刑事弁護

箇条整理シリーズ|被疑者国選の要件

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実務や理論を箇条書きで整理する,「箇条整理」シリーズ。

今回は,被疑者国選の要件について。

被疑者国選の要件

被疑者国選の要件は,刑訴法の条文があちこち飛んでいて,読みづらい。

「貧困」の基準額を定める政令が何なのかも,意外と書いていないものが多い。

そこで,以下のとおり整理。

被疑者国選の要件(刑訴37の2)

(1) 死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる事件(刑訴37の2Ⅰ)

(2) 被疑者に対して勾留状が発せられている場合(刑訴37の2Ⅰ)

(3) 被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないとき(刑訴37の2Ⅰ)
① 貧困
資力が50万円未満(刑事訴訟法第三十六条の二の資産及び同法第三十六条の三第一項の基準額を定める政令)

② その他の事由
資力が50万円以上(刑事訴訟法第三十六条の二の資産及び同法第三十六条の三第一項の基準額を定める政令)のとき
✓被疑者から弁護士会への私選弁護人選任申出(刑訴37の3Ⅱ)
✓弁護士会から被疑者及び地裁への不受任通知(刑訴37の3Ⅲ)
が必要。

(4) 被疑者からの選任請求(刑訴37の2Ⅰ)
・選任請求自体は,勾留が請求された時点から行うことができる(刑訴37の2Ⅱ)
※ただし,あくまでも,選任が決定されるのは,勾留決定後になる(∵上記②)
・資力申告書の提出が必要(刑訴37の3Ⅰ)

結び

条文に引用が多いので読みづらいですが,主な条文は,

✓ 実体的要件については,刑訴37の2
✓ 手続的要件については,刑訴37の3
✓ 弁護士会と被疑者間の手続(私選弁護人選任申出制度)については,刑訴31の2

の3つといってよいかと思います。

以上,箇条整理シリーズでした。

※箇条整理シリーズは,一般的な整理方法に沿うように心掛けておりますが,最終的には当ブログ管理人の理解による整理です。専門的・学術的な整理ではありませんし,万人共通の整理でもありませんので,ご注意ください。

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