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弁護士の転職物語⑩|弁護士業界のもう一つの変化

Photo by Paul Skorupskas on Unsplash

弁護士業界に起きていると思う2つめの変化を挙げたいと思います。

転職活動をするなかでもいろんな弁護士に会いましたが、別に世間で有名になっていなくても、従来なかったような多様な働き方を切り拓いている弁護士が数多くいます(単に自分がこれまで知らなかっただけという可能性もありますが)。

例えば、もともとある業界で働いており、その後ロースクールに行って弁護士になり、途中、公認会計士にもなり、別業界のインハウスにもなって、最終的にその元々いた業界に特化した弁護士として独立し活動している人。

(どういうイメージでそのように活動してこられたんですかと聞くと、「その都度必要と考えることをしていたら自然とそうなった」とサラりと仰っていました。とてつもなく頭が良く、ゾッとするほどでした。でも性格が冷たいとかそういう意味ではなく、とてもフランクでした)

また、法律事務所以外にベンチャーキャピタルを運営しており、もう稼がなくても大丈夫な人なのに、”ついつい深く付き合っちゃうんだよね。”といいつつ、顧問先に対し財務レベルのファイナンス(つまりデューデリではなく、財務レベルの数字の作り込み)もやってしまうような人。

そのほか、税理士のインハウスで、従来型の記帳代行や税務申告という業務よりもビジネススキームが組みたくて、税務の知識を活かしつつ最終的にコンサルタントになっている人。

などなど。

彼らに共通するのは、異常に柔軟な感性を持っていること、士業の知識経験以外にもプレイヤーとしての専門分野を持っていること、及び、それゆえに平時の世界に深く入り込んでいること、です。

そして、これは期の古さとか戸籍年齢の若さとかそういう問題ではなく、個々人の問題であり、若いから柔軟だとか、ベテランだから固い、ということではないみたいです。例えば鳥飼総合法律事務所の鳥飼先生などの著作やメルマガなんかを拝見すると、ベテランでかつ社会的地位も確立された方であるのに、とても感性が柔軟であると感じます。

さて、ここから見い出せるこれからの弁護士のひとつの方向性は、

「法律以外にプレイヤーとしての専門分野を何かひとつ身に付けて、依頼者に極めて近い距離で紛争処理以外のサービスを提供する」

ということです。これを2つめの変化と捉えたいと思います。

これは、顧客流入ルートの変化ではなく、弁護士が担うべき機能の変化のことです。

彼らは、インハウスが担うべき機能を、外側から提供しているように思えます。願わくば自分もそうなりたいものです。

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