反社排除

反社排除法務|暴排条例に違反したらどうなる?勧告・公表・命令から罰則まで解説

今回は、反社排除法務ということで、暴力団排除条例(暴排条例)における違反に対する措置等を見てみたいと思います。

もし利益供与の禁止や名義貸しの禁止に違反してしまったら、どうなるのでしょうか。条例だから法律みたいな重いペナルティはないだろう…と思うかもしれませんが、そうでもありません。ビジネスにおいて大きなダメージとなる公表や、場合によっては刑罰という厳しい措置も用意されています。

本記事は、東京都の暴排条例を例に、違反に対する措置等についてステップ順に解説していきます。

違反時の執行は段階的:都公安委員会による説明・資料要求ののち、勧告・公表、さらに命令と進み、特定の違反には罰則も用意されているというイメージです。公表は実名リスクそのもので、事業レピュテーションに直結します

ではさっそく。なお、引用部分の太字、下線、改行などは管理人によるものです。

メモ

 このカテゴリーでは、インハウスとしての法務経験からピックアップした、管理人の独学や経験の記録を綴っています。
 ネット上の読み物としてざっくばらんに書いており、感覚的な理解を掴むことを目指していますが、書籍などを理解する際の一助になれば幸いです。

警察の報告要求・立入検査(条例26条)

暴排条例違反の疑いがある場合、警察(公安委員会)は事業者や関係者に対して、事実関係の報告や帳簿などの資料の提出を求めることができます。さらに、警察職員が事業所や暴力団事務所などに直接立ち入り、物件の検査や質問をすることも認められています。

報告や立入検査を拒否したり、虚偽の報告をしたりすると、後述する公表という重いペナルティの対象になっています。

▽東京都暴排条例26条

(報告及び立入り)
第二十六条
 公安委員会は、この条例の施行に必要があると認める場合には、この条例の施行に必要な限度において、事業者、規制対象者その他の関係者に対し、報告若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に事業所、暴力団事務所その他の施設に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
 前項の規定による立入検査をする警察職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

勧告(条例27条)

事業者が暴力団への利益供与(条例24条)を行ったり、暴力団員の身分隠しに加担する名義貸し(条例25条)を行ったりしたことが判明した場合、公安委員会は違反者に対して、違反行為をやめるために必要な措置をとるようにという勧告を行います。

勧告は、主に利益供与の禁止名義貸しの禁止に違反した事業者などに対して、東京都公安委員会が行う行政措置です。その内容は、違反行為が繰り返されることを防止するために必要な措置をとるよう求めるものとなります

▽東京都暴排条例27条(※【 】は管理人注)

(勧告)
第二十七条
 公安委員会は、第二十四条又は第二十五条の規定に違反する行為があると認める場合には、当該行為を行った者に対し、第二十四条【=利益供与の禁止】又は第二十五条【=名義貸しの禁止】の規定に違反する行為が行われることを防止するために必要な措置をとるよう勧告をすることができる。

公安委員会が勧告を行うにあたっては、先ほど見たように、事前に事業者や関係者に対して報告や資料の提出を求めたり、警察職員が事業所などに立ち入り検査を行ったりすることがあります。しかし、条例上の勧告の要件は「違反する行為があると認める場合」と規定されているため、警察の調査を待つまでもなく他の証拠等から違反事実がすでに明らかである場合には、必ずしも事前の立ち入り調査などを挟まずに勧告が行われる可能性もあります。

【ポイント】事業者が法人の場合

 事業者が法人の場合、従業員が違反行為をした際に誰が勧告を受けるのかという疑問が生じますが、原則としてはその法人の代表者が勧告の対象となります(条例2条7号で、事業者とは、事業(その準備行為を含む)を行う法人その他の団体または事業を行う場合における個人とされているため)。

 ただし、各支店や営業所がそれぞれの責任と判断で事業を行っており、その事業に関して利益供与違反があったようなケースでは、代表者ではなく支店長や営業所長などの現場の責任者に対して勧告が行われることもあります(東京都暴排条例Q&A〔2022年7月4日版〕【Q14】参照)。たとえば、銀行の支店において、支店長の判断で敷地内の駐車場を暴力団事務所の来客用に貸し出した場合などがこれに該当します。

公表(条例29条)

勧告を受けても無視して再び違反行為(利益供与や名義貸しなど)を行った場合や、警察の報告要求・立入検査を拒否・妨害した場合などには、公安委員会によって企業名や個人名などが公表されます。

現代の社会において、警察から反社と付き合いのある企業として名前を公表されることは、取引先からの契約解除や銀行取引の停止を受けることを意味し、事実上ビジネスが続けられなくなるほどの致命的なダメージとなります(※公表する前には、当事者に意見を述べる機会が与えられます)。

どんな場合に公表されるのか

公安委員会はいきなり社名を公表するわけではありません。基本的には、悪質なケースやルール違反を繰り返したケースが公表の対象となります。

対象となるケースは条例29条1項各号(1号~8号)に規定されています。以下、順に見てみます。

1号:青少年を暴力団事務所へ立ち入らせた場合

これは企業というよりも暴力団員側に向けられた側面が強い規定ですが、正当な理由なく青少年(18歳未満)を暴力団事務所に立ち入らせる行為(条例23条違反)を行い、公安委員会から中止命令や再発防止命令を受けた場合です。青少年の健全な育成を守るための厳しい措置です。

2号:悪質な利益供与(威力利用等)で勧告を受け、1年以内に再び悪質な利益供与を行った場合

事業者が暴力団の威力を利用する目的などで利益供与を行うような、悪質な利益供与(条例24条1項・2項)を行い、公安委員会から勧告を受けたにもかかわらず、そこから起算して1年以内に正当な理由なく再び同じ悪質な違反を繰り返した場合です。

勧告という強い警告を無視したわけですから、当然公表の対象となります。

3号:悪質な利益供与で勧告を受け、1年以内に「タダで」利益供与等を行った場合

2号と同じく悪質な利益供与(威力利用等)で勧告を受けた者が、1年以内に、今度は暴力団の活動を助長する利益供与(条例24条3項・4項)を行った場合です。

ただし、この場合は通常の商取引(正当な対価をもらうもの)で違反した場合ではなく、相当の対償のない利益供与(タダでお金や物品を渡すなど)や、不当に優先的な利益供与を行った悪質なケースに限って公表されます。

4号:一般的な利益供与(助長行為等)で勧告を受け、1年以内に悪質な利益供与を行った場合

暴力団の活動を助長する利益供与(条例24条3項・4項)で勧告を受けた者が、1年以内に、今度はより悪質な、暴力団の威力を利用する目的等の利益供与(条例24条1項・2項)へとエスカレートして違反行為を行った場合です。

5号:一般的な利益供与で勧告を受け、1年以内に再び「タダで」利益供与等を行った場合

暴力団の活動を助長する利益供与で勧告を受けた者が、1年以内に再び同じ助長目的の利益供与を行った場合です。

ここでも3号と同様に、単なる商取引の継続ではなく、相当の対償のない利益供与や、不当に優先的な利益供与を繰り返したケースに絞って公表の対象としています。

6号:名義貸しで勧告を受け、1年以内に再び名義貸しを行った場合

暴力団員が身分を隠すために他人の名義を利用することを知りながら自己の名義を貸す名義貸し(条例25条)で勧告を受けた者が、1年以内に正当な理由なく再び名義貸しを行った場合です。

7号:警察の調査や立入検査を拒否したり、嘘をついたりした場合

利益供与等の疑いに対して公安委員会(警察)から報告や資料の提出を求められたり、立入検査を受けたりした際に、正当な理由なく拒否・妨害・忌避したり、嘘の報告や偽の資料を提出したりした場合です。

行政の調査に協力しない不誠実な態度は、勧告を飛ばして即座に公表の対象となってしまいます。

8号:自主申告(適用除外)で許されたのに裏切った場合

知らずに取引してしまったなど自ら警察に事実を申告して「将来にわたって違反行為を行わない」旨の誓約書を提出し、特別に勧告を免除してもらった(適用除外)にもかかわらず、実はその報告や資料が嘘だったり、誓約を破って再び利益供与や名義貸しを行ってしまった場合です。警察の支援のスタンスを裏切る行為であり、極めて悪質とみなされます。

まとめ

以上につき、条文も確認しておくと、以下のとおりです。

なお、2項では、公表にあたって、青少年の氏名、住居、容貌等が推知されることのないよう必要な配慮をしなければならないと定められています。これは、青少年を暴力団事務所に立ち入らせる行為などで処分が下されるケースを想定した、プライバシー保護のための規定です。

▽東京都暴排条例29条1項・2項

公表の手続と方法

公表という重大な不利益処分を下すにあたっては、行政の手続として、事前にその対象となる事業者に対して意見を述べる機会が与えられます。ここで言い分を聞いてもらえるわけですが、客観的な違反の証拠が揃っていれば、処分を覆すのは困難です。

▽東京都暴排条例29条3項

 公安委員会は、第一項の規定による公表をする場合には、当該公表に係る者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

そして、いざ公表が決まると、その方法は単なる役所の掲示板(公示)にとどまりません。インターネットによる自動送信などの方法を用いて、広く社会に発信されます(施行規則7条)。ネット社会では、一度ウェブ上に公表された情報はあっという間に拡散し、”反社と付き合いのある企業”というデジタルタトゥーとして半永久的に残ってしまうおそれがあります。

▽東京都暴排条例施行規則7条

(公表の方法)
第7条
 条例第29条第1項の規定による公表は、告示及びインターネットによる自動送信により行う。

公表された場合のダメージ

公表されるのは企業名(氏名・名称)や違反の事実などですが、これらが世間に知れ渡ると、企業は次のような連鎖的ダメージを受けることが想定されます。

  • 取引先からの契約一斉解除
    現在、多くの企業が契約書に暴排条項を導入しています。公表された企業は反社関係企業とみなされ、この暴排条項が一斉に発動して、既存の取引先から次々と契約を解除されてしまいます
  • 銀行からの融資引き揚げ
    銀行の取引約定書にも暴排条項が盛り込まれています。公表されると新規の融資が受けられなくなるだけでなく、既存の融資についても期限の利益を喪失し、一括返済を求められるリスクが高まり、資金繰りが一気にショートする危険があります
  • 公共事業からの締め出し
    国や地方自治体の公共工事や入札から指名停止等の処分を受け、参加資格を失います。ちなみに、この指名停止情報も各自治体のウェブサイト等で公表・共有されてしまいます

命令(条例30条)

命令は、刑事罰の一歩手前のペナルティです。

具体的にどのようなケースで命令が発せられるのか、条例30条に定められた3つのパターンを見ていきましょう。

利益供与を繰り返す悪質なケース(防止命令)

先ほど見た公表のうち2号(悪質な利益供与(威力利用等)で勧告を受け、1年以内に再び悪質な利益供与を行った場合)に基づく公表がなされてから1年以内に、懲りずにまた悪質な利益供与(威力利用等)を行った場合、公安委員会は違反行為を防止するために必要な事項を命令(防止命令)することができます(条例30条5項)。

利益供与の禁止違反については「勧告 → 公表 → 命令」という段階を踏むため、いきなり命令が出ることはありません。とはいえ、自社の名前が公表されるという社会的制裁を受けたにもかかわらず、全く反省せずにさらに違反行為を続けるおそれがあると公安委員会が認めた企業に対しては、行政指導の枠を超えて法的拘束力のある命令で強制的にストップをかけるというわけです。

この場合、1年を超えない範囲内で期間を定めて、違反行為を防止するために必要な事項を命じる再発防止命令が出されます。

暴力団排除活動に取り組む人への妨害行為に対するケース(中止命令・防止命令)

都暴排条例では、暴力団との関係を断ち切ろうとする企業や、暴排活動に取り組む市民を暴力団の報復から守るため、彼らに対するつきまといや嫌がらせなどの妨害行為を禁じています(条例21条)。

このような妨害行為が行われている場合、利益供与のパターンのように勧告や公表といった悠長なステップは踏みません。公安委員会は妨害行為を行っている者に対し、即座にその行為をやめるよう命じる中止命令を発令することができます(条例30条1項)。

さらに、妨害行為を行った者が、関係者の生命や身体、財産に危害を加えるような過激な方法で再び妨害行為を行うおそれがある場合には、1年以内の期間を定めて防止命令を発令して封じ込めることができます(同条2項)。

青少年を暴力団事務所へ立ち入らせるケース(中止命令・防止命令)

最後は、青少年(18歳未満)の健全な育成を守るための規定です。

正当な理由なく青少年を暴力団事務所に立ち入らせる行為(条例23条)を行っている者に対しても、妨害行為の場合と同様に、勧告などを飛ばして即座に中止命令が発令されます(条例30条3項)。

そして、さらに違反を繰り返すおそれがある場合には、1年以内の期間を定めて防止命令が出されます(同条4項)。

ちなみに、先ほど見たように、この青少年の立ち入り禁止違反による命令を受けた場合には、公表の対象にもなっています(条例29条1項1号

▽東京都暴排条例30条

(命令)
第三十条
 公安委員会は、第二十一条の規定に違反する行為を行っている者に対し、当該行為を中止することを命じ、又は当該行為が中止されることを確保するために必要な事項を命ずることができる。
 公安委員会は、第二十一条の規定に違反する行為を行った者が、行為者等の生命、身体又は財産に危害を加える方法で同条の規定に違反する行為を行うおそれがあると認める場合には、当該行為を行った者に対し、一年を超えない範囲内で期間を定めて、同条の規定に違反する行為を防止するために必要な事項を命ずることができる。
 公安委員会は、第二十三条の規定に違反する行為を行っている者に対し、当該行為を中止することを命じ、又は当該行為が中止されることを確保するために必要な事項を命ずることができる。
 公安委員会は、第二十三条の規定に違反する行為を行った者が、更に同条の規定に違反する行為を行うおそれがあると認める場合には、当該行為を行った者に対し、一年を超えない範囲内で期間を定めて、同条の規定に違反する行為を防止するために必要な事項を命ずることができる。
 公安委員会は、前条第一項第二号の規定による公表に係る者が、当該公表の日から起算して一年以内に、更に第二十四条第一項又は第二項の規定に違反する行為を行った場合には、当該行為を行った者に対し、一年を超えない範囲内で期間を定めて、同条第一項又は第二項の規定に違反する行為を防止するために必要な事項を命ずることができる。

罰則(刑事罰)(条例33条)

罰則(刑事罰)については、違反行為に対して直ちに刑事罰が科されるケースと、公安委員会からの命令に違反した段階で初めて刑事罰の対象となるケースが定められています。

なお、法人(会社)の従業員が業務に関して違反行為をして罰せられる場合は、その従業員本人だけでなく、法人自体に対しても罰金刑が科せられる両罰規定も設けられています(条例34条)。

1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(1項)

まず、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されるのは、次のようなケースです。

一つ目は、違反行為に対して直ちに刑事罰が科されるケースで、これには、

  • 学校や図書館、児童福祉施設などの周囲200メートル以内の区域で暴力団事務所を新たに開設したり運営したりした場合(条例第22条1項違反)【1号
  • 繁華街(暴力団排除特別強化地域)における用心棒やみかじめ料のやり取り(第25条の3、第25条の4違反)【3号・4号

があります。これらの行為に対しては、事前の命令等を経ることなく直接罰則が適用されます。

二つ目は、暴力団排除活動に取り組む都民や事業者への妨害行為(威迫やつきまとい等)を行い、公安委員会から出された中止命令防止命令(条例30条1項・2項)に違反した場合です(2号)。

三つ目は、事業者が暴力団の威力を利用する目的等の悪質な利益供与を行い、勧告や公表の措置を受けたにもかかわらずさらに違反行為を繰り返し、公安委員会からの防止命令(条例30条5項)に違反した場合です(2号)。

6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(2項)

次に、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されるケースとして、青少年の保護に関する規定があります。

暴力団員が正当な理由なく青少年(18歳未満)を暴力団事務所へ立ち入らせる行為をし、公安委員会からの中止命令防止命令(条例30条3項・4項)に違反した場合には、この罰則が適用されます。

▽東京都暴排条例33条1項2項、34条

(罰則)
第三十三条
 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二十二条第一項の規定に違反して暴力団事務所を開設し、又は運営した者
二 第三十条第一項、第二項又は第五項の規定による命令に違反した者
三 相手方が暴力団員であることの情を知って、第二十五条の三の規定に違反した者
四 第二十五条の四の規定に違反した者
 第三十条第三項又は第四項の規定による命令に違反した者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

(両罰規定)
第三十四条
 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為を行った場合には、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。
 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為について法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

救済措置:自主申告による適用除外(条例28条)

企業の実務対応としても重要性を有するのが、勧告を回避するための適用除外(自主申告)という制度です。

仮に利益供与や名義貸しの違反をしてしまった場合でも、公安委員会から勧告を受ける前に自ら警察へ違反事実を申告し、将来にわたって二度と違反行為をしない旨の「誓約書」を提出した事業者に対しては、勧告が行われない仕組みになっています。

  • 対象となる違反:暴力団の活動を助長する等の利益供与(条例24条第3項)や、名義貸し(条例25条第2項)
  • 条件:自ら違反の事実を報告資料提出し、将来にわたって違反行為を行わないという誓約書を提出すること

たとえば、「過去に暴力団事務所の工事をしてしまった」「相手が暴力団だと後から気づいたけれど、怖くて関係を切れずに利益供与を続けている」と悩んでいる事業者のための救済制度です。

警察は自ら暴力団との関係を断ち切ろうとする企業を支援する立場をとっているため、万が一違反に気づいた際には、事実報告書と関係資料を準備して速やかに警察の暴力団対策窓口へ相談することが、会社を守るための防御策となります。

▽東京都暴排条例28条(※【 】は管理人注)

(適用除外)
第二十八条
 第二十四条第三項又は第二十五条第二項の規定に違反する行為を行った者が、前条の規定により公安委員会が勧告を行う前に、公安委員会に対し、当該行為に係る事実の報告又は資料の提出を行い、かつ、将来にわたってそれぞれ違反する行為の態様に応じて第二十四条第三項又は第二十五条第二項の規定に違反する行為を行わない旨の書面を提出した場合には、前条の規定【=勧告】を適用しない

また別の救済制度になりますが、繁華街(暴力団排除特別強化地域)で用心棒代などを払ってしまった特定営業者が直罰の対象となる場合でも、自首した場合には、刑が減軽・免除される規定(条例33条3項)が用意されています。

▽東京都暴排条例33条3項

 第一項第三号の罪を犯した者が自首した場合には、その刑を減軽し、又は免除することができる。

結び

東京都暴排条例における違反のペナルティは、基本的に勧告 → 公表 → 命令 → 罰則(刑事罰)というステップを踏んで段階的に重くなっていきます。

行政はいきなり企業を罰しようとしているわけではなく、むしろ勧告や自主申告による適用除外の段階で、企業が自浄作用を発揮して反社との関係を断ち切ることを期待しています。

暴排条例は、企業を縛る窮屈なルールではなく、不当な要求を断り、関係を遮断するためのツールとしての側面を有していますので、条例を後ろ盾として活用し、警察や専門家と連携しつつ、クリーンで安全な企業経営を目指していくことが大切です。

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[注記]
本記事を含む一連の勉強記事は、過去の自分に向けて、①自分の独学や経験の記録を見せる、②感覚的な理解を伝えることを優先する、③細かく正確な理解は書物に譲る、ということをコンセプトにした読みものです。ベテランの方が見てなるほどと思うようなことは書かれていないほか、業務上必要であるときなど、正確な内容については別途ご確認ください。また、法改正をはじめとした最新の情報を反映しているとは限りませんので、ご注意ください。

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主要法令等

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関連団体

  • 暴追都民センター(「公益財団法人 暴力団追放運動推進都民センター」)
  • 特防連(「公益社団法人 警視庁管内特殊暴力防止対策連合会」)

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