トランプ氏の出現と,昔の過ちは似ているところがある,と指摘する人がいて,なるほどと思った。
記事か番組かでもトランプ氏を生んだのはオバマさんであると言っているのを見たことがあるが,その人は「ファシズムは大衆の絶望から生まれた」という指摘がある(P.F.ドラッカー『経済人の終わり』)といって,今の時代状況がこれと似ている,というのだ。
なるほど,オバマケアとか頑張ってみたものの,影で犠牲になっている層も多くいて,大衆の絶望が沸々と溜まっていた,ということであれば,なんとなくわかる気がする。そして次に出てくる人は,反知性とか色々言われながらも,どこかおかしいということは感じられながらも,人々の本音(黒めのもの)をズバリと言い当て,反動による猛烈な支持を得ていく,それを誰も止められない,という構図。
(※誤解のないようにいっておくと,その人はトランプ氏がファシズムに似ていると言っているのではなく,なんとなくおかしいと思っているのに誰も止められない,という流れや出現の時代背景が似ている,と言っているのである)
自分はそんなに教養もないのでざっとした見方しかできないが,人間貧すれば鈍するというか,余裕がなくなれば他人を省みる余裕もなくなり,自己保護に走るのだなあ,と思う。
①理想を追い求める→②失敗する→③反動で現実的(弱肉強食的)な世界に突入,という流れ。
現実的な路線に転換,という意味で優秀かつカリスマ性もあるのかもしれないが,①②がオバマ政権,③がトランプ時代,という気がしてならない。
一人の人間でも同じ流れが起こるし,国でも起こるし,世界でも起こる。アメリカも例外でないのだ,という感じ。
人間は動物の国と神の国の両方に属するという(byP.F.ドラッカー)。①は神の国,③は動物の国である。
最近マンガとかのファンタジーもそういうの多いですよね。面白いけど。得体の知れないものに人間が次々と喰われていく,そういう中で生き残りサバイバルするというもの(ゾンビ系もそれ自体独立したジャンルという感もあるが,同じ系列か)。
③の感じが強くなると,時代を反映してそういう創作物が増えるのかもしれないですね。エンターテイメントなんだけど,どこか共感できる,と感じてしまうという。