景品表示法

景品表示法を勉強しよう|景品規制ー総付景品制限

今回は、景品表示法を勉強しようということで、景品規制のうち総付景品制限について書いてみたいと思う。

 

ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線は管理人によるものです。

 

メモ

 本カテゴリ「法務道場」では、インハウスとしての法務経験からピックアップした、管理人の独学や経験の記録を綴っています。

 ネット上の読み物としてざっくばらんに書いていますので、感覚的な理解を掴むことを目指しているのですが、書籍などを理解する際の一助になれれば幸いです。

 

 

総付制限告示・運用基準

総付景品制限についての具体的な内容は、以下のとおり、総付制限告示とその運用基準によって定められている。消費者庁HPに掲載されている。

 

➢「総付景品」の制限
① 総付制限告示(「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」)
② 総付制限運用基準(「『一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準」)

 

▽景品規制の概要|消費庁HP
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/premium_regulation/

 

 

「総付景品」とは

「総付景品」の定義は、懸賞制限告示に定められている。要するに、「懸賞」によらないで提供する景品類、とされている。なお、先着順も総付景品に該当する。

 

▽懸賞制限告示(1項)

1 一般消費者に対して懸賞(「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」(昭和五十二年公正取引委員会告示第三号)第一項に規定する懸賞をいう。)によらないで提供する景品類の価額は、景品類の提供に係る取引の価額の十分の二の金額(当該金額が二百円未満の場合にあつては、二百円)の範囲内であつて、正常な商慣習に照らして適当と認められる限度を超えてはならない。

 

 

総付景品の制限

上記と同じ総付制限告示1項で、最高額の限度が定められている。

 

▽懸賞制限告示(1項)

1 一般消費者に対して懸賞(「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」(昭和五十二年公正取引委員会告示第三号)第一項に規定する懸賞をいう。)によらないで提供する景品類の価額は、景品類の提供に係る取引の価額の十分の二の金額当該金額が二百円未満の場合にあつては、二百円)の範囲内であつて、正常な商慣習に照らして適当と認められる限度を超えてはならない。

 

これを表にすると、以下のとおり。なお、懸賞制限のように、景品類の総額による限度はない。

 

取引の価額 景品類の最高額
1,000円未満 200円
1,000円以上 取引価額の20%

 

身近な例でいうと、以前にペイペイのキャッシュバックキャンペーンがあったが、これがなぜ購入金額の20%キャッシュバックだったのかというと、総付景品に該当すると整理されていたからである。

 

考察記事のひとつを紹介したいと思う。あてはめの練習にどうぞ。(※なぜ値引き構成をとらなかったのかの考察も面白いです)

 

▽PayPayキャッシュバックの景表法上の整理その2|若手インハウスのひとりごと
https://wakateinhouse.hatenablog.com/entry/2019/01/10/021355

 

 

価額の算定方法

「取引の価額」の算定方法

では、「取引の価額」の算定方法と、「景品類の価額」の算定方法はどうするのか?

 

この点については、どちらも、懸賞制限の場合と同じである。一応、簡単に引用のみしておきたいと思う。まずは、「取引の価額」の算定方法から。

 

▽総付制限運用基準(1項(1)~(4))

1 告示第一項の「景品類の提供に係る取引の価額」について
(1) 購入者を対象とし、購入額に応じて景品類を提供する場合は、当該購入額を「取引の価額」とする。
(2) 購入者を対象とするが購入額の多少を問わないで景品類を提供する場合の「取引の価額」は、原則として、百円とする。ただし、当該景品類提供の対象商品又は役務の取引の価額のうちの最低のものが明らかに百円を下回つていると認められるときは、当該最低のものを「取引の価額」とすることとし、当該景品類提供の対象商品又は役務について通常行われる取引の価額のうちの最低のものが百円を超えると認められるときは、当該最低のものを「取引の価額」とすることができる。
(3) 購入を条件とせずに、店舗への入店者に対して景品類を提供する場合の「取引の価額」は、原則として、百円とする。ただし、当該店舗において通常行われる取引の価額のうち最低のものが百円を超えると認められるときは、当該最低のものを「取引の価額」とすることができる。この場合において、特定の種類の商品又は役務についてダイレクトメールを送り、それに応じて来店した顧客に対して景品類を提供する等の方法によるため、景品類提供に係る対象商品をその特定の種類の商品又は役務に限定していると認められるときはその商品又は役務の価額を「取引の価額」として取り扱う。
(4) 景品類の限度額の算定に係る「取引の価額」は、景品類の提供者が小売業者又はサービス業者である場合は対象商品又は役務の実際の取引価格を、製造業者又は卸売業者である場合は景品類提供の実施地域における対象商品又は役務の通常の取引価格を基準とする。

 

 

「景品類の価額」の算定方法

これについては、懸賞制限運用基準や総付制限運用基準とは別に、「景品類の価額の算定基準」という運用基準(通達)がある。

 

▽景品類の価額の算定基準(以下の1項~2項で全部)

1 景品類の価額の算定は、次による。
(1) 景品類と同じものが市販されている場合は、景品類の提供を受ける者が、それを通常購入するときの価格による。
(2) 景品類と同じものが市販されていない場合は、景品類を提供する者がそれを入手した価格、類似品の市価等を勘案して、景品類の提供を受ける者が、それを通常購入することとしたときの価格を算定し、その価格による。

2 海外旅行への招待又は優待を景品類として提供する場合の価額の算定も1によるが、具体的には次による。
(1) その旅行が、あらかじめ旅行地、日数、宿泊施設、観光サービス等を一定して旅行業者がパンフレット、チラシ等を用いて一般に販売しているもの(以下「セット旅行」という。)である場合又はその旅行がセット旅行ではないが、それと同一内容のセット旅行が他にある場合は、そのセット旅行の価格による。
(2) その旅行がセット旅行ではなく、かつ、その旅行と同一内容のセット旅行が他にない場合は、その旅行を提供する者がそれを入手した価格、類似内容のセット旅行の価格等を勘案して、景品類の提供を受ける者が、それを通常購入することとしたときの価格を算定し、その価格による。

 

 

同一の取引に付随して2つ以上の景品類提供が行われる場合の算定方法

この場合については、総付制限運用基準1項(5)に定められている。

 

1 告示第一項の「景品類の提供に係る取引の価額」について
(5) 同一の取引に附随して二以上の景品類提供が行われる場合については、次による。
ア 同一の事業者が行う場合は、別々の企画によるときであっても、これらを合算した額の景品類を提供したことになる。
イ 他の事業者と共同して行う場合は、別々の企画によるときであっても、共同した事業者が、それぞれ、これらを合算した額の景品類を提供したことになる。
ウ 他の事業者と共同しないで景品類を追加した場合は、追加した事業者が、これらを合算した額の景品類を提供したことになる。

 

 

適用除外

総付景品制限については、景品類に該当する場合であっても一定の場合には適用しない、とする適用除外が、懸賞制限告示2項で定められている。

 

▽懸賞制限告示(2項)

2 次に掲げる経済上の利益については、景品類に該当する場合であつても、前項の規定を適用しない。
一 商品の販売若しくは使用のため又は役務の提供のため必要な物品又はサービスであって、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの
二 見本その他宣伝用の物品又はサービスであつて、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの
三 自己の供給する商品又は役務の取引において用いられる割引券その他割引を約する証票であつて、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの
四 開店披露、創業記念等の行事に際して提供する物品又はサービスであつて、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの

 

 

商品の販売若しくは使用のため又は役務の提供のため必要な物品又はサービス

これについては、総付制限運用基準2項で具体的な内容が定められている。

 

2 告示第二項第一号の「商品の販売若しくは使用のため又は役務の提供のため必要な物品又はサービス」について
 当該物品又はサービスの特徴、その必要性の程度、当該物品又はサービスが通常別に対価を支払って購入されるものであるか否か、関連業種におけるその物品又はサービスの提供の実態等を勘案し、公正な競争秩序の観点から判断する(例えば、重量家具の配送、講習の教材、交通の不便な場所にある旅館の送迎サービス、ポータブルラジオの電池、劇場内で配布する筋書等を書いたパンフレット等で、適当な限度内のものは、原則として、告示第二項第一号に当たる。)。

 

見本その他宣伝用の物品又はサービス

具体的な内容は、総付制限運用基準3項で定められている。

 

3 告示第二項第二号の「見本その他宣伝用の物品又はサービス」について
(1) 見本等の内容、その提供の方法、その必要性の限度、関連業種における見本等の提供の実態等を勘案し、公正な競争秩序の観点から判断する。
(2) 自己の供給する商品又は役務について、その内容、特徴、風味、品質等を試食、試用等によって知らせ、購買を促すために提供する物品又はサービスで、適当な限度のものは、原則として、告示第二項第二号に当たる(例 食品や日用品の小型の見本・試供品、食品売場の試食品、化粧品売場におけるメイクアップサービス、スポーツスクールの一日無料体験。商品又は役務そのものを提供する場合には、最小取引単位のものであって、試食、試用等のためのものである旨が明確に表示されていなければならない。)。
(3) 事業者名を広告するために提供する物品又はサービスで、適当な限度のものは、原則として、告示第二項第二号に当たる(例 社名入りのカレンダーやメモ帳)。
(4) 他の事業者の依頼を受けてその事業者が供給する見本その他宣伝用の物品又はサービスを配布するものである場合も、原則として、告示第二項第二号に当たる。

 

自己の供給する商品又は役務の取引において用いられる割引券等

具体的な内容は、総付制限運用基準4項で定められている。

 

4 告示第二項第三号の「自己の供給する商品又は役務の取引において用いられる割引券その他割引を約する証票」について
(1) 「証票」の提供方法、割引の程度又は方法、関連業種における割引の実態等を勘案し、公正な競争秩序の観点から判断する。
(2) 「証票」には、金額を示して取引の対価の支払いに充当される金額証(特定の商品又は役務と引き換えることにしか用いることのできないものを除く。)並びに自己の供給する商品又は役務の取引及び他の事業者の供給する商品又は役務の取引において共通して用いられるものであって、同額の割引を約する証票を含む。

 

(2)の「自己の供給する商品又は役務の取引及び他の事業者の供給する商品又は役務の取引において共通して用いられるもの」というのは、要するに、自他共通割引券である。

 

開店披露、創業記念等の行事に際して提供する物品又はサービス

これについては、総付制限運用基準での別途の定めはない。

 

 

結び

景表法に関し、景品規制のうち総付景品制限については以上になります。

 

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[注記]
本記事を含む一連の勉強記事は、過去の自分に向けて、①自分の独学や経験の記録を見せる、②感覚的な理解を伝えることを優先する、③細かく正確な理解は書物に譲る、ということをコンセプトにした読みものです。初心者(=過去の自分)がなるだけ早く新しい環境に適応できるようにとの気持ちで書いております(ゆえに、ベテランの方が見てなるほどと思うようなことは書かれておりませんので、あしからずご了承ください)。また、法改正をはじめとした最新の情報を反映しているとは限りませんので、ご留意ください。

 

 

  • この記事を書いた人

とある法律職@転職×法務×弁護士

法律を手に職にしたいと思って弁護士になったが、法律って面白いと割と本気で思っている人。経歴:イソ弁、複数社(3社)でのインハウスローヤー、独立開業など。自分の転職経験、会社法務や法律相談、独立開業の話などをアウトプットしています。

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