今回は、反社排除法務ということで、いわゆる反社チェック(属性審査)について見てみたいと思います。
契約書への反社排除条項の導入とともに、現在では反社チェックも一般的になりました。暴排条例などでも、事業者が契約を結ぶ際には、相手が暴力団関係者でないかを確認するよう努めることが求められています。
といっても、そもそも相手が反社(反社会的勢力)かどうかをどうやって見抜けばいいのかという疑問もありますよね。完全解はなかなかないですが、本記事では、企業が一般的にどのように反社チェックを行っているのか、どこに注目すべきなのかなどを解説していきます。
ではさっそく。なお、引用部分の太字や下線、改行などは管理人によるものです。
メモ
このカテゴリーでは、インハウスとしての法務経験からピックアップした、管理人の独学や経験の記録を綴っています。
ネット上の読み物としてざっくばらんに書いており、感覚的な理解を掴むことを目指していますが、書籍などを理解する際の一助になれば幸いです。
反社チェック(属性審査)とは
いわゆる反社チェック(属性審査)とは、取引先が反社会的勢力(反社)でないかどうかを見抜くための判断作業のことです。
暴排条例でも、事業者が契約を結ぶ際には、相手が暴力団関係者でないかを確認するよう努めることが求められています(努力義務)。以下は東京都の例ですが、この確認作業が反社チェックです。
▽東京都暴排条例18条1項
(事業者の契約時における措置)
第十八条 事業者は、その行う事業に係る契約が暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる疑いがあると認める場合には、当該事業に係る契約の相手方、代理又は媒介をする者その他の関係者が暴力団関係者でないことを確認するよう努めるものとする。
一般的には与信審査と併せて行われることが多いと思います。実務的には、①法人の実在性確認、②与信審査、③反社チェックが、取引先管理の3点セットといえます(以下記事参照)。
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グループガバナンスと法務|取引先管理と契約ワークフロー
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調査の対象範囲
まず、どのようにチェックするのかの前に、そもそも「誰」をチェックするのか(調査の対象範囲)を見ていきます。
相手の会社の名前を検索して終わり、ではありません。また、反社会的勢力は、ダミーの会社(フロント企業)などを使い、クリーンな一般人を社長に立てて実態を隠すことも行いますので、必要に応じて、対象を広げて調査することが必要なこともあります。
基本的な対象者(現在の顔)
まずは、契約の表舞台に立っている基本的な対象者です。通常、商業登記簿(現在事項証明書など)で確認できる、以下のような者たちが対象になります。
- 契約の相手方(個人)
- 現在の商号と代表者(法人)
- 現任の役員(取締役・監査役)
- 主要な株主
一般的には、これら対象者で十分とされていると思います。当然ですがチェックコストもありますので、1件1件そんなにつぶさにチェックできないという現実もあります。
しかし、これだけで安心するのは早計ともいえます。反社やフロント企業は、過去に犯罪歴のないクリーンな一般人を社長や役員に据えて、自分たちは裏に隠れるという手法を用いるため、現在の役員を調べただけでは、何も問題が出てこないことも多いからです。
過去に遡る(時系列)
そこで必要になるのが、過去に遡って調査の範囲を広げるアプローチです。会社の歴史を掘り下げることで、反社を示唆する徴候を見つけ出します。
- 退任した役員(過去の役員)
- 会社設立当時の役員
- 過去の商号
このように、現在事項証明書だけでなく、履歴事項全部証明書や閉鎖事項証明書を取得し、少なくとも5年以上過去にさかのぼって、退任した人物や時系列上の変遷を確認することが望ましいとされています。
例えば、ある時期を境に、過去何年にもわたり役員だった人が一斉に辞めて全く別の人が役員になっている、といった不自然な変化があれば、会社が乗っ取られた可能性などを疑う端緒になります。
周辺に広げる(人的・資本的つながり)
さらに、反社は、人脈やネットワークを駆使して活動します。そのため、対象となる企業そのものだけでなく、その周辺に関わる関係者へと調査対象を横に広げることも考えられます。
例えば、商業登記簿には名前が出てこない、以下のような者たちがキーマンとして挙げられます。
- 顧問、相談役、コンサルタント、アドバイザー:外部からは見えにくいが、内部で強い影響力を持っていることが多い
- 主要な従業員(登記されない執行役員や、中途入社した部長など):実際の肩書が「執行役員副社長」であったため、登記情報のみの確認では反社であることを見逃してしまったといったケースもある
- 紹介者・仲介者:社長の知人の紹介といったルートを使って、企業のチェックの隙を突いて入り込んでくる手口もある。誰の紹介で取引に至ったのか、その紹介者の素性も重要
- 子会社や関係会社、主要な取引先、投資先・融資先
- 法人や役員個人が所有する不動産の債権者:不動産登記を確認し、怪しい個人や法人が債権者(抵当権者など)になっていないかもチェック対象になり得る
- 特別利害関係者(2親等以内の血族等)
取引の重要度に応じた層別管理
もっとも、過去の役員から取引先、顧問まで全部調べるといったやり方は、コストも手間もかかりすぎて現実的ではありません。すべての取引先に高いレベルの調査を行うのは実際には不可能です。
そこで実務上有効なのが、層別管理という考え方です。自社にとっての重要度やリスクの大きさに応じて取引先をランク付けし、調査の範囲や深さにメリハリ(濃淡)をつけるわけです。
例えば、以下のように基準を設けます。
- 一般取引先(少額取引):現在の商号・代表者のみをデータベースでスクリーニングする
- 重要取引先(一定金額以上):現在の商号、現任の役員(取締役・監査役)、主要株主を対象に、登記情報やデータベースを使って調査する
- 最重要取引先(大口取引、業務委託先、M&Aや第三者割当増資など):過去にさかのぼった閉鎖事項までの全役員、主要株主、主要取引先、顧問、紹介者までを含め、登記情報の精査や周辺調査を徹底的に行う
とくに、M&A(企業買収)では、買収先だけでなく、買収先の子会社や買収先の主要な取引先の役員・元役員まで調査を広げるべきケースもあり得ます(買収後に多大な損害を被るリスク)。また、第三者割当増資などの重要な投資契約における、割当先の役員や主要株主(ファンドの場合は主要な出資者も)などの調査も同様です。
調査の方法
次に、調査の具体的な方法について見ていきます。反社チェックの方法には大きく分けて、
- 自社で調べる自助
- 業界団体などの情報を活用する共助
- 警察等に頼る公助
の3つのステップがあります。
自助(自社での調査)
まず、すべての基本である自助(自社での調査)からです。
公知情報の調査
最も基本的な自助の方法は、新聞記事やインターネットなどの公知情報を利用した調査です。公知情報とは、外部に公表されており、不特定多数の人が知ることができる(アクセスできる)情報のことです。
主に以下の4つの情報源を用いて調査を行います。これらを単独で使うのではなく、組み合わせて照合することで、反社の情報をあぶり出していきます。
- 新聞・雑誌などの過去の報道記事
- インターネット上の検索情報・風評
- 商業・不動産の登記情報
- 行政庁等の処分・公表情報
なお、政府指針などでは自社データベースの構築(およびそれを利用した調査)にも触れられていますが、実際にそのようなデータベースをわざわざ内製している企業は稀と思われるため(コストと結果が見合わない。普通は過去の反社チェックの履歴があるのみ)、本記事では割愛しています
①新聞・雑誌などの過去の報道記事
新聞・雑誌記事のデータベース検索である日経テレコンやGサーチといった、過去の記事を横断的に検索できる有料データベースサービスを利用して、過去の報道記事がないかを検索する方法です。
これが最も一般的かつ有効な調査方法かと思います。暴力団関係者の逮捕歴や、企業不祥事に関する記事などがヒットした場合は、強力な判断材料になります。
検索テクニックとしては、単に社名や役員名で検索するとノイズが多すぎるため、ネガティブキーワードとの掛け合わせ(AND検索)を行います(※ネガティブキーワードの中はOR検索にします)。例えば、対象者名 AND (暴力団 OR 逮捕 OR 容疑 OR 詐欺 OR 送検 OR 行政処分 OR インサイダー OR 総会屋) といったキーワードを組み合わせて検索し、効率よく怪しい情報を抽出します。
②インターネット検索
GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使って、個人名や企業名を検索するのも、もちろん有効です。掲示板やブログの書き込みなどから、思わぬ風評や端緒が見つかることがあります。
ただ、ネット検索の注意点として、インターネット上の情報は、情報源が不明確で信頼性の担保が不十分な場合が多いという特徴があり、また時間が経つと削除されてしまう記事もあります。そのため、検索結果(風評など)を鵜呑みにせず、他の情報と突き合わせて、風評を裏付ける客観的な事実があるか等の裏付けをとる慎重さが求められます。
③登記情報の精査
誰でも法務局で取得できる登記情報は、反社チェックにおける重要ツールにもなります。ここでのポイントは、現在の状況だけでなく過去に遡って、変遷の理由(不自然さ)を読み解くことです。
商業登記簿(法人登記)のチェックとしては、先ほど見たように、取引先が法人の場合、現在の商号、本店所在地、代表者や役員の氏名などを確認します。最近の反社はクリーンな一般人を今の役員に据えることも多いため、現在事項証明書だけでなく、閉鎖事項全部証明書などを取得し、過去5年程度は遡って退任した役員や過去の商号まで調べる必要がある場合もあります。
危険なサインとして、短期間での頻繁な商号変更や本店移転、複数役員の一斉退任、脈絡のない事業目的の追加などは、会社乗っ取りや実態隠しの可能性があるため要注意です。
不動産登記簿のチェックとしては、相手法人の本店所在地や、代表者個人の自宅の不動産登記を調べます。所有者が誰かだけでなく、差押えや仮差押えの登記がないか、抵当権などの債権者(お金を貸している人)に素性の知れない怪しい個人や法人が名を連ねていないかをチェックすることで、背後関係や資金の出し手が見えてくることがあります。
④行政機関の処分情報
国や地方自治体が行った指名停止情報や、各都道府県が公表している貸金業者や宅建業者などの登録取消処分などの情報も重要です。ほかにも例えば、出資法違反など処分歴があれば、その業者の違法性が明らかになります。
危険なサイン(行為特性)
これらに対して、取引相手と直接接点を持ち、面談や訪問、資料の提出などを通じて情報を集めるアプローチもあります。反社チェックにおいて、データと同じくらい重要なのが、現場の担当者が感じる違和感(目利き力)です。
反社には、特有の行動パターン(行為特性)があるため、以下のような事務所や態度の不自然さをチェックするのが有効とされています。
- 名刺の住所に行ってみたら、看板がない、または実態のないアパートの一室だった
- オフィスに不釣り合いなほど監視カメラが多数あったり、豪華な調度品が置いてあったりする
- 普段は丁寧なのに、突然態度が豹変して厳しい目つきや口調になる
- 商談に正体不明の人物が同席し、社長がその人に畏怖しながら指示を仰いでいる
- 「〇〇議員と親しい」「〇〇警察幹部を知っている」など、大物との人脈をことさらにアピールしてくる
また、決算書や納税証明書などの資料提出を求めることも有効とされています。直近3年分の決算書や納税証明書(場合によっては就業規則も)などです。
労働関係諸法規や納税等の法令遵守が難しいというのも、反社会的勢力の特性(行為特性)といえます。決算書を見て、外注費が不自然に多額である、税金が正しく納められていない、社会保険に加入していないといった点があれば、危険な企業であると判断する材料になります。
調査会社等の利用
自社内の調査だけでは限界がある場合、費用はかかりますが、専門の調査会社に依頼して調査してもらうのも、企業が行う自助の選択肢の一つです。
調査会社に依頼すると、主に以下の3つのアプローチで対象者を調査してくれます。ただし、それぞれに限界があることも知っておく必要があります。
- データベース調査:
調査会社が契約している過去の新聞記事データベース等を使い、対象者が過去に暴力団関係者として報道されていないかを調べます。しかし、過去に報道があったからといって現在も反社であるとは限りません。また、同姓同名の別人の可能性もあるため、これだけでクロと即断するのは危険です(このあたりは自助でのデータベース調査と同様) - 風評(聞込み)調査:
対象者の立ち寄り先や、周辺の人物に直接聞き込みを行い、反社との繋がりについての風評(噂)を集めます。しかし、誰が言っていたか(取材源)を明かすと情報提供者に危険が及ぶため、情報源が伏せられることが多く、また、又聞きレベルの情報になりがちです。そのため、裁判では使用できない、あるいは使用できても一般に証拠としての信用性はあまり高くありません - 行動確認(尾行):
対象者を実際に尾行し、どこに立ち寄っているか、誰と会っているか(関係者)を特定します。しかし、行動確認はありのままの行動を報告するだけであり、会っていた相手が反社であるとまで断定してくれるわけではありません。判明した立ち寄り先や人物について、さらに別の調査をかける必要があります
また、調査会社を選ぶ際には、調査会社自体が信頼できる企業かどうかを慎重に検討する必要があります。
例えば、当社なら他社では絶対に取れない警察の裏情報が取れますなどといった営業文句を使う業者には、依頼しないのが無難です。悪質な調査会社に依頼してしまうと、虚偽の調査結果を報告されたり、最悪の場合、調査対象者(反社側)に自社が調査していることの情報をリーク(漏洩)されたりする危険性もあります。
調査会社に依頼する前に、その調査会社自体が信頼できる会社かどうかを慎重に選定することが重要であり、また、調査結果はあくまで一つの参考材料として扱う(それだけで即断しない)のが適切といえます。
共助(業界全体での協力)
反社チェックにおける共助とは、一企業が単独で調査するのではなく、業界団体などが中心となって反社会的勢力に関する情報を集約・蓄積し、加盟企業にデータベース等として提供し合うことです。
つまり、企業単独ではなく業界全体で協力し合って反社を排除する仕組みのことです
具体的には、例えば以下のような業界団体が主体となって情報を集約し、加盟企業に提供する取組みが共助に該当します。
- 日本証券業協会(証券保安対策センターを通じて加盟会社へ情報提供)
- 全国銀行協会(全銀協)(加盟行等から収集した情報や公知情報を定期的に配信)
- 生命保険協会(共有データベースを構築し加盟会社へ提供)
これら銀行や証券、保険などの業界では、業界団体(全銀協など)が独自に反社情報を集約したデータベースを持っており、これと照合します。
公助(公的な機関への照会)
公助とは、企業(自助)や業界団体(共助)の調査だけではどうしても判断しきれない場合に、警察や暴追センターといった公的機関の力を借りて、取引相手の素性を確認(属性照会)することです。
簡単にいうと、警察や暴追センターへの照会(最終手段)です
しかし、警察に行けば、すぐに教えてもらえるというわけではありません。警察は個人情報や捜査情報を厳格に管理する責任を負っているため、なんとなく怪しいからという理由だけでは情報を出してくれません。
これには警察が情報を提供する際のルールとなる通達が存在しますので、その内容を確認してみましょう。
警察が情報を提供する際のルール(通達)
警察庁は、どのような場合に部外(民間企業など)へ暴力団情報を提供するのかの基準と手続を定めた「暴力団排除等のための部外への情報提供について」という通達を出しています(最新は令和6年2月26日版など)。
この通達の内容をまとめると、概ね以下のようになります。
通達のルール①:民間企業が警察から情報提供を受けるための条件
警察が民間企業の照会に応じて情報を提供するためには、以下の要件をクリアしている必要があります。
- 必要性があること:
暴排条例に基づく相手方が暴力団関係者でないことの確認義務を果たすためや、暴力団による被害の防止・回復のためなど、暴力団排除等の公益目的を達成するために情報提供が必要であることが求められます - 補充性があること(自助努力を尽くしたか):
警察からの情報提供によらなければ目的を達成することが困難な場合にのみ提供されます。つまり、企業側で自らネット検索や信用調査(自助・共助)を可能な限り尽くしたけれど、どうしても分からなかったという事情が必要です - 適正な情報管理ができること:
提供された情報が外部に漏れたり、目的外に使われたりすると危険です。そのため、情報の悪用や目的外利用を防止する社内体制が確立されており、他の目的に利用しない旨の誓約書を提出できる企業にのみ情報が提供されます
通達のルール②:提供される情報のレベル
警察は、必要最低限の情報しか出しません。目的によって以下の順に慎重に検討されます。
- 契約排除(条例上の義務履行)が目的の場合:契約相手が暴排条例等の規制対象者の属性に該当するかどうか(YESかNOか)という情報が基本となります
- 被害防止などが目的の場合:まずは、事務所として使われているといった個人情報以外の活動実態を提供し、それでも足りなければ暴力団員等に該当するかを提供し、さらにどうしても必要であれば住所や生年月日などの詳細な個人情報を提供するという段階を踏みます
実際に警察へ相談に行くための準備
これら通達のルールからわかるように、警察に情報提供を依頼する際には、手ぶらで行ってはいけません。所轄の警察署(暴力団対策係)や警察本部の相談窓口、暴追センターを訪問する際には、以下のような準備を整えておきます。
- 対象者を特定する資料:誰を調べてほしいのか特定するため、住民票や商業登記簿謄本、名刺、代表者の生年月日が分かる資料などを準備します
- 自助努力を尽くした証拠(必要性・補充性の証明):なぜ怪しいと思ったのか(端緒)、自社でネット記事検索や調査会社を使った結果報告書、取引の中止・契約解除をするために情報が必要であることをまとめた経緯書や報告書を持参し、状況を説明します
- 自社の情報管理体制の説明資料:情報をもらっても他に漏らさないことを証明するため、社内の情報管理体制に関する説明書や、情報の取扱責任者を明確にします
公助の限界と注意点
最後に、警察に相談する際の実務上の注意点です。
まず、警察からの回答は、情報管理の観点から原則として口頭で行われます。書面でもらえるケースは、厳格な情報管理体制があると認められた場合等に限られます。
また、警察に照会して、該当する情報はありません(シロ)と言われたとしても、それは"絶対安全"の意味ではありません。あくまでも警察が確実な証拠を持っている現役の反社ではないという意味にとどまり、巧妙に身分を隠しているグレーな人物(共生者など)である可能性は残ります。警察の回答のみで画一的に判断せず、企業として総合的に取引してよいかを判断する姿勢が必要です。
そして、警察の情報をもとに契約を解除できたなど、案件が進展・解決した場合は、警察に事後の報告を行いましょう。こうした誠実な対応が、警察との信頼関係を築くポイントになります。
事後チェックの必要性
反社チェックで陥りがちな点は、データベースでヒットしなかったからこの相手はシロ(安全)、という硬直的な判断をしてしまうことです。
先ほど見たように、警察や業界のデータベースに登録されているのは、確証のある現役の反社情報が中心であり、巧妙に身分を隠している共生者(裏で反社を支援している人物)などのグレーゾーンの者までは網羅しきれていません。
そこで、契約時の入り口の審査だけでなく、取引開始後もチェックを続ける継続審査(事後チェック)も大切だとされています。例えば、
- 契約の更新時期に改めて最新の情報で属性を確認したり、
- 定期的な継続審査のタイミングを設けたり、
- 現場の営業担当者が日々の取引の中で「現金決済が異常に多い」「法令を全く守ろうとしない」といった違和感を察知した際に、すぐに管理部門へ報告が上がる社内体制を作っておくこと
などが考えられます。
結び
反社チェック(属性審査)とは、単なるネット検索ではありません。
- 必要に応じて対象を広げ(例えば過去の役員まで)、多角的に情報を集める
- 登記簿の不自然さや、現場での怪しい態度・事務所を見逃さない
- データベースを過信せず、取引継続中も事後チェックを怠らない
といった姿勢を組織全体で共有し、怪しい相手とは取引しないという判断ができる体制(内部統制システム)を整えることが、企業防衛の実効性を高めるためには重要といえます。
[注記]
本記事を含む一連の勉強記事は、過去の自分に向けて、①自分の独学や経験の記録を見せる、②感覚的な理解を伝えることを優先する、③細かく正確な理解は書物に譲る、ということをコンセプトにした読みものです。ベテランの方が見てなるほどと思うようなことは書かれていないほか、業務上必要であるときなど、正確な内容については別途ご確認ください。また、法改正をはじめとした最新の情報を反映しているとは限りませんので、ご注意ください。
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主要法令等・参考文献
主要法令等
- 暴対法(「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」)※法律情報はこちら
- 暴対法施行令(「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律施行令」)
- 暴対法規則(「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律施行規則」)
- 政府指針(「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」)|犯罪対策閣僚会議HP(≫掲載ページ)
- 指針解説(「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説」)|犯罪対策閣僚会議HP(≫掲載ページ)
- 組織犯罪対策要綱|警察庁HP(≫掲載ページ)
- 東京都暴排条例|東京都例規集データベース
- 東京都暴排条例Q&A(「東京都暴力団排除条例 Q&A」)|警視庁HP
参考文献
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