司法試験

新司的ノウハウ①|誘導

いつの間にか第5回新司法試験も近づいてきたということで、ひさびさに残りのノウハウを書いてみようかなと思います。

講座を購入してくださった人に申し訳ないし、詳細に書くモチベーションが合格直後と違ってもう無いので、ざっくりと書きます。

旧司ノウハウと違って目にすることは多いだろうし、もうわかってるよというものが多いかもしれません。

誘導

では第6回。今回は誘導について。

最初に誘導を持ってきたのは、これが新司法試験の最大の重要ポイントだからです。とにかくこれを無視するようなこと、読み落とすようなことがあると絶対に合格ラインに達しません。(まあひとつふたつ落としても大丈夫かもしれませんが。)

旧司法試験では「こうこうなものを書いてくれ」というオーダーが露骨に与えられることはなかったと思います。

新司法試験では大量の誘導が与えられています。私なりに整理するとこんな感じです。

1 事前の誘導
 ヒアリングと出題趣旨

2 現場の誘導
 ① 露骨な誘導文
 ② 問題文に割かれている記述の分量
 ③ 配点基準

1 事前の誘導

ヒアリングと出題趣旨はいわずもがなで、「こういう風に書け!」というのが一般論から科目別各論まで発表されているわけなので、これを無視することは受験生としてはアウトです。

2 現場の誘導

① 露骨な誘導文

「露骨な誘導文」は行政法みたいに「これを書け!」「これを書くな!」という誘導が露骨に与えられているものです。他の科目でもあります。

② 問題文に割かれている記述の分量

「問題文に割かれている記述の分量」もわかりやすい誘導の部類に入ると思います。旧司で受かった友人(超優秀)が言っていました。「『答案に何をどれだけ書くか』は、『問題文に何がどれだけ書いてあるか』に比例する」と。

もちろん100%そうだとはいえないと思うので気をつけてほしいですが、ひとつの有用な指標であることは確かです。

③ 配点基準

民事系には○:○:○:○みたいに配点基準書いてますよね。あれです。これは論述すべき「量」の誘導です。

自分の答案の総量が、この割合に従って割り振られていなければなりません。

結び

さて以上の誘導でもわからないときはどうすればいいのか?

ここから先は力勝負をするしかないのではないかと思います。知識の網がどれだけ強固にかつ詳細に編み上がっているか、各人の素朴な実力が試されます。

とはいえ、そんなことを言う前に、本当に上記の誘導をすべてきっちりやっているかを今一度確認するべきです。

本当にきちんとできている人は案外少ないと思います。

誘導の話は単なる受験テクニックというだけではなく、「自分の考えを表明するより先に、まず相手の考えを読み取り、聴き取る必要がある」という、実務にもつながる姿勢が試されているのだと思います。

「どうしてほしいか」を十分に聴かないまま「こうしたらいい」と言う人は、適性がないと思われても仕方がないのでしょう。

この適性は心がけ次第で改善していくことは困難ではありませんし。「適性試験」と違って。(←私はこれがどうしてもうまくいかなかった(笑))

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