とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。
弁護士会のレターケースに事務所開設の挨拶文を投函してきた。 年末にいろいろとリストアップしたのだが,「事務所を開設するときに必要なもの」は,一般的に言っても大体は以下のような感じではなかろうか(物件関係を除く)。 これまでの自分の経験や,インターネットで調べたり,本を読んだり,自営業を営む知り合いの人に教えてもらったりして,気づいた都度リストアップしていった。 事務所まわり 事務所まわりは、以下のようなものを揃えていった。 ITインフラ ITインフラは、以下のようなものを揃えていった。 開設マニュアル本 ...
最近、法制執務の本を読んでいまして。 読みたくて買ってはいたんですが、時間がなくて積読(つんどく)状態になっていました。買いだめがかなりの量に達していたため、一度ゆっくり読む時間がとれてよかったなと。 「法制執務」というのは立法技術に関するジャンルで、自治体の職員が条例を立案するときのための参考書として書かれているものが多い印象です。著者は、内閣法制局、衆議院法制局、参議院法制局等の経験者が多いです。 普段、条文などは見ているので、ある程度の内容は経験的に掴んではいますが、しっかり読むと、頭の中が整理され ...
弁護士になったのは,「一国一城の主」になりたかったから。「やっぱり自由がいいよね!」という話を聞くことが多かった気がする。 でも,弁護士が自由っていうのは,本当にそういう意味なのだろうか?猫も杓子もみんなそう言ってるなーと思いつつ,自分としては全くといっていいほどそういう感覚はなかったし,そういう話を聞いても自分の中から何も反応はなかった。 一国一城の主=自由業,っていうのは,なんだか単純すぎませんかね?もちろんそれを目指して頑張る人がいるのは全く良いことだし,かっこいい人もいっぱいいる。 ただ,異なる考 ...
法務の仕事はだいたい7つに分類できるのでは、と思っています。 もちろん個人的意見で、私論です(なのでブログで書いてるわけですが)。いくつか本を読んだり、仕事したりした中での自分の整理という前提ですが、以下つらつらと書いてみたいと思います。 法務部でやっている業務は、ざっくり二分することができます。ひとつは「訟務」、もうひとつは「法務」です。 前者の「訟務」は、紛争処理や訴訟管理で、いわゆる臨床法務のことです。後者の「法務」は、コンプライアンス等々のいろいろな法律事務で、いわゆる予防法務にあたります。 そし ...
人生には、時計の針が止まってしまうときがあると思う。 何かをずっと一生懸命やっているのに、やってもやっても前に進まない。見通しも立たない。報いもない。誰かに声を掛けられることもない。 周りを見るとそういう感じの人がいるし、新聞記事等を見てもそうだろうと思う人がいるし、自分にもそういう時期があった。昔、24歳ぐらいで合格(司法試験)した友人も、「ようやく止まっていた時間が動き出した」と表現していた。その人もそれぐらいの思いで必死に勉強していたのだと思います。 また、会社を退職するときの寄せ書きに、もの凄くま ...
突然ですが。 弁護士登録後、法律事務所での勤務弁護士と、企業内弁護士(インハウスローヤー)を経て、独立開業することにしました。 この間、いろいろなことを経験させていただいて、感じたことやら個人的意見なんかもありますので、それを差支えない範囲で書いていきたいと思っています(日常その他も気まぐれに)。 Web世界の片隅のつぶやきに過ぎませんが、よくもわるくも弁護士激動の時代に(弁護士に限った話ではないですが)、サンプルぐらいは残しておきたいという気持ちからです。 ※他のブログサービスで書いていましたが、不便に ...
まさにひさびさの更新です。 完全に死に体ブログでしたけどまさかの更新です。 酔っ払った勢いで書いてます。 第1クールの記事から飛んでまさかの司法修習総括の記事ですけど、次期修習生の何かの役に立つこともあるかもしれないと思って書きます。 簡単に説明しておくと、司法修習というのは全部で ・刑事裁判(刑裁) ・検察 ・刑事弁護(刑弁) ・民事裁判(民裁) ・民事弁護(民弁) の5科目から成り立っています。 実際の司法修習のスケジュールは僕を例にとると 第1クール 刑事裁判 第2クール 弁護 第3クール 検察 第 ...
司法修習が始まって以来、「ナメられてはいけない」というのと、「傲慢になってはいけない」というのは、いったいどうすれば両立するのか?という葛藤を心のどこかで感じていて、弁護修習→検察修習というプロセスの中で、けっこう現実的な問題となっている。 自分もけっこうプライド高いが、法曹関係者はもうちょっと腰が低い方がいいのではないか、という思いから、基本的に謙虚さを大事にして司法修習を過ごしてきたつもりである。が、けっこう気弱なところとか頼りなさがあって、それが前面に出るときもあり、弁護修習→検察修習というプロセス ...
第7回。今回は「訴訟物から考える」。 「訴訟物から考える」とは 何が言いたいかというと、訴訟物が訴訟の出発点であり、終着点だから、答案でもそのようにするということです。民事では訴訟物ですが、刑事では公訴事実です。 つまり答案の大枠が、訴訟物→要件→あてはめ、の順に構成されているというのが、まず基本だと思います(もちろん、小問の問いかけの仕方によっては、訴訟物から書く必要のないものもありますが)。 答案を読んでいるといきなり問題点についてつらつらと書き始めているものにしばしば出会いますが、このような構成だと ...
いつの間にか第5回新司法試験も近づいてきたということで、ひさびさに残りのノウハウを書いてみようかなと思います。 講座を購入してくださった人に申し訳ないし、詳細に書くモチベーションが合格直後と違ってもう無いので、ざっくりと書きます。 旧司ノウハウと違って目にすることは多いだろうし、もうわかってるよというものが多いかもしれません。 誘導 では第6回。今回は誘導について。 最初に誘導を持ってきたのは、これが新司法試験の最大の重要ポイントだからです。とにかくこれを無視するようなこと、読み落とすようなことがあると絶 ...
「なりたい弁護士像は?」と聞かれても、はっきりしたものは答えられないが(言うとチャチくなるし)、「なりたくない弁護士像」というのは、たくさんある(ご注意:以下はただの愚痴でもあるので、読みたくない人は読まないで下さい)。 「趣旨から考えた一本筋のとおった答案」と言って得意満面の弁護士 どんな答案を書けば評価されますか?という悩める受験生の祈りにも似た深刻な問に対し、「趣旨に遡って一本筋の通った答案がいい答案だ!」と言って、ちょっと得意げに「おれ今ええこと言うた」的な顔をする弁護士。 言ってることは確かに完 ...