とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。
今回は、広告法務ということで、No.1表示の適法要件のうち「正確かつ適正な引用」について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 No.1表示の適法要件 No.1表示が不当表示とならないための要件は、以下の2つとされています。 No.1表示の内容が客観的な調査に基づいていること 調査結果を正確かつ適正に引用していること 直近の調査結果に基づいて表示すること No.1表示の対象となる(a)商品等の範囲、(b)地理的範囲、(c)調査期間・時点、(d)調 ...
今回は、広告法務ということで、No.1表示の適法要件のうち「客観的な調査」について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 No.1表示の適法要件 No.1表示が不当表示とならないための要件は、以下の2つとされています(①かつ②)。 No.1表示の内容が客観的な調査に基づいていること 調査結果を正確かつ適正に引用していること 直近の調査結果に基づいて表示すること No.1表示の対象となる(a)商品等の範囲、(b)地理的範囲、(c)調査期間・時点、( ...
今回は、広告法務ということで、No.1表示に関する広告ルールについて全体像を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 No.1表示に関する広告ルール 日常生活の中でも「○○部門売上5年連続ナンバー1!」といった広告はよく見かけます。 このように、事業者が自らの商品やサービスに関して「No.1」「第1位」「トップ」「日本一」などと表示するものをNo.1表示と呼びます。 つまり、ランク付けを利用して、他の事業者との比較上の優良性(=品質が良い)や有利性 ...
今回は、商標法務ということで、商標調査の必要性(出願の前になぜ商標調査をする必要があるのか)について見てみたいと思います。 なお、本記事の内容は、グローバル企業や化学分野が主力の業界など、商標権を含め知財戦略が磨かれた企業群では当然の話かと思います。 ただ、一般の事業会社では、オーソドックスな商標法務も実際にはよく理解されていないこともあったり(法務はさておき各部署の理解といったものも含めると)、けっこう右往左往している様子も散見されるように思います。なので、本記事では、ベーシックな部分をざっと見していき ...
今回は、著作権法を勉強しようということで、レコード製作者の権利のうち著作隣接権の例外について見てみたいと思います。 レコード製作者というのは、 ①実演家②レコード製作者③放送事業者④有線放送事業者 という、著作隣接権者である4者のうちのひとつです。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 レコード製作者の著作隣接権の例外 レコード製作者の著作隣接権は、実演家の著作隣接権と違って、ワンチャンス主義による例外はありません。 ですので、それほど難しい話はなく、さらっと見ておけ ...
今回は、著作権法を勉強しようということで、レコード製作者の権利のうち著作隣接権について見てみたいと思います。 レコード製作者というのは、 ①実演家②レコード製作者③放送事業者④有線放送事業者 という、著作隣接権者のうちのひとつです。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 レコード製作者の著作隣接権 著作隣接権は、無断でレコードを利用している者がいたら、それを排除できることができるという禁止権です(著作権と同様に排他的独占権)。 ▽著作権法112条1項 (差止請求権)第 ...
今回は、著作権法を勉強しようということで、実演家の権利のうち実演家人格権について見てみたいと思います。 氏名表示権と同一性保持権の2つがあります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 氏名表示権(90条の2) 権利の内容(1項) (氏名表示権)第九十条の二 実演家は、その実演の公衆への提供又は提示に際し、その氏名若しくはその芸名その他氏名に代えて用いられるものを実演家名として表示し、又は実演家名を表示しないこととする権利を有する。 権利の内容は、実演家名を表示する権 ...
今回は、著作権法を勉強しようということで、実演家の権利の全体像について見てみたいと思います。 実演家というのは、ざっくりいうと、映画や番組制作の現場でいうタレント(俳優、声優、芸人etc)や、音楽業界でいうアーティストなどのことです。ダンサーも実演家です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 実演家の権利(全体像) まず最初に全体像を見ておくと、実演家の権利は、以下のようにⅠ~Ⅳの4分類にグルーピングすることができます(※特定実演家に関する記述は本記事では割愛)。 ...
今回は、著作権法を勉強しようということで、実演家の権利のうちパブリシティ権について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 パブリシティ権とは パブリシティ権とは、氏名や肖像に関する顧客吸引力を排他的に利用する権利のことです。 著作権法を含め、法律上明文はありません。 解釈により判例上認められている権利になります。人格権に由来します。 ▽最判平成24年2月2日(ピンクレディー事件最高裁判決)|裁判所HP(裁判例検索) 「人の氏名、肖像等(以下、併せ ...
今回は、著作権法を勉強しようということで、実演家の権利のうち、報酬や二次使用料請求権など実演の利用に関する金銭的請求権について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 実演の利用に関する金銭的請求権 著作隣接権の例外とされている場合(つまり許諾なしに実演が利用される場合)、その代わりに、実演家は金銭的請求権を取得するケースがあります。 実演の利用に関する金銭的請求権には、以下の5つがあります(※特定実演家に関する記述は本記事では割愛)。 リピート放 ...
今回は、著作権法を勉強しようということで、実演家の権利のうち、ワンチャンス主義等による著作隣接権の例外について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 ワンチャンス主義等による著作隣接権の例外(適用除外) ワンチャンス主義というのは、著作隣接権を行使できるのは最初の1回(ex.映画への出演時)だけで、その後の二次利用(ex.映画のDVD化)については権利が及ばないとされているケースのことです。 何がワンチャンスかというと、実演家の側から見たときに、 ...
今回は、著作権法を勉強しようということで、実演家の権利のうち著作隣接権について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 実演家の著作隣接権 著作隣接権は、無断で実演を利用している者がいたら、それを排除できることができるという禁止権です(著作権と同様に排他的独占権)。 ▽著作権法112条1項 (差止請求権)第百十二条 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害 ...