とある法律職
法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。運営情報はこちら
芸能人で俳優の方の件が話題になっていますが、以前は女性アイドルの方の事件も話題になったりして、ひき逃げの事件はたまにニュースになっている印象があります。 「ひき逃げ」という呼び方はよく聞きますし、ニュースでもそのように報道されますが、これは法律的には何なのか?ということを書いてみたいと思います。 なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 道交法上の救護義務違反 結論からいうと、「ひき逃げ」というのは社会的な通称で法律上の名称ではなく、法律上は、道路交通法上の救護義務違反・報告義務違反と ...
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、企業結合規制について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 企業結合規制 企業結合規制は、競争を制限することとなるような企業の組織変更を規制するものです。 会社の株式取得、合併、分割、共同株式移転、事業の譲受けなどによって競争が実質的に制限されることとなる場合に、こうした企業結合が禁止されます。 なお、独禁法全体の位置づけから見ると、企業結合は、私的独占に対する規制の補完的・予防的規定といわれます。 と ...
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、不公正な取引方法のうち地位の不当利用(=優越的地位の濫用)について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 地位の不当利用のグループ 地位の不当利用(=優越的地位の濫用)には、法定類型と告示類型の両方があります。 法定類型には、①取引に関係ない商品・役務の購入(購入要請)、②金銭役務・経済上の利益提供(利益提供要請)、③取引条件の不利益変更の3つがあります(法2条9項5号)。 告示類型は、④取引の相手方に ...
今回は、下請法ということで、下請法の違反行為に対する措置等について見てみたいと思います。 違反行為がないかどうかの調査→違反行為に対する措置→違反行為や調査忌避に対する罰則、の順に見ていきます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 調査(報告徴収、立入検査) 調査の方法 調査の方法としては、報告徴収と立入検査が下請法に規定されていますが(法9条)、実際は、任意の書類提出や任意の実地調査があります。 任意の調査 任意の書類提出は、実務上最も多く行われているもので、事業 ...
今回は、下請法ということで、親事業者の義務のうち取引記録書類(5条書類)の作成・保存義務について見てみたいと思います。 下請法の適用対象になったとき、親事業者には以下のような4つの義務が課せられます。 【親事業者の4つの義務】① 発注書面の交付義務 (第3条) ② 取引記録書類の作成・保存義務 (第5条)←本記事③ 支払期日を定める義務 (第2条の2) ④ 遅延利息の支払義務 (第4条の2) その中で、本記事は黄色ハイライトを引いた箇所の話です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人 ...
今回は、下請法ということで、親事業者の禁止行為のうち4条2項のグループについてざっと見てみたいと思います。 下請法の適用対象になったとき、親事業者には以下のような11の禁止事項が課せられます。 【親事業者の11の禁止事項】(4条1項のグループ)①受領拒否の禁止②下請代金の支払遅延の禁止③下請代金の減額の禁止④返品の禁止⑤買いたたきの禁止⑥購入・利用強制の禁止⑦報復措置の禁止(4条2項のグループ)←本記事⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止⑨割引困難な手形の交付の禁止⑩不当な経済上の利益の提供要請の禁止 ...
今回は、下請法ということで、親事業者の義務のうち発注書面(3条書面)の交付義務について見てみたいと思います。 下請法の適用対象になったとき、親事業者には以下のような4つの義務が課せられます。 【親事業者の4つの義務】① 発注書面の交付義務 (第3条) ←本記事② 取引記録書類の作成・保存義務 (第5条)③ 支払期日を定める義務 (第2条の2) ④ 遅延利息の支払義務 (第4条の2) その中で、本記事は黄色ハイライトを引いた箇所の話です。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるもの ...
今回は、下請法ということで、適用要件のうち取引の内容に関するものについて見てみたいと思います。 下請法の適用対象となる取引の内容には、 ① 製造委託② 修理委託③ 情報成果物作成委託 ←本記事④ 役務提供委託 ←本記事 の4つがありますが、本記事では③と④を取り上げています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 情報成果物作成委託(法2条3項) 情報成果物作成委託とは、ソフトウェア、映像コンテンツ、各種デザインなど、情報成果物の提供や作成を行う事業者が、他の事業者に ...
今回は、下請法ということで、適用要件のうち取引の内容に関するものについて見てみたいと思います。 下請法の適用対象となる取引の内容には、 ① 製造委託 ←本記事② 修理委託 ←本記事③ 情報成果物作成委託④ 役務提供委託 の4つがありますが、本記事では①と②を取り上げます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 製造委託(法2条1項) 製造委託とは、物品を販売し、または製造を請け負っている事業者が、規格、品質、形状、デザイン、ブランドなどを指定し ...
今回は、下請法ということで、適用要件のうち取引の主体に関するもの、すなわち資本金区分について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 資本金区分(取引の主体に関する要件) 下請法では、資本金の大小を”優越的地位”の判断基準としていて、資本金の額が、親事業者と下請事業者を画する基準となっています。 ざっくり結論をいうと、画する基準には、 3億円基準(3億円の前後で分ける) 5000万円基準(5000万円の前後で分ける) 1000万円基準(1000万円 ...
今回は、下請法を勉強しようということで、まず規制の仕組み(全体像)を見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 規制の仕組み(全体像) 下請法の規制の仕組み自体は、非常にシンプルです。 下請法の適用要件を満たす場合は、親事業者に4項目の義務と11項目の禁止が課せられる、というふうになっています。 下請法の概要|公正取引委員会HP 下請法の規制の仕組み 〇下請法の適用要件 ↓ 適用あり〇親事業者 ┗ 4つの義務 ┗ 11の禁止行為 下請法の適用要 ...
今回は、独占禁止法を勉強しようということで、不公正な取引方法のうち不当拘束について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 不当拘束のグループ 不当拘束には、法定類型と告示類型の両方があります。 大きく分けると、①再販売価格維持行為(法2条9項4号イ・ロ)、②排他条件付取引(一般指定11項)、③拘束条件付取引(一般指定12項)の3つになります。 売り手が「買い手の再販売価格」を拘束するのが、①再販売価格維持行為です。 売り手or買い手またはその双方 ...