とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。

個人情報保護

個人情報保護法を勉強しよう|法制の全体像とOECD8原則

今回は、個人情報保護法を勉強しようということで、個人情報保護法制の全体像について見てみたいと思います。 また、基本的な考え方のベースになっているOECD8原則についても併せて見てみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 OECD8原則 日本の個人情報保護法に関して基本的な考え方のベースになっているのは(日本に限りませんが)、OECD8原則と呼ばれるものになります。 OECD(経済協力開発機構)は、自由主義経済の発展のための協力を行う国際機関であり、欧米諸国や日本 ...

資金決済法

資金決済法を勉強しよう|自家型前払式支払手段と届出

今回は、資金決済法を勉強しようということで、自家型前払式支払手段と届出について見てみたいと思います。いわゆる参入規制の部分になります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 自家型前払式支払手段とは(法3条4項) 自家型前払式支払手段とは、前払式支払手段のうち、利用対象となる商品・役務が発行者の提供するものに限定されているものを指します。 前払式支払手段には、自家型と第三者型がありますが、・自家型は、発行者に対してのみ利用できるもの、・第三者型は、発行者と加盟店に対し ...

個人情報法務

電気通信事業法による外部送信規律|義務の内容(通知・公表義務)

今回は、個人情報法務ということで、電気通信事業法による外部送信規律のうち義務の内容について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 義務の内容(法27条の12) 外部送信規律が適用される場合に履行しなければならない義務の内容は、「通知」または「利用者が容易に知り得る状態」に置くことです。 ▽電気通信事業法27条の12 (情報送信指令通信に係る通知等)第二十七条の十二 電気通信事業者又は第三号事業を営む者(内容、利用者の範囲及び利用状況を勘案して利用 ...

資金決済法

資金決済法を勉強しよう|前払式支払手段-情報の安全管理に関する規制

今回は、資金決済法を勉強しようということで、前払式支払手段のうち情報の安全管理に関する規制について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 情報の安全管理措置(法21条) 情報の安全管理措置について資金決済法の定めは多くなく、法21条が以下のように定めるのみです。 ▽法21条 (情報の安全管理)第二十一条 前払式支払手段発行者は、内閣府令で定めるところにより、その発行の業務に係る情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要 ...

資金決済法

資金決済法を勉強しよう|前払式支払手段-払戻しに関する規制

今回は、資金決済法を勉強しようということで、前払式支払手段のうち払戻しに関する規制について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 払戻しの原則禁止(法20条5項本文) 前払式支払手段発行者は、法令で払戻しが義務づけられている場合を除き、払戻しを行うことは原則として禁止されています。 ▽資金決済法20条5項 5 前払式支払手段発行者は、第一項各号に掲げる場合を除き、その発行する前払式支払手段について、保有者に払戻しをしてはならない。ただし、払戻金額 ...

資金決済法

資金決済法を勉強しよう|前払式支払手段-資産保全に関する規制

今回は、資金決済法を勉強しようということで、前払式支払手段のうち資産保全に関する規制について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 資産保全義務 前払式支払手段発行者は、基準日における前払式支払手段の未使用残高が基準額を超える場合、その未使用残高の2分の1以上の額を発行保証金として供託しなければなりません。 ▽法14条1項 (発行保証金の供託)第十四条 前払式支払手段発行者は、基準日未使用残高が政令で定める額(以下この章において「基準額」という。 ...

資金決済法

資金決済法を勉強しよう|前払式支払手段-情報提供に関する規制

今回は、資金決済法を勉強しようということで、前払式支払手段のうち情報提供に関する規制について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 利用者に対する情報提供義務(法13条1項) 前払式支払手段の発行者には、利用者に対して情報提供義務があります。 利用者からみれば、商品やサービスの対価を前払いしておくものですので、与信をしている(信用を供与している=わかりやすくいえば、お金を貸しているようなもの)ことになります。そのため、利用者保護の観点から、誰にど ...

広告法務

ステマ規制|事業者が講ずべき管理上の措置の指針

今回は、広告法務ということで、事業者が講ずべき管理上の措置の指針(以下「管理措置指針」)のうち、ステマ規制に関連する部分について見てみたいと思います。 直接的にはアフィリエイト広告を対象にした記述部分になりますが、「広告」である旨の表示の仕方の望ましい事例が取り上げられており、ステマ規制一般においても望ましい表示の仕方として参考になります。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 アフィリエイトプログラムを利用した広告を行う事業者の表示であることの明示(管理措置指針 別 ...

資金決済法

資金決済法を勉強しよう|前払式支払手段とは

今回は、資金決済法を勉強しようということで、前払式支払手段の概要について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 前払式支払手段とは(法3条1項) 前払式支払手段といってもイメージが湧きにくいですが、感覚的にいうと「プリペイド(pre-paid)」であり、商品やサービスの対価を前払いしておくもののことです。 例えば、商品券、プリペイドカード、Suica、PASMOなどは、日常生活でもよく見かけますが、これらが前払式支払手段にあたります。 資金決済法 ...

広告法務

ステマ規制|規制の仕組み

今回は、広告法務ということで、ステルスマーケティング規制の概要について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 ステマ規制とは ステルスマーケティング(略してステマ)とは、ざっくりいうと、実際は事業者の広告であるにもかかわらず、広告であることがわからないマーケティングのことです。 実際は広告であることをわからないように広告するので、その点が”ステルス”なわけです。 従来、景品表示法上、このステマを正面から扱う法規制はありませんでしたが、2023 年 ...

広告法務

ステマ規制|不当表示の該当要件②-判別困難性

今回は、広告法務ということで、ステマ規制における不当表示該当要件の2つめ(事業者の表示であることの判別が困難であること)について見てみたいと思います。 本記事では、世の中に存在するステマ関連のルール全般ではなく、景品表示法上の不当表示として新たに指定されたステマ告示のことを、ステルスマーケティング規制(ステマ規制)と表記しています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 事業者の表示であることの判別が困難であること(判別困難性) ステマ告示では、ステマ表示を以下のよう ...

広告法務

ステマ規制|不当表示の該当要件①-広告性

今回は、広告法務ということで、ステマ規制における不当表示該当要件の1つめ(事業者の表示であること)について見てみたいと思います。 本記事では、世の中に存在するステマ関連のルール全般ではなく、景品表示法上の不当表示として新たに指定されたステマ告示のことを、ステルスマーケティング規制(ステマ規制)と表記しています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 事業者の表示であること(広告性) ステマ告示では、ステマ表示を 事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示 ...