とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。

広告法務

広告法務|適正な比較広告の要件

今回は、広告法務ということで、適正な比較広告の要件について見てみたいと思います。 前の記事で比較広告のルールの全体像について書いており、その続きになります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 基本的考え方-適正な比較広告の要件(ガイドライン第2項) 消費者庁HPに掲載されている「比較広告ガイドライン」のなかで、基本的考え方として、比較広告の適法要件が記載されています。 ▽比較広告ガイドライン【2-⑴⑵】 2. 基本的考え方⑴ 景品表示法による規制の趣旨 景品表示法 ...

広告法務

広告法務|比較広告のルール

今回は、広告法務ということで、比較広告のルールについて見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 比較広告とは 比較広告というのは、要するに、競合商品や競合サービスと比較して、自社の商品やサービスの方が質がいいですよとか、自社の方が安いですよとする表示のことです。 不当表示には、品質の有利性を偽る優良誤認と、価格その他の取引条件の有利性を偽る有利誤認の2種類がありますが、どちらのカテゴリーでも比較広告はあり得ます。 例えば、不実証広告は優良誤認に関す ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|二重価格表示-将来の販売価格を比較対照価格とする場合

今回は、景品表示法を勉強しようということで、二重価格表示のうち、将来の販売価格を比較対照価格とする場合について見てみたいと思います。 二重価格表示には、比較対照価格として何を置くかによりいくつか種類がありますが、 ①「過去の販売価格」を比較対照価格とする場合②「将来の販売価格」を比較対照価格とする場合 ←本記事③「タイムサービス」を行う場合④「希望小売価格」を比較対照価格とする場合⑤「競争事業者の販売価格」を比較対照価格とする場合⑥「他の顧客向けの販売価格」を比較対照価格とする場合 その中で、本記事は黄色 ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|二重価格表示-過去の販売価格を比較対照価格とする場合

今回は、景品表示法を勉強しようということで、二重価格表示のうち、過去の販売価格を比較対照価格とする場合について見てみたいと思います。 二重価格表示には、比較対照価格として何を置くかによりいくつか種類がありますが、 ①「過去の販売価格」を比較対照価格とする場合 ←本記事②「将来の販売価格」を比較対照価格とする場合③「タイムサービス」を行う場合④「希望小売価格」を比較対照価格とする場合⑤「競争事業者の販売価格」を比較対照価格とする場合⑥「他の顧客向けの販売価格」を比較対照価格とする場合 その中で、本記事は黄色 ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|表示規制-供給主体性と表示主体性

今回は、景品表示法を勉強しようということで、表示規制の適用対象事業者について見てみたいと思います。 表示規制の適用対象事業者は、①供給主体性と②表示主体性に分けて考えるとわかりやすいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 表示規制の適用対象事業者に関する考え方 表示規制の適用対象は、「事業者」です。 ▽景品表示法5条 (不当な表示の禁止)第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。一~三 ( ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|景品規制-総付景品制限の適用除外

今回は、景品表示法を勉強しようということで、総付景品規制の適用除外について見てみたいと思います。 懸賞景品規制には適用除外といったものはないので、総付景品規制に特有のものになります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 総付景品規制の適用除外(総付制限告示第2項) 総付景品規制については、景品類に該当する場合であっても一定の場合には規制を適用しない、とする適用除外があります。 総付制限告示で定められています(第2項)。 ▽総付制限告示第2項 2 次に掲げる経済上の利 ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|景品類の要件-景品類非該当

今回は、景品表示法を勉強しようということで、景品類の要件のうち景品類非該当の要件について見てみたいと思います。 景品類該当性の判定で検討すべき要件には、以下の4つがありますが、 ① 顧客誘引性② 取引付随性③ 経済上の利益④ 景品類非該当 ←本記事 その中で、本記事は④に関するものです。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 景品類非該当(定義告示第1項但書) 景品類の要件のうち、①顧客誘引性/②取引付随性/③経済上の利益を満たす場合であっても、④値引・アフターサービ ...

商標法

商標法を勉強しよう|商標の類否判断-要部観察・分離観察の判例

今回は、商標法を勉強しようということで、商標の類否判断のうち、要部観察・分離観察の代表的な判例について見てみたいと思います。 前の記事で要部観察・分離観察の可否の判断基準について書いており、その続きになります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 分離観察の可否の判断基準 分離観察の可否については、最高裁判決などをベースにしつつ、商標審査基準に判断基準が記載されていますので、それをおさらいしてみます。 分離観察の可否と書きましたが、結局、要部観察の可否も判断の基準は ...

商標法

商標法を勉強しよう|商標の類否判断-要部観察・分離観察

今回は、商標法を勉強しようということで、商標の類否判断のうち要部観察・分離観察について見てみたいと思います。 商標出願の際に事前の商標調査を行うことが多いかと思いますが、多かれ少なかれイメージだけでも持っておけば、一般の法務実務でも、特許事務所の調査結果(類似する先願登録商標の存在という不登録事由の有無)などを理解しやすくなるように思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 要部観察とは 要部観察は、商標の類似を判断する際の観察方法のひとつです。 商標全体のなか ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|景品規制-景品類の定義

今回は、景品表示法を勉強しようということで、景品類の定義について見てみたいと思います。 景品類に該当すれば基本的には金額の上限規制がかかってきますが、そもそも景品類に該当しなければ規制はかかってこないことになります。なので、一般的な法務の判断でも、最初の入りとして、景品類該当性の判断は大事なポイントといえます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 「景品類」の定義 景表法2条3項 「景品類」の定義は、景品表示法2条3項に定められています。 ▽景表法2条3項 3 この ...

商標法

商標法を勉強しよう|商標の類否判断-外観類似

今回は、商標法を勉強しようということで、商標の類否判断のうち外観類似について見てみたいと思います。 商標出願の際に事前の商標調査を行うことが多いかと思いますが、多かれ少なかれイメージだけでも持っておけば、一般の法務実務でも、特許事務所の調査結果(類似する先願登録商標の存在という不登録事由の有無)などを理解しやすくなるように思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 外観類似 外観というのは、商標の見た目のことで、商標の類似を判断する際の判断要素のひとつになります ...

商標法

商標法を勉強しよう|商標の類否判断

今回は、商標法を勉強しようということで、商標の類否判断(商標の類似性の判断方法)について見てみたいと思います。 商標法の最大論点のひとつだと思いますが、細かいところまでいっぺんに見るとわかりにくいので、本記事では全体をさらっと概観したいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標の類否判断 商標法でいう類似性には「商標の類似」と「商品・役務の類似」の2つがあり、類似性が問題になる場面では、2つとも類似してはじめて類似性肯定となります。 つまり、 「商標の類 ...