金商法(業規制)

金商法解説|「金融商品取引行為」の概念と18の具体的な類型~4つの「業」区分との関係など

2025年8月19日

今回は、金融商品取引法ということで、金融商品取引行為の概念について見てみたいと思います。

金融市場や投資ビジネスに関わっていると、「金融商品取引業」や「金融商品取引業者」といった用語をよく目にしますが、これらの用語の基本部分を形作っているのが、金商法の「金融商品取引行為」という概念です。

本記事は、金商法において、金融商品取引行為がどのように定義され、どのような類型に分類されているのかについて、わかりやすく解説します。

ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。

本記事の条文(金商法)は、令和8年8月12日施行版を基準にしています

メモ

 このカテゴリーでは、インハウスとしての法務経験からピックアップした、管理人の独学や経験の記録を綴っています。
 ネット上の読み物としてざっくばらんに書いており、感覚的な理解を掴むことを目指していますが、書籍などを理解する際の一助になれば幸いです。

「金融商品取引行為」とは何か

金商法における「金融商品取引行為」とは、金商法2条8項各号に掲げられている18の行為を指します。

かつての証券取引法時代は、証券会社が扱う「証券業」を中心に、金融先物取引法、投資顧問業法、信託業法などの個別法で縦割りで規制されていましたが、金商法への移行に伴い、資本市場の公正化と投資者保護を目的として、多様な金融商品や取引を横断的かつ包括的に捉える仕組みへと再編されました。

単にこれらの行為を行うだけでなく、それを「業として」(反復継続かつ対公衆性をもって)行う場合に、法律上の「金融商品取引業」に該当し、内閣総理大臣への登録などの参入規制や各種の行為規制を受けることになります。

「金融商品取引行為」の18の具体的な類型

金商法2条8項で規定されている行為は、機能の面から、

  • 販売・勧誘系(商品の流通・売買)
  • 投資助言・代理系(アドバイスや契約の代理)
  • 資産運用系(他人の財産の運用・判断の一任)
  • 資産管理系(顧客の資金・証券の受託)

の4つに大別することができます。

▽金商法2条8項

8 この法律において「金融商品取引業」とは、次に掲げる行為(その内容等を勘案し、投資者の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定めるもの及び銀行、優先出資法第二条第一項に規定する協同組織金融機関(以下「協同組織金融機関」という。)その他政令で定める金融機関が行う第十二号、第十四号、第十五号又は第二十八条第八項各号に掲げるものを除く。)のいずれかを業として行うことをいう。
一~十八 (略)

01|販売・勧誘・取引媒介に関する行為

販売・勧誘の領域には、主に以下の行為が含まれます。

有価証券の売買やデリバティブ取引(1号)

自己の計算において、有価証券の売買や市場デリバティブ取引を行う行為です。

▽金商法2条8項1号

一 有価証券の売買(デリバティブ取引に該当するものを除く。以下同じ。)、市場デリバティブ取引(金融商品(第二十四項第三号の三に掲げるものに限る。)又は金融指標(当該金融商品の価格及びこれに基づいて算出した数値に限る。)に係る市場デリバティブ取引(以下「商品関連市場デリバティブ取引」という。)を除く。)又は外国市場デリバティブ取引(有価証券の売買にあつては、第十号に掲げるものを除く。)

売買等の媒介・取次ぎ・代理(2号)

他人間での売買等の成立に尽力する「媒介」、自己の名・他人の計算で取引を引き受ける「取次ぎ」、他人の名・他人の計算で取引を引き受ける「代理」が含まれます。

二 有価証券の売買、市場デリバティブ取引又は外国市場デリバティブ取引の媒介、取次ぎ(有価証券等清算取次ぎを除く。)又は代理(有価証券の売買の媒介、取次ぎ又は代理にあつては、第十号に掲げるものを除く。)

取引所市場等における委託の媒介・取次ぎ・代理(3号)

取引所金融商品市場や外国金融商品市場における売買等の委託を媒介・取次ぎ・代理する行為です。

三 次に掲げる取引の委託の媒介、取次ぎ又は代理
イ 取引所金融商品市場における有価証券の売買又は市場デリバティブ取引
ロ 外国金融商品市場(取引所金融商品市場に類似する市場で外国に所在するものをいう。以下同じ。)における有価証券の売買又は外国市場デリバティブ取引

店頭デリバティブ取引等(4号)

取引所を通さず相対で行う店頭デリバティブ取引や、その媒介・取次ぎ・代理を行う行為です。

四 店頭デリバティブ取引又はその媒介、取次ぎ(有価証券等清算取次ぎを除く。)若しくは代理(以下「店頭デリバティブ取引等」という。)

有価証券等清算取次ぎ(5号)

金融商品取引清算機関への債務負担を伴う取引の委託を受ける行為です。

五 有価証券等清算取次ぎ

有価証券の引受け(6号)

募集や売出しに際し、取得させる目的で有価証券の全部または一部を取得(買取引受け)したり、売れ残り分を取得する契約(残額引受け)を交わす行為です。

六 有価証券の引受け(有価証券の募集若しくは売出し又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等に際し、第六項各号に掲げるもののいずれかを行うことをいう。)

一定の有価証券の募集・私募(自己募集)(7号)

投資信託の受益証券や、組合等のファンド持分(集団投資スキーム持分)について、発行者自らが新規発行証券の取得勧誘を行う行為です。

七 有価証券(次に掲げるものに限る。)の募集又は私募
イ 第一項第十号に規定する投資信託の受益証券のうち、投資信託及び投資法人に関する法律第二条第一項に規定する委託者指図型投資信託の受益権に係るもの
ロ 第一項第十号に規定する外国投資信託の受益証券
ハ 第一項第十六号に掲げる有価証券
ニ 第一項第十七号に掲げる有価証券のうち、同項第十六号に掲げる有価証券の性質を有するもの
ホ イ若しくはロに掲げる有価証券に表示されるべき権利又はハ若しくはニに掲げる有価証券のうち内閣府令で定めるものに表示されるべき権利であつて、第二項の規定により有価証券とみなされるもの
ヘ 第二項の規定により有価証券とみなされる同項第五号又は第六号に掲げる権利
ト イからヘまでに掲げるもののほか、政令で定める有価証券

有価証券の売出し・特定投資家向け売付け勧誘等(8号)

既に発行された有価証券の売付けの申込みや、その買付けの申込みの勧誘を行う行為です。

八 有価証券の売出し又は特定投資家向け売付け勧誘等

募集・売出しの取扱い、私募等の取扱い(9号)

発行者や所有者などの他人のために、有価証券の募集・売出しや私募の勧誘手続を代行する行為です。

九 有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募若しくは特定投資家向け売付け勧誘等の取扱い

PTS(私設取引システム)業務(10号)

電子情報処理組織を使用し、競買売の方法や市場価格等を用いて同時に多数の者間で売買価格を決定・成立させる業務です。

十 有価証券の売買又はその媒介、取次ぎ若しくは代理であつて、電子情報処理組織を使用して、同時に多数の者を一方の当事者又は各当事者として次に掲げる売買価格の決定方法又はこれに類似する方法により行うもの(取り扱う有価証券の種類等に照らして取引所金融商品市場又は店頭売買有価証券市場(第六十七条第二項に規定する店頭売買有価証券市場をいう。)以外において行うことが投資者保護のため適当でないと認められるものとして政令で定めるものを除く。)
イ 競売買の方法(有価証券の売買高が政令で定める基準を満たす場合に限る。)
ロ 金融商品取引所に上場されている有価証券について、当該金融商品取引所が開設する取引所金融商品市場における当該有価証券の売買価格を用いる方法
ハ 第六十七条の十一第一項の規定により登録を受けた有価証券(以下「店頭売買有価証券」という。)について、当該登録を行う認可金融商品取引業協会が公表する当該有価証券の売買価格を用いる方法
ニ 顧客の間の交渉に基づく価格を用いる方法
ホ イからニまでに掲げるもののほか、内閣府令で定める方法

02|投資助言・代理に関する行為

投資助言の領域には、以下の行為が当てはまります。

投資助言行為(11号)

投資顧問契約に基づき、有価証券の価値等や金融商品の分析に基づく投資判断について、報酬を得て助言を行う行為です。

十一 当事者の一方が相手方に対して次に掲げるものに関し、口頭、文書(新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもので、不特定多数の者により随時に購入可能なものを除く。)その他の方法により助言を行うことを約し、相手方がそれに対し報酬を支払うことを約する契約(以下「投資顧問契約」という。)を締結し、当該投資顧問契約に基づき、助言を行うこと。
イ 有価証券の価値等(有価証券の価値、有価証券関連オプション(金融商品市場において金融商品市場を開設する者の定める基準及び方法に従い行う第二十八条第八項第三号ハに掲げる取引に係る権利、外国金融商品市場において行う取引であつて同号ハに掲げる取引と類似の取引に係る権利又は金融商品市場及び外国金融商品市場によらないで行う同項第四号ハ若しくはニに掲げる取引に係る権利をいう。)の対価の額又は有価証券指標(有価証券の価格若しくは利率その他これに準ずるものとして内閣府令で定めるもの又はこれらに基づいて算出した数値をいう。)の動向をいう。)
ロ 金融商品の価値等(金融商品(第二十四項第三号の三に掲げるものにあつては、金融商品取引所に上場されているものに限る。)の価値、オプションの対価の額又は金融指標(同号に掲げる金融商品に係るものにあつては、金融商品取引所に上場されているものに限る。)の動向をいう。以下同じ。)の分析に基づく投資判断(投資の対象となる有価証券の種類、銘柄、数及び価格並びに売買の別、方法及び時期についての判断又は行うべきデリバティブ取引の内容及び時期についての判断をいう。以下同じ。)

投資顧問契約・投資一任契約の締結の代理・媒介(13号)

他人のために投資顧問契約や投資一任契約の締結を代理または媒介する行為です。

十三 投資顧問契約又は投資一任契約の締結の代理又は媒介

03|資産運用に関する行為

資産運用の領域には、以下の行為が当てはまります。

投資法人資産運用・投資一任運用行為(12号)

登録投資法人との委託契約や、投資一任契約に基づき、投資判断の一任を受けて有価証券やデリバティブ取引への投資運用を行う行為です。

十二 次に掲げる契約を締結し、当該契約に基づき、金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に基づいて有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に対する投資として、金銭その他の財産の運用(その指図を含む。以下同じ。)を行うこと。
イ 投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十三項に規定する登録投資法人と締結する同法第百八十八条第一項第四号に規定する資産の運用に係る委託契約
ロ イに掲げるもののほか、当事者の一方が、相手方から、金融商品の価値等の分析に基づく投資判断の全部又は一部を一任されるとともに、当該投資判断に基づき当該相手方のため投資を行うのに必要な権限を委任されることを内容とする契約(以下「投資一任契約」という。)

投資信託運用行為(14号)

投資信託委託会社として、投資信託財産の運用(指図)を行う行為です。

十四 金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に基づいて有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に対する投資として、第一項第十号に掲げる有価証券に表示される権利その他の政令で定める権利を有する者から拠出を受けた金銭その他の財産の運用を行うこと(第十二号に掲げる行為に該当するものを除く。)。

ファンド自己運用行為(15号)

組合契約や匿名組合契約等に基づき出資を受けた財産を、主として有価証券やデリバティブ取引により運用する行為です。

十五 金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に基づいて主として有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に対する投資として、次に掲げる権利その他政令で定める権利を有する者から出資又は拠出を受けた金銭その他の財産の運用を行うこと(第十二号及び前号に掲げる行為に該当するものを除く。)。
イ 第一項第十四号に掲げる有価証券又は同項第十七号に掲げる有価証券(同項第十四号に掲げる有価証券の性質を有するものに限る。)に表示される権利
ロ 第二項第一号又は第二号に掲げる権利
ハ 第二項第五号又は第六号に掲げる権利

03|資産管理に関する行為

資産管理に関する領域には、以下の行為が含まれます。

金銭・証券の預託受入れ(16号)

有価証券の売買やデリバティブ取引に関連して、顧客から金銭や証券の預託を受ける行為(有価証券等管理業務)です。

十六 その行う第一号から第十号までに掲げる行為に関して、顧客から金銭、第一項各号に掲げる証券若しくは証書又は電子記録移転権利の預託を受けること(商品関連市場デリバティブ取引についての第二号、第三号又は第五号に掲げる行為を行う場合にあつては、これらの行為に関して、顧客から商品(第二十四項第三号の三に掲げるものをいう。以下この号において同じ。)又は寄託された商品に関して発行された証券若しくは証書の預託を受けることを含む。)。

社債等の振替業務(17号)

社債等振替法に基づき、口座の開設を受けて社債や株式等の振替を行う行為です。

十七 社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する社債等の振替を行うために口座の開設を受けて社債等の振替を行うこと。

政令指定行為(18号)

投資信託受益証券等の自己募集を行った者による、転売を目的としない買取りなど、政令で定める類似行為です。

十八 前各号に掲げる行為に類するものとして政令で定める行為

「金融商品取引業」の4つの区分との関係

これら18の金融商品取引行為は、主に2つのフィルター(振分け基準)を通して、4つの「業」(第一種、第二種、投資助言・代理業、投資運用業)の区分に整理されています(金商法28条)。

18の行為と4つの「業」

【フィルターⅠ:行為の基本機能】
「顧客に対してどんな役割(機能)を果たすか?」
├─ ① 販売・仲介・市場取引をする ──► 販売・仲介系(第一種 or 第二種へ)
├─ ② 助言や契約の仲介のみを行う ──► 投資助言・代理業
├─ ③ 権限を預かって自ら運用する ──► 投資運用業
└─ ④ 顧客の資金や証券を預かって管理する ──► 第一種(有価証券等管理業務)

【フィルターⅡ:リスクの程度・流動性・取引形態(販売・仲介系のふるい分け)】
「商品をどう扱うか? リスクや影響度はどれくらいか?」
├─ 高流動性・ハイリスク・インフラ・預託あり ─► 第一種金融商品取引業(重い規制)
└─ 低流動性・自己募集(ファンド等の直販) ─► 第二種金融商品取引業(比較的軽い参入壁)

フィルターⅠ:行為の機能(何をするか)による大分類

まず、18の行為は、その機能によって大きく4つに分けられます。

助言・代理(アドバイスや契約の代行)

投資の判断基準を助言するだけで最終決定は顧客自身が行う行為(11号)、または、投資顧問・一任契約の代理・媒介(13号)です。

行き先 ──►「投資助言・代理業」(直接財産を動かしたり預かったりしないため、営業保証金の供託など比較的軽い参入規制)

運用(他人の財産の運用・判断の一任)

顧客から投資判断を一任されたり、投資信託やファンドの資金を集めて運用指図をする行為(12号、14号、15号)です。

行き先 ──►「投資運用業」(他人の財産を直接動かすため、高い忠実義務や分別管理体制が必要)

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管理(顧客の資金・証券の受託)

取引に伴い顧客から金銭や証券を預かったり、振替口座を管理する行為(16号、17号)です。

行き先 ──►「第一種金融商品取引業(有価証券等管理業務)」(資産を預かるため、財務健全性の保持や厳格な分別管理が必要)

販売・勧誘・取引媒介(商品の流通・売買)

上記以外の、有価証券の売買、媒介、引受け、募集・売出しの取扱い、PTS運営など(1号〜10号、18号)です。

行き先 ──►「第一種」または「第二種」(ここをフィルターⅡでさらに振るい分けます)

フィルターⅡ:「第一種」と「第二種」を分ける3つの判定基準

販売・勧誘系に分類された行為は、以下の3つの基準で、「第一種」と「第二種」に分かれます。

① 対象商品の流動性(第1項有価証券か、第2項有価証券か)

第1項有価証券(株式、社債、国債、CP等)は、流通性が高く、不特定多数の投資家に広く転々流通するため、売買や媒介・募集取扱いを行う事業者は、「第一種」となります。

第2項有価証券(ファンド持分、信託受益権等)は、流動性が低く、相対取引が中心となるため、その売買や媒介・募集取扱いを行う事業者は、「第二種」となります。

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② 取引のリスク・専門性の高さ(一律で第一種となる行為)

取扱商品の流動性にかかわらず、業務自体が高度なリスクを伴う・または市場インフラとして機能するものは、一律で「第一種」となります。

  • 店頭デリバティブ取引(4号):相対取引であり、構造が複雑かつハイリスクなため。
  • 有価証券の引受け(6号):売れ残りリスク(買取・残額引受リスク)を自ら負うため。
  • PTS(私設取引システム)の運営(10号):電子的に多数の注文を合致させる、取引所に準ずるインフラ業務であるため。

③ 発行者みずからの行為か(自己募集の扱い)

ファンド等の自己募集(7号)は、ファンドの設立者(営業者等)自らが投資家を勧誘する行為です。

他人の商品を仲介する事業者(第一種)ほどの重い資本金規制(5,000万円〜)を課すとファンド組成が困難になる一方、無規制にすると悪質な勧誘が発生するため、「第二種」として参入のハードルを下げつつ、登録制の枠組みに組み込んでいます。

まとめ(対応関係の一覧表)

このように、金商法は、対象となる商品の流動性やリスクの程度・業務の性質に応じて、18の行為を

  • 第一種:流動性が高く影響が大きい商品、ハイリスク取引、顧客資産の管理
  • 第二種:流動性が低い商品、ファンドの自己募集(直販)
  • 投資助言・代理業:判断のアドバイス・契約仲介のみ
  • 投資運用業:他人の財産の一任運用・ファンドの自己運用

という4つの「業」(金商法28条)に振り分けています。

各号の順にこの対応関係をまとめると、以下の表のようになります。

2条8項の号行為の内容該当する「業」の区分(28条)分類の理屈・判定ロジック
1号〜3号有価証券の売買・市場デリバティブ、その媒介・取次ぎ・代理第一種(第1項有価証券)or 第二種(第2項有価証券・市場デリバ)商品の流動性による区分(伝統的証券=第一種/みなし証券=第二種)
4号店頭デリバティブ取引・媒介等第一種相対取引で非常にハイリスク・専門性が高いため一律に第一種
5号有価証券等清算取次ぎ第一種 or 第二種対象とする取引・商品の区分に依存
6号有価証券の引受け第一種発行体から買い取るなど、自らのバランスシートでリスクを負うため
7号投信受益証券・ファンド持分等の自己募集第二種発行者自らの直販。仲介業者ほどの重い財産要件は課さず第二種へ
8号・9号有価証券の売出し、募集・売出し・私募の取扱い第一種(第1項有価証券)or 第二種(第2項有価証券)他人の商品の販売代行。対象商品の流動性(1項か2項か)で区分
10号PTS(私設取引システム)業務第一種取引所に類似したシステムインフラであり、高度な体制整備が必要
11号投資助言投資助言・代理業助言のみ。最終判断や注文実行は顧客自身が行うため
12号投資法人資産運用・投資一任運用投資運用業顧客から一任されて投資判断・運用を行うため
13号投資顧問契約・投資一任契約の代理・媒介投資助言・代理業助言・一任契約の締結を媒介・代理する行為
14号投資信託運用(投信委託業務)投資運用業投信財産の運用指図を行う(他人の財産運用)
15号ファンドの自己運用投資運用業出資を受けたファンド財産を自ら運用するため
16号・17号金銭・証券の預託受入れ、社債等の振替第一種(有価証券等管理業務)顧客の金銭・有価証券を預かり・管理するため厳格な第一種
18号政令指定行為(投信の自己買取り等)第一種 or 第二種指定された個別行為の性質に応じた区分

「業として」行うための要件

ある行為が金融商品取引行為に該当したとしても、それが「業として」行われない限り、金商法上の金融商品取引業には該当しません。

「業として」の判断においては、以下の要素がポイントとなります。

営利性は問われない

旧証取法では「営業」と規定され営利目的が必要とされていましたが、金商法では「業」と定義変更されたため、対価や報酬を得る目的(営利性)がなくても該当します。

対公衆性と反復継続性

不特定多数の者(公衆)と関わりを持ち、反復継続して行為を行うことが要件とされます。

自身の資産ポートフォリオ調整目的で個人や企業が頻繁に有価証券を売買する行為は、対公衆性がないため「業」から除外されます。

【ポイント】ポートフォリオ調整が「業」にならない理由

 金商法における「業として」の要件には、反復継続性だけでなく「対公衆性」が含まれると解されています。

 対公衆性とは、行う行為が自己の計算のみで完結せず、不特定多数の投資家や他者(公衆)と広く関わり合いを持つ性質を指します。

 個人や事業会社が自身の資産運用やポートフォリオ改善の目的で頻繁に有価証券を売買する場合、その行為は自己の計算において完結する投資活動です。他人との関係で仲介や取引の相手方となるような公衆との関わり(対公衆性)を持たないため、反復継続して売買を行っても、金融商品取引業の規制対象からは除外されます。

 一方、証券会社のディーリングのように、市場や顧客に向けて継続的に取引を提供する行為は、対公衆性を有し、「業」に該当します。

結び

金商法における「金融商品取引行為」は、多様化する金融取引を包括的にカバーし、投資者を保護するための制度の基盤となる概念です。

ビジネスやスキームを検討する際、該当する行為が2条8項の金融商品取引行為に該当し、かつ「業として」行われる場合には、あらかじめ適切な登録を受け、法定の勧誘ルールや書面交付義務等を遵守することが必要となります。

今回は、金融法における金融商品取引行為の概念について見てみました。

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[注記]
本記事を含む一連の勉強記事は、過去の自分に向けて、①自分の独学や経験の記録を見せる、②感覚的な理解を伝えることを優先する、③細かく正確な理解は書物に譲る、ということをコンセプトにした読みものです。ベテランの方が見てなるほどと思うようなことは書かれていないほか、業務上必要であるときなど、正確な内容については別途ご確認ください。また、法改正をはじめとした最新の情報を反映しているとは限りませんので、ご注意ください。

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編集:山下 友信, 編集:神田 秀樹

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