とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。

インターネット 法律コラム

情報発信メディアでよく見る「○○大学」の名称使用と知っておくべき法律

YouTubeとか見てると、自分のメディアの名称に「〇〇大学」ってつけてる方がけっこう多いですよね。 これ、実は関連する法律があるんですが、ご存じでしょうか。簡単な記事にしてみました。 「〇〇大学」という名称の動画 最近よく見かけますよね。人気Youtuberの方々の「○○大学」という名称の動画。(○○○◇◇◇◇さんとか、△△△☆☆☆さんとか。自分もよく見てます。ほぼ付けっ放しで笑) こういった「○○大学」っていう名称を使うにあたって、一応気にしておくべき法律があるのですが、それは何でしょうか? それは、 ...

インターネット 法律コラム

誹謗中傷への法的対処って?

クソリプという言葉とともに、誹謗中傷への法的措置が話題に上ることが増えてきましたね。 管理人も対処したことがありますが(法律事務所と企業内の両方)、法的対処の流れについて簡単な記事にしてみました。 ※本記事は2020年1月23日作成の記事で、その後法改正がされています 法的対処は2段階を経る 加害者の特定、つまり住所氏名の開示に至るまでには、2段階あって、 ①書き込みからIPアドレスを特定(=媒体に開示請求)②IPアドレスから住所・氏名を特定(=プロバイダに開示請求) となります。 ①はわりと簡単ですが、 ...

法律ニュース

ゴーン氏の事件-「無罪証明」発言がアホと言われるのはなぜか?

法務大臣がゴーン氏の逃亡の件に関して「無罪証明」と言ってしまって叩かれていますね…。 刑事裁判の基本的な考え方について間違っていることを言ってしまったからなわけですが、この発言が叩かれる理由を簡単に見てみます。 「無罪証明」? 大臣のこの発言がアホ扱いされていますが、まあ仕方ないですかね…。(「無罪主張」と言うつもりだった、との弁明も苦しいかと) これがなぜアホ扱いされるのかを一言でいうと、「有罪証明」か「無罪証明」かというのは、一見、逆側から同じことを言っているだけのようにも見えますが、「グレーゾーン」 ...

法律ニュース

起訴後のニュースでいつも思うこと-「被告」と「被告人」

芸能人の起訴後のニュースを見ていていつも思うことがあるんですが、なぜ刑事事件でも「○○被告」っていうんですかね? 「被告人」 刑事訴訟では、正しくは「被告人」なんですが。 「○○被告人」って、語呂が悪いんですかね。それとも、記事のライターが知らないだけなんでしょうか。 民事訴訟で提訴された人は「被告」、刑事訴訟で起訴された人は「被告人」です。法律上もその言葉で書かれています。(民事訴訟は民事訴訟法、刑事訴訟は刑事訴訟法、です) 別に大勢たいせいに影響ないことなので、どっちでもいいといえばいいことなんですが ...

刑事弁護 法律ニュース

芸能人の薬物事犯-過去の使用歴ってどうなるの?

芸能人の薬物事犯に関するニュース、最近多いですよね。 過去の使用歴の有無についてもあわせて話題になることが多いですが、過去の使用歴って量刑上はどうなるのでしょうか? 温度感のギャップ 芸能人の薬物事犯は、ある種定期的に世間を騒がせるニュースになっている気がしますが、司法の側としては芸能人だからといって特別視しているわけではなく、他の一般の事例とアンバランスにならないよう淡々と裁いているだけです。 ワイドショーなどの温度感は、普段司法側で接している者(又は接していたことがある者)からすると、すごいギャップが ...

日記

仕切り直して転職

前に仕切り直ししようかな…とつぶやいていたのですが。 ➢過去記事:仕切り直し 目次 再び転職 「弁護士」「転職」「ブログ」として認識されているらしい 結び 再び転職 タイトルのとおり、転職しました(笑)。 再び、会社の法務です。 結局、外部弁護士として一般民事だけやっていくのって、自分の性分に合ってないんだろうな…という結論に至り。 これ性分に合ってるな、と何となく思えることって、続けられるんですが、これは果たしてそうなのだろうか、薄々そう思っているところに、母校OBとして高校生に魅力を伝えようと思って語 ...

法律コラム

退職代行サービスが「代行」という言葉をチョイスしている理由

退職代行サービスは、なぜ「退職代理・・サービス」と言わないのでしょうか? 退職代行は最近よく見かける言葉ですが、法律的にはどういう意味なのか、簡単に記事にしてみました。 「代理」と「代行」 退職代行サービスが「退職代理」と言わないのは、「代理」という言葉を使ってしまうと、「非弁行為」の疑いが出るからです。 ▽弁護士法72条 (非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件そ ...

高校生の君へ

法学部を目指す高校生へ|”成績”と”頭の良さ”について

今回はいわゆる”成績”と、”頭の良さ”の関係について一言書いてみたいと思います。 高校生のうちに、あいつは頭がいいとか、自分は頭が悪いとか、そういうふうに思い込むことがあるかもしれません(あるいは心ない人にそう言われるとか)。 しかし、率直にいって、高校生のとき成績がいい人というのは、頭がいいのではなく(イヤもしかしたらほんとに地頭がいい人もいるかもしれませんが)、単に人よりも勉強しているだけのことが多いです。 ちょうどスポーツと同じ関係と思えばいいと思います。運動神経がよくても、そのスポーツを練習しない ...

高校生の君へ

法学部を目指す高校生へ|進路の探し方

最近、依頼者の息子さんが高校生で進路を考えている時期とのことで(法学部も視野に入れているとのこと)、お話を聞かせてやってくれないかとお願いがあり、自分の高校の後輩であったこともあって、OBとして少し時間をとって話をしてみました。 いまは法学部のほかにロースクールというのがあってね、とか、法律の仕事ってこんなのがあるよ、とか。 そのときあまり上手く話せなかったので(下記リンク記事参照)、このブログでリベンジというか、罪ほろぼしをしたいなと思います。 あまり法学部とは関係ないですが、まずは進路の探し方からだろ ...

日記

仕切り直し

さて独立して概ね2年半が過ぎたのだが… その感想を(というかこれまでの弁護士生活の感想を)。 独立の最初は物珍しさというか、また新しい世界が広がるだろうと思ってワクワク感もあった。そのワクワク感は間違いだったわけではなく、面白さも実際あった。 しかしちょっとダレてきた(笑)。 また、弁護士になってある程度まとまった期間が経ったのだが…。 その間、イソ弁やったり、インハウス(その間は本社(つまり大きい会社)や子会社立ち上げ(つまり中小規模の会社))やったり、いまは独立してやっていたり。 いろいろ形を変えて試 ...

法務転職

弁護士の転職物語⑭|転職の含み益?

弁護士の転職物語は10回で終わるはずだったのですが、ぽつぽつ書きたいことを後から思い出すことも出てきたので、続けて書いていきたいと思います。 今回は、内定が複数もらえた場合の迷いの話、「メジャーを選ぶかマイナーを選ぶか」です。 転職活動を頑張り、幸いにして内定を複数もらえた場合、どこに行くか?を当然決めなければなりません。また、返事を待ってくれる期間には通常限りがありますし(長くて1週間~10日くらいか)、できればすぐ返事をした方が感じもいいので、あまり悠長に悩んでいる暇はありません(幸せな悩み、というや ...

インハウスローヤー

【転職後の話】企業内部から見た外部弁護士の見え方

数年間インハウスをやらせていただいたので、振り返ってみた感想などを書いてみたいと思います。 昔何かの記事で、”法務部のあるような企業の社員は弁護士を見る目があるから、弁護士は、顧問をする際には心してかからねばならない”というような内容の文章を見たことがあります。 が、管理人としては、自分が入ってみて、そうでもないのでは…?と思ったというのが本音です。 そうでもないというと少し言い過ぎかもですが、半分当たりで、半分はずれという感じがします。 というのは、法務部の人間であっても、顧問先の弁護士がやっている訴訟 ...