とある法律職

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。イソ弁、複数社でのインハウスローヤー(企業内弁護士)、独立開業など経験。

法改正 非正規雇用等

同一労働同一賃金②|パート・有期労働者の場合(均等待遇・均衡待遇)

今回は、同一労働同一賃金ということで、パート・有期労働者の場合の「同一労働同一賃金」の内容について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 改正前後の法令比較 いわゆる働き方改革関連法(「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」平成30年法律第71号)で同一労働同一賃金が整備されたわけですが、パート・有期労働者の同一労働同一賃金について改正前後の法令を比較すると、以下のようになっています。 非正規雇用の類型同一労働同一賃金改正前改正後 ...

新判例 非正規雇用等

非正規訴訟|ハマキョウレックス事件・長澤運輸事件最高裁判決

今回は、非正規訴訟ということで、ハマキョウレックス事件と長澤運輸事件の最高裁判決について見てみたいと思います。 最近、非正規訴訟について一連の最高裁判決が出てニュースでも取り上げられていますが、この2件の最高裁判決がいわゆる先例になっています。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 改正前の労働契約法20条 判決を見る前に、いったい何の話をした判決だったのか?ということについて、少しだけ前置きをしたいと思います。 この2件の最高裁判決は、同一労働同一賃金に関する法改正 ...

法改正 非正規雇用等

同一労働同一賃金④|待遇に関する説明義務の強化

今回は、同一労働同一賃金ということで、「公正な待遇の確保」の3本柱のうち2つ目、待遇に関する説明義務の強化について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 改正前後の法令比較 「労働者に対する待遇に関する説明義務の強化」は、いわゆる働き方改革関連法(「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」平成30年法律第71号)の「公正な待遇の確保」の3本柱のうちの、2つ目になります。 働き方改革関連法 働き方改革の総合的かつ継続的な推進 長時間労 ...

法改正 非正規雇用等

同一労働同一賃金①|働き方改革関連法と均等待遇・均衡待遇

今回は、同一労働同一賃金ということで、均等待遇・均衡待遇の基本的な考え方について見てみたいと思います。 改正法である働き方改革関連法と併せて見てみます。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 働き方改革関連法について 同一労働同一賃金は、働き方改革関連法の項目の中のひとつになります。 なお、法改正で突然出てきたように見えますが、同一労働同一賃金(=Equal pay for equal work)という概念自体は労働法の基本理念として以前からあります 働き方改革関連法 ...

法務転職

【弁護士の転職】転職のタイミングについて|退職するかどうかを相談するか?

今回は、転職のタイミングについて書いてみたいと思います。なお、タイトルは弁護士の転職としていますが(管理人個人の経験談という意味で)、弁護士とか特に関係ない話です。 ややバイアス(管理人の主観)の強い記事かな…?とも思うので、もし気になる方はブラウザバックしていただければと。 前向きの力と後ろ向きの力 退職は、人によって、次にやりたいことができたときとか、だいたい今のことを回したなと思うときとか、いまひとつ向いてない気がするなと思ったときとか、いろいろタイミングはあると思います。 それで、もちろん、好きな ...

非正規雇用等

間接雇用等の類型|労働者派遣と労働者派遣法

今回は、間接雇用等の類型ということで、労働者派遣とこれを規制する労働者派遣法について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 労働者派遣と労働者派遣法 労働市場においては求人側と求職側が何らかの形で結び付くわけですが(自力で結びつくor他者を介して結びつく)、そこに他者が介在する場合、あっせんの過程などに何の規制もなく介入できるとすると中間搾取等が行われるおそれがあります。 そこで、職業安定法や労働者派遣法等により、職業紹介事業、労働者供給や労働者 ...

独占禁止法

独占禁止法を勉強しよう|不公正な取引方法-不当対価

今回は、独占禁止法を勉強しようということで、不公正な取引方法のうち不当対価について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 不当対価のグループ 不当対価には、法定類型と告示類型の両方があります。 大きく分けて、不当廉売(=不当に安く売る)と不当価格購入(=不当に高く買う)があります。全体像は以下のようになります。 「不当対価」のグループ(6号ロ参照) 行為類型細分類法定類型(法2条9項)告示類型(一般指定)公正競争阻害性不当廉売継続して、供給に要す ...

独占禁止法

独占禁止法を勉強しよう|不公正な取引方法-不当な顧客誘引・取引強制

今回は、独占禁止法を勉強しようということで、不公正な取引方法のうち不当な顧客誘引・取引強制について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 不当な顧客誘引・取引強制のグループ 不当な顧客誘引・取引強制は、告示類型のみとなっています。 不当に競争者の顧客を自己と取引するように「誘引」することが、不当な顧客誘引であり、欺瞞的顧客誘引と不当利益顧客誘引があります(一般指定8項・9項)。 不当に競争者の顧客を自己と取引するように「強制」することが、取引強制 ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|学習ロードマップ

今回は、景品表示法を勉強しようということで、景品表示法の学習の流れについて見てみたいと思います(管理人の私見です)。 本記事では、当ブログ内の景品表示法についての勉強記事を一覧でまとめています。 学習の流れ 景品表示法の学習の流れは、以下のような感じになるかと思います。 ***** まず、規制の仕組み(全体像)をざっと見る。 そうすると、表示規制と、景品規制、それらの違反に対する措置、に分かれる。 表示規制は、「表示」の定義などをざっと見たあと、①優良誤認表示、②有利誤認表示、③その他の不当表示、の3つに ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|表示規制-その他の不当表示

今回は、景品表示法を勉強しようということで、表示規制のうちその他の不当表示について見てみたいと思います。 なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 その他の不当表示(法5条3項) 不当表示のうち、その他の不当表示の禁止は、景表法5条3号に定められています。 ▽法5条3号(※【 】は管理人注) (不当な表示の禁止)第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。三 前二号に掲げるもの【=1号:優良誤認、2号:有利誤認】のほか、 ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|表示規制-有利誤認表示

今回は、景品表示法を勉強しようということで、表示規制のうち有利誤認表示について見てみたいと思います。 ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 有利誤認表示とは 有利誤認表示とは、不当表示のひとつで、要するに、価格その他の取引条件について有利性を偽る表示のことです。 消費者庁HPに、有利誤認についての簡潔な解説が載っています。 ▷参考リンク:有利誤認|消費者庁HP 有利誤認表示の禁止(景表法5条2号) 有利誤認表示の禁止は、景表法5条2号に定められています。 ▽景表法5条 ...

景品表示法

景品表示法を勉強しよう|表示規制-優良誤認表示

今回は、景品表示法を勉強しようということで、表示規制のうち優良誤認表示について見てみたいと思います。 消費者庁のHPにも、優良誤認全体についてのわかりやすい解説ページがあります。 参考リンク 優良誤認とは|消費者庁HP ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。 優良誤認表示(法5条1号) 不当表示のうち優良誤認表示の禁止は、法5条1号に定められています。 ▽法5条1号 (不当な表示の禁止)第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当 ...