とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。
イソ弁、複数社でのインハウスローヤー、独立開業など経験。弁護士の転職や法務の経験などを発信中。
<背景画像>著作者:Freepik

平成21年度新司法試験簡易再現答案・参考答案

2023/1/16

平成21年度新司法試験簡易再現答案 刑事系第2問(刑事訴訟法)

刑事系第2問。 設問1は、まあまあ?あてはめイマイチだが。 設問2は時間がなくてコンパクトにしか書けなかったが、出題趣旨には合っていた。 簡易再現答案 ■□■□■□■□■□ 論文再現 刑事系第2問 設問1 第1. (1)各写真撮影は意思に反してプライバシーを侵害するから強制処分。  性質としては、検証。よって、検証令状が必要なはず。  しかし本問では検証令状なく、捜索差押令状による捜索差押に附随するものとして写真撮影が行われているため、その限界が問題。 (2)論証 →令状記載物件及び関連するものなら許容。 ...

平成21年度新司法試験簡易再現答案・参考答案

2023/1/16

平成21年度新司法試験簡易再現答案 刑事系第1問(刑法)

刑事系第1問。 罪名と65条の適用が間違っていると思うが、今年の問題はきっとそういう人が多かったのだろうから、助かったのだろう。 本来、刑事系で罪名の間違いはアウトのはずである。 簡易再現答案 ■□■□■□■□■□ 刑事系第1問 第一.事実1から6まで 第1.乙の罪責 1.乙に業務上横領罪が成立しないか 2.乙は営業担当事務員なので「業務上」「占有」にあたるためには甲に業務上占有者の身分があり、かつ65条が適用される必要。 (1)甲に「業務上」「占有」の身分あるか  ア.横領罪における占有は、委託信任関係 ...

旧司ノウハウ

2023/1/31

旧司的ノウハウ⑤ー一読了解型答案ー

第5回。 一読了解型答案とは何か?何に気をつけて書けばそのようになるのか? 旧司法試験のノウハウ 一読了解型とはその名の通り、一回読んだだけで内容が頭に入ってくる答案のことです。読み手にとっては読むのが楽であり心証もよく、書き手にとっては読み返されるおそれが低くボロがばれにくい、という効用があるものです。 私は心証の問題というのは、 というものだと思っています。 「一読了解」が直接の配点事項となっているかどうかは知る術もありませんが、根本的な力量を感じさせる重要な要素だと思います。では何に気をつけて書けば ...

平成21年度新司法試験簡易再現答案・参考答案

2023/1/16

平成21年度新司法試験簡易再現答案 公法系第1問(憲法)

続いて公法系第1問(憲法)。 皆と違って、憲法がまあまあよく、行政法が悪い、という採点だったはずである。 簡易再現答案 ■□■□■□■□■□ 設問1 第一.弁護士の主張 第1.審査委員会規則の23条違反 1.審査委員会規則に基づく中止命令によりXは本件研究が継続できなくなっているので、審査委員会規則(以下「規則Ⅰ」)は学問の自由のうち学問研究の自由を制約 2.かかる制約が「公表の福祉」による必要最小限のものかは、①目的が必要不可欠、②手段が必要最小限度、で判断。なぜなら、学問の自由は特に批判的・先鋭的性質 ...

旧司ノウハウ

2023/1/16

旧司的ノウハウ④ー法的三段論法ー

第4回。法的三段論法について。 旧司法試験のノウハウ 法的三段論法が何かというと、大前提に小前提をあてはめて結論を出すというやつですよね。 なぜかこの縁起の悪い例が多い(昔から不思議)が、このように大前提、小前提、結論の三段になっているから三段論法なわけです。 これを法律の文章において書くとき、大前提はルールという抽象論、小前提は事実という具体論になるわけです。 書き慣れない時期に多い誤りは、抽象論の理由付けに問題文の具体的事実が出てきてしまうことです。甲が可哀想だから、この文言につきこのように解すべきだ ...

日記

2020/7/28

成績通知

連休の帰省から戻ると成績通知が。 ちょっとどきどきしながら開いたら、こちら。(小数点以下切捨て)   ■□■□■□■□■□ 公法系 109点  906位 民事系 140点  2218位 刑事系 117点  466位 選択科目(知的財産法) 61点  48位/757人 合計点 429点 順位 729位   総合順位 743位 ■□■□■□■□■□ 十分すぎる結果。感謝の一言に尽きる。 落ち込むこともなく、慢心することもない、絶妙の結果だと自分としては思う。   ミスター平均!っ ...

旧司ノウハウ

2023/1/16

旧司的ノウハウ③ー論証及び論証パターンー

第3回。今回は論証の仕方と論証パターンとの付き合い方について。 旧司法試験のノウハウ (1)趣旨から書くこと 論証の仕方は、とにかく趣旨に遡って書くことです。すいません大したことなくて(汗)。 基本的に論点というのは条文にない問題か、条文にあるがはっきりしない問題(主として要件・効果について)だと思います。だから、初めて直面する法的問題について、「そもそもこれって何のためにあるんだっけ?」とか「そもそもこれって法的性質は何なんだったっけ?」ということに立ち返って、それから具体的問題に降りてくるわけです。 ...

旧司ノウハウ

2023/1/16

旧司的ノウハウ②ー答案の流れと問題提起ー

第2回。今回は問題提起について。 旧司法試験のノウハウ 問題提起は4つのポイントを指摘しなければならない、という話があったのはご存知でしょうか? それは、①事案の問題の所在、②事案の問題提起、③法律上の問題の所在、④法律上の問題提起、の4つです。①・②は事案、③・④は論点、という風に大きく2つに分かれます。 問題提起は語尾を疑問形にすればいいってもんじゃないわけです。何が問題になっているのか(問題提起)、なぜそれが問題になるのか(問題の所在)、を書かないと答案において特に書く意味のない文章になってしまいま ...

旧司ノウハウ

2023/1/14

旧司的ノウハウ①ーはじめにー

では、第1回。 受かったとたんにノウハウ的なことをひけらかし出すのは調子に乗っているから、というのもあるのでしょうが、ロースクールではそういう情報が不足しがちだとずっと思っていたからです。 どういうことかというと、ロースクールって脱・予備校が真の目的みたいなところがありますから、答案の書き方についてこうこうだ、というのは基本的に何となくやりづらい雰囲気が漂っているように感じます。 その結果、答案を書く上での「型」みたいなものを聞かされる機会がなく、ロースクールに入って初めて勉強している人はものすごくキツか ...

日記

2023/8/10

焼山寺越え

やっと合格しました。 やってもやっても終わらない、耐えても耐えても結果が出ない、もうそろそろここでたどり着かないともうやばい、・・・それでも、また、だめ。 そういう日々を5年ぐらい過ごし、もう今年で20代もオワリだから、再度チャレンジをすることを決めた時の自分との約束どおり、今回だめなら企業の就職活動をするつもりだった。結果がどちらにせよ、今までの日々とはお別れするつもりだった。 試験一日目のときのような気持ちで掲示板の番号を探す。人だかりの頭のすき間から探す。自分のへんの番号がよく見えない。探す。見えな ...

日記

2023/8/10

企業法務セミナーまとめ

昨日の企業法務シンポジウム@母校ローで、大体説明会やセミナーの類が終わったので、備忘のため重要なことをまとめておきたいな、と。 重要な点は ①どういう人が決まりどういう人が決まらないのか。 ②法科大学院卒や新司合格といった資格はどのように役に立つのか。 ③企業法務と法律事務所の仕事の違い ④どうやって、いつから、就職活動をするか ◆◆◆ ①決まる人・決まらない人 <決まらない人> 〇「試験受からなかったから企業法務行く」という価値観の人。 弁護士事務所と企業法務を対等な職務領域としててはなく、上下関係で捉 ...

日記

2023/8/10

長島大野常松法律事務所説明会

記念すべき初の事務所説明会参加。 なかなか楽しかった。説明はコンパクトに、その後別室でバイキングを食しつつテーブルごとに弁護士の先生と歓談。 それにしても京大ローの人ばっかである。卒業生もそうだが、事務所の人にも京大・ロー卒が多い。同窓会かこれは。授業の様子なんかについて聞く。 大手の案件のあたり方(部門制)やそれゆえのつぶしがきかなくなるリスクなどについて聞く。でも大手だろうが準大手だろうが小規模だろうがそれぞれに長所短所があって、でもどれも素晴らしいと思う。 つぶしがきかなかろうが、社会的大事件はやは ...