とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。

法務転職

弁護士の転職物語⑤|インハウス転職のネガティブ面

今回はインハウス転職の、ややネガティブな面を指摘したいと思います。 最近はインハウスローヤー(組織内弁護士)の数も急激に増え(自分もその1人だったわけですが)、JILA(ジャイラと読む。日本組織内弁護士協会)の会員も増えて、「インハウス盛り上がってる!」という風潮です。 それはそれで結構なことですし、よくもわるくも何らかの変化は生まれるだろうと思います。 ただ、なぜ現在こういう風に世の中が動いているのかというと、それは残念ながら端的にいって、弁護士の大量発生による弁護士の値崩れです。 要は会社で勤務すると ...

法務転職

弁護士の転職物語④|面接で大事なこと

前回、「何で今のところやめるんですか?」という質問が重要であると書きましたが、もうひとつ、面接において大事だと思うことを書きたいと思います。 それは、 「ありのままの自分を見せるのは良いことではない」 ということです。 言い換えると、面接のときに聞かれた質問に対して、自分の思うところを正直にありのまま答えればそれでいい、というのは、面接に対する良い臨み方ではない、ということです(異論もあるとは思いますが)。 「ありのままの自分を見せる」というのは、いわば料理に例えると、泥も落とさず火も通していない野菜を相 ...

法務転職

弁護士の転職物語③|最も重要な質問 

今回は、弁護士の転職の面接について書いてみたいと思います。 といっても、おそらく、弁護士以外の職業の方の面接と大きく異なることはないのだろうと思います(両方を実体験している訳ではないので、はっきりとはわかりませんが)。 自分は今までに2回転職活動を行ったことがありますが、転職の面接で絶対に聞かれるのは次の質問です。これに対する答えが、転職全体についての最も重要なエッセンスになります。 その質問とは、 「何で今のところ辞めるんですか?」 です。 どこの誰と話しても絶対に聞かれますので、企業との面接以前に、エ ...

法務転職

弁護士の転職物語②|エージェントの付き方

転職するときはエージェント会社に登録する、という話を前回書きましたが、エージェント会社によって担当者の付き方が違うことを補足したいと思います。 自分が経験した中では担当者の付き方に2種類あって、 企業側に担当者がついている場合(求人案件によって担当者が決まっている) 応募者側に担当者がつく場合(求職者に1人の担当者がつく) があります。 「企業側に担当者がついている場合」は、こちらが出した履歴書や職務経歴書を見て、求人案件の担当者からめいめい連絡がきます。 案件紹介のスピードはこちらの方が早いですが、違う ...

日記

事務所看板完成

やっとこさ,事務所の看板ができた。ようやく正式オープンといったところ。 内装工事をしてくれた業者さんが紹介してくれた看板業者が良くて,ほどよいデザインのある看板と,玄関ドアのサイン工事を施してくれた。 事前に開業準備のイメージは作っておいたつもりだったが,思ったより作業量が多くて,やはり開業準備には2か月ぐらいはかかるものだと感じた。 なかなかこの2か月は大変だった。 ハード面では,内装工事して,什器備品を選定してレイアウトを決めたり,やっぱりこっちの配置の方がいいか…など試行錯誤して模様替えをしたり。 ...

法務転職

弁護士の転職物語①|転職活動の開始

弁護士の転職、というのは最近ホットな話題であると思います。 よくもわるくも弁護士激動の時代に、新しい道を求めて弁護士の働き方も多様化しており、人材の流動性も上がっています。 自分自身も、人材の流動性(特に企業界と弁護士界の間)が上がるのは良いことだと思っています。 雑誌など商業的な記事も、ポジティブな論調で書いた方が格好良いに決まっているので、「インハウス盛り上がってる!」という風潮が見て取れます。 ただ、一側面からの論調であるとも感じるので、いち事例として、自分の転職物語を題材に、弁護士の転職(特にイン ...

日記

事務所開設

弁護士会のレターケースに事務所開設の挨拶文を投函してきた。 年末にいろいろとリストアップしたのだが,「事務所を開設するときに必要なもの」は,一般的に言っても大体は以下のような感じではなかろうか(物件関係を除く)。 これまでの自分の経験や,インターネットで調べたり,本を読んだり,自営業を営む知り合いの人に教えてもらったりして,気づいた都度リストアップしていった。 事務所まわり 事務所まわりは、以下のようなものを揃えていった。 ITインフラ ITインフラは、以下のようなものを揃えていった。 開設マニュアル本 ...

法制執務 法律コラム

法制執務の本

最近、法制執務の本を読んでいまして。 読みたくて買ってはいたんですが、時間がなくて積読(つんどく)状態になっていました。買いだめがかなりの量に達していたため、一度ゆっくり読む時間がとれてよかったなと。 「法制執務」というのは立法技術に関するジャンルで、自治体の職員が条例を立案するときのための参考書として書かれているものが多い印象です。著者は、内閣法制局、衆議院法制局、参議院法制局等の経験者が多いです。 普段、条文などは見ているので、ある程度の内容は経験的に掴んではいますが、しっかり読むと、頭の中が整理され ...

法律コラム

弁護士が自由なのは「一国一城の主」だから?

弁護士になったのは,「一国一城の主」になりたかったから。「やっぱり自由がいいよね!」という話を聞くことが多かった気がする。 でも,弁護士が自由っていうのは,本当にそういう意味なのだろうか?猫も杓子もみんなそう言ってるなーと思いつつ,自分としては全くといっていいほどそういう感覚はなかったし,そういう話を聞いても自分の中から何も反応はなかった。 一国一城の主=自由業,っていうのは,なんだか単純すぎませんかね?もちろんそれを目指して頑張る人がいるのは全く良いことだし,かっこいい人もいっぱいいる。 ただ,異なる考 ...

法務一般

法務の全体像の分類

法務の仕事はだいたい7つに分類できるのでは、と思っています。 もちろん個人的意見で、私論です(なのでブログで書いてるわけですが)。いくつか本を読んだり、仕事したりした中での自分の整理という前提ですが、以下つらつらと書いてみたいと思います。 法務部でやっている業務は、ざっくり二分することができます。ひとつは「訟務」、もうひとつは「法務」です。 前者の「訟務」は、紛争処理や訴訟管理で、いわゆる臨床法務のことです。後者の「法務」は、コンプライアンス等々のいろいろな法律事務で、いわゆる予防法務にあたります。 そし ...

日記

満ちては欠ける世の中の…

人生には、時計の針が止まってしまうときがあると思う。 何かをずっと一生懸命やっているのに、やってもやっても前に進まない。見通しも立たない。報いもない。誰かに声を掛けられることもない。 周りを見るとそういう感じの人がいるし、新聞記事等を見てもそうだろうと思う人がいるし、自分にもそういう時期があった。昔、24歳ぐらいで合格(司法試験)した友人も、「ようやく止まっていた時間が動き出した」と表現していた。その人もそれぐらいの思いで必死に勉強していたのだと思います。 また、会社を退職するときの寄せ書きに、もの凄くま ...

日記

ブログお引越

突然ですが。 弁護士登録後、法律事務所での勤務弁護士と、企業内弁護士(インハウスローヤー)を経て、独立開業することにしました。 この間、いろいろなことを経験させていただいて、感じたことやら個人的意見なんかもありますので、それを差支えない範囲で書いていきたいと思っています(日常その他も気まぐれに)。 Web世界の片隅のつぶやきに過ぎませんが、よくもわるくも弁護士激動の時代に(弁護士に限った話ではないですが)、サンプルぐらいは残しておきたいという気持ちからです。 ※他のブログサービスで書いていましたが、不便に ...