3条1項各号参照) 不登録事由(4条1項各号)に該当しないこと の3つになります。 以下、 ...
今回は、商標法を勉強しようということで、使用主義と登録主義について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 登録主義 商標を法律で保護しようとするとき、権利化の方法論としては、以下の2つが考えられます。 使用主義登録を受けようとする商標は、現に使用され、業務上の信用が化体したものであることが必要であるとする制度=使用によって権利が発生し、登録はそれを宣言しているだけという考え方 登録主義登録を受けようとする商標は、未だ使用されていないものであっても ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の種類のうち新しいタイプの商標について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 新しいタイプの商標(平成26年法改正) 平成26年法改正で新たに導入された商標は、”新しいタイプの商標”と呼ばれています。以下の5つがあります。 色彩商標 音商標 動き商標 ホログラム商標 位置商標 ①と②は、商標の新しい構成要素として整理され、導入にあたって、商標の定義(法2条1項)の見直しがなされています(▷参考記事:商標 ...