とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。運営情報はこちら

M&A 各種契約書

M&A法務|株主間契約(SHA)-先買権と優先交渉権

今回は、M&A法務ということで、株主間契約(SHA)のうち先買権と優先交渉権について見てみたいと思います。 ※株主間契約のSHAというのは、Shareholders Agreementの略です 株主間契約では特に「対象会社の運営・ガバナンスに関する事項」と「株式の処分に関する事項」が規定されることが多いですが、本記事は後者に関する内容になります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 株式の処分に関する規定:先買権と優先交渉権 株式引受契約(SHA)では、株式 ...

印紙税法

印紙税法|第2号文書「請負に関する契約書」を解説~委任との区別・第7号文書との違いなど

今回は、印紙税法ということで、課税文書のうち第2号文書(請負に関する契約書)について見てみたいと思います。 本記事では、基本概念を確認しつつ、間違いやすいポイント(委任・準委任との区別、第7号文書との違い)についても解説していきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 第2号文書(請負に関する契約書)の基本概念 印紙税法上の「請負」とは、民法632条に規定される請負を指します。すなわち、当事者の一方(請負人)がある仕事の完成を約し、相手方(注文者)がその仕事の結果 ...

M&A 各種契約書

M&A法務|株式譲渡契約(SPA)における「ファイナンス・アウト条項」を解説

今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうちファイナンス・アウト条項について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 ファイナンス・アウト条項とは ファイナンス・アウト(Finance-out)とは、M&A(SPAでいうと株式譲渡)の代金支払いを資金調達によって行おうとしているケースで、その資金調達がうまくいかなかったときに買 ...

M&A 各種契約書

M&A法務|株式譲渡契約(SPA)における「MAC条項」を解説~表明保証と前提条件など

今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうちMAC条項について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 MAC条項とは MACとは何かというと、Material Adverse Changeの略で、対象会社(譲渡する株式の発行体のこと。以下同じ)に重大な悪影響が及ぶような変化のことです。 materialは「著しい」、adverseは ...

M&A 各種契約書

M&A法務|株式譲渡契約(SPA)における「前提条件」を解説~表明保証の正確性・プレクロ事項の遵守など

今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうち前提条件について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 前提条件とは まずはそもそも前提条件とは何なのか?という話から。 ”前提条件”というからには何かの前提なわけですが、何の・・前提条件かというと、取引実行の・・・・・前提条件です。なので、取引実行条件ともいいます。 取引実行というのはい ...

M&A 各種契約書

M&A法務|株式譲渡契約(SPA)のコベナンツ「プレ・クロージング事項」を解説

今回は、M&A法務ということで、株式譲渡契約(SPA)のうち誓約事項(コベナンツ)について見てみたいと思います。 ※株式譲渡契約のSPAというのは、Stock Purchase Agreementの略です コベナンツには、クロージング(取引実行)の前か後かで、大きく ①プレ・クロージング事項(取引実行前の誓約事項。プレクロ事項)←本記事②ポスト・クロージング事項(取引実行後の誓約事項。ポスクロ事項) がありますが、本記事は①の話です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によ ...

印紙税法

印紙税法|20種類もある!?「課税文書」の全体像と種類

今回は、印紙税法ということで、課税文書の全体像について見てみたいと思います。 本記事では、印紙税法における課税文書について、課税物件という用語との関係や、具体的な第1号〜第20号文書の内容を含めて詳しく解説していきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 一般的な租税法における「課税物件」との関係 一般に租税法において課税物件とは、担税力を示す物・行為・事実のことですが、印紙税法では経済取引の背後にある担税力に着目し、特定の文書(課税文書)を作成するという事実行為 ...

印紙税法

印紙税法|印紙税の「課否判定」を解説 ~課税文書・不課税文書・非課税文書の違い~

今回は、印紙税法ということで、課税文書・不課税文書・非課税文書について見てみたいと思います。 一見似たような響きの言葉ですが、これらはそれぞれ意味が異なります。本記事では、印紙税法における「課税文書」「不課税文書」「非課税文書」の違いについて、詳しく解説します。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 課税文書と不課税文書 課税文書と不課税文書の定義 印紙税法において、ある文書に印紙を貼る必要があるかどうかは、その文書が課税文書に該当するかどうかで決まります。 課税文書 ...

印紙税法

印紙税法|印紙税の判定プロセスを攻略しよう ~課否判定・所属の決定・記載金額の計算・契約書該当性~

印紙税の判定を行うためには、印紙税法および基本通達が定める段階的な手順を理解し、順番にステップを踏んでいくことが重要です。 本記事では、文書に記載された中身を仕分け税額を確定させるまでの3つのプロセス:①課否判定・②所属の決定・③記載金額の計算について、関係法令に則って解説していきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 印紙税の判定プロセス 日常の取引で交わされる多種多様な文書に対し、正しく印紙税を納付するためには、感覚や経験に頼るのではなく、法律が用意している ...

契約の一般条項

【保存版】契約書の一般条項マニュアル~リスク管理から紛争解決まで

ビジネスで契約書を取り交わすとき、後ろの方に書かれている細かい条項を「いつもの定型文だな」と読み飛ばしていませんか? 契約書の審査(リーガルチェック)において、取引の核心となるビジネス条件(目的物、金額、納期など)にばかり目が行き、契約書の後半に並ぶ一般条項の確認がおろそかになっているかもしれません。 一般条項(ボイラープレート条項)は、どんな契約にも共通して定められる定型的なルールですが、いざトラブルが発生した際、自社を守る重要な条項群です。ここを見落とすと、想定外の損害賠償を負ったり、契約を解除できず ...

印紙税法

印紙税法|印紙税の基本事項(全体像)を解説~課税文書・作成の意義・過怠税など

契約書や領収書を作るときに、「これって収入印紙貼るんだっけ?」と迷った経験はないでしょうか。 印紙税法と聞くと小難しく感じますが、基本の構造さえ押さえてしまえば、ある程度直感的に理解することができます。今回は、印紙税って結局どういうルールなの?という大事なポイントに絞って、全体像をわかりやすく解説していきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 そもそも何に税金がかかるのか(課税物件) 印紙税の特徴は、取引そのものや消費に対してかかるのではなく、文書の作成に対して ...

契約の一般条項

契約の一般条項|ペーパーレス時代の契約書「書面定義条項」(電磁的記録の扱い)を解説

今回は、契約の一般条項ということで、書面定義条項(「書面」に電磁的記録や電磁的方法を含むと定義している条項)について見てみたいと思います。 といっても、「書面定義条項」というのは当ブログでのネーミングで、この条項についての直接的でまとまった解説はおそらくまだ巷にありません(管理人の知る限り)。また、そもそも個別の条項の中で定義づけして済ませていることも多いです。 ただ、最近はちらほら独立の条項として見かけることも増えてきた気がするため、民法における電磁的記録の取扱いなどにも触れつつ、この条項の役割や実務上 ...