今回は、法律事務所からインハウス転職する場合、企業の側で「働かないおじさん」を見つけると、ちょっとびっくりするかもしれない、という話を書いてみたいと思います。
そういう衝撃の(?)出会いがあるかもしれないことと、働かないおじさんたちの言い分というか弁解というか、そのロジックについて考えてみたいと思います。
インハウス転職後、もしも「何だこの人は…」と思う中間管理層に出会ったときに、あなただけじゃないんだよ…と思ってもらえれば幸いです(もちろん、そもそも遭遇しないに越したことはないです)。
法律事務所との違い
法律事務所は、当然、自営業ですし自由業なので、ボス弁も含めて「働いている」というところが多いのではないかと思います(ブラック色の強い事務所や、事務局に任せっきりのような、問題あるやり方は別にすれば)。
基本的には、ボス弁も含めて、自分が稼がなければ、お金が入ってくることはないわけです。顧問料だって、稼いでいるのだといえます。
しかし、会社はたくさん人がいて、自分が動かなくても稼いでくれる人が他にいるので、とりあえず働かなくてもお金がもらえたりするわけです。
まあそうだよね…というのは、話で聞いておいてもわかることではありますが、実際に会社にいって目にしてみると、けっこうな衝撃だったりするかも(管理人はそうだった)。
そして、そういう人がしばしば口にするロジックがあります。
実際に出くわすと、モヤっとするかもしれないので、本記事であらかじめ「ふーん」と思っておけば、あるいは多少マシになるかも?しれません。
働かないおじさんのロジック
そのロジックとは何かというと、「マネジメントは手を出しちゃダメなんだ」というものです。
なるほどたしかに、一見もっともらしく聞こえます。それ自体は、一般論としてもよく耳にします。よくできるプレイヤーほど、マネジメントになったとき、「部下にやらせるより自分がやった方が早い」とかいってやってしまう傾向もあるからですよね。
それでは部下は成長しない。マネジメントの本当のミッションは、自分でやることではなく、人を育てることだ。
だから、マネジメントはむやみに手を出さない方がいい、というか、なるだけ動かない方がいいのだ。
なるほど。でも、「働かないおじさん」みたいな人がこれを言った場合、ちょっとモヤっとしないでしょうか?(笑)。うまいこと誤魔化されている(誤魔化そうとしている)ような気がする、というか。
働かないおじさんとマネジメントの違い
そこで、では、ちゃんとしたマネジメントと、働かないおじさんの違いは何か?というのを、ちょっと考えてみたいと思います。
違いは、たぶん以下のようなところに出るのではないかな、と思います。
こういったところが見られたら、「イヤそれただの働かないオッサンでしょ」とツッコんでおけばいいと思います(そのまま口に出しちゃダメですがw)。
①知識がない(意欲もない)
働かないおじさんの場合、その人自身には、その部署の責任者として持っておくべき知識はないので、コーチングとかはできません。アドバイスやサポートにも回れません。
一方、ちゃんとしたマネジメントであれば、あくまでも「あえて」手を出さないのであって、必要があればサポートに回ったり、アドバイスすることができます。
②人的リソースの適切な配分をしない
働かないおじさんの場合、人的リソースの適切な配分をしません。ひたすら、仕事を捌ける(はける)人に、仕事を振り向け続けます。
なぜかというと、仕事しない人にやらせるのはめんどいからです。やってくれる人に振り続けた方が、マネジメントとしてはラクなわけです。
なので、ものすごく動いている人と、ものすごく動いていない人がいるという、カオスな職場が出来上がります(たぶん、そういう職場ってけっこう多いと思いますが)。
一方、ちゃんとしたマネジメントであれば、ある程度負担の分散を考えつつ仕事を振り分けます。
ただ、この部分については、いざ自分がそうなってみると(マネジメントになってみると)、気持ちは若干わからなくもないです。あまり熱心でない人は、どうやってもあんまり変わらない感じはしないでもないです。まあ、マネジメント的な力不足かもですが。
③上司への報告のときだけ異常に聞きに来る
働かないおじさんの場合、ふだん動いていることが何なのかあんまりよくわかっていないので、いざその上の上司に自分が直接報告する必要が出てきた場合、異様に聞きに来ます。
一方、ちゃんとしたマネジメントであれば、ある程度は案件をモニタリングしているので、なにか話をまとめるときにも一定程度の補足で足ります。
働かないおじさんの行動原理
働かないおじさんの場合、とにかく自分は何もしないことと、仕事がちゃんと動くことを優先するので、上記のような行動になるのだろうと思います。
この2つ、つまり、
- 仕事の回避
- 責任の回避
の2つが、働かないおじさんの行動原理といえます。
でも、働かないおじさんは頭が悪いのではなくて。むしろ頭がいいわけです。報われない努力をやっても仕方がないから(長いこと会社にいて上限が見えている)、労力を削減することによってコストパフォーマンスを上げているわけなので。
上限が決まっている場合、コスパを上げるにはこれが唯一の解となるので、生物として正しい行動をとっているといえます。だから社会にいっぱいいる(いた?)のだろうと思います。
また、時期的に、日本社会の貯蓄があったので、それでやっていけたからというのもあったのかもしれません。
結び
ちょっとディスりすぎたかも?(苦笑)。また、もし不愉快になった方がおられたらすいません。
まあ、働かないおじさんの分布は、保守系大企業に寄っている(と思う)ので、業界によりまた会社により、見なくて済むことも多いだろうとは思います。
ただ、運悪くそういう人に出会ってしまい、「マネジメントは手を出しちゃいけないからさ」といった話を聞いたときに、「ん?」となる人もいる(いた)かもしれないので、そのモヤっと感を解消する一助になれば、と思って書いてみました(笑)。
[注記]
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