営業秘密管理 法律コラム

感覚でわかる営業秘密管理|秘密保持の勘所

感覚でわかるシリーズ。今回は、秘密保持の勘所について。

営業秘密管理は個人情報保護と並んで情報管理のジャンルになっていますが、細かい法律やら契約やら社内規程の話をいったん置いておいて、社会的なTipsというか、おばあちゃんの知恵袋的な、感覚的なことを書いてみたいと思います(雑談みたいな話です)。

固有名詞を出さない

まず最初の心得は、

固有名詞を出さない

です。

当たり前といえば当たり前ですが、何の話をするにしても、社外で、あるいは仕事と関係ないところで仕事の話をするときは、固有名詞を出さないのが鉄則です。

管理人の場合、修習生のころに「固有名詞を出すな」と誰かが言っていたのを何となく覚えているんですが、忘れてしまいました(自分が言われたわけでもない)。

固有名詞を出さなければ普通はなかなか特定できませんので、一切合切何も話せないということではなく、(もちろん内容によりますが)ある程度は人と共有することができます。

どこの業界でも、一般的な知見や経験などはそのようにして共有されていると思います。

また、キックオフしたあとしばらくの間はプロジェクト名で案件を呼んだりするのも、この一種といえるかと思います(インサイダー管理もある)。

個性のある内容は避ける

ただ、固有名詞を出さなければそれでいいのかというと、そうでもありません。

固有名詞を出さないとしても、問題のあるケースがあります。それは、内容に個性がある場合です。

内容に個性がある場合、固有名詞を出さなくても、かなりの確率で何の話かわかってしまうことがあります。

「あ、これはあの話だな」とか、「これはホニャララ社の話だな」とか、わかってしまうということです。

どこらへんに個性のボーダーラインがあるかはもちろんグラデーションで、明確な基準があるわけではないですが、要するに、名前が出ていなくても内容から特定が可能なケースがあるという話です。

内容の掛け合わせを避ける

また、内容に個性がなくても、内容が重なっていくうちにわかってくることもありますので、これも避けるべきだろうと思います。

ベン図がいくつも重なっていくうちに絞られてくるようなイメージですね。

特にSNSなどでは、見ているうちに「この人はどこどこの会社にいるんだな」とかわかってくるようなことがありますが、それ以降は、内部的な話があると「この会社はこういうことになってるのかー、大変だな」とか、内部事情を窺い知ることができてしまいます。

まあ、そんなに真剣に(つまり情報を収集するような目で)見ている人は普通いないでしょうし、クリティカルな内容を出していることを見ることはないので、深刻な弊害が出るケースはそんなにないとは思いますが。

ただ、他ならぬ法務の人がそうしている場合、あまり気にしないでワラワラと情報を出していると、何だかなという気はしますよね。

もしかすると、社内研修で営業秘密管理とか、SNS運用規則をつくりましたとかいって周知している立場の方かもしれないですし。また、いま現にそうでなくても、そういうことをすることになる可能性はありますしね。

結び

ということで、本記事では、余計な情報漏洩を起こさないための感覚的なコツみたいなことを書いてみました。

以上、感覚でわかるシリーズでした。

[注記]
感覚でわかるシリーズは専門的・学術的正確さを目指したわけではないので、正確な理解については他の文献等を参照されるか、身近な専門家にご相談ください。

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