今回は、公益通報者保護法ということで、公益通報の5つの要件(①通報者の範囲、②通報対象事実、③通報の目的、④通報先の類型、⑤通報先ごとの保護要件)のうち、④について見てみたいと思います。
通報者が解雇や契約解除といった不利益な取扱いから守られる公益通報ですが、どこに通報するかによって、法的に保護されるためのハードル(保護要件)が異なってきます。本記事では、この通報先の類型について、わかりやすく解説していきます。
ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線、改行などは管理人によるものです。
メモ
このカテゴリーでは、インハウスとしての法務経験からピックアップした、管理人の独学や経験の記録を綴っています。
ネット上の読み物としてざっくばらんに書いており、感覚的な理解を掴むことを目指していますが、書籍などを理解する際の一助になれば幸いです。
通報先の類型
公益通報者保護法において、通報者が解雇や契約解除といった不利益な取扱いから保護されるためには、法で定められた適切な通報先へ通報を行う必要があります。
法律上、公益通報の通報先は以下の3つに分類されています。
3つの類型のどこに通報することもできますが、類型ごとに設定されている保護要件を別途満たす必要があります。
▽公通法Q&A〔令和8年12月施行版〕:通報先に関するQ&A【Q10】
まず内部公益通報(1号通報)をしてからでないと、外部公益通報(2号通報及び3号通報)をすることはできませんか。
本法では、通報先として、1号通報の通報先(事業者内部)、2号通報の通報先(権限を有する行政機関等)、3号通報の通報先(その他の外部通報先)が規定されていますが、順番を問わず、いずれの通報先に対しても公益通報をすることができます。
なお、…(以下略)…。
それでは、通報先の類型順に、それぞれの内容を見ていきましょう。
(※注)令和2年改正(令和4年6月施行)版です
事業者内部(1号通報先)
事業者内部への通報は、一般に内部公益通報(1号通報)と呼ばれ、組織の自浄作用を促すための最も基本的なルートです。
これは、条文上、
「当該役務提供先若しくは当該役務提供先があらかじめ定めた者」
と定められており、大きく分けて以下の2つのルートを指します(あわせて「役務提供先等」と略称されています。)。
- 役務提供先(直接・間接的に働いてサービスを提供している会社や組織、およびその上司など)
- 役務提供先があらかじめ定めた者(その会社が公式な窓口としてあらかじめルールで指定した外部の弁護士やグループ共通窓口など)
「役務提供先」の範囲
通報者が労働契約や委託契約等に基づき現に役務を提供している(または退職や契約終了から1年以内の)事業者です。働き方や立場によって、次のいずれかの事業者が役務提供先になります。
- 雇用元で直接働いている場合(労働者・退職者) → 雇用元の事業者(1号)
- 派遣労働者の場合 → 派遣先の事業者(2号)
- フリーランスとして仕事を受けている場合(特定受託業務従事者等) → 発注元・委託元の事業者(3号)★令和7年改正で追加
- 雇用元(または委託元)と取引先との請負・委託契約等に基づいて、取引先の現場で働いている場合(労働者・フリーランス等) → 取引先の事業者(4号)
- 役員(取締役、監査役など)を務めている場合 → 役員を務めている事業者(5号イ)
- 役員として、自社と取引先との請負契約等に基づき、取引先の事業に従事している場合 → 取引先の事業者(役員向け)(5号ロ)
① 直接雇用されている労働者(正社員、契約社員、パート、アルバイト等)の場合
雇用元の会社がそのまま役務提供先になります。
例えば、A社にアルバイトや正社員として雇用されているなら、A社が役務提供先です。
▽公通法2条1項1号
一 労働者(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条に規定する労働者をいう。以下同じ。)又は労働者であった者 当該労働者又は労働者であった者を自ら使用し、又は当該通報の日前一年以内に自ら使用していた事業者(次号に定める事業者を除く。)
② 派遣労働者として働いている場合
実際に指揮命令を受けて働いている派遣先の会社が役務提供先になります。
例えば、派遣元B社からC社に派遣されて働いている場合、派遣先であるC社が役務提供先です(派遣先の不正を派遣先に通報できます)。
▽同項2号
二 派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。第四条第一項第一号において「労働者派遣法」という。)第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。以下同じ。)又は派遣労働者であった者 当該派遣労働者又は派遣労働者であった者に係る労働者派遣(同条第一号に規定する労働者派遣をいう。第四条第一項において同じ。)の役務の提供を受け、又は当該通報の日前一年以内に受けていた事業者
③ フリーランス(特定受託業務従事者)として働いている場合
業務を発注している委託元である業務委託事業者が役務提供先になります。
例えば、D社からシステム開発やデザイン業務を請け負って個人(または1人社長)で働いている場合、発注元であるD社が役務提供先です。
▽同項3号
三 特定受託業務従事者(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和五年法律第二十五号)第二条第二項に規定する特定受託業務従事者をいう。以下同じ。)又は特定受託業務従事者であった者 当該特定受託業務従事者に係る特定受託事業者(同条第一項に規定する特定受託事業者をいう。以下同じ。)又は特定受託事業者であった者に業務委託(同条第三項に規定する業務委託をいう。以下この号及び第五条において同じ。)をし、又は当該通報の日前一年以内に業務委託をしていた事業者
④ 請負契約や業務委託契約に基づいて取引先で働いている場合
勤務先が他社と請負等の契約を結んでおり、通報者がその契約業務のために実際に稼働している取引先の会社(元請など)も、役務提供先になり得ます。
例えば、警備会社E社に雇われ、契約に基づいてFビルの警備業務(F社)に従事している場合、取引先であるF社も役務提供先になります(取引先の不正を取引先自身に通報できます)。
▽同項4号
四 前三号に定める事業者が他の事業者との請負契約その他の契約に基づいて事業を行い、又は行っていた場合において、当該事業に従事し、又は当該通報の日前一年以内に従事していた労働者若しくは派遣労働者(以下この号及び第十一条第二項において「労働者等」という。)若しくは労働者等であった者又は特定受託業務従事者若しくは特定受託業務従事者であった者 当該他の事業者
⑤ 法人の役員(取締役、監査役など)の場合
役員を務めているその法人(会社など)が役務提供先になります。
▽同項5号
五 役員 次に掲げる事業者
イ 当該役員に職務を行わせる事業者
ロ イに掲げる事業者が他の事業者との請負契約その他の契約に基づいて事業を行う場合において、当該役員が当該事業に従事するときにおける当該他の事業者
なお、5号のロ(取引先の事業に従事する役員のケース)は、4号(労働者・フリーランス等)の場合とは異なる建付け(論理構造)になっています。
4号(労働者等・フリーランス)では、現在従事している人と、過去1年以内に従事していた人(=労働者等であった者・フリーランスであった者)の双方が並列でカバーされていたため、1年以内の縛り(時期的な要件)が定められています。しかし、5号のロでは過去に関する文言はなく、現在進行形で「従事するとき(現に従事している現職の役員)」のみに限定して対象とする建付けになっています。
これは、そもそも退任した役員(過去の役員)は法の保護対象外であるためです。役員については、退任した元役員を保護する仕組み(退職者としての保護)は、法律上用意されていません。
▽公通法Q&A〔令和8年12月施行版〕:公益通報者に関するQ&A【Q4】
退任から1年以内の役員は公益通報の主体となる「退職者」に含まれますか。
退任した役員は、公益通報の主体となる「退職者」には含まれません。
「あらかじめ定めた者」とは何か
これは、事業者が社内規程に定めるなどしてあらかじめ設定した外部窓口です。
具体的には、以下のようなものがこれに該当します。
- 社外の弁護士(法律事務所):会社から独立した中立的な立場として指定されるケースが多いです
- 企業グループ共通の相談窓口:親会社が子会社の従業員等からの通報も一括して受け付けると、子会社自身の規程等で定めている場合の窓口です
- 民間の専門相談機関・監査法人など:外部に窓口業務を委託している場合です
- 労働組合・業界団体など:会社があらかじめ通報先として規程等に指定している場合に限られます
グループ共通窓口
グループ共通窓口を子会社の1号通報先とするには、子会社自身の規程等であらかじめ定めておく必要があります。
▽指針解説〔令和8年12月施行版〕脚注13
13 子会社や関連会社において、企業グループ共通の窓口を自社の内部公益通報受付窓口とするためには、その旨を子会社や関連会社自身の内部規程等において「あらかじめ定め」ることが必要である(法第2条第1項柱書参照)。また、企業グループ共通の窓口を設けた場合であっても、当該窓口を経由した公益通報対応業務に関する子会社や関連会社の責任者は、子会社や関連会社自身において明確に定めなければならない。
これは、法律(法2条1項)の定義上、1号通報先は役務提供先(=子会社など)が「あらかじめ定めた者」である必要があるため、親会社が一方的に”グループ共通窓口で子会社の通報も受け付けます”と表明しているだけでは足りず、子会社側が自社のルールとしてその窓口を指定(規程等に明記)していなければ、1号通報先としては認められないということです。
労働組合など
また、勤務先の労働組合などについても、同様のロジックとなります。
▽公通法Q&A〔令和8年12月施行版〕:公益先に関するQ&A【Q4】
自らの勤務先の労働組合への通報は、本法に定める3つの通報先(事業者内部、権限を有する行政機関等、その他の外部通報先)のうちどこへの通報と位置付けられますか。
その労働組合が、事業者からあらかじめ通報先に指定されていれば、事業者内部への公益通報(1号通報)として取り扱われます。
なお、指定がない場合は、通報の内容等にもよりますが、労働組合はその者に対し通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要である者として、その他の外部通報先への公益通報(3号通報)に該当すると考えられます。
職制上のレポーティングライン(上司等への報告)
1号通報には、整備された専用の内部公益通報受付窓口だけでなく、職制上の上司や役員等への報告・相談も含まれます。
Q&Aでは、職務上のレポーティングラインや経営上の不正を是正できる取締役、監査役などに対する報告も、実質的に是正を求めるものであれば内部公益通報に該当し得ると整理されています。
▽公通法Q&A〔令和8年12月施行版〕:公益先に関するQ&A【Q1】
通報者が、職場の上司や役員等に公益通報をすることはできますか。
内部公益通報受付窓口のほか、職場の上司や経営上の不正を是正できる役員(取締役や監査役等)等への通報も内部公益通報に該当し得ます。
なお、通報対象事実と疑われる行為の内容について職制上のレポーティングライン(いわゆる上司等)やその他の労働者(例えば、同僚や他部署の管理職等)・役員に対して報告がなされた場合、仮に、報告という形をとっていたとしても内部公益通報に該当し得ると考えられます。
そのため、規程に書いてある通報窓口にメールを送る行為だけでなく、例えば信頼できる上司に”部長が不正をしています”と相談する行為も、1号通報(事業者内部への通報)であり、法律による保護の対象になります。
権限を有する行政機関等(2号通報先)
事業者による通報対象事実に係る法令違反行為について、法律上、取り締まりや是正を行う権限を持った官公庁や自治体、およびそれらが定めた窓口です。
これは、
「当該通報対象事実について処分(命令、取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。)若しくは勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する行政機関若しくは当該行政機関があらかじめ定めた者(次条第一項第二号及び第六条第一項第二号において「行政機関等」という。)」
とされており、あわせて「行政機関等」と略称されています。
”権限を有する”とされているように、どこの行政機関でもよいわけではありません。通報対象事実となる法令を所管している行政機関でなければならず、所管は法令により決まっています。
「行政機関があらかじめ定めた者」というのは、先ほどの役務提供先の場合とパラレルで、要するに、権限を有する行政機関が通報窓口を外部に設置したような場合です
「行政機関」の範囲
法2条4項(およびQ&A)によれば、以下の機関が該当します(ただし、地方公共団体の「議会」は除かれます)。
- 国の行政機関:内閣府、宮内庁、各省庁(警察庁、金融庁、消費者庁等)、デジタル庁など、および、法律上独立に権限を行使する職員(検察官、労働基準監督官、海上保安官など)
- 地方公共団体の機関:都道府県知事、市町村長およびその下部組織、教育委員会などの執行機関
▽公通法2条4項
4 この法律において「行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。
一 内閣府、宮内庁、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項若しくは第二項に規定する機関、デジタル庁、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関、法律の規定に基づき内閣の所轄の下に置かれる機関若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員
二 地方公共団体の機関(議会を除く。)
「処分又は勧告等をする権限」の意義
通報対象事実となる特定の法律に基づき、事業者に対して公権力を行使する(是正命令、免許取消等の「処分」)こと、または行政指導や改善勧告などの勧告等を行う法的権限を有していることを指します。
どの行政機関が該当するかは法律ごとに異なり、消費者庁の行政機関検索システム等で確認することができます。
公益通報の通報先・相談先 行政機関検索|消費者庁HP
教示義務(法14条)
通報者が誤って処分権限のない行政機関に2号通報を行った場合、通報を受けた行政機関は、通報者に対して正しい処分権限を有する行政機関を遅滞なく教示しなければならないと法律上義務付けられています。
▽公通法14条
(教示)
第十四条 前条第一項の公益通報が誤って当該公益通報に係る通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有しない行政機関に対してされたときは、当該行政機関は、当該公益通報者に対し、当該公益通報に係る通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関を教示しなければならない。
(※注)令和2年改正(令和4年6月施行)版です
その他の事業者外部(3号通報先)
事業者内部や行政機関の枠組みを超え、不正行為の発生や被害の拡大を防ぐために必要と認められる第三者への通報です。
これは、
「その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者(当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者を含み、当該役務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者を除く。次条第一項第三号及び第六条第一項第三号において同じ。)」
とされています。上記の「権限を有する行政機関等」のほかの、外部通報先です。
事業者にとって信用失墜などのダメージが大きいため、法的な保護を受けるための保護要件(真実相当性+特定事由)は、他の類型より厳格に設定されています。
「必要であると認められる者」の具体例
Q&Aやハンドブックにおいて、以下のような通報先が例示されています。
- 報道機関(マスコミ)
- 消費者利益の擁護のために活動する消費者団体(特定適格消費者団体など)
- 加盟事業者の公正な活動を促進する事業者団体
- 労働組合(事業者が1号窓口としてあらかじめ指定していない場合)
- 各種オンブズマン団体や弁護士会などの公益通報者支援団体
- 国会議員や地方議会議員
- 被害を受けるおそれのある周辺住民(公害等の被害を直接受ける場合など)
括弧書きの「当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者を含み」というのは、たとえば上記のように、有害な公害物質が排出されている場合等の周辺住民などが考えられます。
除外される者
法の文言にあるとおり、「当該役務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者」は、3号通報先から除外されます。これには、ライバル企業や反社会的勢力(暴力団など)が該当します。
例えば、役務提供先のライバル企業で、その通報により役務提供先の利益が害されるおそれがある場合などです。
補足:通報の優先順位について
事業者によっては内部規程等で「まずは社内窓口に通報し、外部への通報は控えること」と順序を強制するケースが見られますが、法的に通報の順序や制限は存在しません。通報者は自身の判断で、どの通報先へも、どのような順番でも直接通報を行うことができます。
事業者が外部通報を禁じたり社内通報を強制したりする規程を設けることは、令和7年改正法で禁止された通報妨害(法11条の2)に該当する可能性があり、またその強制自体が、通報者が3号通報(報道機関等への外部通報)を行うための保護要件(法第3条第1項第3号二:通報をしないよう正当な理由なく要求された場合)を充足させることになります。
▽公通法Q&A〔令和8年12月施行版〕:通報先に関するQ&A【Q10なお書き】
なお、事業者が、例えば、労働者及びフリーランス等に対して外部公益通報を禁じたり、まず内部公益通報をするよう公益通報の順序を強制したりすることは、本法で禁止されている通報妨害(本法第11条の2)に該当し得るとともに、仮に、事業者がこのような内部規程を作成した場合は、3号通報の保護要件である「役務提供先から前二号に定める公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求された場合」(本法第3条第1項第3号ニ)にも該当し得ると考えられます。(本Q&A・Q9も参照)
法律の条文(法2条1項)を確認
最後に、法律の条文(原文)も確認してみます。
通報先の3類型は、公益通報の定義を定める法2条1項の中で定められていますが、この定義規定は、一つの長い文章の中に、通報の主体、目的、対象、そして3つの通報先がすべて詰め込まれているため、かなり読みにくくなっています。そこで、要素ごとに分節して読んでみましょう。
第二条 この法律において「公益通報」とは、
- 【誰が(通報者の範囲)】
- 次の各号に掲げる者が、
- 【どのような目的で(通報の目的)】
- 不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、
- 【誰の・何について(通報対象事実)】
- 当該各号に定める事業者(法人その他の団体及び事業を行う個人をいう。以下同じ。)(以下「役務提供先」という。)
又は
当該役務提供先の事業に従事する場合におけるその役員(法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法令(法律及び法律に基づく命令をいう。以下同じ。)の規定に基づき法人の経営に従事している者(会計監査人を除く。)をいう。以下同じ。)、従業員、代理人その他の者
について、 - 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、
- 当該各号に定める事業者(法人その他の団体及び事業を行う個人をいう。以下同じ。)(以下「役務提供先」という。)
- 【どこに(通報先の類型)】(★ここに3つの通報先が並列されています)
- 【1号通報先:事業者内部等】
- 当該役務提供先若しくは当該役務提供先があらかじめ定めた者(以下「役務提供先等」という。)、
- 【2号通報先:行政機関等】
- 当該通報対象事実について処分(命令、取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。)若しくは勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する行政機関若しくは当該行政機関があらかじめ定めた者(次条第一項第二号及び第六条第一項第二号において「行政機関等」という。)、
又は
- 当該通報対象事実について処分(命令、取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。)若しくは勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する行政機関若しくは当該行政機関があらかじめ定めた者(次条第一項第二号及び第六条第一項第二号において「行政機関等」という。)、
- 【3号通報先:その他の事業者外部】
- その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者(当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者を含み、当該役務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者を除く。次条第一項第三号及び第六条第一項第三号において同じ。)
- 【1号通報先:事業者内部等】
に、通報することをいう。
このように分解すると、長い修飾語やかっこ書きに惑わされることなく、条文の中に3つの通報先が並列して埋め込まれていることが理解できます。
結び
くり返しになりますが、通報先の類型については、どこに通報するかによって、求められる証拠のレベルや手順(保護要件)が違ってくることがポイントになります。
また、令和7年改正法(令和8年12月施行)により、フリーランスからの通報も労働者と同じような枠組みで保護されるようになったことも、押さえておくべきポイントです。そして何より、従業員やフリーランスの方々が外部や行政に駆け込む前に、社内の内部通報窓口が一番相談しやすい(ハードルが低い)場所として機能するように、体制を整えていくことが望まれます。
今回は、公益通報者保護法ということで、公益通報の5つの要件のうち、通報先の類型の要件について見てみました。
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主要法令等・参考文献
主要法令等
参考資料
- 公益通報ハンドブック〔令和8年12月施行版〕(消費者庁)|消費者庁HP(≫掲載ページ)
- 逐条解説(消費者庁)|消費者庁HP
- 裁判例の収集(概要/裁判例一覧/論点整理表)〔2022年度調査〕|消費者庁HP(≫掲載ページ)
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(※)上記は令和2年改正(令和4年6月施行)版です
(※)上記は令和2年改正(令和4年6月施行)版です