とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。
今回は、個人情報保護法を勉強しようということで、個人データに関する義務について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 「個人データ」に関する義務 個人情報保護法は、個人に関する情報を、「個人情報」、「個人データ」、「保有個人データ」に分類し、この分類に従って段階的な義務を課しています(以下の表参照)。 本記事で見る義務は、このうち黄色ハイライトの部分にあたります。 個人情報個人データ保有個人データ要配慮個人情報個人情報に関する義務(法17条~法2 ...
今回は、個人情報保護法を勉強しようということで、個人情報に関する義務について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 「個人情報」に関する義務 個人情報保護法は、個人に関する情報を、「個人情報」、「個人データ」、「保有個人データ」に分類し、この分類に従って段階的な義務を課しています(以下の表参照)。 本記事で見る義務は、このうち黄色ハイライトの部分にあたります。 個人情報個人データ保有個人データ要配慮個人情報個人情報に関する義務(法17条~法21条 ...
今回は、個人情報保護法を勉強しようということで、「個人データ」と「保有個人データ」の定義について見てみたいと思います。 個人データとは、要するに個人情報のデータベースを構成する個々の個人情報のことなので、まずその「個人情報データベース等」の定義から見てみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 個人情報データベース等(法16条1項) 「個人情報データベース等」は、文字どおり個人情報のデータベースのことですが、具体的な内容は以下のとおりです。 個人情報を含む情報の集 ...
今回は、個人情報保護法を勉強しようということで、個人情報の種類について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 個人情報の種類 個人情報保護法は、個人に関する情報を分類し、その分類に従って、段階的な義務を事業者に課すという仕組みになっています。 そのため、まずは、個人情報の定義や種類を理解することが重要になります。 個人情報には、以下の4種類があります。 個人情報(法2条1項) 個人データ(法16条3項) 保有個人データ(法16条4項) 要配慮個人 ...
今回は、個人情報保護法を勉強しようということで、個人情報の定義について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 個人情報の定義(法2条1項) 個人情報の定義は、法2条1項に定められており、以下の3要件になります。 生存する(生存者性) 個人に関する情報であって(個人関連性) 特定の個人を識別することができるもの(個人識別性) 条文も確認してみます。 ▽法2条1項 (定義)第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次 ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の登録要件のうち不登録事由について見てみたいと思います。 商標の登録要件は以下の3つですが、このうちの3つめになります。 使用の意思があること(3条1項柱書) 自他識別力があること(3条1項各号参照) 不登録事由(4条1項各号)に該当しないこと ←本記事 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 不登録事由とは(4条1項各号) 商標法では、公益的見地や私益の保護の立場から登録することができない商標が定められており、これを不登録事 ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標的使用論について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標的使用論とは 商標的使用論とは、形式的には商品・役務について商標が使用されていても、自他識別機能を果たすための使用(自分の商品やサービスを他人のものと区別するための使用)ではない場合は、商標権侵害を否定する理論のことです。 自他識別機能を果たすための使用を「商標的使用」といい、”商標的使用にあたらないので商標権侵害は成立しない”、といった表現で ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標権の効力が及ばない場合について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標権の効力が及ばない場合(法26条1項) 商標権の効力が及ばない場合とは、商標権者が登録商標の使用を独占できない場合のことです。商標権の効力の制限ともいいます。 商標法26条1項の各号に、商標権の効力が及ばない場合を列挙するという形で規定されています。 ▽法26条1項 (商標権の効力が及ばない範囲)第二十六条 商標権の効力は、次に掲 ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商標の登録要件のうち、自他識別力について見てみたいと思います。 商標の登録要件は以下の3つですが、このうちの2つめになります。 使用の意思があること(3条1項柱書) 自他識別力があること(3条1項各号参照)←本記事 不登録事由(4条1項各号)に該当しないこと ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 自他識別力を欠く場合(3条1項各号) 商標の自他識別力というのは、商標によって自分の商品・サービスと他人の商品・サービスとを区別するこ ...
今回は、商標法務ということで、商標権の更新手続について見てみたいと思います。 簡単にいうと、 更新登録の申請 +更新登録料の納付 ↓更新登録 というだけの話ですが、申請期間、金額感、分納の話なども知っておいて損はないと思うので、ざっとまとめてみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標権の更新とは(法19条2項) 商標権の存続期間は10年ですが、更新することができます(法19条2項)。 更新の単位は10年で、更新回数の制限はありません。そのため、更新を続け ...
今回は、商標法を勉強しようということで、商品・役務の概念と区分について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商品・役務の概念と区分 商標権は、商標(マーク)と、それを使用する商品・役務との組合せから構成されます(▷参考記事はこちら)。 商標権の構成 商標権=「マーク(文字・図形等)」+「使用する商品・役務」 そのため、商品・役務をどのように指定するかによって、商標権の権利範囲が決まってくることになります。 そこで、本記事では、この「商品」「役務 ...
今回は、広告法務ということで、No.1表示と関連するトピックである最上級表現について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 最上級表現とは 最良性・絶対性・唯一性などを示す広告表現は、「No.1」表示(one,topを意味する表現)だけではなく、例えば以下のようなものが多くあります。 <例>「最高級」「最高峰」「最強」(best)「日本初」「業界初」「最初」「元祖」(first)「唯一」「当社だけ」(only)「完全」「完璧」(perfect) ...