開示制度

開示制度|企業内容の開示-継続開示

今回は、開示制度ということで、企業内容の開示(法定開示)のうち継続開示について見てみたいと思います。

有報などは特に意識しなくても体感値的に残ってくるような内容も多いですが、どこに何が書いてあるかは案外把握しないままのこともあったりしますので、その辺も確認しながら見てみます。

ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。

メモ

 このカテゴリーでは、インハウスとしての法務経験からピックアップした、管理人の独学や経験の記録を綴っています。
 ネット上の読み物としてざっくばらんに書いており、感覚的な理解を掴むことを目指していますが、書籍などを理解する際の一助になれば幸いです。

継続開示が必要な理由

継続開示というのは、有価証券が流通する場面での情報開示のことです。

発行開示が「発行市場(primary market)」に対応する情報開示であるのに対して、継続開示は「流通市場(secondary market)」に対応する情報開示になります。

継続開示が必要なのは、発行当初の情報は発行開示により開示されても、その後も一定以上の流通性が認められる有価証券については、時間の経過とともに情報も更新していかなければならないためです(もし継続開示がなければ、情報は時間の経過とともに陳腐化していくだけ)。

継続開示があることで、流通市場での投資判断(売却する、新たに購入する、保有を続ける)が可能になります。

継続開示には、定期的な開示と、定期的な時期の到来とは別の必要に応じた開示があります。

定期的な開示

有価証券報告書

事業年度ごとに提出しなければならないのが、有価証券報告書です。

有価証券報告書とは、

・会社の商号
・会社の属する企業集団及び会社の経理の状況(要するに財務情報)
・その他事業の内容に関する重要な事項(要するに非財務情報)

などの、公益又は投資者保護のため必要かつ適当な事項を記載した報告書のことです(金商法24条1項)。よく略して「有報ゆうほう」と呼ばれます。

適用対象主体(提出義務者)は、有価証券の発行者である会社で、その有価証券が

  • 上場有価証券(1号)
  • 店頭売買有価証券(2号)
  • 発行開示した有価証券(3号)
  • その所有者が相当程度多数である有価証券(いわゆる外形基準)(4号)

のいずれかである場合です。普通の上場会社は、1号のケースになります。なお、ただし書で提出義務の適用除外がいくつか定められています。

提出期限は、その事業年度経過後3か月以内が原則です。

▽金商法24条1項(※【 】は管理人注、「…」は適宜省略)

(有価証券報告書の提出)
第二十四条
 有価証券の発行者である会社は、その会社が発行者である有価証券(特定有価証券を除く。次の各号を除き、以下この条において同じ。)が次に掲げる有価証券のいずれかに該当する場合には、内閣府令で定めるところにより、事業年度ごとに当該会社の商号、当該会社の属する企業集団及び当該会社の経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項を記載した報告書(以下「有価証券報告書」という。)を、内国会社にあつては当該事業年度経過後三月以内(やむを得ない理由により当該期間内に提出できないと認められる場合には、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた期間内)…に、内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、…(略)…。

 金融商品取引所に上場されている有価証券(特定上場有価証券を除く。)【=上場有価証券

 流通状況が前号に掲げる有価証券に準ずるものとして政令で定める有価証券(流通状況が特定上場有価証券に準ずるものとして政令で定める有価証券を除く。)【=店頭売買有価証券

 その募集又は売出しにつき第四条第一項本文、第二項本文若しくは第三項本文又は第二十三条の八第一項本文若しくは第二項の規定の適用を受けた有価証券(前二号に掲げるものを除く。)【=発行開示した有価証券

 当該会社が発行する有価証券(…(略)…。)で、当該事業年度又は当該事業年度の開始の日前四年以内に開始した事業年度のいずれかの末日におけるその所有者の数が政令で定める数以上(…(略)…)であるもの(前三号に掲げるものを除く。)【=いわゆる外形基準

記載事項と様式

有価証券報告書の記載事項と様式は、国内の会社については、企業開示府令第三号様式が原則的様式になります(企業開示府令15条1号イ)。

普通の上場会社も、この様式になります。

▽企業開示府令15条1号イ

(有価証券報告書の記載内容等)
第十五条
 法第二十四条第一項又は第三項の規定により有価証券報告書を提出すべき会社(指定法人を含む。)は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める様式により有価証券報告書三通を作成し、財務局長等に提出しなければならない。
 内国会社 次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める様式
  法第二十四条第一項の規定による場合及び同条第三項の規定による場合のうち同条第一項本文(法第二十七条において準用する場合を含む。第十六条の二において同じ。)の規定の適用を受けない会社(指定法人を含む。)が発行者である有価証券が同項第三号(法第二十七条において準用する場合を含む。第十六条の二において同じ。)に掲げる有価証券に該当することとなつたとき(ロに掲げる場合を除く。) 第三号様式

添付書類

有価証券報告書には、添付書類として、定款や、その事業年度に係る計算書類および事業報告で定時株主総会に報告したもの又はその承認を受けたものなどを添付します(金商法24条6項→企業開示府令17条1号)。

▽金商法24条6項

 有価証券報告書には、定款その他の書類で公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものを添付しなければならない

▽企業開示府令17条1項1号

(有価証券報告書の添付書類)
第十七条
 法第二十四条第六項(法第二十七条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により有価証券報告書に添付すべき書類として内閣府令で定めるものは、次の各号に掲げる有価証券の発行者の区分に応じ、当該各号に定める書類とする。ただし、…(略)…。
 内国会社 次に掲げる書類
  定款(財団たる内国会社である場合は、その寄附行為)
  当該事業年度に係る会社法第四百三十八条第一項に掲げるもので、定時株主総会に報告したもの又はその承認を受けたもの(有価証券報告書を定時株主総会前に提出する場合には、定時株主総会に報告しようとするもの又はその承認を受けようとするもの)(内国法人である指定法人及び持分会社にあつては、これらに準ずるもの)
 ハ~へ (略)

公衆縦覧

有価証券報告書は、5年間の公衆縦覧に供されます。

▽金商法25条1項3号

(有価証券届出書等の公衆縦覧)
第二十五条
 内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる書類(以下この条及び次条第一項において「縦覧書類」という。)を、当該縦覧書類を受理した日から当該各号に定める期間を経過する日(…(略)…)までの間公衆の縦覧に供しなければならない
 有価証券報告書及びその添付書類並びにこれらの訂正報告書 五年

半期報告書

事業年度の途中で開示されるのが、半期報告書です。

半期報告書とは、普通の上場会社については、事業年度開始から6か月間について会社の属する企業集団及び会社の経理の状況等を記載した報告書のことです(金商法24条の5第1項の表の第1号の中欄)。従前の第2四半期報告書に相当します。

四半期報告書の廃止

 従前の四半期報告書は、令和5年法改正により廃止されました。施行日は2024年4月1日となっています。

 新制度の半期報告書は、従前の第2四半期報告書に相当します。従前の第1・第3四半期報告書はそのままなくなるので、第1・第3四半期の開示は、適時開示(取引所規則に基づく開示)における四半期決算短信に一本化されることになります。

【参考リンク】

▽法律について
金融商品取引法等の一部を改正する法律(R5.3.14提出、R5.11.20成立)|金融庁HP
説明資料4頁「企業開示制度の見直し」参照

▽政令・府令について
令和5年金融商品取引法等改正に係る政令・内閣府令案等の公表について|金融庁HP

有価証券の提出義務者は、基本的に半期報告書の提出義務者にもなっており、もちろん上場会社等も提出義務を負っています(金商法24条の5第1項の表の第1号の上欄→金商法施行令4条の2の10)。

提出期限は、普通の上場会社については、当該6か月が経過した後45日以内が原則です。

▽金商法24条の5第1項(※【 】は管理人注)

(半期報告書及び臨時報告書の提出)
第二十四条の五 第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により有価証券報告書を提出した会社を含む。第四項において同じ。)は、事業年度ごとに、当該事業年度が開始した日から六月が経過したときは、内閣府令で定めるところにより、次の表の各号の上欄に掲げる区分に応じ、それぞれ、同表の中欄に掲げる事項を記載した半期報告書(この項の規定により提出すべき報告書をいう。以下同じ。)を、同表の下欄掲げる期間内(やむを得ない理由により当該期間内に提出できないと認められる場合には、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた期間内)に、内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、…(略)…。

一 第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券その他流通状況がこれに準ずるものの発行者である会社その他の政令【=金商法施行令4条の2の10】で定めるもの(以下この表において「上場会社等」という。)のうち次号の上欄に掲げる会社以外の会社当該事業年度が開始した日以後六月間の当該会社の属する企業集団の経理の状況その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項(以下この表において「半期報告書共通記載事項」という。)当該期間が経過した日から起算して四十五日以内の政令で定める期間内
二 上場会社等のうち金融システムの安定を図るためその業務の健全性を確保する必要がある事業として内閣府令で定める事業を行う会社当該事業年度が開始した日以後六月間の半期報告書共通記載事項及び当該会社に係るこれと同様の事項として内閣府令で定める事項当該期間が経過した日から起算して六十日以内の政令で定める期間内
三 上場会社等以外の会社当該事業年度が開始した日以後六月間の半期報告書共通記載事項及び当該会社に係るこれと同様の事項並びにこれらを補足する事項として内閣府令で定める事項当該期間が経過した日から起算して三月以内

記載事項と様式

半期報告書の記載事項と様式は、普通の上場会社については、企業開示府令第四号の三様式になります(企業開示府令18条1項1号)。

▽企業開示府令18条1項1号

(半期報告書の記載内容等)
第十八条
 法第二十四条の五第一項の規定により半期報告書を提出すべき会社(指定法人を含む。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める様式により半期報告書三通を作成し、財務局長等に提出しなければならない。この場合において、第一号又は第四号の半期報告書に第一種中間連結財務諸表を記載したときは、第一種中間財務諸表については記載を要しない。
一 提出すべき会社が内国会社である場合において、法第二十四条の五第一項の表の第一号又は第二号の中欄に掲げる事項を記載した半期報告書を提出しようとするとき 第四号の三様式

公衆縦覧

半期報告書は、5年間の公衆縦覧に供されます。

▽金商法25条1項6号

(有価証券届出書等の公衆縦覧)
第二十五条
 内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる書類(以下この条及び次条第一項において「縦覧書類」という。)を、当該縦覧書類を受理した日から当該各号に定める期間を経過する日(…(略)…)までの間公衆の縦覧に供しなければならない
 半期報告書及びその訂正報告書 五年

財務諸表と監査証明

財務諸表の作成方法

金商法に基づき提出される財務諸表(F/S)の作成方法については、一般に公正妥当であると認められるところに従って内閣府令で定める用語、様式及び作成方法によるとされています(金商法193条)。

ここでいう内閣府令は、具体的には

・財務諸表規則(「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」)
・連結財務諸表規則(「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」)

などを中心とした、財務諸表に関する一連の規則を指します。

▽金商法193条

(財務諸表の用語、様式及び作成方法)
第百九十三条
 この法律の規定により提出される貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類は、内閣総理大臣が一般に公正妥当であると認められるところに従つて内閣府令で定める用語、様式及び作成方法により、これを作成しなければならない。

監査証明

これら財務諸表のうち一定のものについては、公認会計士や監査法人による監査証明を受けなければなりません(金商法193条の2)。

▽金商法193条の2第1項

(公認会計士又は監査法人による監査証明)
第百九十三条の二
 金融商品取引所に上場されている有価証券の発行会社その他の者で政令で定めるもの(以下この項及び次条において「特定発行者」という。)が、この法律の規定により提出する貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類で内閣府令で定めるもの(第四項及び次条において「財務計算に関する書類」という。)には、その者と特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人(特定発行者が公認会計士法第三十四条の三十四の二に規定する上場会社等である場合にあつては、同条の登録を受けた公認会計士又は監査法人に限る。)の監査証明を受けなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一~三 (略) 

ここでいう内閣府令は、監査証明府令(「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」)になります。

監査証明の手続は、

  • 財務諸表・連結財務諸表については
    監査報告書
  • 第二種中間財務諸表・第二種中間連結財務諸表については
    中間監査報告書
  • 第一種中間財務諸表・第一種中間連結財務諸表については
    期中レビュー報告書(※従前の第2四半期の四半期レビュー報告書に相当)

により行うものとされています(監査証明府令3条1項)。第一種・・・中間財務諸表が、従前の第2四半期財務諸表に相当します。

なので、普通の上場会社が提出する定期的な開示に関していえば、有価証券報告書では監査報告書により、半期報告書では期中レビュー報告書により、財務諸表の監査証明がなされることになります。

▽監査証明府令3条1項

(監査証明の手続)
第三条
 財務諸表、財務書類又は連結財務諸表(以下「財務諸表等」という。)の監査証明は、財務諸表等の監査を実施した公認会計士又は監査法人が作成する監査報告書(その作成に代えて電磁的記録(法第十三条第五項に規定する電磁的記録をいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)により、第二種中間財務諸表又は第二種中間連結財務諸表(以下「第二種中間財務諸表等」という。)の監査証明は、第二種中間財務諸表等の監査(以下「中間監査」という。)を実施した公認会計士又は監査法人が作成する中間監査報告書(その作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)により、第一種中間財務諸表又は第一種中間連結財務諸表(以下「第一種中間財務諸表等」という。)の監査証明は、第一種中間財務諸表等の監査(以下「期中レビュー」という。)を実施した公認会計士又は監査法人が作成する期中レビュー報告書(その作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)により行うものとする。

(備考)四半期報告書の廃止

前述のように四半期報告書は令和5年法改正により廃止されましたが、それに伴って用語などが変わっていて少しわかりづらいので、用語の整理をしてみたいと思います。

従前の四半期報告書を含む全体像は、ざっくりいうと以下のようなものでした。

【従前の用語の整理】

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期
①有価証券報告書報告書:
有価証券報告書
財務諸表:
財務諸表
監査証明:
監査報告書
②四半期報告書報告書:
四半期報告書
財務諸表:
四半期財務諸表
監査証明:
四半期レビュー報告書
報告書:
四半期報告書
財務諸表:
四半期財務諸表
監査証明:
四半期レビュー報告書
報告書:
四半期報告書
財務諸表:
四半期財務諸表
監査証明:
四半期レビュー報告書
提出義務なし
(※従前の金商法施行令4条の2の10第2項)
③半期報告書報告書:
半期報告書
財務諸表:
中間財務諸表
監査証明:
中間監査報告書
★適時開示四半期決算短信四半期決算短信四半期決算短信決算短信

(※)パターンとしては、①+②の組み合わせ(上場会社など)、または、①+③の組み合わせ(非上場会社だが有価証券報告書の提出義務者など)です。なお、適時開示上の用語も参考までに示しています。

以上に対して、新制度における半期報告書を含む全体像は、ざっくりいうと以下のようになったわけです。

【令和5年法改正後の用語の整理】

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期
①有価証券報告書報告書:
有価証券報告書
財務諸表:
財務諸表
監査証明:
監査報告書
四半期報告書半期報告書報告書:
「四半期報告書」
財務諸表:
「四半期財務諸表」
監査証明:
「四半期レビュー報告書」
報告書:
四半期報告書半期報告書
財務諸表:
四半期財務諸表第一種中間財務諸表
監査証明:
四半期レビュー報告書期中レビュー報告書
報告書:
「四半期報告書」
財務諸表:
「四半期財務諸表」
監査証明:
「四半期レビュー報告書」
③半期報告書報告書:
「半期報告書」
財務諸表:
中間財務諸表第二種中間財務諸表
監査証明:
「中間監査報告書」
★適時開示四半期決算短信四半期決算短信四半期決算短信決算短信

必要に応じた開示

臨時報告書

投資判断に重要な影響を与えるような事象が発生した場合には、定期的な時期の到来を待たず、随時に情報開示が必要になります。

そこで、有価証券報告書の提出義務者は、内閣府令で定める一定の事項が発生した場合には、臨時報告書を提出しなければならないとされています。

▽金商法24条の5第4項

 第二十四条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社は、その会社が発行者である有価証券の募集又は売出しが外国において行われるとき、その他公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める場合に該当することとなつたときは、内閣府令で定めるところにより、その内容を記載した報告書(以下「臨時報告書」という。)を、遅滞なく、内閣総理大臣に提出しなければならない

対象事項

対象事項は、企業開示府令19条1項・2項各号に定められています。

1号〜21号まであり、ざっくりいうと、

  • 海外におけるエクイティ関連の募集・売出しのうち発行価額・売出価額の総額が1億円以上になる場合
  • 親会社・主要株主の変動
  • 災害や訴訟による賠償の危険の発生などが事業に著しい影響を及ぼす場合
  • 組織再編行為
  • 会社の役員・公認会計士等の異動
  • 株主総会における決議内容、議決権の行使状況等
  • 破産手続開始の申立て等
  • 一定金額以上の債権取立て不能等
  • 財政状態や経営成績に影響を及ぼす重要な後発事象の発生

などがあります。

▽企業開示府令19条1項・2項

(臨時報告書の記載内容等)
第十九条
 法第二十四条の五第四項に規定する内閣府令で定める場合は、次項各号に掲げる場合とする。
 法第二十四条の五第四項の規定により臨時報告書を提出すべき会社(指定法人を含む。)は、内国会社にあつては第五号の三様式、外国会社にあつては第十号の二様式により、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載した臨時報告書三通を作成し、財務局長等に提出しなければならない。
二十一 (略)

ただ、上場会社の場合は、適時開示(取引所規則に基づく開示)においてより広い事項が開示の対象となっているので(決定事実の開示および発生事実の開示)、適時開示と重複するものとなっています。

もっとも、適時開示は金商法に基づく罰則や民事責任の対象とならないといった、法定開示との根本的な違いもありますので、臨時報告書にも適時開示とは別の法的な意味があることになります。

記載事項と様式

臨時報告書の記載事項と様式は、国内の会社については、企業開示府令第五号の三様式になります(企業開示府令19条2項)。

▽企業開示府令19条2項

 法第二十四条の五第四項の規定により臨時報告書を提出すべき会社(指定法人を含む。)は、内国会社にあつては第五号の三様式、外国会社にあつては第十号の二様式により、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載した臨時報告書三通を作成し、財務局長等に提出しなければならない。
二十一 (略)

公衆縦覧

臨時報告書は、5年間の公衆縦覧に供されます。

▽金商法25条1項8号

(有価証券届出書等の公衆縦覧)
第二十五条
 内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、次の各号に掲げる書類(以下この条及び次条第一項において「縦覧書類」という。)を、当該縦覧書類を受理した日から当該各号に定める期間を経過する日(…(略)…)までの間公衆の縦覧に供しなければならない
 臨時報告書及びその訂正報告書 五年

その他の報告書

その他の必要に応じた報告書としては、自己株券買付状況報告書や、親会社等状況報告書があります。

自己株券買付状況報告書(金商法24条の6第1項)は、自己株式の取得計画や状況は会社の財務や市場の需給に影響を与え、投資判断に与える影響も大きいため、開示が求められています。

▽金商法24条の6第1項(※「…」は管理人が適宜省略)

(自己株券買付状況報告書の提出)
第二十四条の六
 …上場株券等…の発行者は、会社法第百五十六条第一項(同法第百六十五条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による…決議等…があつた場合には、内閣府令で定めるところにより、当該決議等があつた…株主総会等…の終結した日の属する月から同法第百五十六条第一項第三号に掲げる期間の満了する日又はこれに相当するものとして政令で定める日の属する月までの各月(以下この項において「報告月」という。)ごとに、当該株主総会等の決議等に基づいて各報告月中に行つた自己の株式又は持分に係る上場株券等の買付けの状況(買付けを行わなかつた場合を含む。)に関する事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項を記載した報告書を、各報告月の翌月十五日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない

親会社等状況報告書(金商法24条の7第1項)は、会社に親会社や大株主などの支配者が存在する場合、親会社の経営・財務状況や大株主の分布などはその支配下にある会社にも大きな影響を与えるため、開示が求められています。

親会社等状況報告書の提出義務者は、有価証券を発行している会社自身(「提出子会社」との文言)ではなく、その親会社等となっています。

ただ、親会社等もまた有価証券報告書の提出義務者である場合は、その有価証券報告書で状況が開示されるので、親会社等状況報告書の提出義務者から除外されています(下線部参照)。

▽金商法24条の7第1項(※「…」は管理人が適宜省略)

(親会社等状況報告書の提出)
第二十四条の七
 第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を提出しなければならない…提出子会社…の議決権の過半数を所有している会社その他の当該有価証券報告書を提出しなければならない会社と密接な関係を有するものとして政令で定めるもの(第二十四条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。第四項各号において同じ。)の規定により有価証券報告書を提出しなければならない会社(…(略)…。)を除く。以下この条、次条第二項、第四項及び第五項並びに第二十七条の三十の十一第一項において「親会社等」という。)は、内閣府令で定めるところにより、当該親会社等の事業年度(当該親会社等が特定有価証券の発行者である場合には、内閣府令で定める期間。以下この項及び次項において同じ。)ごとに、当該親会社等の株式を所有する者に関する事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項を記載した報告書(以下「親会社等状況報告書」という。)を、当該事業年度経過後三月以内(当該親会社等が外国会社である場合には、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める期間内)に、内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、親会社等状況報告書を提出しなくても公益又は投資者保護に欠けることがないものとして政令で定めるところにより内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

結び

今回は、開示制度ということで、企業内容の開示のうち継続開示について見てみました。

継続開示は法定開示(金融商品取引法に基づく開示)であり、EDINETElectronic Disclosure for Investers' NETwork:「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」)で見ることができます。

▽参考リンク

[注記]
本記事を含む一連の勉強記事は、過去の自分に向けて、①自分の独学や経験の記録を見せる、②感覚的な理解を伝えることを優先する、③細かく正確な理解は書物に譲る、ということをコンセプトにした読みものです。ベテランの方が見てなるほどと思うようなことは書かれていないほか、業務上必要であるときなど、正確な内容については別途ご確認ください。また、法改正をはじめとした最新の情報を反映しているとは限りませんので、ご注意ください。

主要法令等

リンクをクリックすると、法令データ提供システムまたは日本取引所グループ(JPX)のページに遷移します

【金商法に基づく開示(法定開示)】

  • 金商法(「金融商品取引法」)
  • 金商法施行令(「金融商品取引法施行令」)
  • 定義府令(「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令」)
  • 企業開示府令(「企業内容等の開示に関する内閣府令」)
  • 保有開示府令(「株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令」)
  • 公開買付府令(「発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令」)
  • 発行者公開買付府令(「発行者による上場株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令」)
  • 財務諸表規則(「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」)
  • 連結財務諸表規則(「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」)
  • 監査証明府令(「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」)

【取引所規則に基づく開示(適時開示)】

  • 上場規程(「有価証券上場規程」(東京証券取引所))
  • 上場規則(「有価証券上場規程施行規則」(東京証券取引所))
  • 実務要領(「適時開示に関する実務要領」)
  • 作成要領(「決算短信作成要領・四半期決算短信作成要領」)

【会社法に基づく開示】

-開示制度