とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。運営情報はこちら

組織再編

組織再編|新設分割における「新設分割計画の作成」~法定・任意的記載事項などを解説

今回は、組織再編ということで、新設分割のうち新設分割計画について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 新設分割計画の作成 新設分割を行う場合、分割会社(分割する側)は新設分割計画を作成しなければなりません(新設分割計画書)。 「分割計画書・・・」というのは聞き慣れない感じもしますが、新設分割に特有のものになります。まだ相手会社がいない(設立会社が成立していない)ためです。 ちなみに、吸収分割の場合に作成するのは「吸収分割契約書・・・」です(相手 ...

組織再編

組織再編|吸収合併における「合併契約」の締結~法定・任意的記載事項などを解説

今回は、組織再編ということで、吸収合併における合併契約について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 合併契約の締結 吸収合併をする場合、合併当事会社(消滅会社と存続会社)は、吸収合併締約を締結しなければなりません。 ▽会社法748条 (合併契約の締結)第七百四十八条 会社は、他の会社と合併をすることができる。この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。 合併契約の法定記載事項 吸収合併契約には、法定記載事項が定められ ...

組織再編

組織再編|吸収合併における「株主総会決議」と略式・簡易合併について解説

今回は、組織再編ということで、吸収合併の手続のうち、株主総会決議と略式・簡易合併(株主総会決議が不要となる場合)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 吸収合併契約承認の株主総会決議 吸収合併契約を締結した後、通常、株主総会決議で承認する必要があります。 これは原則としていわゆる特別決議になります(会社法309条2項12号)。特別決議とは、議決権の過半数を有する株主が出席し、そのうち3分の2以上の賛成を得る必要がある決議です。 ▽法309 ...

法学部生向け 法律コラム

客観は”証拠がある”という意味ではない?~法学の論点「主観説」と「客観説」の意味

法学部の授業や基本書で、よく出てくる対立軸があります。 それが主観説と客観説の対立です。 日常用語で客観的というと、何をイメージしますか? データや証拠に基づいていることや、誰が見ても明らかな事実であることを思い浮かべる人が多いでしょう。 しかし、法律の学説で客観説という言葉が出てきたとき、その多くは日常用語とは全く違う意味で使われています。これを知らないと、解説などを読んでも意味が頭に入ってきません。 今回は、法学特有の「客観」という言葉の意味を解き明かし、典型的な例を通じてその感覚をマスターしましょう ...

法学部生向け 法律コラム

「パンデクテン方式」って何だ?~民法が総則から始まる理由

法律の勉強を始めたころにとっつきにくい用語の代表格は、パンデクテン方式ではないでしょうか。 まず響きがいかついですし、管理人も学生時代に目にしたとき、いろいろな用語のすべてがなんだか高尚で難解に聞こえる中で、「パンデクテン」とか言われるともうトドメ(?)みたいな感じだったような気がします笑。教科書読んでも当時よくわからなかったですし。 ただ、わかってしまうとそんなに難しい話ではなく、結論から言ってしまうと、これは目次の組み立て方(情報の整理の仕方)のことで、内容的には因数分解のロジックを使ったものです(深 ...

契約一般 法制執務

【保存版】法令・条文の読み方ガイド|基本構造から特有の用語・解釈手法まで

法律の条文や契約書を読んでいるとき、「なぜこんなに回りくどい表現なのか」「同じような言葉でも意味が違うのか」と戸惑った経験はありませんか? 日本の法令や公的なルールは、厳密性・正確さを保つために、独特の構造と専門用語(法令用語)を用いて書かれています。このルールを知らずに読み解こうとすると、誤った解釈をしてしまうおそれがあります。 本記事は、管理人の法務経験をもとに、「法令の構造」「特有の用語」「解釈のルール」の基本を体系的に学べるようにしたまとめページ(ハブ記事)です。順を追って読んでおけば、法務で必要 ...

印紙税法

印紙税法|印紙税における「記載金額」の計算ルールを解説~契約金額や受取金額の算定・通則4の理解など

今回は、印紙税法ということで、記載金額の計算について見てみたいと思います。 印紙税法における記載金額の計算は、どの課税文書に所属するかの判定や、適用される税率(印紙税額)を決定する上で重要な要素です。 印紙税法は、記載標準となる金額をどのように算定し、また複数の金額や特殊な表記、税金(消費税等)が含まれる場合にどう処理すべきかについて、細かいルール(課税物件表の適用に関する通則4および基本通達等)を定めています。本記事では、これらについて、項目ごとに詳しく解説していきます。 ではさっそく。なお、引用部分の ...

印紙税法

印紙税法|申込書や注文書でも印紙は必要?「契約書」該当性の実質判断基準

今回は、印紙税法ということで、印紙税法における契約書の意義(「契約書」該当性)について見てみたいと思います。 印紙税法における契約書は、私法上あるいは一般的なビジネス実務において契約書と呼ばれているもの(契約当事者双方が連名で署名・押印し、それぞれ1通ずつ対等に保有する書面)よりも広範な文書を含んでいるのが特徴です。 ある文書が印紙税法上の契約書に該当するかどうかは、表題(タイトル)が契約書であるか否かに関わらず、契約の成立等の事実を証明する目的で作成されたかという実質によって判定されます。本記事では、契 ...

契約一般 法律コラム

【契約トリビア】無理して漢字で書かなくていい契約用語3選

今回は、法務担当者の日々の業務を少しだけ楽にするリーガル・トリビアをお届けしたいと思います。 契約書を作るとき、「とにかく漢字にした方が格好がつく」「重みが出る」と思っていませんか? 実は、無理に漢字を使うことで、かえって誤字のリスクが高まったり、読みづらくなったりすることがあります。また、近年の法令用語の改正(ひらがな化)に伴い、あえて「ひらがな」で書くことが正解、というケースも増えています。 本記事では、そんな無理して漢字で書かなくていい(むしろひらがな推奨な)契約用語を3つ厳選してご紹介します。 「 ...

印紙税法

印紙税法|変更契約書等の「所属の決定」ルールを解説~覚書・合意書の印紙税など

今回は、印紙税法ということで、変更契約書等の所属の決定について見てみたいと思います。 本記事では、印紙税法における「予約」「更改」「変更」「補充」の各契約書について、それぞれの法的な定義と、最終的にどの号に所属させるかを決める所属の決定ルールを、印紙税法基本通達や国税庁の解釈に基づいて詳しく解説していきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 予約契約書の所属の決定 定義(基本通達15条) 印紙税法上、契約にはその予約を含むと規定されています(通則5)。 予約とは ...

組織再編

組織再編|吸収合併における「事前備置書類」を解説~必要記載事項・備置期間など

今回は、組織再編ということで、吸収合併手続における事前備置書類について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 事前備置書類とは 吸収合併を行う会社(合併当事会社)は、株主や債権者などの利害関係者に対し判断の資料を提供するため、一定の書類を合併契約承認の株主総会の前などに本店に備え置く義務があります。 この書類を、事前備置びち書類と呼びます。要するに、事前の情報開示です。 他の手続として「事後備置書類」というのもありますが、何の「事前」「事後」かと ...

印紙税法

印紙税法|印紙税の「所属の決定(通則3)」ルールと判定プロセスを解説~複数号の重複の整理など

今回は、印紙税法ということで、課税文書の所属の決定について見てみたいと思います。 印紙税法における課税文書の該否および税額の判断は、大きく以下の3つのステップに沿って体系的に行われます。 「課税文書」に該当するかどうかの判定(ステップ1) その文書に印紙税法上の課税事項(別表第一の20の分類)が記載されており、かつ、当事者間でその事実を証明する目的で作成されたものであるかを判定します 「非課税文書」に該当するかどうかの判定(ステップ2) 課税事項が記載されていても、取引金額が少額である ...