とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。
ネットニュースのタイトルって「誤導質問」が多いからちょびっと気を付けた方がいいと思う、という話をしてみたいと思います。 ニュースに限らずブログでもYouTubeでも何でもいいんですけど、「なぜ〇〇は××なのか」とか「〇〇が××である理由」といったタイトルのものって、よく見る気がします。 これって、法律的にいうと「誤導質問」になっていることが多いです。なので、タイトルを見た時点でちょっと疑ってかかった方がいいと思う、という話です。(全部が全部怪しいという意味ではないんですけど) 「誤導質問」って何? 誤導ご ...
ネット誹謗中傷の議論が高まるにつれて、どんなものが誹謗中傷になるんだ?とか、批判や意見じゃなくて違法になる表現ってどんななんだ?という悩ましい問題が意識されるようになってきているように思います。 「誹謗中傷」というのは法律上の用語ではないので、誹謗中傷=直ちに違法な表現、という意味で使われているのか、誹謗中傷のなかに、違法なものとそうでないものがあるのか、外縁がはっきりしないですけど…。このへんは言葉の問題で人によって違うと思いますので、深入りしないでおきます。 ここでは、自分の整理も兼ねて、民事責任と刑 ...
アパマン爆発事故事件の判決が出たというのが、今日、ニュースになっていました。 ニュースとしては、たとえば以下のとおり。 ▽スプレー爆発で元店長有罪 札幌地裁「予見できた」|産経ニュースhttps://www.sankei.com/article/20200818-5PAMGK557ZJUHEE7BYTHLWINDI/ 重過失の罪であること 罪名は、「重過失傷害罪」と「重過失激発物破裂罪」のようです。 つまり、 重過失傷害罪→人にケガをさせた部分 重過失激発物破裂罪→建造物やそれ以外の物を壊した部分 をそれ ...
YOASOBIさん、Nスタ出たり(8/13木)、関ジャム(昨日)出たり、快進撃中ですね。 管理人も目下どハマり中なので、思わず記事にしてみました。内容はタイトルどおりですが(著作権法の「創作性」をキーワードにつらつらと)、法律的に大した話は出てきませんので、あしからず(汗)。 著作権法の世界観 著作権法のキー概念は「創作性」にあるのですが、YOASOBIさんを見ていると、本当にうまく複数の創作性が結びついてるな、と思うんですよね。 ちなみに、著作権法のイメージに少し触れておくと、①具体的な表現レベルでのパ ...
河井議員とか、香港の周庭さんとか、保釈のことはたびたびニュースで目にします。定期的に話題になるというか。 そして、今日、BLOGOSで見かけたのが、刑事弁護の超重鎮・高野隆先生のブログ記事。 ▽香港の保釈制度|高野隆|BLOGOShttps://blogos.com/article/478400/ 周庭さんが逮捕された件を取り上げつつ、香港の保釈制度というか刑事手続を解説した記事なのですが、“ていうか逮捕後すぐに保釈されるということ自体にびっくりだよ”という趣旨のことが書かれていて、言われてみれば確かに… ...
令和2年に公益通報者保護法が改正されましたので、その内容をざっと見てみたいと思います。 ニュースとしては、例えばこちら。 ▽内部告発「裏切り者に制裁」後絶たず…16年ぶり法改正も、通報者が守られない理由 |弁護士ドットコムhttps://news.line.me/articles/oa-bengo4com/de323fe82e73 このあたりのコメント(大森景一弁護士のコメント)に言い尽くされていますし、このニュースを見れば大体わかりますので、ブログで書く意味ないんじゃないかという話もありますが(笑) ...
インハウスローヤー(企業内弁護士)やったり、外部弁護士やったりしていると、何となく「クラウドワーカー型弁護士」みたいなやり方があるんじゃないかな、と思えてくる。 という話を書いてみたい。 クラウドワーカー型弁護士という可能性 ここでいう「クラウドワーカー型弁護士」というのは、たとえば、3・4社ぐらいと業務委託(週◯日とかの常駐形態を含む)という形で契約して活動する弁護士、というイメージ。 顧問だとたくさんの顧問先について、相談があったときに対応するという形が基本だけど、それよりはずっと少ない数の企業に絞っ ...
管理人は何回か転職しているのですが、いくつか会社にいくと、なんかバックオフィスがバラバラだな、と思うことがあります。 大ざっぱな傾向をいうと、保守的(コンサバ)な業界の企業ほどまとまりがよく、新しい業界の企業ほどまとまりが悪い、という感じがします。 (※)自分ひとりの経験なのでサンプルが少ないことを前置きしつつ、ですが(汗) なんでこうなるんだろう、とか、どうすればいいんだろう、ということを考えてみました。 バックオフィスのまとまり具合の違い 保守的な企業は、働かないおじさんが相当数生息していて、どう見て ...
今回は、独立すると経営者としての目線を持たねばならないけれども、自分がプレイヤーであることとの相克に悩む、という話を書いてみたいと思います。 といっても、たぶんどこの世界にいっても当たり前の話なので、ただの雑談なんですが。 独立後、ある経営者の集まりに顔を出させてもらっていました。といっても、JCとかYEGとかロータリーとかではなく、気の合う人同士の集まり、という感じのもので。個人経営者もいるし、法人経営者もいました。フリーランスもいて、男性も女性もいて、経営者メインなんだけどそれ以外の人もいて、面白い会 ...
今回は、インハウスへの転職ではなく、インハウスからの独立について書いてみたいと思います。 管理人個人はいろいろ考えてみて当時はそれがベストに思えたので、インハウス→独立をとりあえず”やってみた”人なんですが、たぶんそのパターンの人はまだあんまりいないと思いますので(ただ、頭の中をチラつく人も中にはいるかなと)、いち事例として記事にしてみました。 単に率直な感想 さて、さほどポジティブな要素がないことを先に注意喚起しつつ(笑)、率直な感想を書き連ねると、次のような感じですかね。 ①は、やっぱり諸々の庶務も自 ...
今回は、GPS最高裁判決を取り上げてみたいと思います。 この最高裁判決は、車にGPSを取り付け遠隔監視する行為について、ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)にいう「見張り」にあたらないと判断した、というものです。 ニュースとしては、例えばこちら。 ▽ストーカーがGPSで居場所を追跡しても「見張り」に当たらず 最高裁が初判断|東京新聞 TOKYO Webhttps://www.tokyo-np.co.jp/article/45997 なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるもの ...
そういえば発信者情報開示の見直しの議論(@総務省)ってどうなってるんだろう…と思って、今ごろ感がありますが、総務省のHPを見てみました。 ▽参考リンク発信者情報の在り方に関する研究会(第4回)|総務省HP 6月下旬ごろは、“正式な裁判手続でない簡易な裁判手続の検討”みたいな報道がされていて、いったい何のことだろうと思っていたんですが。 簡易な裁判手続っていうのは非訟手続のことらしい 7月10日に「中間取りまとめ(案)」が発表されていたようで、簡易な裁判手続っていうのはどうやら非訟手続のことらしいです。 ち ...