とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。

インハウスローヤー

【転職後の話】インハウスと訴訟管理

今回は、インハウスと訴訟管理について書いてみたいと思います(管理人の個人的意見)。 以前にこんな記事を書いたことがありました(訴訟管理があまり面白くなかった話)。 紛争モノがほとんどない業界や会社もありますし、状況はさまざまだと思いますが、インハウスで訴訟管理などの紛争対応するときは、皆さまは(特に自身も外部弁護士として活動歴ある人は)どういう気持ちでやっているのだろう?と思うことがあったりします。 インハウスだから訴訟管理? いろんな意見、というかたぶん反対の意見の方が多いだろうと思いますが、個人的には ...

弁護士像

新しい弁護士像|「法務弁護士」というような概念

ちょっと突然妄想じみたことをいうが、昔から何となく、「法務弁護士」というような概念が出来ればいいんじゃないかなと思っている。 紛争処理もするし平時の法務の処理もする、それが1人の人間の中で混じり合っているようなイメージの。 昔ロースクール時代に、ロースクールの理念として「理論と実務の架橋」ということが言われていて(掛け声倒れだが…)、実務家教員と学者教員が一緒になって行う「◯◯系実務」みたいな単位があった。が、そこで行われている事は、理論の部分を学者教員が説明した後、「じゃあここから先は◯◯先生にお願いし ...

インターネット 新判例

最判令和2年7月21日|リツイート事件最高裁判決と最近の裁判例

一週間ぐらい前の判決になりますが、リツイートの法的責任に関連する最高裁判決がありました。 これは、リツイートのアカウントにも発信者情報の開示請求を認めたところが話題になっていたものです。 また、もう少し前にはリツイートに名誉毀損の成立を認めた高裁判決も出ていましたので、本記事では、この最近の2つの司法判断について見てみたいと思います。 なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 最判令和2年7月21日-リツイートにも開示請求を認めた事例 判決の内容 ニュースとしては、たとえばこちら。一審 ...

インハウスローヤー 法務一般

【転職後の話】四大コンサルティングファームまとめ

インハウス転職をした後、どこかで多分出くわすことになるのが、コンサルティングファームです。 すぐ横文字で略されますし、メールもチャットも当然のごとく知ってる前提で飛び交うので、一般民事系から転職すると、最初は「なんだなんだ??」という感じで若干気後れするものではないかと思います(管理人はそうだった)。顔は平然を装いますが笑。 主に金融・証券業界のノリであるようにも思いますが、普通の事業会社に行っても、投資系や組織再編系の仕事で目にすることになりますので、全体を見ておいて損はないかなと思います。略称も早めに ...

法務転職

【弁護士の転職】面接の準備①|「転職の一貫性」を言語化する

今回は、弁護士の転職ということで、転職の一貫性(転職ストーリー)について書いてみたいと思います。 転職の面接を準備しようとして本を読んだりしていると、だいたい「転職の一貫性」というキーワードを目にすることになると思います(管理人はそうでした)。 最初の転職のころに出くわす2大ハードルは、職務経歴書の作成と、この転職の一貫性というものだと思うので、今回はこれについて書いてみたいと思います。 職務経歴書の書き方については、以下の関連記事でくわしく書いています。 あわせて読みたい 「一貫性」って自分にあるのか? ...

商標法

商標法を勉強しよう|商標権の構成

今回は、商標法を勉強しようということで、商標権の構成について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 商標権とは 商標は、事業者が、自分の取り扱う商品やサービスを他人のものと区別するために使用するマークのことです。 このマークについて、出願を行って商標登録すると、商標権という独占権が発生します。登録したマークを独占的に使用する権利です。 独占とはどういうことかというと、自分で使用できるだけではなく、他人の使用を排除できる(やめさせることができる)と ...

商標法

商標法を勉強しよう|全体像の概観

今回は、商標法を勉強しようの最初の記事ということで、まず全体像の概観について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 全体像 まず大掴みにするために、商標法をいくつかの塊に分けてみます。 商標権  登録要件  出願などの手続  商標権の効力  特殊の商標 だいたいこんな感じで、5つぐらいの塊に分けることができます。 そして、これらの塊は、以下のようなイメージの流れで捉えることができるかと思います。 商標権とは何か?商標権をとると、どんないいことがあ ...

法律コラム

法律をわかりやすくもっと身近に

▽ブログやツイートを書くときの気持ち 自分は、難しいことをわかりやすく話してくれる人に感動します。 難しいことを難しく正確に話せる人は、頭がいいと思います。 でも、本当に頭がいいのは、難しいことをわかりやすく話してくれる人だと感じるのです。 そういう話を聞いたときは、脳みそが洗われたような気分になります。おおおおおー、みたいな。 聞けばわかれば面白い。 法律って、サザエさんに出てくるカミナリじいさんみたいな感じがします。 普段はしかめっ面で怖い顔をしているように見える(ので、普段は敬遠してしまう)けど、話 ...

法改正

プロバイダ責任制限法の改正世論-プロバイダの立ち位置

ネットでの誹謗中傷によると思われる痛ましい訃報があり、発信者情報の開示請求に関して、プロバイダ責任制限法の改正世論が盛り上がっています。 本記事では、盛り上る改正世論に、ちょっと波風というか、敢えて穿った見方をしてみることを書いてみたいと思います。 世間で盛り上がっている論調(プロバイダへの規制強化)とちょっと違う視点で書いてますので、嫌な気分になるかも?と気になる方はブラウザバックしていただければと。 プロバイダの立ち位置 誹謗中傷の問題について、プロバイダは、けっこう微妙な立ち位置にいると思います。 ...

法律コラム

いつでもできる手軽な情報リテラシーの方法

最近よく聞く言葉で「情報リテラシー」っていうのがありますが、これに関して個人的に採用している2つの方法を書いてみたいと思います。 管理人は別にコンサルの世界などに入ったことがあるわけでもなく、そんなに穿ったことは言えないですが、法律の世界である程度の期間過ごしていると、何となく身に沁みついてくるようなことです。 ①ひとつの意見を鵜呑みにせず、複数の意見を照らし合わせる それは、ひとつの意見を鵜呑みにせず、複数の意見を照らし合わせること、です。 法律の世界では、なにかの論点に関して、ひとつの見解だけで完結す ...

法律ニュース

続・検察庁法改正案についての色んな見解を整理してみた

昨日夜、検察庁法改正案について、「Choose Life Project」の討論番組がYoutubeでライブ配信されていました。 Twitterで流れてきたので、へー、と思って観ていました。 番組を見て、前の記事をもう少し書き足したくなったので、以下少し続きを書きたいと思います。 なお、前の記事で書いたことは端折ってますので、「?」と思うところがあったら、前の記事を見てみていただけばと思います。 今回の改正案への賛否 結論を改めて書いておくと、今回の改正案には個人的には反対と思っています。 経緯論(黒川検 ...

法律ニュース

検察庁法改正案についての色んな意見を整理してみた-音喜多議員のブログが秀逸

検察庁法改正案で、世間が揺れていますね。 音喜多議員のブログが秀逸だったので、触発されて記事を書いてみました。先日のパチンコ業界の三店方式に関する記事といい、異常なほどわかりやすいですね。内容についても、個人的には納得感あります。いつ書く時間とってるんだろう…。 音喜多議員のブログ意見の秀逸なところ 音喜多議員のブログの良いところは、結論としては反対、ということを明示しつつも、 ・制度設計としては実はあり得る・立法過程(立法府での審議手続き)がきっちりしていれば、立法による追認というのも手続き的にはありだ ...