とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。運営情報はこちら

契約の一般条項

契約の一般条項|債務不履行による解除(法定解除)~解除条項に関連して

今回は、契約の一般条項ということで、解除条項に関連して、債務不履行による解除について見てみたいと思います。 ※「契約の一般条項」というのは、ここでは、いろんな契約に共通してみられる条項、という意味で使っています 解除条項の法的意味を把握するための前提として、法律上の原則にあたるところの法定解除について、その要件・手続・効果などをざっと解説していきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 解除の種類 解除の種類には、大きく、 法定解除 約定解除 合意解除 の3つがあ ...

SPC・ファンド

ファンド法務|投資事業有限責任組合におけるパススルー課税の内容を解説~メリットとリスク・LPAの条項設計など

今回は、ファンド法務ということで、投資事業有限責任組合におけるパススルー課税について見てみたいと思います。 LPS(投資事業有限責任組合)をはじめとする投資ファンドにおいて、パススルー課税(構成員課税)は、投資効率を最大化するための最も重要な税務メリットです。 しかし、そこで出てくる利益が現実に分配されていなくても、組合員に課税されるというルールは、初めてファンド投資に触れる方にとっておそらく理解しづらく、しかし実際上は投資家の資金繰り(キャッシュフロー)リスクに結びつく重要な論点です。 本記事では、この ...

インハウス転職 弁護士法

インハウスローヤー転職と非弁の論点(後編)|業務委託型の紹介サービス

今回は、インハウスローヤー転職と非弁の論点ということで、その後編について書いてみたいと思います。 インハウスローヤー転職といっても、本記事の話題は業務委託型(法務受託、法務アウトソーシングとでも呼ぶべきもの)に関するもので、いわゆるグレーゾーン解消制度において照会と回答がなされている例になります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 業務委託型を含む弁護士人材紹介サービス 照会対象サービスの内容は、事業者が提供するウェブサイト上で、パートタイム勤務も含めて、求人企業 ...

弁護士法

ビジネスと弁護士法|弁護士マッチングサービス

今回は、ビジネスと弁護士法ということで、弁護士マッチングサービスについて見てみたいと思います。 弁護士法といっても主に非弁行為の禁止の部分のことですが、非弁行為には有償での「周旋」(仲介、あっせんのこと)の禁止というパターンもあるので、ビジネスの遵法性検討の際には案外よく出てきます。 すっかり一般的になった弁護士マッチングサービスにもこの論点は存在し、少なくともメジャーな事業者はその整理をした上でビジネスを行っているわけですが、案外それを知らない人(あるいは知っていても中身は知ろうとしない人)もいたりいな ...

弁護士法

ビジネスと弁護士法|離婚協議書の自動作成サービス

今回は、ビジネスと弁護士法ということで、離婚協議書の自動作成サービスについて見てみたいと思います。いわゆるグレーゾーン解消制度において照会と回答がなされた例になります。 弁護士法といっても主に非弁行為の禁止の部分のことですが、業務独占はあたかも業法の参入規制のように機能しますので(要するに入口の問題という点で共通)、ビジネスの遵法性検討の際には案外よく出てきます。その一例として、という話です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 離婚協議書の自動作成サービス 照会対 ...

弁護士法

ビジネスと弁護士法(総論)|非弁行為該当性の判断ポイント

今回は、ビジネスと弁護士法ということで、弁護士法に関連したビジネスの遵法性検討の仕方について見てみたいと思います(管理人の個人的見解です)。 弁護士法といっても主に非弁行為の禁止の部分のことですが、業務独占はあたかも業法の参入規制のように機能しますし(要するに入口の問題という点で共通)、また非弁のパターンには「周旋」の禁止というのもあるので、ビジネスの遵法性検討の際には案外よく出てきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 非弁行為の禁止 非弁行為の禁止とは、ざっ ...

SPC・ファンド

ファンド法務|投資事業有限責任組合における投資家のイグジット方法を解説~4つのルート・法律・LPAの構造など

今回は、ファンド法務ということで、投資事業有限責任組合における投資家のイグジットについて見てみたいと思います。 LPS(投資事業有限責任組合)における投資家(有限責任組合員:LP)のイグジット(資金回収・換金)には、大きく分けて4つのルートが存在します。本記事ではこれらを順に解説していきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 投資事業有限責任組合(LPS)における投資家のイグジット 日本のLPSは、一般的な投資信託(いつでも基準価額で払戻しができるオープン・エン ...

弁護士法

弁護士法|非弁行為の禁止(法72条)~非弁行為の要件と違反の効果

今回は、弁護士法ということで、非弁行為の禁止(法72条)について見てみたいと思います。 非弁行為の要件(=構成要件)と違反の効果(=刑事罰)について、全体像をまとめていきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 非弁行為の禁止 非弁行為の禁止とは、ざっくりいうと、弁護士以外の者が事業として他人の法律事務を処理することを禁じるものです。 弁護士法72条に規定されています。 ▽弁護士法72条 (非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない ...

M&A 各種契約書

M&A法務|株式譲渡契約(SPA)における「サンドバッギング条項」をわかりやすく解説

今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうちサンドバッギング条項について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 サンドバッギングとは サンドバッギング(sandbagging)とは、ざっくりいうと、表明保証違反があったときに、表明保証の相手方がその違反につき悪意であっても(あるいは有過失であっても)表明保証責任を追及することができる ...

インサイダー規制

インサイダー取引規制|「情報伝達行為」「取引推奨行為」の禁止を解説~規制対象となる主体・主観的要件など

今回は、インサイダー取引規制ということで、インサイダー取引規制のうち情報伝達行為・取引推奨行為の禁止について見てみたいと思います。 インサイダー取引規制には、大きく「会社関係者」と「公開買付者等関係者」に対する規制がありますが、その中で、本記事は黄色ハイライトを引いた箇所の話です。 【インサイダー取引規制】① 会社関係者の禁止行為 ・規制対象となる主体 ・規制対象となる情報 ・規制対象となる取引② 公開買付者等関係者の禁止行為 ・規制対象となる主体  ・規制対象となる情報  ・規制対象となる取引③ ①②と ...

SPC・ファンド

ファンド法務|投資事業有限責任組合(LPS)とは何かを解説~他の投資ビークルとの違い・利用場面など

今回は、ファンド法務ということで、投資事業有限責任組合とは何かについて見てみたいと思います。 ニュースなどでも目にする投資事業有限責任組合(LPS:Limited Patnership)ですが、ファンドの器として用いられるものの、実は株式会社のような会社ではありません。では、一体どのような仕組みで、なぜファンド組成において多く利用されているのでしょうか。 本記事では、このLPSの内容を、 契約型ビークルとしての特徴(会社型との違い) 特別法ビークルとしての特徴(一般法である民法上の任意組合との違い) LP ...

インサイダー規制

インサイダー取引規制|どこまで規制対象?「情報受領者の禁止行為」について解説

今回は、インサイダー取引規制ということで、情報受領者の禁止行為について見てみたいと思います。 インサイダー取引規制には、大きく「会社関係者」と「公開買付者等関係者」に対する規制がありますが、情報受領者の禁止行為は、これらの者から第1次的に情報を受けた者に対する規制になります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 情報受領者とは 情報受領者とは、会社関係者や公開買付者等の関係者から重要事実の伝達を受けた者のことで、例えば家族、同僚などです。 情報自体はいくらでも広がっ ...