とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の類否判断のうち要部観察・分離観察について見てみたいと思います。 商標出願の際に事前の商標調査を行うことが多いかと思いますが、多かれ少なかれイメージだけでも持っておけば、一般の法務実務でも、特許事務所の調査結果(類似する先願登録商標の存在という不登録事由の有無)などを理解しやすくなるように思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 要部観察とは 要部観察は、商標の類似を判断する際の観察方法のひとつです。 商標全体のなか ...
今回は、景品表示法を勉強しようということで、景品類の定義について見てみたいと思います。 景品類に該当すれば基本的には金額の上限規制がかかってきますが、そもそも景品類に該当しなければ規制はかかってこないことになります。なので、一般的な法務の判断でも、最初の入りとして、景品類該当性の判断は大事なポイントといえます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 「景品類」の定義 景表法2条3項 「景品類」の定義は、景品表示法2条3項に定められています。 ▽景表法2条3項 3 この ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の類否判断のうち外観類似について見てみたいと思います。 商標出願の際に事前の商標調査を行うことが多いかと思いますが、多かれ少なかれイメージだけでも持っておけば、一般の法務実務でも、特許事務所の調査結果(類似する先願登録商標の存在という不登録事由の有無)などを理解しやすくなるように思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 外観類似 外観というのは、商標の見た目のことで、商標の類似を判断する際の判断要素のひとつになります ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の類否判断(商標の類似性の判断方法)について見てみたいと思います。 商標法の最大論点のひとつだと思いますが、細かいところまでいっぺんに見るとわかりにくいので、本記事では全体をさらっと概観したいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標の類否判断 商標法でいう類似性には「商標の類似」と「商品・役務の類似」の2つがあり、類似性が問題になる場面では、2つとも類似してはじめて類似性肯定となります。 つまり、 「商標の類 ...
今回は、商標法を勉強しようということで、類似性の判断について書いてみたいと思います。 一般法務では、先願登録商標と類似する商標は登録できない(拒絶される)ということで出くわす場面が最も多いかと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 類似性の判断 結論からいうと、商標法でいう類似性には「商標の類似」と「商品・役務の類似」の2つがあり、この両方ともが類似となってはじめて類似性肯定ということになります。 つまり、 「商標の類似」+「商品・役務の類似」=類似性肯定 ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の機能について見てみたいと思います。 そもそも論として重要な話ですが、抽象的な話で一般の法務にすぐ役立つものではないので、飛ばしてもよいかと思います(ただ、基本書にも実務本にも普通載っていますので一応)。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標の機能 商標は、事業者が、自分の取り扱う商品やサービスを他人のものと識別するために使用するマーク(識別標識)のことです。 この自他識別機能から、①出所表示機能、②品質保証機能、③宣 ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の登録要件について見てみたいと思います。 本記事では、細かいところには入らず全体像を眺めてみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標の登録要件 商標登録が認められるためには、登録要件を満たす必要があります。 商標の登録要件は、商標法3条・4条に規定されており、大きくまとめると以下の3つになります。 使用の意思があること(3条1項柱書) 自他識別力があること(3条1項各号参照) 不登録事由(4条1項各号)に該当しない ...
今回は、商標法を勉強しようということで、使用主義と登録主義について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 登録主義 商標を法律で保護しようとするとき、権利化の方法論としては、以下の2つが考えられます。 使用主義登録を受けようとする商標は、現に使用され、業務上の信用が化体したものであることが必要であるとする制度=使用によって権利が発生し、登録はそれを宣言しているだけという考え方 登録主義登録を受けようとする商標は、未だ使用されていないものであっても ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の種類のうち新しいタイプの商標について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 新しいタイプの商標(平成26年法改正) 平成26年法改正で新たに導入された商標は、”新しいタイプの商標”と呼ばれています。以下の5つがあります。 色彩商標 音商標 動き商標 ホログラム商標 位置商標 ①と②は、商標の新しい構成要素として整理され、導入にあたって、商標の定義(法2条1項)の見直しがなされています(▷参考記事:商標 ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の種類について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標の種類(構成要素による分類) 商標とは、事業者が、自分の取り扱う商品やサービスを他人のものと区別するために使用するマーク(標章)のことですが、商標は、このマーク(標章)の構成要素に着目して分類することができます。 文字、図形、記号、立体的形状や、これらを組み合わせたもの、などのタイプがあります。 条文でいうと、商標の定義を定めている法2条1項のう ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の定義について見てみたいと思います。 「商標」と聞いても、何となくわかるようなわからないような、いまひとつピンと来ないのが最初の引っかかりであるように思います。そこでイメージづくりから入って、次に、商標法上の定義を見てみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標とは(社会的な意味での商標) 商標とは、事業者が、自分の取り扱う商品やサービスを他人のものと区別するために使用するマーク(識別標識)のことです(特許庁「知的財 ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の「使用」概念について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標の「使用」とは 商標権とは、指定商品・指定役務について登録商標を独占的に使用する権利のことです(▷参考記事はこちら)。 実は、この「使用」の具体的内容は商標法で細かく定められています。 ▽法2条3項・4項 3 この法律で標章について「使用」とは、次に掲げる行為をいう。一~十 (略)4 前項において、商品その他の物に標章を付することには、次 ...