とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。
今回は、景品表示法を勉強しようということで、景品規制の仕組みについて見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 景品規制の仕組み 景品規制の基本的な仕組みは、①景品類の定義を定めておいて、景品類に該当する場合には、②景品類の提供方法に応じた制限をかける、というものです。 景品規制の基本的な構成 ①景品類に該当するか(景品類の定義) ↓ 該当する②景品類の提供方法に応じた制限 ┗ 提供方法が「懸賞」→懸賞景品規制 ┗ 提供方法が「総付」→総付 ...
今回は、景品表示法を勉強しようということで、表示規制における「表示」の定義について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 「表示」の定義 景表法2条4項 表示規制における「表示」はどんなものを指すのか?というと、これについては、景表法2条4項に定義が定められています。 ▽景品表示法2条4項 4 この法律で「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告 ...
巷にはインハウスローヤーのメリットとかデメリットを書いたネット記事がいくつかあるみたいなので、今回は、それについて書いてみたいと思います。 とはいえ、メリット・デメリットというより、管理人としては、インハウスと外部弁護士は、対比的(対照的)というか、対になっているみたいな側面を感じることがあるんですよね。 なので、一概にどちらがいいというものではないかなと思っているので、基本的には好みの問題という感じになります。 規模感が違う 企業も規模によりますし、法律事務所(以下「事務所」)も規模によるわけなので一概 ...
今回は、景品表示法を勉強しようということで、違反に対する措置等について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 違反に対する措置等(全体像) 景品表示法に違反したときに、事業者にはどのような措置がとられる可能性があるのか?というのが気になるところですが、その全体像は以下のとおりです。 措置命令と課徴金納付命令はニュースなどでも比較的よく見かけるかと思いますが、それ以外もあります(事実行為も含む)。 違反に対する措置 分類違反に対する措置内容行政上の ...
今回は、景品表示法を勉強しようということで、景品規制のうち総付景品規制について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 総付制限告示と運用基準 総付景品規制についての具体的な内容は、以下のように、総付制限告示とその運用基準によって定められています。 「総付景品」の制限 総付制限告示:「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」 総付制限運用基準:「『一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準」 消費者庁HPの「景品規制の概 ...
今回は、景品表示法を勉強しようということで、景品規制のうち懸賞制限について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線、改行などは管理人によるものです。 懸賞制限告示・運用基準 懸賞制限についての具体的な内容は、以下のとおり、懸賞制限告示とその運用基準によって定められています。 「懸賞」の制限 懸賞制限告示:「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」 懸賞制限運用基準:「『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準」 消費者庁HPの「景品規制の概要」ページなどに掲載されてい ...
今回は、景品表示法を勉強しようということで、規制の仕組み(全体像)について見てみたいと思います。 景品表示法は、正式には「不当景品類及び不当表示防止法」(昭和37年法律第134号)といい、その名のとおり過大な景品提供や不当表示を規制するものです。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 独占禁止法との関係 景品表示法が規制する分野は、元々、独占禁止法の「不公正な取引方法」のうち不当な顧客誘引として規制されています。 景表法は、独禁法のその部分の補助立法であるといわれてい ...
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、不当な取引制限(カルテル、入札談合等)の禁止について見てみたいと思います。 併せて、事業者団体の活動規制についても概観しています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 不当な取引制限の禁止 基本的な条文は、不当な取引制限の禁止を定める法3条と、その定義を定める法2条6項になります。 ▽法3条 第三条 事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。 ▽法2条6項 ⑥ この法律において「不当な取引制限」とは ...
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、私的独占の禁止について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 私的独占の禁止 基本的な条文は、私的独占の禁止を定める法3条と、その定義を定める法2条5項になります。 ▽法3条 第三条 事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。 ▽法2条5項 ⑤ この法律において「私的独占」とは、事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもつてするかを問わず、他 ...
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、不公正な取引方法のうち差別的取扱いについて見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 差別的取扱いのグループ 差別的取扱いには、法定類型と告示類型の両方があり、 共同の取引拒絶 その他の取引拒絶(単独の取引拒絶) 差別対価 (対価以外の)差別的取扱い 事業者団体による差別的取扱い等 といった類型があります。 全体像を先に見ておくと、以下のとおりです。 「差別的取扱い」のグループ(6号イ参照) 行為類型細分類 ...
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、不公正な取引方法の禁止の全体像について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 不公正な取引方法の禁止 不公正な取引方法というのは、競争を実質的に制限するとまではいえないが、何らかの形で競争を妨げる行為のことです。競争を阻害するおそれがない場合には、通常の取引行為として適法に行うことができるものを含んでいます。 ただ、競争の実質的制限と公正競争阻害性は、実際にはそのボーダーラインが明確ではなく個別的な判断 ...
今回は、法律事務所からインハウス転職する場合、企業の側で「働かないおじさん」を見つけると、ちょっとびっくりするかもしれない、という話を書いてみたいと思います。 そういう衝撃の(?)出会いがあるかもしれないことと、働かないおじさんたちの言い分というか弁解というか、そのロジックについて考えてみたいと思います。 インハウス転職後、もしも「何だこの人は…」と思う中間管理層に出会ったときに、あなただけじゃないんだよ…と思ってもらえれば幸いです(もちろん、そもそも遭遇しないに越したことはないです)。 法律事務所との違 ...